ぽあろの文芸日記

2001年01月24日(水) 残る雪

   ビルの陰融け残る雪午後三時

冬になり、春が待ち遠しいなと感じる頃になると、
きまって何かを書きたくなる。
俳句、短歌、詩、短編、随筆、日記・・・
言葉を操る喜び、それ以上に
言葉に自分を探られる快感。
うまくいえないがきっとそのような類の何かが
自分の冷えた身体をほぐしてくれるのだろう。

先週末の雪が、水曜日になっても残っていた。
会社のあるビルの陰。
踏みしめてみると、あの雪の夜と変わらぬ感触。
でもそこには感動はなく。
変われずにいることへの寂しさが漂うように思えた。

夕刻、懐かしい人が訪ねてきた。
昔とちっとも変わらないね、と嬉しそうに言う。
言われてふと、あの雪を思い出す。
思えばあの午後三時、太陽も雲も人も
ぼんやりしてしまうあの刻に、
きっぱりと白いままで。

成長はしたい。でも変わらない部分を持っていたい、
それも、きっぱりと。

   残雪に我が体重の痕のこし


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