ケイケイの映画日記
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2009年10月19日(月) 「悪夢のエレベーター」




タレント兼バラエティーの放送作家の、堀部圭亮の初監督作品。実は「アフタースクール」系の、後で色々わかります的ドンデン返し作品です。なのでちょっとだけしか書けません。堀部監督、なかなかの出来で頑張ってます。

マンションのエレベーターに突然閉じ込められてしまった男女四人。出所したばかりのコソ泥(内野聖陽)、ジャージ姿のマンション住人(モト冬樹)、イケメンの青年(斎藤工)、そしてゴスロリ少女(佐津川愛美)。彼らはエレベーターから脱出出来るのか?

「アフタースクール」系以外は、もう何も予備知識なく観ました。コメディだと思っていたので、冒頭の内野聖陽の人生ドン詰まり感満載の独白に???。そこから一転、場面はエレベーターに。

確かにブラックコメディでした。「アフタースクール」のように、綿密に練り上げたのとは違い、あちこち無理がありましたが、まぁこのくらいは許容範囲かな?とある職業が重要なポイントなんですが、幾らなんでもこれほど杜撰じゃないだろうと思いますが、この職業の胡散臭さがある程度は払拭してくれますから。ただところどころ、伏線は散りばめていますが、全部がピッタリというわけではありません。その辺はオチも含めて「SAW」の方が近いかも。

仮面の下に見え隠れする真実が、切ないです。モト冬樹の表情が良かったなぁ。佐津川愛美の熱演&怪演も愉快。斎藤工のハンサムぶりも見どころかな?何故かポスターを観た時、私は内野聖陽を寺島進だと思い込んでおりました。この衣装、寺島進に似合いそうでしょ?暑苦しさを逆手に取ったプロットもあり、演技は確かな人なんだと再確認。

しかし他のキャストの背景がわかりやすいのに、この人だけ何でここにいて、こんなことしてんの?が、あまりわからないので、独白もイマイチ凄味と孤独感が足りませんでした。

管理人で不快感を増したり、コメディっぽさで笑いをとったり、生の大切さを教えたり、人生の不条理感を出したり、ホラー色満開のオチにしたりとてんこ盛りなのに、それなりに上手く整理はついています。しかしあれもこれもと、手を広げ過ぎた分、全部が小さくまとまった感がありました。私は変にドラマ的深みを求めず、不条理で押し通した方がもっと面白かったと思います。

とはいえ、監督第一作でこの出来は、今後相当期待出来ます。あんまり満点のスタートダッシュより、少々粗がある方が初々しいというものです。堀部監督、次も観るから頑張ってね!


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