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最近読んだ本から - 2003年07月31日(木)
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◇泉麻人『街のオキテ』
著者はかつてアド街ック天国の解説者席に座っていた竹中平蔵似のおっちゃん。
あらゆる街のことに異様に詳しくて感心した記憶がある。
ので、オフで買ってみた。
出版年見ずに買ったのが失敗。
1988年刊。こういう情報ものの本は最新のを読まなくちゃいけません。
15年たっても変わらない、普遍的おもしろネタってのもあるんだけど、
だいたいの情報やネタがイッツ・トゥー・オールドね。

このころ「ほとんどビョーキ」って言葉が流行ってたらしいんだけど、
これはうまく使ったら21世紀に再生する気がするな。

◇島崎藤村『破戒』
素性を隠して生きる被差別部落出身の小学校教師が、
周囲の目と自身の意識に徐々に追いつめられ、ついに自らの素性を告白するまでを描く。

エンディングが中途半端で、あまり救いがない。
ある意味それが「現実」と言ってしまえばそうなのかもしれないが、
数百ページにわたって積み上げられた罵詈雑言、誹謗中傷に対する結末がこれかと思うと悲しくなる。
しかも、「それが現実」というには、
主人公がテキサスに渡っていくという結末は、ただの逃避なんじゃないか、とも思う。

◇佐橋滋『異色官僚』
元通産省事務次官、「異色官僚」佐橋滋の自伝。
(ちなみに佐橋は城山三郎『官僚たちの夏』の主人公のモデル)

いろんな面で破天荒で、旧慣を破壊していく佐橋のエピソードは読んでいておもしろい。

しかし、冷静になってみると、この人はやっぱり旧制八高→東京帝大→高等文官試験合格という、
戦前の典型的なエリートコースをたどってきた人なのである。
そして、「これくらい」の人が「異色」とされる官界の限界を見ることもできるような気がする。

◇ますむら・ひろし『イーハトーブ乱入記』
猫を主人公にしたアニメ版『銀河鉄道の夜』を生み出したのがこの人。
原作を読む前にこっちを見ちゃった僕の中では、
いくら小説を読んでも、ジョバンニもカムパネルラもザネリも先生も完全に猫。

で、そのますむら氏が、宮沢賢治論をやっている。
文章からむんむんと放たれる、ものすごい熱気。
行間で連呼される「賢治が好きだ!」「賢治が好きだ!」「賢治が好きだ!」という叫び。
何気なく見ていたあの猫のアニメの背景に、こんな情熱があったとは。

こういう人を見ると、「宮沢賢治が好きです」なんて軽く言えたもんじゃない。

◇鈴木正幸『皇室制度』
時代が江戸から明治に移ったとき、
庶民にとっては「天皇って誰だべ」くらいの存在だった天皇と皇室が、
いかにして国民の「ココロの支え」となっていったのか?
天皇統治の正当性というイデオロギーと、皇室という制度。
その両面が、施政者によっていかにして組み上げられ、確立されていったかを検討することで、
その疑問に答えていこうとする。

イデオロギー的基盤と制度的基盤という二面に注目する視点は重要だと思った。

◇笠原嘉『精神病』
精神病の中でもいわゆる「精神分裂病」、
今では統合失調症と呼ばれる精神疾患についての入門書。

精神病=錯乱みたいなイメージありません?
著者によれば、分裂病は、症例によって差こそあれ、
急性期・鎮静化期・安定期を繰り返すもので、「安定期」にあることが多いのだという。
そこで、精神病院の住人(その6割は分裂病患者)は興奮しやすい人ではなく、
むしろ彼らは放置するとすぐ沈滞した雰囲気を共有してしまうので、
治療スタッフはいかにして患者から活力を引き出すかに心を砕くのだという。

