世界征服日記…TITAN2


世界征服日記
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2003年03月31日(月):負ける
薔薇職人の具合は、すっかり良くなったらしい。
夜、十時過ぎに
朝食用のカレーを作っていたヤツだったが、
味見と称して鍋から離れなくなった。
MILETに
「食べるのやめなさいっ!そんなに早死にしたいの?!」
と怒鳴られるまで、鍋に張りついていた。
俺様も誘惑には弱い方であるが
ヤツほどではない。
薔薇職人の食欲に対する抵抗力は
殆ど0に等しい。
目の前に食べ物があった場合、
ヤツは100%の確立で
それを食すだろう。
納豆や豆腐や海草や野菜でない限り。
俺様も基本は肉食である。
健康のためと、胃腸のために
キャットグラスを食べることはあるが。
薔薇職人も、どうやら肉食らしい。
人間は肉ばかり食べていると、体に悪いそうだ。
それでも誘惑に負け続ける薔薇職人。
流石の俺様も
最近はヤツの健康状態が気になっている。



2003年03月30日(日):薔薇職人
朝から、MILETは出かけてしまった。
俺様に薔薇職人のお守りを押しつけて、
帰ってきたのは夜の7時半頃だった。

昨日から熱を出していた筈の薔薇職人だが、
今日は何故か元気だった。
数時間、留守にしただけで
あとは一日家にいた薔薇職人。
薔薇の世話と庭の雑草抜きに精を出していたらしい。
らしい、というのは
俺様に見えないように、庭側の窓に雨戸をたてて
作業していたからだ。
俺様の監視が嫌だったらしい。

お陰で庭はすっきりと片づいた。
薔薇も新芽を勢いよく吹いているし、
今年も沢山の花を咲かせてくれるだろう。



2003年03月29日(土):息抜き
MILETの実家へ行った。

MILETの母親が、バリ島から無事帰国し、
お土産があるということで
出かけたのである。

MILETはバリ猫を貰って喜んでいた。
俺様への土産は無かったが、
まぁ、許してやろう。

MILETの実家は、俺様を我が儘放題にしてくれる。
日頃の鬱憤を晴らすには
もってこいの機会だ。
今日もMILET達を
さんざん悩ませてやった。
すっきりした。

たっぷりと遊んだことだし、
久しぶりに爽快な気分である。
今夜はぐっすり眠れるだろう。

そういえば薔薇職人が急に発熱したらしい。
普段なら土曜の夜は
遅くまでヤツをからかってやるのだが、
今日のところは勘弁してやろうと思う。



2003年03月28日(金):約束事
今晩のMILETはやけにご機嫌だ。
なんでも贔屓の野球チームが、
ホームで勝ったからだという。
単純なヤツだな。

ハイテンションのまま、どこかへ電話していた。

「あ。例の件だけど〜お」

と、切り出して十五分。
どうやら姪と遊びに行く約束をしたらしい。

その姪とは高校生だ。
MILETは確か…まぁ、歳のことは黙っているか。
本人曰く永遠のハタチらしいからな。

頭の中身は女子高生以下のMILETだが、
財布の中身は今時の小学生以下の筈だが…。
あんな約束をして大丈夫なのか。
贔屓のチームが勝ったからと言って
気が大きくなったのか?



2003年03月27日(木):過ちを
相変わらず、アメリカとイラクは戦争をしている。
どちらの言い分も
俺様に言わせれば間違いだ。

エゴと嘘と虚勢と
それだけのために、同族殺しの大罪を犯すとは。

人間というのは、どこまでも愚かしい。


アメリカは劣化ウラン弾を使用したと認めた。
「健康上問題がない」
と言っている。
爆弾を落としている時点で
健康上問題が大ありだろう。
その上劣化ウラン弾とは。
アメリカ軍の認識の甘さには
呆れるばかりだ。



