ケイケイの映画日記
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キャー、素敵すてき!2/1の映画の日に観て来ました。実は「レイクサイド・マーダーケース」を観る予定だったのが、前日末っ子が熱を出し、もし学校から呼び出されてもすぐ迎えに行けるよう、近所のラインシネマで上映中のこちらに変更しました。こうやって心を砕いて育てても、子供っちゅうのは大人になると、一人で大きくなったような顔するのだ。
などど言うことはさて置き。ご存知アンドリュー・ロイド・ウェーバー作曲の不朽のミュージカル作品の映画化です。華やかに賑わうパリ・オペラ座では、奇怪な事件が頻繁に起こっていました。それはオペラ座に棲みつくファントムが、幼い時から歌を教えてきた、コーラスガールのクリスティーヌをプリマにしたいためでした。期待に応えたクリスティーヌは、主演のオペラで大成功を収めます。しかし彼女は、幼馴染のラウルと恋仲に。怒ったファントムは彼女を取り戻そうと、やがて殺人まで手を染めます。
冒頭廃墟と化したオペラ座でオークションが開かれます。当時の惨劇を知るシャンデリアが紹介されるや、モノクロ画面が鮮やかにカラーになり、栄華を極めたオペラ座の全容が映し出されるや、私の心も一気に華やいで映画の中に。監督のジョエル・シューマカーは、ジャンルは何でもありで作る人で、作品の出来も開けてみないとわからないと言う、まさに宝くじ感覚の監督です。しかしこのシーンでその不安も払拭されました。
主演のファントムにジェラルド・バトラー、クリスティーヌにエミー・ロッサム、ラウルにパトリック・ウィルソンと、いささか知名度と華に欠けるキャストだと危惧していましたが、もう全然そんなことはありません!プリマのカルロッタ役ミニー・ドライヴァー以外は、キャスト全てが吹替えなしで歌っているそうで、その点重視のキャスティングと思われますが、大作としては大きな賭けだったでしょうが、知名度の低さが返って新鮮に感じ、若々しさが格調は高いのに、良い意味で重厚感を薄くさせてくれ、私のように舞台やミュージカルに疎い者にとっつき易くさせていました。
バトラーが艶っぽくてセクシーで、もぉ〜。(デレデレ)ただファントムの仮面は顔1/3を覆うくらいで、取った時の絶望感が少し希薄だったように思います。確かに残酷な容貌なのですが、クリスティーヌならずとも、そんなに越えにくい壁には感じませんでした。水もしたたる男ぶりが、返って仇になったかも。酷評されている彼の歌唱力ですが、私は素直に上手だったと思います。
ロッサムは撮影当時17才だったそうで、美貌なら彼女以上の人がいたでしょうが、歌唱力と類稀な清らかさで期待に応え、彼女以外クリスティーヌはいないと思わせます。ラブシーンも大人のファントムとは官能的に、同世代のラウルとはみずみずしくと、演じわけもちゃんと出来ていました。
ウィルソンはこの作品で初めて名前も顔も知りました。最初はもうちょっとハンサムでも良いかなぁと、印象に薄かったのですが、クリスティーヌを愛する気持ちが清々しく伝わり、好感を持ちました。バトラーと彼女をめぐって剣で戦うのですが、昔の殿方って女のために命を賭けるのね〜素敵だわ〜と、私などうっとりしてしまいました。
主役と同じくらい気に入ったのがミニー・ドライヴァーです。プリマってこうよねーと言う感じの、華やかですがわがままで意地悪。劇中のオペラシーンでのコミカルなコントのような様子に、「観客はこういうのを好むのだ。」と支配人が語るのですが、まさに観客が好む俗っぽさを体現していたのが彼女。庶民的でチャーミングですが美人ではないドライヴァーが、当代一と謳われるプリマを演じて、ユーモラスで貫禄たっぷりでした。
豪華絢爛、美術に歌に衣装に演出に酔いしいれ、2時間20分堪能出来ます。三人三様の葛藤も少々底が浅いけど、それまで深かったら、胃にもたれて食傷気味になってしまいます。舞台も観に行きたいのですが、如何せんお金が問題。一つ観に行ったら、その月は映画がなしになってしまいます。ミュージカルや舞台に詳しい方は、少々物足らないかもしれませんが、映画と言う大衆目線にあった作品だと思いました。日を開けて、もう一度観たいと思います。
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