とにかく走れ!

2003年05月27日(火) 三谷幸喜「オケピ!」

ものすごく面白かった。

ワタシにとってミュージカルとは、基本的に不自然さを楽しむものだと思っていたけれど(暴言)、三谷ミュージカルはストレートプレイの中に音楽が馴染んでいるカンジ。

たとえば『キャッツ』の「メモリー」のように、万人が認める「これぞ名曲」と主張するようなメロディーはないかもしれない。
けれども、誰もが生活している中でふと口ずさんだり鼻歌を歌ったりしているように、本当に自然に芝居の中に音楽とダンスが存在している。
M10のチェロ(瀬戸)ピアノ(小日向)サックス(相島)ドラム(温水)による「気になって気になって演奏どころじゃない」がまさにそれ。しょーもないコトに節をつけて口ずさむなんてことは誰でもやってると思うけど(ワタシだけ?)、それを大まじめに曲に仕上げてしまうところが、三谷幸喜(笑)。
それとは対照的に、気持ちの高ぶりとともに歌い上げられるテーマ曲というのももちろんあって、それは音楽的にもかなり素敵。
M7の小橋賢児君の「オーボエの理想と現実」は、彼の生真面目さ一生懸命さもかぶってきてかなりCuteで印象的。M16の布施明さんの「オーボエ奏者の特別な一日」は、これ一曲でこの芝居全体が引き締まる感があり、さすが。

そして、やはりキャスティングが絶妙。
役者の変身を楽しむのではなくて、役者の持っているイメージを最大限に活かしているとゆーのか。小日向さんなんて、そこに居て立ってるだけでもう面白い。白井さんも、意図してではなく素のままで真面目に演じれば演じるほどおかしみを感じる。
三谷幸喜さんは、基本的に当書きするらしいけれど、本当にどの人も代役が成り立たないと思わせる。
ストーリーはなぞっているとはいえ、初演時の真田・松コンビとは全く違うイメージのコンダクターとハーピストの物語になっていることだろう。

そうそう最後に。
布施明さんと天海祐希さん、そして川平慈英さんはキャリアが違う。彼ら3人が、芝居全体をミュージカルとして引き締めていました。
バリウマです!!


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REK [MAIL]