2003年03月26日(水):花の香
俺様の薔薇が咲いた。
といっても、庭の薔薇ではない。
先日MILET達が購入してきた、
鉢植えのミニバラである。
玄関に置いてあるのだが、なかなかきれいな花だ。
色は銅色とも、あるいは人肌色ともいうべき
橙色である。
形も少々変わっていて、
花弁がびっしりつまったかのような
高芯咲きの花だ。
色も形も変わっているが、
香りは微かである。
もっと良く観察したいと思っているが
これがなかなか、難しい。
現在、置いてある場所は玄関の下駄箱の上なのだが、
薔薇の鉢植えの他に、
花瓶に百合やらなにやらが山ほど刺さっているものと、
一輪挿しに無造作に突っ込んである皐月の切り花が
俺様の行く手を阻むのである。
いずれもMILETが「活けた」ものだ。
…全然活きていないところが、MILETのMILETらしいゆえんである。



2003年03月25日(火):作為的
アメリカとイラクの戦争は
まだ続いている。
七十二時間で片を付ける、という話は
何処へ行ったのだろうか。
アメリカは
自分たちが絶対に正しいと思っているらしい。

だが、今回も誤爆やら誤射やらを
繰り返しているらしい。

湾岸戦争の時は
戦死したとされる多国籍軍の半数以上が
同士討ちだったという。

最近、俺様は
わざと誤爆しているのではないかと
思えてきた。

アメリカもイラクも、いい加減にしないと
そのうち誤爆だけで
全軍が全滅してしまうぞ。



2003年03月24日(月):異常時
春は恋の季節である。
我が同朋達も、盛んに恋の歌を奏でるようになる。

最近は往来を闊歩する同朋達も減ってしまい、
恋の歌も聴かれなくなってきた。
寂しい限りだ。

その変わり、のつもりなのか。
MILETがやたらと声を張り上げている。
ヤツの音楽センスは最悪レベルで、
特に歌唱力はFマイナスといったところだろう。
はっきり言って
迷惑この上ない。
やめて貰いたいものだ。

俺様の抗議を賞賛とでも受け取ったのか
MILETはますます煩くがなりだした。

はっきり言うぞ、MILET。

やめろ。



2003年03月23日(日):正当性
先日新聞のコラム欄に目を通したら
「正しい戦争とは」
というような主旨の論評が載っていた。

古代ローマ時代の哲学者だかが定義付けたらしいが
「正しい理由」の戦争など
あるわけがあるまい。
その時代より考え方が変わっていない人間は
進化という言葉を知らないのだろうか。

どんな理由があったとしても
同族が同族を殺すことに正義など存在しない。



2003年03月22日(土):妄想3
三日に渡ってお送りしている
MILETの妄想記。今回が最終回です。
短い間でしたが
ご愛読ありがとうございました。
おそらく…明日の日記からは
陛下の「世界征服日記」が復活することと思います。

TITAN2世陛下代理人 MILET拝

*******************************************
時を移さずしてWBCAによる「人類猫化計画」が始まった。

水牛は、東京郊外にある住宅街の児童公園に姿を現した。

「行け!百円水牛ぬいぐるみ」たちよ!人間どもを猫に
変えてしまうのだっ!」

「んもも〜〜〜っ」

水牛の号令と同時に「百円水牛ぬいぐるみ部隊」が「猫
化爆弾」を起爆させた。
次々と倒れる子供と、その母親達。
そして、巷は阿鼻叫喚、いや、猫共感の人間達で溢れて
しまったのである。
凄まじい「猫化爆弾」の威力は、ついには国家権力を担う
ものたちにまで、広がりつつあった。

「お〜〜〜ほほほほほほっ!思い知るが良い!」

高笑いする水牛に、突然衝撃が走った。

「待て!水牛!これ以上の勝手はこの私が許さん!」

いつの間に舞台が変わったのか、採石場の山の頂に、突然
そいつは現れた。

「き、貴様は?!」

「次元刑事ボブン!とおっ!」

次元刑事ボブン。その名の通り、次元を自在に行き来する、
正義の味方だった。
彼によって、WBCAは幾度も煮え湯を飲まされていたのであ
る。
しかし、今回は今までの借りを返す自信が、水牛にはあっ
た。

「ふっふっふ。ボブンめ。食らえ!猫化爆弾!」

爆発し、凄まじい爆風を吹き上げる猫化爆弾!


