2012年03月28日(水) |
『僕達急行 A列車で行こう』 |
のぞみ地所の社員、小町圭(松山ケンイチ)とコダマ鉄工所の二代目、小玉健太(瑛太)は、ともに鉄道を愛する者同士。 ふとしたきっかけで出会った2人は、すぐに仲良くなる。 住まいにも、鉄道が見える景色“トレインビュー”を追求する小町は、コダマ鉄工所の寮に入居したものの、やがて九州支社に転勤することに。 転勤先の九州では、大手企業の社長(ピエール瀧)をなかなか口説き落とせず、のぞみ地所は苦戦していた。 ところが、社長も鉄道ファンだったことから、小町や小玉と意気投合。 事態は一気に好転する。 仕事も趣味も順調そのもの。 しかし、恋の方は思ったように進展せず。。。
「○○電車ラストラン!」などのニュース映像を見ると、ホームに溢れんばかりの鉄道ファンが押し寄せ、パシャパシャと写真を撮ったり、電車に向かって手を振ったり、「ありがとう○○!」という横断幕を作ってきたり…。
その道の素人(私)からすると、「いやぁ…凄いな…」と、目が点になる。
この作品も、見るまでは↑こんな展開の流れを想像していたけど、鉄道よりも、もっと「人」にスポットが当たっていて、とても面白かったです。
もちろん、「鉄」にもちゃんとスポットは当たってますが…。
とにかく、主役の2人が凄く良い! 普通の人とマニアックな人のギリギリを上手に演じていました。
いや…十分マニアックさがあったかな…。
でも、個人的には「もっと凄いんだろうな」というイメージがあるので、劇中の2人は、「思ったより普通」だった。 普通の中にも、「1度火が点くと消化器が足りない」みたいな感じが上手に描かれていて、楽しめました。
もし、「鉄道ファンの為の映画」というイメージが先行しているとしたら、それはチョット残念だな。
読売新聞の評に「『釣りバカ日誌』のような作品になりそう」と載っていたけど、今の時代、なかなかお目にかかれないような小町の勤務する会社、人種のるつぼ化している小玉のお父さんが経営する鉄工所。
この辺りのテイストも『釣りバカ日誌』に遠からずという感じで、本当、シリーズ化も可能な作品だったように思う。 森田監督が亡くなってしまったことが悔やまれます。
主役の2人のファンはもちろん。 鉄道ファンもそうでない人にもオススメの1本と思います。
見終わった後、昔『探偵ナイトスクープ』で「電車から手を振って欲しい」という依頼をふと思い出した。
<<昨日は『種まく旅人〜みのりの茶〜』 ■感想予告■(映画見済・感想暫待) 『ヘルプ〜心がつなぐストーリー〜』 『マリリン 7日間の恋』 『アーティスト』
2012年03月21日(水) |
『種まく旅人〜みのりの茶〜』 |
東京のアパレルメーカーのデザイナーをクビになったみのり(田中麗奈)は、有機緑茶農家の祖父・修造(柄本明)を訪ねて大分県臼杵市にやって来た。 祖父の家で、全国各地の農家を回って作業を手伝う金次郎(陣内孝則)に出会う。 “金ちゃん”の愛称で呼ばれ、地元の人たちと酒を酌み交わす金次郎は、実は農林水産省の官房企画官。 しかし、畑と役所では別人のように振る舞っているため、両方の顔を知っているものは誰もいなかった。 そんな時、修造が突然の病に倒れ、仕事をリストラされたばかりのみのりが代わりに畑仕事をする羽目に。 市役所農政課に務める青年・卓司(吉沢悠)から有機栽培の奥深さを教わりながら、くる日もくる日もお茶の葉と向き合うみのり。 自然の厳しさや慣れない田舎の風習にも、何度も挫けそうになる。 飲んだ人を幸せにするみのりのお茶はできるのか。。。
全く話題になっていない作品なので、レポを書いたところで誰も興味がないかもしれませんが…。
お茶どころに住む者としては、題材がとても興味深く、珍しく相方と一緒に見に行って来ました。
みのりは最初から祖父の家に遊びに来たわけではなく、初めは、農業カフェを営む友人の香苗(中村ゆり)に会いにやって来ます。
今まで、華やかなアパレル業界で働いていたのに、突然リストラされて、「会社の駒」という気分もあったんだろうね。
