ケイケイの映画日記
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2005年04月26日(火) 再び「阿修羅城の瞳」(ネタバレ冷静編)


この染様、ちょっと雷蔵様にも似てません?まっ「市川」つながりですから。「バッド・エデュケーション」も「海を飛ぶ夢」も「シャル・ウイ・ダンス」もそっちのけ、「阿修羅〜」の2回目を鑑賞せねば、明日へは進めん!ということで、今日2回目鑑賞してきました。これではっきりしたのですな、染五郎萌えであるということが。出門ももちろんいいんですけど。でもお客さんすっくなーい!ラインシネマのスクリーンも微妙に小さい方に移っておった。だいたいミナミ地区での上映が角座でなく小さいパラダイススクエアというのが、卑しくも松竹110周年記念作品というのにどういう了見?愛がないのよ、愛が。宣伝が悪いのではなかろうか?あたしなんか今日は2回も泣いちゃったのに(←泣く人は普通いません)。

今回観ると色々?が湧き、前回冒頭から萌えが始まったことが発覚致しました。前の感想文で「カーテン越しに出門さまが」などどデタラメをのたもうておりましたが、あれはお着物がいっぱい吊るしてあったのでした。お声がしただけでドキドキしてたんでしょう、うんうん。どうせ時代考証なんかへの河童の作品と、高をくくっていた己を反省。いや別に大した時代考証でもないですが。

花魁役の土屋久美子、中村座で舞台を見ている姿はなかなか美しいですが、花魁姿はあんまり。花魁て客も選べる女郎さんの最高ランクでしょ?当代一の歌舞伎役者が贔屓にする女郎さんは、もっと綺麗でなきゃ。それかもっと歯切れよく喋れる演技力のある人が良かったかと思います。寺島しのぶとか(絶対引き受けません)。

歯切れよくと言えば、渡部篤郎。台詞回しが舌足らずなのは、時代劇では致命的。彼は実力があるのに、絶対一番になれない男の哀しさや怨念を表現するのは上手い人ですが、この作品のかぶきっぷりはちょっといただけません。槍を片手に殺陣も頑張っていたのですが、彼はこの役にあわなかったようです。それと出門へのメラメラの執着がどこから来るのか疑問。これは「鬼御門」時代に何か匂わせるシーンを挿入することで、クリア出来たのではないでしょうか?

他にはつばきが阿修羅に変身後、何がどうのように強くなったのか、これまた?。あれでは巨大になっただけです。邪空を蘇らせていましたが、あれは美惨だってやってたし。僕の鬼たちがどう変化したかも描かれていません。

出門VS阿修羅の場面は美術がちゃっちいです。どこかのテーマパークのアトラクションにあるような安もんの感じ。私は潰れたフェスティバルゲートの「洞窟探検」みたいなアトラクションを思い出しました。それにやっぱりなぁ、染様とりえちゃんでは立ち回りの実力が違い過ぎるのに、互角に戦うってのはどうかと。飛んだり跳ねたり工夫してましたが。そう思うとマギー・チャンやチャン・ツィイーは剣さばき上手ですね。

以上冷静な感想ですが、それでも私はノープロブレム。ちょっと脱力するところもありますが、恋すると鬼になるつばきの哀しさ、出門の指から出る運命の赤い糸、地獄に落ちてもの二人の心情はよく描けていたと思います。

しっかしなぁ、私は染五郎は嫌いだったんです。まず髭剃りあとが青いのがいや。時代劇だとドーラン濃いのでわからないのね。それと隠し子騒動。どんなに遊んでもいいけど、身分違いだかなんだか知りませんが、一旦結婚すりゃええだろうと、梨園の体質もいやでした。極めつけは寺島しのぶとの一件。私は彼女はすっごいご贔屓です。よってほとんど「敵」みたいに思っていたのに。とにかく江戸前の粋が炸裂、存分に歌舞伎役者の底力を見せられちゃぁね。この作品の出門は、彼にとっては極めつけの当たり役なのでしょう。

私は男性の目は絶対一重派、それでノーブルな感じの端正な顔が好きなので、それも染様はクリア。そういえば去年「スキャンダル」を観たとき、一瞬ヨン様にも萌えました。でも私の好きなのは、あの映画のスケベヨン様だったので、あっという間に「微笑みの貴公子」の戻ったので、私のパッションも沈下。だいたい私は男性はたんぱく質は植物性で取り、血が薄そうでテンション低く、毒にも薬にもならない誠実だけが取りえみたいな人が昔から好みでした。要するにフェロモンが全然欠如しているのが好みだったのですが、30歳頃から実はむっつりスケベというのが好みにプラスされ、もっと年がいった今では目で妊娠させるような男もOK。この年になると女性ホルモンの分泌は著しく低下、忍び寄る更年期に恐れつつある今、萌えはバカ高いクリームやサプリメントより、よっぽどホルモン活性化に役立つと思われ。誰に迷惑をかけるわけでもないのだから、年にいっぺんくらい発情せにゃ。もう一度観に行こうっと。


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