しかしっ!


ボブンは元々、ラテン気質の猫型人間だったので、爆弾
はまるで意味がなかった!

「次はこちらの番だ。行くぞ!『山芋ソリューション』!」

『山芋ソリューション』とは…
次元刑事ボブンの必殺技の一つだ。
「山芋、掘るでしょう」という、自己チューな切り口で語
り始め、相手を山芋掘りの犯罪に引きずり込むという、お
よそ正義の味方らしくない必殺技である。
細かいことは、防衛上の機密のため、ここでは語ることが
できない。残念だ。

「ふふふふ。ボブンよ。同じ技が何度も通じると思うなよ」

そう。
以前、同じ技を受けた水牛は、不覚にもメイクを崩されて
退場という屈辱を味わっていたのだ。

「お前の技は、全て見切っている。『山芋ソリューション』
も『爆弾穴パンチ』も、私には効かないぞ」

『爆弾穴パンチ』とは…
次元刑事ボブンの必殺技の一つだ。
「うちの裏手に爆弾穴っていうのがあって」という、年齢不
詳な話題で相手を煙に巻くという、凄まじい必殺技である。
細かいことは…(以下略)

「水牛。今回は助っ人を用意してきたのだ。覚悟するがいい」

「助っ人だと?お前、それでも正義の味方かっ!」

「なんと言われても、勝てば官軍よ。さ!先生方!お願いし
ます」

ボブンに促されて登場したのは、5匹のチワワだった。

「チワワンレッド!」

「チワワンブルー!」

「チワワングリーン!」

「チワワンブラック!」

「チワワンピンク!」

チワワン戦隊ア●フル5!!

ずらりと並んだチワワン戦隊ア●フル5は、水牛を潤んだ目
で見つめると叫んだ。

「必殺!ア●フルアタックっ!」

その、つぶらな瞳に見つめられて、水牛はメロメロになって
しまった。

「か、かわゆい〜〜〜〜〜〜っ!!」

思わず口走りながら、走り寄る水牛を待ち受けていたのは
いつの間にか敷かれた地雷原だった。

「TITAN2世陛下万歳〜〜〜〜っ!」

叫びながら、大気圏外へと水牛は消えていった…。





こうして、地球の平和は守られた。

ありがとう、次元刑事ボブン!ありがとう、チワワン戦隊
アイフル5!






SPECIAL Thanks!「水牛牧場




2003年03月21日(金):妄想2
本日は(一部の方より)大変ご好評を頂いた(嘘臭い)
MILETの妄想を再びお届けいたします。
気分が悪くなるおそれがありますので
嫌な予感のされた方は
以下をお読みにならないよう、お願いいたします。

TITAN2世代理人 MILET拝

*******************************************
「さて。MILET。誰にこの重大な任務を実行させたものか」

ひとしきり高笑いをした後、TITAN2世が言った。
MILETが口を開こうとした、その瞬間。
不意に自動扉が開くと、独りの女が現れた。

「その役目、是非ともこの水牛にお任せを」

ぴったりとしたビンテージ風のエナメルの衣装を身にまとっ
た水牛は、妖艶に笑って見せた。
彼女こそ、このWBCA内でも随一の悪を誇る、女幹部だった。
自らの分身である「百円水牛ぬいぐるみ部隊」を自在に操り、
北は北海道、南は石垣島までを制圧したと噂されている、実
力者だ。

上から下まで舐めるように見回したTITAN2世は、怪訝な顔
つきで水牛の顔を見つめた。

「水牛。どうして、ビンテージなのに安全靴みたいなブーツ
を履いてるんだ?普通はピンヒールじゃないのか?」

「恐れながら陛下。外反母趾ゆえ…。ご勘弁を」

二人の間に、一瞬の沈黙があった。

「じゃ、じゃぁ、猫化爆弾投下はお前に任せたぞ」

TITAN2世の言葉に、水牛はにんまりと笑った。
手に持った乗馬鞭で、安全靴、もとい、編み上げブーツをぴ
しゃりっと叩く。

「この水牛と、百円水牛ぬいぐるみ部隊が必ずや任務を完遂
いたします」

今や人類は風前の灯火に思えた。

どうなる人間!どうなる地球!

