2009年03月25日(水) |
『スラムドック$ミリオネア』 |
インドのスラム出身の少年ジャマールは人気番組『クイズミリオネア』に出演し、あと1問で2000万ルピーを手にできるところまできた。 しかし、これを面白く思わない番組のホストは警察に連絡。 彼はズルをして正答を得ていたとされ、詐欺容疑で逮捕されてしまう。 ジャマールは警察署での警官の厳しい尋問に対し、正答を知ることになった自分の過去を話し始める。 そこには1人の少女を追い続けた彼の人生の物語があった。。。
いつもお世話になっているリネさんに「怖さ」の確認をしてから見たんだけど、いやぁ〜、冒頭のシーンから怖かった…。
昨今、インドは「BRICS」の1つで、発展イケイケの国のように思えるけど、それはまだまだ極一部で、実際のスラム街は、この映画ときっとほぼ同じような状況なんじゃないかなぁ…と感じました。
クイズ番組の話だけど、主人公のジャマールが「全問正解を出す」までが重要なストーリーではなく、小さい頃、施設で一緒に過ごし、生き別れになってしまったラティカ、そしてジャマールのお兄さんサリームの3人の関係が軸になっていくストーリーです。
私には、ジャマール×ラティカの恋の部分よりも、ジャマール×サリームの兄弟関係や確執の方がメインに映り、その描き方は良かったです。
特に途中から真っ向対立の関係になる兄サリームとの部分は、後半のシーンがグッときました。 やっぱり、なんだかんだで最後は「兄弟愛」ってあるんだろうなぁ。
アカデミー賞の部門をいっぱい受賞して話題作ですが、映像的に私にはちょっと過激すぎて…見終わって疲れる作品でした。
この形態のクイズ番組って、世界的にポピュラーなんですねぇ? あと、スタイルが全くといっていいほど一緒で驚きました。 「あ、テレホンあるじゃん」「50%50%あるじゃん」って。
♪BGM♪〜『Do You Dreams Come True』Dreams Come True
<<昨日は『ブロークン・イングリッシュ』
■感想予告■(映画見済・感想暫待) 『ミルク』 『ダウト〜あるカトリック学校で〜』
2009年03月24日(火) |
『ブロークン・イングリッシュ』 |
ニューヨークのホテルで働くノラは、30代で独身。 親友のオードリーは自分が紹介したマークと結婚、母親からは「あなたの年頃でイイ男は残ってない」と心配されている。 あるがままの自分を愛してくれる人と出会いたい。 揺れ動く希望と不安を抱えながら、ノラは新しい出会いを求めるが、ことごとく失敗ばかり。 そんな時、同僚が主催したホームパーティーで、フランス人男性ジュリアンと出会う。。。
残念ながら、ほとんど印象に残らない作品でした。
女性が見るには興味深いテーマだし、NYの街並みや、パリの風景も良かったけど、ストーリー展開に「波がなさすぎ」て…。
ノラを演じたパーカー・ポージーは、等身大の30代女性を上手に演じていて好感だっただけに、全体的にモノトーンな流れが残念でした。
ところで、ノラの住むアパートは、『SATC』のキャリーのアパートと同じ?! 玄関の階段風景が一緒のような気がした。 なんてことない通りかもしれないけど、「絵になる」風景なんだろうね。 もう1度NYに行く機会があったら、私も絶対「キャリーのアパート」前に行って、階段で写真撮りたいもんなぁ。
♪BGM♪〜『コーラスライン』サウンドトラック
<<昨日は『レッド・クリフ パート2』
■感想予告■(映画見済・感想暫待) 『スラムドック$ミリオネア』 『ミルク』 『ダウト〜あるカトリック学校で〜』
2009年03月21日(土) |
『レッドクリフ パート2』 |
大軍を率いて赤壁へ進行してきた曹操軍。 曹操は疫病で死んだ自軍兵を対岸の孫権・劉備連合軍の元へ船で流し、連合軍に疫病を蔓延させる。 これが原因で劉備軍は撤退するが、諸葛孔明だけは赤壁に残った。 そんな中、孫権軍司令官・周瑜と孔明はお互いの首をかけての謀略を展開、周瑜は曹操軍2武将の謀殺、孔明は「3日で10万本の矢の収集する」と宣言したとおりに成功する。 やがて曹操軍に潜伏していた孫尚香が帰還、決戦へ向けて本格的な準備が始まった。。。
曹操のあのラストに不満が残ったけど、全体的にはけっこう良かったです。 私は、パート1よりこっちの方が好きかも。
尚香が大掛かりなスパイをやったり(あれでバレない事が笑っちゃうほどおかしかった)、小喬が曹操軍に乗り込んで行ったり、映画ならではの女性2人フィーチャーが「ちょっとやりすぎ」感はあったけど、肝心な赤壁の場面は迫力があって見ごたえがありました。
パート1の時と同じく、多少の文句?もあるけど、トニー&金城くんファンの私としては、2人が出ている時点で概ね満足でした。
当初は、孔明役をトニー・レオンがやるはずだったり…etc…キャスティング問題があったそうだけど、終わってみれば、これがマッチしていたんじゃないかなぁ?