知識がないというのはそれ自体が罪だと思った。

◇高村薫『黄金を抱いて翔べ』
また鼻血出そうだった(7月14日付けニッキ参照)。
今回は金塊強奪計画。男の世界全開。
そしてやっぱりスパイがらみ・・・
今回はKCIA(韓国の諜報部局)も登場。

◇神一行『日本エリート軍団 ドキュメント東大法学部』
いまいちだった。
東大法学部に切り込んでいるというよりも、
「体制」論をとうとうとやっている感じ。
で、肝心の東大の話になると、急に「合コンでモテモテ」レヴェルにダウン。

でもまあ、ルポらしく、いろいろと興味深い裏情報を入手。

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疲れた。今日はここまで。

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酒とピアノと男と女 - 2003年07月23日(水)
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なんか週刊化しそうだな、このニッキ。


なんであんまり書かないかというと、これといって書くことがないからです。
ほとんど家にこもりきりで本を読んだり音楽を聴いたり酒を飲んだりする毎日です。

僕は同年代の友達がそうしているようにお金を稼いでいません。
その逆で、お金を払って大学に通っています。

この「授業料」ってのは、教育を受けるために払う金というよりも、
自由に時間を使うために払っているのだ、と最近思うようになりました。

あとはこの自由な時間から何を、いかにして創り出すことができるか、なのです。

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<今日やったこと>

・新しいバイト
某銀行系のシンクタンクで事務補助。ミヤコシさんの後任。
半日中アンケートの自由回答をエクセルに入力。

・飲み会@吉祥寺
ある筋からお勘定が出るため、タダで飲み・食べ放題という夢のような飲み会。
なので1杯1000円(!)の焼酎を4杯飲む。
その前にビールを2杯飲んだので、僕の酒代だけで5000円超(笑

・meg
飲み会が終わって、まだ22:00前だったので、
酔い覚ましも兼ね、久しぶりにメグへ。
店内の配置が換わっていた。
アップライトピアノとドラムが入っていた。
客は僕ひとり。
酒が入っていたので気も大きくなり、リクエスト。
前からどうしてもこのスピーカで聴きたかった、ハンコック・トリオ77年のMilestones。
そしたら、店員さんがすまなそうに、レコードほとんど処分しちゃったんですよ、と。
オーナーが、ジャズ喫茶からライヴハウスへの転換を図り始めたので、
今まであったレコードはどんどん売ってしまって、
特に有名どころはほとんど残っていないとのこと。
代わりにチック・コリアを2曲かけてもらった。
家で聴いてるのではわからないベースのアタック音が沁みた。
店員さんと結構お話をして、22:40に店を出る。

・カノジョに電話
音楽と酒で軽い興奮状態だったので、久しぶりに外からカノジョに電話。
酔っぱらってると呆れられた。
失礼な。ビール2杯と焼酎4杯しか飲んどらん!

いや、実際酔ってたんですけど。すんません。


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11:49AM, chofu airport - 2003年07月17日(木)
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あんなにも浅はかな騒音を立てなければ空に浮かべない僕らの横を
静かに蝶が舞い やわらかに鳥が滑っていく



壊れかけたバリケードの向こうに僕らが築いてきたものは何だ?

小さな虫が羽を震わせていとも容易く乗り越えていくあの隙だらけのバリケードの向こうにさえ行けない僕は?



晴空が塞がり始めたのに気付いた赤と白のセスナが地上を目指す

あんなにも浅はかな騒音を立てなければ空から降りられない僕らが築いてきたものは?

