蜜柑の灯今宵は風邪の子でいたい寝室に、薄明かりをつけて。妻が用意してくれた蜜柑。風邪の身体に、ほのかな甘さとやさしい酸味が広がる。子供の頃、風邪をひくと母が炬燵の上にたっぷりと蜜柑を盛ってくれたものだ。安心する色、穏やかな味。すうっと眠りにつけたのは、風邪薬のおかげではない。 風邪の子になりて見る夢蜜柑色