♀つきなみ♀日記
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2005年03月30日(水) |
サークルK ベネトンと提携 // 「ブランド」ってなんやねん? |
吉野山 梢の花を見し日より 心は身にもそはずなりにき(西行法師・新古今和歌集)
ってことで、前回に引き続き桜に関わる、片思いの師匠西行さまの歌なんだけど、昨日すっごく尊敬させて(勝手にですが)頂いてるこちらからリンクを頂いたり、以前から大ファンだったある方が読んでくださった事が判って舞い上がってるつきなみ♀です。って、なんか私、いつのまにか「喧嘩師」みたいな印象を持たれてるみたいなんだけど、実物カワイイ女の子ですよん(一部虚言)
なにせプロフにも書いているけど、人生の目標は
『愛するだんなさまに「もう、バカなんだから」って、頭をコツンと殴られて、 「えへっ」って可愛く舌をだしてはにかむ、真っ白いレースのはだかエプロンが似合う、奥しゃま』
ってぐらいなもんで<=おいおい!
それはともかく
サークルK ベネトンと提携 オリジナル商品販売へ(Yahoo news 3月30日10時30分) http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050330-00000013-maip-bus_all
ってことなんだけど、提携自体に異論はない。ただ、TVや新聞の報道がむちゃくちゃなんだよね。
第一の問題点は、ベネトンをアパレルファッションブランドだと思い込んでいる。
今や経済を扱うお笑い番組として評価が定着しているTV東京のWBSに至っては、LVMH(モエ ヘネシー・ルイヴィトングループ)なんかと同業のように扱って、「青山の出店以来快進撃が」とか「有名ブランドアパレルとコンビニのコラボレーション、斬新で将来は増えるんでしょうね」なんて、大笑いなコメントをやっていた。
誤解が無い様に最初に断っておくと、ベネトンの戦略は事業としては成功例だし、今やアウトドアの老舗にして品質にも定評のある「ノルディカ」、インラインスケートの代名詞、「ローラーブレード社」、テニスラケットメーカー、「プリンス」を買収した。91年オーストリアのスキーメーカー、 ケスレー等を買収して、欧州型M&Aを性交もとい成功させた一大グループであることにもまったく異論はない。
ただベネトンの戦略は、はっきり言えば、ライセンスビジネスとフランチャイズを組み合わせて、他人の屍の上で巨大化した企業であって、日本においても、最初西武(セゾン)グループとの包括マスター契約によって、主力であるアパレルまで、西武系列のリンツという会社に丸投げし、大都市の西武系百貨店やテナントビル、西友のインショップとして無茶苦茶な店舗数を設置し、そのショップに商品が置けることを出汁にして、法外なミニマムロイヤリティー(最低保障契約)をサブラセンシーと結んで、各社に膨大な広告協賛金を課したばかりではなく、一挙に増えた店舗を背景に、今度は、中小都市では専売店(ベネトンオンリーショップ)をこれまた、とんでもない高額で契約し、そしてブランドが日本に浸透した頃、売り上げ予定未達成を理由に、それまで各企業や商店に、膨大な投資を強いた契約をほとんど破棄し、ジャパン法人で、まったく新しいライセンス契約と販路を独自の手法でやって、現在に至っている。
最初に売り上げを伸ばしたのは、先染め毛糸が当たり前だったセーターを後染めして、卸が当たり前だったアパレルで、直営店で販売したことがきっかけだから、ある意味、フリースで一躍話題になったユニクロは、ベネトンの二番煎じでもあるんだよね。
元せも、元々、明るい独自のカラーは、同じイタリア企業であるフィオリッチ社のイメージが先行していたのだけど、お人よしのエリオ・フィオリッチから、デザインコンセプトの供給を受け、またその友人であった高名な写真家の作品を(敢えて名前を伏せます)広告の写真として使用して、全世界に話題を振りき知名度を確立した。
ご存知の方も多いと思うけど、自動車レースの最高峰F1には、1986年から2001年までスポンサーとして参加して、人気の陰りとともにルノーに売却したのに、今でもベネトンライセンスとは別に「ベネトンF1」ベネトンフォーミュラー1」と言う商標で実体の無いライセンスビジネスも継続していて、ブランド音痴な日本企業は、実態の無いベネトンFIに高額のライセンス料を払い、未だに新規契約をする企業が跡を経たない。
そしてベネトンは、ライセンス先にデザイン供給契約はほとんど結んでいなくて、アプルーバル(商品デザイン&品質確認)も行うのは一部だけだ。早い話、ブランド使用料が契約の骨子で、ベネトンブランドが付いていても、ベネトンがデザインするわけじゃないんだよね。ベネトンカラーは単純なんで、それさえ帯にして、パッケージングしてロゴを張れば、何でもベネトン商品に見える。コンビニやマツキヨで一時いっぱい並んでいたベネトンコンドームみたいに。ってこれだって、使えば、肌がベネトンカラーに染まるほど気持ちいいなんてことは全然なくて(当たり前)スキンレスの岡本がライセンシーとして作っているだけだ。
海外ブランドは、LVMHがカバンを含む服飾部門売り上げで6割、利益では8割を日本で稼ぎ出したことは記憶に新しいけど、商品の選択を、ほとんどカタログ化されたファッション誌やTVや雑誌からの情報を鵜呑みにして、品質と価格のバランスを考えもしないで購入する、消費者に支えられている。
そんな中で、経済に一番強いはずの日経系列のTV東京の番組が、まったくベネトンの本質、あるいはいつも思うんだけどライセンスビジネスに知識が無いのは、お笑いと言うよりここまでくると悲劇だ。つか、日経PB社の書籍にもこの部分は共通で、ライセンスに限らず、記者さん達は、有名大学出身で机上の知識は凄いんだろうけど、実務経験者は皆無なんで、ほとんどプレスリリースの丸写しと、それぞれの企業から顧問料をぼったくっているエコノミストや、本来は利害関係者であるはずの、銀行や証券会社や投資会社の社員のコメントと、記者自身の思い込みの記事が大半を占める。
ベネトンのサイトを開くと誇らしげに「メガショップ」と言う、耳に新しい言葉が並ぶ。しかしこれは1965年のベネトン起業以前からフィオリッチが使っていた名称で、4年前、高齢となったエリオ・フィオリッチが、ミラノの最後「フィオリッチ・メガストア」を閉鎖したあと、何の権利譲渡も経ずに、ベネトンが使用し始めた。
確かに企業としてはベネトンはすばらしい成功例だ。しかし、ブランドのネームだけに躍らせられる日本のブランド信者、そしてFCという名の専売店や、ライセンスビジネスに疎い企業から、これ以上ぼったくるのはそろそろ控えめには、してほしいなぁなんて。
ってことで、またね。
テキスト庵
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