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薫に鼻血 - 2003年07月14日(月)
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高村薫『神の火』(文庫版)読了。
話が大きすぎてクラクラしっぱなしだった。
KGBだのCIAだの≪北≫だのスパイだの二重スパイだの三重スパイだの。
挙げ句の果てには原発襲撃計画。
大団円では本当に読んでて鼻血が出るかと思たよ。


潮木守一『京都帝国大学の挑戦』に着手。
後半部は博論の参考になりそうな気がする。
期待を裏切られるのが怖いので後半部から読むのは避けて、
まずあとがきを読んで、そのあと最初から読み始めた。
あとがきには著者の学問上の苦闘の話が描かれていて、
励まされつつ、悲しくなりつつ。
今の俺にこれほどの情熱があるか?
ついこの間、渓内謙『現代史を学ぶ』を読んだときと同じ精神状態。
歴史的アプローチでドクター論文を執筆することへの十分な覚悟と体力と気力と能力が、
果たして自分にあるのか?


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オフにムラムラ - 2003年07月13日(日)
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前住んでた家が、売れました。
明日契約だというので(それ以降は当然もう我が家ではないから入れなくなるので)、
最後に拝んでおこうということで修一と出かける。車で。
間取りが大胆に変えられ、収納スペースが思いっきり増えていて、風呂が広くなっていた。
女性の一人暮らしなんだって。
ここに3人で暮らしていた俺らは一体何だ。

午後、家族3人で酒屋に買い出し。車で。
で、真由美を府中で降ろして、修一と永山のブックオフへ。
さすがに日曜で駐車場は混み混み。店内も混み混み。
そして目に飛び込んできたのは、

 「本日限り!文庫全品100円!」

完全に興奮。
それも一種の性的興奮状態(×)
早速半額文庫のコーナーへ突進。
ミル『自由論』、マキャベリ『君主論』、アレント『人間の条件』、ルソー『人間不平等起源論』、戸部良一ほか『失敗の本質』、潮木守一『京都帝国大学の挑戦』、高村薫『神の火(下)』
半ばやけくそのように手に取る。
ちなみに普段の売価は、350円、450円、800円、350円、450円、350円。
合計2750円が、600円!!
こんな夢のような話があっていいのだろうか・・・
いや、きっと夢だ。夢ならさめないでくれ・・・
と夢のような気分で徘徊していたら、
これまた3年間くらいずっと探していた『Tokyo23区の女』という、
深夜テレビドラマのノベライズ本も発見。
600円だったんだけど、こういうのは一期一会なので購入。
すごいね。
なんとなく「今日は永山のオフに行かなきゃいけない」っていう気になったんだけど、
こういうことだったわけだ。
呼んでたんだね、俺を。
ああ、ブックオフ万歳!(思う壺)

帰って、『Tokyo23区の女』を一気に読む。
かれこれ6年か7年くらい前、フジの深夜帯に放映されてた番組で、
各週完結のオムニバスドラマだった。
2回か3回しか見なかったんだけど、
そのどれもが(今では覚えてないが)当時の僕の琴線に触れるお話だったので、
このノベライズ本がある(しかし絶版)と知ったときは、
なんとしても探し出してやろうと思った。
で、ついに手に入れて、読んでみた感想。

 ・・・ああ、こんなもんか。

たぶん、僕が見た回のストーリーは収録されていなかったんだと思う。
収録されてるものの半分はイマイチ、4分の1は嫌い、残りの4分の1が好き。
ま、人生なんてこういうもんだよね。
ゲレンデで恋して東京であったらがっかりみたいな。
ちょっと違うか。

晩飯は家族でサランバンへ。車で。
食ったー。

夜は、下巻が見つからなくてしばらく止まっていた
高村薫『神の火』を再開させる。

さらに松谷(専属運転手)に別のブクオフに連れて行ってもらう。
しかし、ほしいものが全くなく、結局一冊も買わず。
オフに入って手ぶらで出てきたのって久しぶりかもしれない。
23:30帰宅。
チューハイ1本と焼酎をロックで流し込み、
『神の火』を少し読み進めてから就寝。

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哀愁のサンダーバード - 2003年07月09日(水)
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午後から学校。
図書館でリサーチしたり、読書したり。
いい場所見つけたのでこれからしばらく通うかも。
本館1階西側の椅子。


