薔薇職人が 窓を開け放して寝てしまった。 夜中に窓が開いているのは珍しいので、 好奇心から真夜中の外の様子を眺めることにした。
俺様の裏庭で、どこかの野良猫が 侵略行為を働いているのが目に留まった。 俺様は「威嚇射撃」をしたのだが、 ヤツは図々しい性格らしい。 それとも、俺様が 「深窓のご令息」だと思っているのか。 堂々たる図々しさで 俺様の領地をのし歩いている。 普段から温厚とは縁遠い俺様である。 当然、怒りの雄叫びを上げた。 その声に驚いたらしく、かの野良猫は 逃亡した。 しかし、俺様の気は静まらない。 しばらく家中を駆け回り、 ついでに窓を開けたまま寝腐った薔薇職人に 八つ当たりをした。
すっきりしたところで ベッドに入ることにした。
しかし、俺様が騒いでいる最中でも、 眉一つ動かさずに読書していたMILETは 案外大物かも知れない。
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