次回、怒濤の最終回を待て!



続く(まだやるか)





2003年03月20日(木):妄想記
++ご注意++
今日、陛下は人間どもの愚かしさに憂いており、
日記を書ける状態ではございません。
そこで、誠に勝手ながら本日はMILETの妄想を
お届けいたします。
以下より、相当な妄想が繰り広げられますので
嫌悪感を感じられると予感された方は
ご覧にならないことをお奨めいたします。

TITAN2世陛下代理人 MILET拝





********************************************
地球の衛星軌道上にあるWBCA本部。
そこではTITAN2世に心酔する、多くのものたちが
日々世界征服のために尽力していた。

TITAN2世が美女達に囲まれての、うはうはなラン
チを楽しんでいたときである。
執務室の自動扉が開き、WBCAの科学主任MILETが現
れた。

「陛下。重大なご報告がございます」

MILETはかしこまって、頭を下げた。
TITAN2世は不機嫌そうに、MILETを睨め付ける。自分
の行動を制限されることを、彼はもっとも嫌うのであ
る。

「今は食事中だぞ。慎め」

美女達に撫でられて、うはうはだった気分を害されて、
TITAN2世は相当不機嫌だった。

「も、申し訳ありません。で、ですが、例のものが完
成したので、いち早くご報告申し上げようと…」

TITAN2世の緑色の目が、きらりと光った。

「なんだと。アレが完成したというのか!?」

「ええ。もう、きっちりと」

MILETがニヤリと笑った。
その顔があまりにも凶悪だったので、流石のTITAN2世
も寒気を感じるほどだった。

例のもの…
それは、「人類猫化爆弾」という大量破壊(?)兵器
だった。
人類を全て、猫化してしまい、人間の労働意欲を奪い去
り、国民総生産を一気に引き下げるという、怖ろしい生
物化学兵器だ。

「そうか。前に作った、犬化ウィルスは完全な失敗だっ
たが今回は大丈夫であろうな」

「アレは失敗だったのではありません。現にイギリスの
ブレアと日本の小泉に投与したところ、完璧な犬になっ
たではありませんか」

「確かに、ウィルスは効いたようだが…計画は失敗だっ
た」

以前WBCAでは、人間を猫族に追従させるためと称し、犬
化ウィルスを開発したことがあった。
しかし、犬は自分が主人と決めた相手には絶対服従の生
き物なので、最初のすり込みに失敗した被験者は、猫族に
服従どころか、造反してしまったのである。

「今回の計画で、失敗は許されないぞ。分かっているな」

TITAN2世の言葉に、MILETは頷いた。

「これで、地球は我々WBCAのものになったも同然です」

二人は不適な高笑いをした。
その悪魔的な笑いが、人類滅亡へのカウントダウンである
とは、まだ、誰も気が付いていなかった…



続く(おい)





2003年03月19日(水):早春賦
最近テレビのコマーシャルで
この歌が流れる。
それに合わせてMILETが歌うのだが、
勘弁願いたいものだ。

あと数日で
日本は春分の日を迎える。
名実ともに春になる日だ。

春は全ての生き物が
生きている喜びに震える季節である。

決して恐怖や凶行に
震える季節ではないはずだ。



2003年03月18日(火):そして
人間どもはこの21世紀も
戦争の世紀にしようとしている。

なんと愚かしいことだろうか。



2003年03月17日(月):開戦か
アメリカとイラクの戦争は
間近に迫っているらしい。

何故、アメリカはイラクを攻撃したいのだろうか。

あのテロがイラクと繋がっていると
そういう証拠を結局見いだすことが出来ないアメリカ。

だから、別の理由を付けて
イラクを攻撃することにしたらしい。

そんなにまでして
どうして「正義」と言えるのだろうか。

それが正義であるというなら、
俺様は悪のままで結構である。



2003年03月16日(日):解消法
今日のMILETも、なんだか不機嫌そうだった。

ここのところ、機嫌の良いときが少ないようだ。

機嫌の悪いときのMILETは
やたらと掃除をしたり洗濯をしたり、
あるいは裁縫やアイロン掛けをする。
どうやら家事全般が、MILETのストレス解消法になっているようだ。