「歌の大辞テン」昭和57年夏のベストテンに出てきて
「哀愁のカサブランカ」を歌っていた郷ひろみは、
完全にサンダーバードの人形だった。
真由美と大爆笑。
一度そう見えてしまうともう国際救助隊にしか見えない。


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天才でさえ何かを生み出すことによって天才になったのだから、
凡人が何も生み出そうとせずにただ自分の能力の無さを嘆くことは愚かである。
++++++

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2001年・酒、2002年・酒、2003年・酒 - 2003年07月05日(土)
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「10年日記」ってやつを1995年からつけてるんだけど、
何気なく2年前の今日の所を見たら、文字がすごいことになってるわけですよ。
釣りの餌に使うミミズを小さくしたみたいな赤い虫をぶちまけたような。
もちろんこういう字を書くときは相当酔っているわけでして、
どこで飲んだのかなあ、と思ったら学校の同窓会館でなんですね。
そしてこの時の酒の肴がなんだったかというと、チサトの(自主規制)。
懐かしいな、チサト。

で、1年前の所を見たら、文字は普通なんだけど、また飲み会やってるんですね。
ミワさん・テンちゃん・ナツコと、学校の勉強部屋で。
この時は日本酒パーティでしたね。


そこでやっと今日の話なんですけど、

 今日も飲み会

だったわけなんですね。3年連続で。

今日は、ナナエちゃんの家で飲み会でした。
メンバーはタイコさんとイズミちゃん。
いかにも酒飲みそうですね。

ナナエちゃんの家は別名「ホテル栗田」と呼ばれるくらいでして、
なにせもてなしの心があつい。かつ料理が旨い。
学生時分(今もだけど)には足繁く通ったものでした。
そんなナナエちゃんも今では人妻だし、
何よりもナナエちゃん本人が猛烈に忙しかった関係で、
ここ2年半くらいホテル栗田は休業状態だったわけです。
今日は、なんと2ヶ月以上前から予約を入れて望んだ久々の開業日でした。


午前中はパルコに行って、今日持っていく酒を物色。

で、15:00に集合。
イズミちゃんが土曜だというのに仕事で遅れるので、
彼女が来るまで待とう
なんて誰も思うはずはなく(笑)、
さっそくビールで乾杯。

2本目のビールとともに、さっそく栗田シェフのもてなし開始。

 1品目 豆アジの唐揚げ(自宅の庭で作ったアオジソ付き)

これはうまかった。
ビールがあと3リッターくらいあってもいけた。

 2品目 モロキュー

味噌がうまかった。

 3品目 ピーナッツ

浅いカクテルグラスに盛られていた。

さすがにイズミちゃんが来る前にこれ以上盛り上がってもアレなので、
ここで一休み。
タイコさんとナナエちゃんの仕事の話を聞いたりして過ごす。

18:00、ワインを手にしたイズミちゃん到着。
(ちなみにタイコさんは日本酒、僕は黒糖焼酎を持ってきていた。
 焼酎を選んだのにはちゃんと理由があって、
 タイコさんが日本酒を、イズミちゃんがワインを持ってくるのは
 過去の経験上、十分予想がついたから。案の定だった。)

そしていよいよメイン料理が登場

 トマトとモッツァレラチーズのサラダ
 生ハムのサラダ
 豆腐和えのレタス包み 
 豆アジのマリネ
 パエリア
 スペアリブ

メイン料理とともに旦那登場。
ちなみに旦那は知る人ぞ知る有名アメリカ人。
まずはビールで乾杯。
料理はもちろんうまい。
酒も進む。
ビールが空いたあとはイズミちゃんが持ってきたワイン。

