幼いころ、なんとなくだけれども、父は阪神ファン、母は巨人ファンだと知っていた。 ただ幸運なことに、二人ともそれほど熱狂的なプロ野球ファンではなかったし、ワタシは非常に女の子らしく野球に全く興味がなかったから、父と母が相反するライバルチームを応援していても、気持ち「寒い家庭だな〜」と思う程度で、それ以上でもそれ以下でもなかった。
しかし、中高生ともなると周囲にプロ野球ファンがいたりして、友達の話題についていけなくなる。そんなわけで、にわかにプロ野球を見るようになる。食卓の話題にワタシからすすんでプロ野球をのぼせるようになる。そこではじめて気づく。 父は阪神ファンなだけでない。どうやらアンチ巨人らしい。
…そして、こうゆう家庭の事情は、微妙に子供に影響を及ぼすようだ(笑)。 平和主義なワタシはとりあえず(←ここがポイント)、そのころイケイケだった黄金期のスワローズを応援するようになった。 そして自分の身を守るには、野球よりサッカーのほうが良いと気づき、当時はじまったばかりのJリーグのサポーター街道を突き進むことになる。
その後、受験の間にJリーグの熱からは冷めてしまい、大学になると友人に誘われて野球を見に行ったりするようになる。 そうなると大阪という土地柄と判官贔屓の気性があいまって、どっちかというと阪神ファンにかぶれたりする。
しかし、幼いころからの刷り込みは、どうやらプチトラウマになっているらしく、ワタシの精神の深いところで「阪神ファンになってはならない」という自制が働く。 そしてワタシは、チームのファンでなく選手を応援するようになる。 「阪神が好きなわけじゃなくて、矢野が好きなの」 これは、自分に対する言い訳というより母に対する言い訳である(笑)。 その転換法はいまだに続いている。 そんなわけで、今のワタシは川上憲伸ファンである(いや、彼に関してはドラフト時から応援してるし)。
ま、ワタシのトラウマはどうでもよいのだが、今日気づいた新事実がある。
今年は、阪神がヤケに調子が良い。 といっても、野村監督のころからここ数年、あたまの2〜3ヶ月は比較的調子が良いから、これで優勝一直線というのは、調子に乗りすぎ。 今は貯金があるけれど、過去を見れば10連敗ぐらいすぐ出来るし、そしたら一気にBクラス落ちだもんね。 しかし、阪神が勝っていると機嫌の良くなる人が周りに多いので、ワタシとしては有難い。言うまでもないが父も例外ではない。
そんでもって、巨人がヤケに調子が悪い。 故障者が続出してるわけだけど、ベストメンバーがあれだけ不在でもほぼ勝率5割なんだから、治れば無敵だろうに。 オールスター以降はベストで望めそうだし、ここ数年毎年優勝争いしてるんだし、たまにはいいじゃん…と思うんだが、そう簡単には割り切れないらしい。5月入ってからの母の機嫌は最悪である。
そして今日、阪神が久々に負けましたね。 プロ野球ニュースを見ながら父は言った。 「おお、最後2点入れたか。まだ(負けるにしても)マシやな」 そして母は呟いた。 「このまま、阪神本来の姿に戻れ」
どうやらうちは、アンチ巨人とアンチ阪神の家庭らしい。 ………寒すぎます(血涙)。
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