まぁ、生産的な解消法であるから、
俺様に文句はない。

だが、薔薇職人は
びくびくして落ち着かない様子だった。

どうやらMILETのストレスの原因は
薔薇職人にあるようだ。

俺様が薔薇職人だったら、
さっさと謝ってしまうがな。



2003年03月15日(土):海産物
昨夜、薔薇職人がさきイカを食していた。
そのにおいに誘われて
俺様はついついテーブルに前足を乗せてしまった。
それを見ていた薔薇職人は
さきイカを俺様の鼻先に突きつけた。
てっきり俺様に味見させるものだと思ったので、
食べようとしたところ
目の前からさきイカは忽然と消えた。
頭を巡らせてみると、薔薇職人が口をもごもご動かしている。
俺様に食べさせると見せかけて、
自分が食べたのだ。

「なんて、意地悪なの。そんな意地悪したんだから、陛下にアレを差し上げなさい」

MILETが薔薇職人にそう命じると、
ヤツは冷蔵庫から俺様用のおつまみを取り出してきた。

先日も
MILETの実家で同じような目にあった。

俺様は海産物が大好きである。
勿論、テーブルに載っているものを勝手に食べるような
はしたない真似はしない。
だが、目の前に差し出されたものに関しては、
食べても構わないと思うのだ。
それを鼻先から取り上げるのは
どう考えても嫌がらせに思えるのである。

そういう行動をとった者に関して、
俺様は常に報復措置をとってきた。
当然、昨夜は薔薇職人を痛めつけてやった。



2003年03月14日(金):行動学
俺様がMILETの家にやってきてから、
そろそろ丸六年になる。

6年間、人間どもと付き合ってきて
その考え方や行動の仕方が
分かりかけてきた。

今までのところ、
人間というのは愚鈍だが、感情的で
時には直情的な生き物だという意見を
変えるところまでいっていない。
俺様が人間どもとの生活をやめるときに
「思っていた以上に人間は良い生き物だ」
という印象を持てると良いのだが。

生活するパートナーとして選んだのであるから、
そうあって欲しいと思うのである。



2003年03月13日(木):最低だ
今日は最悪だった。

MILETが不機嫌そうにしているのは分かっていた。
しかし、俺様に八つ当たりするとは思っていなかった。

事の経緯は以下の通りである。
MILETに食事の用意をさせるために
普段乗ってはいけないと言われているところに乗った。
その場所は調理台といわれているところである。
いつもならば乗る振りをするだけで、
MILETがとんでくるのだが、
今日は様子が違った。
わざと大きな声で鳴いて見せたりしたのだが、
一向にやってくる様子がない。
その上、間の悪いことに
急な吐き気に見舞われた俺様は、その場で戻してしまったのだ。
途端にMILETがとんできた。
流石にまずいと思った俺様は
慌てて調理台から飛び降りた。
MILETは暴言を吐きながら、後始末をしていた。
こう言うときは、傍に寄らないに限る。

食事を食べ損ねたくなかった俺様は、
仕方なく軟化政策に転じた。
MILETに謝るふりをして、膝の上に抱かれたのである。
しかしMILETは
おもむろに爪切りを取り出すと、俺様の爪を切りだした。

その後、食事を出されたが
当然俺様の食欲は萎えていた。

全く、最悪の一日だった。



2003年03月12日(水):退屈だ
テレビを見れば
毎日毎日不安材料のオンパレードだ。
明るい話題といえば
アメリカで活躍する野球選手のことばかり。
流石の俺様も
うんざりしている。

