ケイケイの映画日記
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2005年04月27日(水) |
「ハイド・アンド・シーク 暗闇のかくれんぼ」 |
画像はいつもの愛らしさから打って変わったハリウッドのチャイルド大女優ダコタ・ファンニングちゃん。目の下にクマを作り、生気なく不気味な様子はやはり演技派、今回も子供とは思えぬ好演でした。父親役はロバート・デニーロ。最近でこそ普通の俳優になった感がありますが、かつてはハリウッドの若手俳優からこぞってリスペクトを受けたカリスマ俳優です。そんな二人が共演のホラーなんですから、期待しますよね?ところがもうええかげんにして!系の、十羽一からげのハリウッド量産型サスペンススリラーでした。
心理学者デビッド(ロバート・デニーロ)は、妻(エイミー・アービング)が自殺したのち、心を閉ざした娘のエミリー(ダコタ・ファニング)の療養を兼ね、郊外に引っ越します。しかしデビッドが友達を見つけて家に招いても一向に心を開かないエミリー。いつしか彼女は空想のチャーリーという少年と遊ぶようになります。心配するデビッドですが、やがて彼の家では、奇怪なことが起こり始めます。
いやもう何というか。今日び2時間ドラマでももう少しまし。ラスト15分のことは絶対話さないで下さいって、話1/3で結末がわかります。伏線を一応張っているのですが、妻の秘密などもっと引っ張ってもいいのに、見せ方が悪いのでしょっぱなの映像でわかります。「チャーリー」の存在を謎にして恐怖を煽らなければならないのに、「チャーリー」に見せかけたい人物より、本当の「チャーリー」の方が何倍も挙動不審なので、もうバレバレ。他の伏線も、伏線が伏線のまま墓場まで持ち逃げ。筋がバレバレなのでとにかく観ていてしんどいです。盛り上げるはずの恐怖場面も、ゆるゆるぬるぬるなので、ちっともドキッとせず。猫のような不吉で使えるアイテムも、出がらしのお茶状態です。
しょっぱなエイミー・アービングのあまりの老け様にびっくり。年恰好からしたらデ・ニーロと合うので、高齢者カップルが孫のような子供を授かったことに秘密があるのかと深読みしてしまいました(予想×)。エリザベス・シューの役どころは離婚直後で、デビッドの家に招かれてミニで胸の谷間見せまくりのワンピースを着ているのに、不思議と清潔なのは彼女の持ち味なのでしょう、綺麗でした。でもシューみたいな人を持ってきても仕方のない役です。ファムケ・ヤンセンは同じ心理学者で、むかーしむかーし、太ももでボンドを圧迫死させようとしたゼニヤ・オナトップとは別人の、知的で行動的な役で、頑張ってんなぁと思いました。保安官のディラン・ベイカーは、私は第二のウィリアム・H・メイシーだと期待している人。これまた見せ場なかったなぁ。余談ですが、私はトッド・ソロンズ作品「ハピネス」のショタコンおじさんの彼が印象深いです。
昨年某人気俳優の同じ手合いの作品は、ゆるゆるでも彼の魅力で損をした気になりませんでしたが、この作品は本当に無駄に時間とお金を使ってしまった。デ・ニーロって本当に普通の俳優になってしまいました。その昔は彼の出演作ははずれなしだったのですが、今は脚本選べや状態。ダコタちゃんは、ゴスロリ風?ファッションも見せ、取り合えず出ずっぱりです。彼女の演技は○でした。個人的に上半期ワースト作品候補です。誰にもお勧めしませんが、これは私の感想。この作品を観て良かった方、どうぞお許しを。
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