30歳までの Count Down
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午前中、葬儀屋が来て湯灌した。 じいちゃんを棺桶に納めるとき、 じいちゃんがよく身に付けていた背広と 帽子とマフラーを一緒に入れてあげた。 ばあちゃんが最初に花を入れていたけど、 その光景を思い出すと今でも涙が出そうになる。
前日、遺品を整理しているときに、確か昭和58年のだったと思うけど じいちゃんとばあちゃん夫婦が新聞で紹介された記事が出てきた。 4女1男の子供を儲けたけれど、戦後で食べるものがほとんどなく かなり苦労して親父らを育てたってことと、当時小学生だった 兄とおれがこれから成長していくのが楽しみだってこと、 そして最後のほうには自分たちが死ぬときは周りに迷惑をかけずに ひっそりと死んでいきたいし、ばあちゃんは、じいちゃんよりも 3日だけで良いから長生きしたいと書かれていた。 何故なら自分が先に死んだら残されたじいちゃんが不憫だから。
叔母さんたちは湯灌のときに結構泣いていたけれど、 ばあちゃんが泣かなかったのは自分の思いが達せられたから なんだろうか。
午後、火葬場へ行き、じいちゃんを荼毘にふした。 明治生まれの96歳のじいちゃんが骨だけになってしまった。
104日後に30。
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