雑誌にも取り上げられる香苗のカフェを羨ましく思って、上辺だけを見て「いいなー、いいなー」と言う姿は、まだ、お茶畑の「お」の字も知らない正直な姿でした。
祖父のアクシデントから、突如、お茶畑の作業を始めることになったみのり。
草取り1つしたことがない素人が急に畑仕事なんてつとまるはずがないのはわかっている。 こんな上手い話があるわけがないのもわかっているけど、お茶っ葉のドギュメンタリー映像じゃないから、長靴姿で畑に埋まる田中麗奈は頑張っていて好感がもてた。
畑の作業と平行して、市が推奨する栽培方法と、修造が信念を持っている有機栽培に関することも描かれています。
当たり前だけど、自然相手の仕事は何がどう起こるかわからない。 陽も照れば雨も降る。 暑い日もあれば寒い日もある。 農業は、日々、この自然や天候と向き合いながらの仕事だと思う。
劇中、この辺りのエピソードも挟まれているけれど、もう少し深刻さを出すと、見ている観客にもより深く伝わってきたんじゃないかなぁ。 その辺がもうひと押しあれば良かったかも。
今の世の中、パソコンを1つクリックすれば、どこに居ても何でも取り寄せられる時代。
食の安全が叫ばれ、震災以降、第一次産業の被害を目の当たりにしている今、お米粒1つ、お茶っ葉1枚の向こう側には、「これを育ててくれている人がいるんだ」という当たり前の事を、改めて感じられる作品だったと思う。
私の住む街には、お茶畑がいっぱいあるので、見慣れた景色だったけど、やっぱり緑はいいね。
これから新茶の季節に向かい、美味しい緑茶をいただけるのがますます楽しみ♪
<<昨日は『ハートブレイカー』 ■感想予告■(映画見済・感想暫待) 『僕達急行 A列車で行こう』 『ヘルプ〜心がつなぐストーリー〜』 『マリリン 7日間の恋』
2012年03月02日(金) |
『ハートブレイカー』 |
“別れさせ屋”のアレックス(ロマン・デュリス)のビジネスパートナーは、実姉のメラニー(ジュリー・フェリエ)とその夫マルク(フランソワ・ダミアン)。 メカに強いマルクはコンピュータを駆使してターゲットとなる女性の周辺情報を徹底的に洗い出し、メラニーが偶然を装ってターゲットとアレックスを引きあわせる。 新たなターゲットは、10日後にイギリス人青年実業家ジョナサン(アンドリュー・リンカーン)と結婚するジュリエット(ヴァネッサ・パラディ)。 アレックスたちは、ジュリエットが結婚式の準備のために滞在しているモナコへと向かう。 アレックスは、ヴァン・デル・ベックが差し向けた“ボディガード”としてジュリエットに接近する。 モナコの街で。。。
ラブコメなので、結末は最初から見えているけれど、アメリカ男と女にはない雰囲気がオシャレで良かった。
『007』や『ミッションインポッシブル』も真っ青な高機能ツールを駆使する“別れさせ屋”3人組。 「どうやってこの3人で(家内製手工業)スパイもどきをやるんだ?」という突っ込みはあるものの、3枚目役のメラニー&マルク夫妻がとても良い味を出していて、作品を引っ張っていた。
あと、ジュリエットの幼馴染役もぶっ飛んだキャラで、良い味かどうかは別として、作品を引っ張っていた。
ゆえに、残りの主人公2人がオシャレに映ったのかも?! モナコの美しい景色もプラスされてね。
ジュリエットの好きなコト・好きなモノでわざと関心を引く展開は、超古典的だけど、あの単純明快な作戦こそ、相手のバリアをほどく…いわば、「素直」になれる瞬間なのかな。
素直になるって、意外と難しいもんね。
“別れさせ屋”というのは極端だけど、第三者に客観的な目で相手を見てもらう。 そして、見つめなおしたり、考え直したり…etc…それはそれで良いことなのかもしれないなぁと思ったり。
今日も会員になっている小さな映画館にて鑑賞。 モナコの青空が眩しかったな〜。
<<昨日は『使うストレス発散・使うストレス』 ■2012年 2月の日記■ ■感想予告■(映画見済・感想暫待) 『種まく旅人〜みのりの茶〜』 『僕達急行 A列車で行こう』
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