人形劇の孔明の顔がだんだん金城くんに見えてきそう(笑)。
♪BGM♪〜『コーラスライン』サウンドトラック
<<昨日は『わが教え子、ヒトラー』
■感想予告■(映画見済・感想暫待) 『ブロークン・イングリッシュ』 『スラムドック$ミリオネア』
2009年03月20日(金) |
『我が教え子、ヒトラー』 |
1944年12月。 連合軍の進攻によりナチス・ドイツは劣勢に陥っていた。 そんな中、宣伝大臣ゲッペルスは、新年に行われるヒトラーの演説を成功させ、国民の戦意を高揚させようと試みる。 しかしヒトラーは心身共に衰弱し、自信喪失状態していた。 そこでゲッペルスは、かつてヒトラーにスピーチ指導をしていたユダヤ人俳優グリュンバウムを収容所から呼び寄せる。 戸惑う彼だったが、収容所の解放を交換条件に出され、引き受けることになる。 敵を教える苦悩、そして本番の日のスピーチへ。。。
『善き人のためのソナタ』のウルリッヒ・ミューエの遺作で、自主上映劇場で見てきました。
2007年の7月、私が『善き人のためのソナタ』を見た3日後にウルリッヒ・ミューエが亡くなっていた事を知ってショックだったけど、今回、本当に最後の最後の遺作を見れて良かったです。
この映画はフィクションだけど、パンフレットによると、ヒトラーに発声指導していたボイストレーナーは実在したとの事。 そう言われれば「なるほど、それは当然かなぁ」とも思う。
(相方に「今日、↑こうゆう映画を見てきた」と話をしたら、彼は「小泉さん(←元首相の)にも、そうゆう人がいたんじゃないかなぁと思うよ」と言っていて、これまた「なるほど」と思った)
私が1番最近見た「ヒトラー」モノは、2005年8月の『ヒトラー最後の12日間』。 そして、ウルリッヒの前作は『善き人のためのソナタ』。 どちらも暗いストーリーだったけど、今作は、「ヒトラー」「ナチス」モノだけど、ピリピリしたストーリーではなく、どちらかとうと少しコメディ的要素が入ったストーリーで、この手の題材をこうゆう感じに描くのも新鮮だった。
劣勢になったドイツ軍の状況にも関わらず、ストーリーの中のヒトラーは、総統とか威厳とか、そうゆう雰囲気は全くなくて、繊細で間抜けな人物に近い感じで描かれていて、人間味溢れる人物になっています。 そんな人間味溢れるヒトラーに朝から晩まで振り回されるのがグリュンバウム教授で、その様子は「プッ」とか「クスッ」と笑えるシーンが多く、ブラック・コメディなんだけど、それ故に、ラストの悲劇が「あぁぁ…」と余計に悲しく印象に残りました。
あと、エンドロールでドイツの老若男女に「ヒトラーって?」と尋ねるシーンが流れて、これがとっても興味深い回答で印象的だったなぁ。
少し前、イギリスのヘンリー王子が、ナチスの格好をして仮装パーティー(?)に出たとかなんとかで批判があったけど、ドイツ人でさえも、もうヒトラーを知らない世代がいるんだなぁ…これはけっこう衝撃的でした。
♪BGM♪〜『コーラスライン』サウンドトラック
<<昨日は『ホノカアボーイ』
■感想予告■(映画見済・感想暫待) 『レッド・クリフ パート2』 『ブロークン・イングリッシュ』 『スラムドック$ミリオネア』
