タモリの見る夢
増刊号 / 昨日のゲストからのご紹介 / 明日も来てくれるかな
チャーハンが好き。
シャンコバちゃんはチャーハンが大好きなのでございます。美味しいラーメンのお店でも並んでまで食べようとは思いませんが、チャーハンが美味しい店と聞きますと都内なら八王子あたりまではすっ飛んでいくのでございます。
先日、バイト2人と話していると、近くに美味しいチャーハンを出すお店があるというのです。
「ただ、ラーメンが激マズなんすよ」
「怒りのあまり割り箸をへし折るくらいマズイんすよ」
チャーハンの美味しい店というのはラーメンも美味しいというのがボクの持論でございまして、そんな店があるワケがない、と言うと、
「いや、マジっす。お湯に醤油入れてるだけっす。多分、あのオヤジはダシ取るとか知らないっす」
とあまりに力説するので行って参りました。いやがるバイト2人を引きずって。
道中、行ったコトのあるヤツが、
「パルプンテをくらったような店なんす」 「ラーメン屋なのにラーメン注文すると空気が止まるんすよ」 と事前情報を教えてくれるのでますます盛り上がります。
ほどなく店に近づくと白い看板が見えました。ラーメン・定食と大きく書かれた上に小さい文字で「鳥よし」。ラーメン屋なのに「鳥よし」。「名物! 温泉ら〜めん(おいしいよ!)」とホワイトボードに書かれております。 温泉ラーメン。温泉の成分が入った、もしくは硫黄のニオイがするラーメンなのでしょうか。サンプルのラーメンがホコリで真っ黒でして、いやがうえにも期待が高まります。
意を決して店内に入ると「いらっしゃい」とも言わずに一瞥をくれるオヤジ。奥に新聞を読みながらビールを飲んでるオッサンが1人。
カウンター席で7席。あきらかに潰れたスナックを利用したカウンター席でして、壁はイタリアンレストランを絶対に思わせない赤いギンガムチェックの壁紙でございます。
「何にします?」
とボクたち3人を値踏みをしながら訊くオヤジ。すでにバイト2人は涙目です。 そのうちの1人が、「ちゃ、チャーハ…」と発した声を遮って、
「温泉ラーメン3つ」
ボクは大きな声で注文しました。
空気が止まりました。「世界(ザ・ワールド)」が発動されたのかと思うくらい時が止まりました。
「お、温泉ラーメンね? 3つね?」
とクドイくらいに念を押されたので、「ええ、3つ」と3本の指をオヤジにつき立ててオーダーしました。 ビールを飲んでいたオッサンが、「え? 注文しちゃうの? ホントに注文しちゃうの?」と目を丸くしながらコチラを向きました。持っていた新聞が小刻みに震えておりました。
そこからはオヤジが大奮闘でございます。鍋にお湯を沸かし、スーパーで買い置きしてあるっぽいビニールから麺を3玉出し始めました。
「…3人前なんて…やったこと…くそっ…」
とブツブツつぶやきながらチャーシューらしきモノを切ったりペットボトルに入った黒い液体をドンブリに目分量で入れております。
ボクたち3人はこの後、ドキドキしながら永い時を待つことになるのでございます。
続く
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web拍手返信 :いや、無断欠勤はボクが理由じゃないと思いますよ。というか思いたいのですよ、バニラさん。職場ではあきらかに犯人扱いです。あと、毎日更新は無理です。出社したらちゃんと仕事してください。こんなトコ見ないで。
:もちろんsayokoさんのお望み通りの格好でお会いしたいと思います。が、ハム太郎は抱かずに咥えようかと思案している最中です。(←鬼畜)
:バルザックて。すごいコトをさらっと言いますねハルシオンさん。深窓の令嬢はフランス文学に堪能なのですね。ボクも頑張って読んでみます。イソップ寓話から。
:ジャン鶴は強かったですよきちのすけさん。当時最強説の一翼でしたから。きちのすけさんにボクのジャン鶴のモノマネを見せたいです。ヒドイと評判なんです。
:うさべーさん、やはりストッキングは「穿く」のではなく、「被る」、が正解ですよね。ボクの場合、被っていても美しさを隠し切れないのが悩みの種なんです。
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