アメリカは戦争したくてしたくて堪らないようだし、
イラクも聞き分けが良いとは言えない。
加えて日本は
国連決議の内容を知る前から
諸手をあげてアメリカのやり方に賛成するそうだ。
俺様は異を唱えるが。




2003年03月11日(火):間違い
世の中がどんどんおかしな方向へと動いている。
日経平均株価が7,862.43円。
20年前の水準だそうだ。

石油の値段も上がっている。
世の中が不景気だと、原材料価格が高くなっても
商品価格を引き上げることが難しいらしい。
今、100円で買えるプラスチックのハンガーが
110円になったら
おそらく誰も買わなくなる、ということなのだろう。

MILET曰く
「賃金もデフレなんだよね」

賃金はどんどんカットされ、タダでさえ財布の紐が堅い。
そこへ来て物価の値上がりなどがあったら、
確かにものは売れなくなるだろう。

戦争が特需を生み出す時代では
すでにないのだ。




2003年03月10日(月):予想外
今日は思い切り暴れるつもりだった。
だが
計画は途中で頓挫してしまった。
というのも、
暴れて八つ当たりするつもりであったMILETが
一日中寝てばかりいたからである。
寝ている相手をからかうのも面白いのだが、
そればかりでは飽きてしまう。
仕方なく、俺様も一緒に寝てしまった。
いつもであれば
夕方はニュース見ながらツッコミまくりのMILETが
今日は寝ていた。
本当につまらない。
テレビの画面を尻尾や足先で隠し、
テロップの一部を見えなくするという嫌がらせも
出来ないではないか。

仕方ないので
今日も大人しく過ごしてしまった。



2003年03月09日(日):眠気に
今日はどうしても起きられなかったので、
一日中うつらうつらしていた。

こんなに他の猫のニオイがストレスになるとは
俺様も正直驚いている。

余所様へ出かけていって
そこで他の猫に遭遇しても
別に何とも思わないのであるが…
やはり自分の縄張りで
他の猫の気配がするのはイヤなのだ。

そういうわけであるから、
今日は疲れてしまって
どうしても動く気になれなかった。
MILETたちはどこかへ出かけようとしていたので
付いていく意思表示をした。
だが俺様の様子を見ていたMILETが
留守番させた。
まぁ、一応意思表示をしたまでで、
本当について行く気はあまりなかったのであるが。

明日は今日の分まで
体を動かすつもりである。



2003年03月08日(土):他の猫
土曜日の出来事を、日曜日に書かせて頂いている。


土曜日に、MILETの実家へ出かけたのであるが
そこで俺様以外の猫のニオイを
嗅いでしまったのだ。
俺様の別宅で他の猫の気配を感じるのは
とても不愉快である。

ついつい、苛々してしまった俺様は
普段よりも疲れてしまったようだ。

昨夜は早々にベッドに入り、
今朝起きたのは十時頃だった。
俺様としたことが不覚である。



2003年03月07日(金):勘違い
俺様がMILETへの監視強化を始めてから
2週間が経った。
常にMILETの後をつけて、
全ての行動に目を光らせた。
それをどうしたことかMILETは勘違いしたようで
「最近陛下ったら、超甘えん坊なの」
と言い出した。
勘違いさせておいた方が
監視しやすいので誤解を解こうとは思わなかった。
だが最近は
薔薇職人はおろか、MILETの母にまで
俺様が「超甘えん坊」だと言い触らす始末だ。
とんでもない名誉毀損である。
明日からは少々締め付けを強化せねばなるまい。
全くもって
世話の焼けることだ。



2003年03月06日(木):金と欲
今日のニュースは
金に溺れた人間の話で持ちきりだった。

俺様が生まれるずっと前に起こった事件で
容疑者と目されていた人間が
無罪となった。
彼は妻を殺して、
多額の保険金を手にしたという罪で
告訴されていたのである。
長い間係争中だったのだが、
これで一応けりが付いたと言うことになるだろう。
国外で起こった犯罪に対して
日本の司法組織が限界を見ることになったということだ。