いい風に酒も回ってきて、中途半端な英語を駆使して会話をしているうちに、
日本語で話しかけていいはずのナナエちゃんに変な英語で話しかける始末。

ワインはあっという間に空き、次は僕が持ってきた焼酎。
このころにはもう料理もあらかた平らげられていた。
そして料理とともに旦那退場。
貴重なディナーであった。

そして飲み会は粛々と続く。
焼酎もいつの間にか空き、トリに登場はタイコさんの日本酒。
ここでだめ押しの2品登場。

 焼きうどん
 ししゃも

・・・僕らを太らせて食う気か。
しっかり食べたけど。
都合11品も出てきたんだ・・・

食べ終わって、日本酒を2杯くらい空けたあたりから、
強烈な眠気に襲われ、だんだんと意識が遠くなっていく。
食べ過ぎたか。

意識の彼方でイズミちゃんの(自主規制)とかタイコさんの(自主規制)とか、
そういうのがいろいろ聞こえた気がするんだけど・・・

このまま寝てしまっても申し訳ないので、
1:30頃、体力を振り絞っておいとますることに。

2:00帰宅。
いやあ、いい一日だった・・・と振り返る気力もなく即就寝。

来年も7月5日は飲み会にしよう。

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僕の頭の中をのぞいてみると - 2003年07月03日(木)
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10:30頃に学校。
今日もまた作曲作業。
だいたい完成。

ソーメン食べて、13:00からバイト。
3時間はしっかり働くバイトで、
16:30からはいつも通りのカウンター業務。

雨の中帰宅。

帰る道すがら、新曲の愛称をずっと考える。
正式タイトルは「→>>>@, or where to go」なんだけど、
前半部は発音できないし、後半部いちいち言うのもなんか面倒だし。
実はこれまで某新入生の女の子のあだ名で呼んでいたんだけど、
いつ本人にばれるかと思うとドキドキして夜も眠れないし、
そろそろ新しい愛称を考えなきゃなあ、と思っていた。

以下思考の過程(断片的に)


 ロドリゲス!(レッド吉田か・・・)

やまたく

 矢印  アットマーク   ♪あっとその時ー

  ユースケ・サンタマリア 「ツヨシはさー」(モノマネしてみる)

マリア サンタ

    カーネル・サンダース

where to go ゴー 郷です!

 ひろみ  聖母たちのララバイ

where to go・・・
 ・・・where to goの頭文字をとってWTG。

WTG、WTG、WTG・・・

 渡辺剛(WaTanabe Go)

 ※架空の人物であり、実在しません。

ごうくん なべやん なべごう・・・

(実はもう一つ「WTG=ワールドトレード源太」っていうのも考えついたんだけど、ちょっと不謹慎なので思いとどまる)

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ごはんズッペ - 2003年07月02日(水)
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11:30、歯医者。
下の奥歯の治療詰め直し。
これで終了。
よい所だった。
院長親切・まじめ・丁寧。
調布・狛江にお住まいの方、JUKI前のまつざき歯科クリニックをおすすめいたします。

直接学校へ。
今日も作曲作業。
16:00まで。

部室で時間つぶして、18:00から助手慰労会@武蔵境。
なんと木部家総出演でお送りいたします。
木部先生+ゆかりさん(妻)とゆうりちゃん(娘)。
見慣れぬ欧風料理の店に招かれる。

店に向かう道すがら、

 ゆかりさん「お酒はあんまり飲めないって尚志(木部先生)から聞いたけど」
 僕「(絶句)・・・すみません。とても飲みます・・・」
 ゆかりさん「(絶句)・・・尚志がそんなに飲まなかったって・・・」
 僕「木部先生の手前でがぶがぶ飲むわけにも・・・」
 ゆかりさん(木部先生に)「ちょっと、尚志! sjo k.君、お酒強いんだって!」
 木部先生「(絶句)・・・それは初耳だなあ」
 ゆかりさん「尚志の前では飲めないふりしてたんだって!」
 木部先生(僕に)「そんなこと一度もおっしゃったことありませんよね」
 僕「そりゃあ・・・僕のほうから先生に『先生、先生!俺酒大好きっス!めちゃくちゃ飲めまっス!』って言うのもおかしいですし・・・」

