ケイケイの映画日記
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2010年03月01日(月) |
「スティング」(午前十時の映画祭) |
私の大好きな大好きな大好きな大好きな(もうええか)、ジョージ・ロイ・ヒルの作品。ついでに書くと、私が男優で一番好きなのが、この作品の主演のポール・ニューマンです。中年以降もとても素敵でしたが、若かりし頃の吸いこまれそうな青い瞳は本当に素敵で、20世紀イチの美男子俳優は、私はドロンじゃなくてニューマンだと思っています。大毎地下で「追憶」と二本立てで観ています。確かレッドフォード特集だったかな?とにかく初見の時は面白くて大興奮してしまった作品で、私の大好きな作品です。1973年度アカデミー賞、作品・監督・脚本など、7部門受賞作。
1930年代のシカゴ。若いフッカー(ロバート・レッドフォード)は、三人組で詐欺を働いていました。しかし知らずにNYの大物ロネガン(ロバート・ショウ)の手下の金を巻き上げてしまい、仲間の一人でフッカーを一人前にしてくれたルーサーが殺されてしまいます。復讐を誓うフッカーは、生前ルーサーが紹介してくれた名うての詐欺師ヘンリー(ポール・ニューマン)を訪ねます。
そりゃあもう、これで脚本賞(デヴィッド・S・ウォード)が取れなきゃ、どんな作品が取るんだ?と言うほど、二転三転するストーリーは本当に面白い!テンポも速からず遅からず、知性もユーモアも風格もたっぷりなんですよ〜。
当時レッドフォードは上昇気流まっしぐらのスター俳優で年齢は30代後半。観た時は私が若過ぎて、フッカーは全然青二才には見えなかったんですが、今回確かに若さを確認して納得。いえね、テレビ放送時、吹替えが柴田恭平だったわけなんですが、ワタクシ当時ものすごーく腹が立ちまして。当時の柴田恭平は本当に若造で、何でレッドフォードがこいつなんだよ!くらい憤慨しておったのですが、役柄的には合っていたわけです。(声は合ってません)。
私が大好きなニューマンは当時50歳前で男性として渋さ満開の時です。今回再見してみて、一番印象に残ったセリフは、「俺は復讐のために詐欺をしたことはない」でした。若い頃は単純にフッカーの心意気に共鳴しての協力だったと記憶していましたが、そうではなく、相手が超大物のロネガンだったからなんですね。この大仕事をやってのけたいという、詐欺師の性が、あちこちに感じられるのです。今は堅気の仕事をしている連中の嬉々とした仕事ぶりにも、雀百までだなぁとクスクス。「相手がペテンにかけられたとわかっちゃいけない」というセリフも印象的。詐欺師道があるんだわ。
サリーノのプロットは、人間の固定観念を上手く利用してるんだなぁと痛感。その他、何でこの人がニューマンの愛人役なの?と不満だったアイリーン・ブレナンの、年増女の包容力と心意気を今回は感じて、とっても納得。ルーサーが黒人だという点も効いていて、その他あれもこれも、今回は興奮せずに味わい深く楽しみました。
ホントにホントに面白い作品です。USJの街並みは、多分「スティング」から引用してると思われます。美術も衣装もしっかり作り込んであるのも今回再確認。お馴染のテーマ「テンターティナー」と共に、どうぞご覧になって下さい。
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