それから国会議員が
裏金を作っていたという疑いで
逮捕請求されている。

彼は「リクルート事件」なる汚職事件の後に
立候補当選した議員だそうだ。

結局、権力を手にした人間は
金の欲にもろくなるのだろう。
それとも、彼が元々そういう人間だったのか。



2003年03月05日(水):新しく
MILETがようやく
俺様の写真集を再編集するつもりに
なったらしい。
今日はその一部を公開しようと思う。
まだ出来上がっていないので、
写真も少ないのだが
ご興味ある方はご覧頂きたい。

最近のMILETは
一日中なんだかだるそうである。
理由を尋ねてみたら
「花粉症でね」
とのことだった。
だからといって、俺様に八つ当たりするのは
やめて貰いたいものだ。
喩え、俺様が流しに置いてあった薬缶の中から
水を飲もうと。

「写真集NEO」



2003年03月04日(火):忙しい
暖かな春一番が吹いた翌日は
冷え込みが激しくなると聞いていたが
本当だった。
今日はとても寒い一日だったそうだ。
俺様は
南側の日当たり抜群の部屋に
日中いたので分からなかった。
大体、この俺様が
寒空の中歩き回ったり、
買い物に出かけたりするはずがあるまい。
だがMILETは
夕方から出かけて
帰りは薔薇職人と一緒だった。
寒い寒いと連呼しながら帰ってくると
俺様を無視してヒーターにかじりつく。
そんなに寒いのなら、
もう一枚着るとかすればよいだろうに。
全く。おつむが足りないから、困る。
ひとしきり寒いと騒いだ後、
俺様に煮干しジャーキーをご馳走してくれたので
機嫌を直すことにした。
まぁ、俺様も現金な方だからな。



2003年03月03日(月):雛祭り
今日は3月3日、雛祭りの日だ。
拙宅には
雛祭りを祝うべき女性がいないので、
普通の日である。

祝の膳ではちらし寿司や蛤の潮汁などを
食べるらしい。
MILETが
まだ「女性」だった頃には
拙宅でも雛人形を飾り、ちらし寿司を食べていた。
今やMILETは「おばさん」とやらになったので
雛人形を飾ることすらしない。

ちなみに、俺様は
雛壇を駆け上がったり、飾ってある細々としたものを
叩き落としたりしたことは
一度たりともない。
従って、雛人形を出さない理由に
俺様を使うことは出来ないと言うわけだ。

まぁ、MILETの言い訳としては
「古いから、壊れるので」
出さないんだそうだ。

はっきりと、面倒くさいと言えばいいものを。



2003年03月02日(日):街頭で
テレビのニュースバラエティーを見ていたら
「今、もっとも危ない男はどっちだ?」
という街頭アンケートを行っていた。
危ない男にノミネートされていたのは、
サダム・フセインとジョージ・W・ブッシュだった。
パリでは殆どの人がブッシュが危ない、と答えていた。
ロンドンでは、ほぼ同じくらいの得票数。
ニューヨークではフセインが、ほんの少しだけ
ブッシュよりも得票していた。
日本でもニューヨークと、ほぼ同じ結果だった。

日本人の意識がアメリカ人と一緒、というよりも
日本の政府の意識が
多かれ少なかれ反映されているのかもしれない。

俺様は、といえば
どちらも似たり寄ったりだと思っている。



2003年03月01日(土):雨の中
今日から3月だ。
錯覚ではあるが
3月という言葉だけで、暖かさを感じる。

だが、今日は冷たい雨が一日降っていた。

雨の日はいつもなら出かけないMILETが、
今日は朝から出かけていた。
薔薇職人と
見舞やら、買い物やらで出かけていたらしい。

この寒い中、俺様を独りにしたことに
後ろめたさを感じたのであろう。
土産と称して、キャットグラスを買ってきた。

仕方ない。
許してやるとしよう。







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