ハワイ島の北、ホノカア日系移民の町。 恋人に振られ、大学を休学したレオは、とにかく日本を離れ、ただ違う風景の中にいたかった。 レオが初めてこの町にやってきたのは半年前。 見た者に最高の祝福をくれると言われる“月の虹【ムーンボー】”を探し求めて、恋人と一緒にハワイ島に。 しかし“月の虹【ムーンボー】”は見られず、かわりに道に迷って辿り着いた町が、このホノカアだった。 不思議な魅力に吸い寄せられるように再びやってきたこの町でレオが出会ったのは、風変わりだけど優しい人たち。 レオは出会いと別れを繰り返し、ホノカアで過ごす。。。
そよ風が吹いてくるような作品でした。
夏が好きな私は、Tシャツと短パンで過ごす光景を見ただけで、ウキウキ気分になり、気持ちの良いストーリーだった。
「旅」とか「気ままな暮らし」とか「食事」とか…etc…なんとな〜く『かもめ食堂』や『めがね』の二匹目のドジョウという感じもしないでもないけど、、、でもまぁ、オールハワイロケの景色は美しかったし、見ていて気持ちの良い作品は、(例え二匹目のドジョウだとしても)これはこれで十分に楽しめたなぁ。
南国の太陽の下、気ままに暮らす主人公や町の住民の様子が描かれているけど、この過疎化した町で、どうやって収入を得て、どうやって生計を立てているのか…「いったい、誰が見に来るんだろう?」って映画館や、「誰が買いに来るんだろう?」って小さなお土産屋さんだけではとても生活が出来ないと思うんだけどなぁ。 などと、思いっきり現実味溢れる事もちと思ったり…。
せっかちな私は、こうゆう映画を見ると、もう少し落ち着いて行動しなければなぁと、いつも思います。
♪BGM♪〜『コーラスライン』サウンドトラック
<<昨日は『ラースと、その彼女』
■感想予告■(映画見済・感想暫待) 『わが教え子ヒトラー』 『レッド・クリフ パート2』 『ブロークン・イングリッシュ』 『スラムドック$ミリオネア』
2009年03月10日(火) |
『ラースと、その彼女』 |
アメリカ中西部の小さな町に暮らすラースは、優しくて純粋な青年で町の人気者。 しかし、ずっと彼女がいない事を兄のガス、義姉カリンらは心配していた。 そんなある日、ラースが「彼女を紹介する」と兄夫婦のもとにやってくる。 しかしラースが連れてきたのは、ビアンカと名づけられた等身大のリアルドールだった。 兄夫婦を始め、街の人たちは驚きながらも、ラースを傷つけないようにビアンカを受け入れようとするが。。。
大好きなエミリー・モーティマーが出ている映画で、ずっと見たいと思っていたら、やっとこちらでも公開されました。
ラースは、母親が自分を出産した時に亡くなってしまい、その事がきっかけで、人付き合い、特に女性付き合いを拒絶しています。 そして、兄嫁カリンが妊娠して、大きなお腹を見る事が、彼にとって余計に精神的不安定になり、さけて過ごしている毎日。
女性付き合いに対して異常反応する彼を、特に親身になってサポートしているのが、兄嫁のカリンと、女医のパーマンです。 カリンもパーマンも、ビアンカをまるで本当の人間のように(何から何まで)全部「ラースの彼女」として接していて、結局はその母性がラースに伝わり、彼の心を開かせていきます。
最初、「人形に恋する」なんてストーリーは、どんなトンデモ話かと思ったけど(確かに、とってもトンデモ設定ではあるけど)、変態とか気持ち悪いとか…etc…そうゆう感情は全然抱く事はなく、見ているこちらも、スクリーンの中の人々と同じように、不思議とラースと人形を暖かく見守っていく感じになっていったなぁ。
雪景色の寒そうな風景とは対照的に、ラースの周囲の人々の暖かさがとても印象的な作品だった。
カリンを演じたエミリー・モーティマーは、今作もと〜っても良かったです。
