1972年のニューヨーク。 金融保険業界で働いていたハーヴィー・ミルクは、地下鉄の駅で20歳年下のスコットと出会い、恋に落ちる。 2人は新天地を求めてサンフランシスコに移り住み、小さなカメラ店『カストロ・カメラ』を開店。 そこはたちまち同性愛者やヒッピーたちのよりどころとなり、ミルクは彼らを快く思わない保守派に対抗した新しい商工会を結成する事になる。 社交的でユーモアにあふれたミルクは、近隣住民の抱える問題に、政治的により関わりを深めていき、ついに選挙に出馬することになる。。。
ニュースでアメリカの大統領選の様子を見る度に、「一般市民が、どうして選挙にここまで熱狂できるんだろう?」と、日本人にとってはちょっと不思議な光景だけど、その「熱狂する」気持ちが少し分かるような映画でした。
ショーン・ペン演じるミルクが、「リーダーシップがある年長者」から、だんだんとカリスマ性を増して「本物のリーダー」そして、「政治家」にになっていく様子が凄くて、スクリーンの前で、私もミルクの演説に陶酔しちゃうような…そのくらいの臨場感たっぷりで、こんなに集中して映画を見たのも久し振りかも。
アカデミー主演男優賞受賞作品という事で、多少の期待はもっていたけれど、期待以上の作品だったなぁ。 今のところ、これが2009年ナンバー1候補?! (ちょっと気が早い?)
賞が全てとは思わないけど、ショーン・ペンの演技は文句なしに凄かった! 政治家であるミルクと、1人のゲイ男性であるミルクと、オンとオフの違いとでも言いますか、表情とか立ち姿とか…etc…その辺が見事に表現されていました。
あと、ミルクの恋人役スコットを演じたジェームズ・フランコも凄かった! その切ない役どころが、より私好みで、ラストの誕生日のシーンは泣けたなぁ(今、思い出すだけでも切ない)。 彼を「印象深い」って思う人は、きっと多いんじゃないかな?
ストーリーは、ミルクが自分の思いのたけをテープに吹き込みながら、過去から遡っていき、その様子で結末はすぐ想像がつくけれど、肝心なシーンは(私は)けっこう予想外だったので、余計にショッキングに思えました。
“ゲイの政治家”と、宣伝でも“ゲイ”とか“マイノリティ”がフィーチャーされがちだけど(確かにその苦悩の様子はよく表現されているけど)男とか女とか同性愛とかそうゆうの全く関係なく、1人の人間としての「ハーヴィー・ミルク」が掴み取った社会という印象の作品でした。
各地で大絶賛の『グラン・トリノ』がこちらでは公開されずなので(泣)、今作は贔屓のミニシアターで上映されて本当に良かったです。
♪BGM♪〜『Do You Dreams Come True』Dreams Come True
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■感想予告■(映画見済・感想暫待) 『ダウト〜あるカトリック学校で〜』 『おと・な・り』
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