そして化けの皮がはがれた助手に、
木部先生は赤ワインをボトル2本も振る舞ってくださいました。
(むろん全部僕一人で飲んだわけではありません)
僕のほうこそ木部先生はそんなにお酒が飲めないんだと思っていたら、
ぜんぜんそうでもなかった(笑)

ゆうりちゃんは相変わらず聡明な少女だった。
父親が風呂の中で「あがる前に30数えなさい」と言うのは普通であるが、
木部家の父親は「じゃあ、10まではフランス語、20まではドイツ語、30まではロシア語で数えなさい」と言う。

ところで米の入ったスープ状の食べ物を日本の家庭では普通「雑炊」と呼ぶが、
木部家ではそれを「ごはんズッペ(Suppe:ドイツ語でスープの意)」と呼ぶ。

ゆかりさんはかわいい人だった。
そしてやはり聡明だった。
木部先生を旦那に持つんだから、そりゃ聡明じゃないとやってられないだろう。

こうしてとにかく楽しい夜は更けていったのでした。
ワインが予想以上に回り、かなりいい気分で帰宅。

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初めての体験 - 2003年07月01日(火)
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午前中ギリギリからブカツ。
ぼちぼち叩く。

午後、はんぞうに手伝ってもらって作曲作業。

夕方から図書館バイト。
さすがに夏休みは人が少なくて静か&ヒマ。

全館20:00で閉館なので、
19:50に持ち場の地階を見て回る。
女の子が一人粘っていて、帰れとも言えないので待つ。
19:57になったので、もう閉まりますよと伝えて追い出す。
やれやれ。
今日も一日終わった・・・
と思って1階に上がったら、

 真っ暗

・・・やれやれ。
夜間管理のシルバーさんが、もう誰もいないと思って図書館ごと閉めて帰ってしまったらしい。
そして案の定真っ暗になった図書館の入口にはさっき追い出した女の子がたたずんでいる。

 女の子「あの・・・」
 僕「ははは・・・閉じこめられましたね。っていうかバイトが閉じこめられてどうする。」

実は、彼女はもうすでに入口ドアを開けようとして警報機を作動させており、
ピリリリリリリリリリリという乾いた電子音が闇に落ちた図書館に響いている。

 僕「今、なんか音してるでしょ。いったん鍵かけた後にドアに衝撃が加わると警報が作動するんです」
 女の子「はあ」
 僕「そろそろ保安のオッサンが駆けつけますから」

所在ないので、女の子と夏休みだから利用者が少ないですねとか当たり障りのない話をする。
オッサン遅い。駆けつけろよ・・・

ようやく懐中電灯ぶらさげてノロノロと歩いてくるオッサン。
良かった。ここで一夜を明かさなくて済みそうだ。
と思ったら、来るなりオッサンの一撃。
 
 オッサン「なーにやってんだよ!」

軽くムカッと来た。
それが律儀に閉館時間まで追い出しを待っていたら閉じこめられてしまった
いたいけな学生アルバイトにかける言葉か。
まあ向こうはそんな事情知らないんだけどさ。
それにしたってこういう場合、悪いのは閉じこめられた方じゃなくて、
十分な確認をしないで鍵かけて帰った方だろ。
っていうかオッサン、お前も鍵かけたときに立ち会ってるだろうが。
と思いつつ、とにかくこれ以上オッサンになんか言われるのはごめんなので、
オッサンの3倍くらいの大声で事情を一方的に説明する。
と、

 オッサン「ハハハハハハ」

笑い事じゃねえよ、タコ。

しかし貴重な体験であった。
世界広しといえども、うちの大学の図書館に閉じこめられた学生アルバイトは僕だけに違いない。

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 マエ    ツギ    モクジ



∴オキニイリニツイカ∵
























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