♪BGM♪〜『コーラスライン』サウンドトラック
<<昨日は『罪とか罰とか』
■感想予告■(映画見済・感想暫待) 『ホノカアボーイ』 『わが教え子ヒトラー』 『レッド・クリフ パート2』 『ブロークン・イングリッシュ』 『スラムドック$ミリオネア』
売れないB級アイドルのアヤメ(成海璃子)は、久しぶりに掲載されたグラビア頁が逆さに印刷されているのを見つけ、その雑誌を衝動的に万引きしてしまい、逮捕を免れるために、警察署の“一日署長”を務めることになった。 しかし、午前中で終る筈が「一日署長だから、夜中まで」という奇妙な指示が。 しかも、自分の担当刑事、春樹はアヤメの元彼だった。 アヤメは春樹に、愛するあまり人を殺してしまう「殺人癖」があることを知っていた。。。
非現実的なストーリーに独特の世界観表現、面白い作品でした。
冴えないB級アイドル役という事で、終始、苦虫を踏み潰したような表情の成海璃子は、何をやってもさっぱり上手くいかない「んっっー、もうっ」って感情がなかなか良い演技でした。
あと、アヤメの親友でこちらは売れっ子アイドル役の安藤サクラが、けっこうオイシイ役でハジけた演技が良かった。
ところどころ、ドタバタくどい表現もあったけど、キャストもかなり豪華だし(段田さんは、何をやらせても上手い!)自由で独特な描写がおかしかったです。
♪BGM♪〜『コーラスライン』サウンドトラック
<<昨日は『カフーを待ちわびて』
■感想予告■(映画見済・感想暫待) 『ラースと、その彼女』 『ホノカアボーイ』 『わが教え子ヒトラー』 『レッド・クリフ パート2』
2009年03月02日(月) |
『カフーを待ちわびて』 |
沖縄の小さな島で、雑貨店を営みながら、愛犬・カフーと暮らす不器用で地味な青年・明青(玉山鉄二)のもとに、ある日1通の手紙が届く。 その手紙には「あなたのお嫁さんにして下さい」と書かれていた。 やがて一人の美しい女性・幸(マイコ)が訪ねてくる。 そして何の説明もなく、明青の家に住み付いてしまう彼女だったが、彼女のことを“カフー”(=良い知らせ)として受け入れ、明青は幸と共に暮らし始める。。。
途中でオチが読めてしまったのはチョット残念だったけど、沖縄の美しい景色が素晴らしく、スクリーンにひきつけられた作品でした。
「日本ラブストーリー大賞」という賞の第1回受賞作品(の映画化)との事だけど、ラブストーリーというよりは、離島が抱える問題や、主人公:明青の生い立ち苦悩などが中心で、恋愛のドラマティックな場面ばかりを取り上げていなかった点は良かったです。
私は沖縄本島にも行った事ないので、周辺の離島にも行った事がなく、ただただ「綺麗だなぁ」「のどかだなぁ」とスクリーンを眺めていたけど、実際に生活している人にとっては、このストーリーの中にあった離島問題以上の厳しい生活環境はあるんだろうなぁと思いながら見ていました。
幸役のマイコの清楚な美しさ、母親役の高岡早紀、同級生役の白石美帆がとても印象に残りました。 白石美帆はなかなか良い演技してたなぁ。
夏が好きな私は、海や砂浜、太陽の日差し、登場人物の半袖姿…etc…チョット先取りの夏を感じられて良かったです。
♪BGM♪〜『コーラスライン』サウンドトラック
<<昨日は『ベンジャミン・バトン』
■感想予告■(映画見済・感想暫待) 『罪とか罰とか』 『ラースと、その彼女』 『ホノカアボーイ』
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