2006年05月24日(水) |
『グッドナイト&グッドラック』+5月の読書まとめ |
人気ニュース番組のキャスター:エド・マローとクルーたちは、今日も真実の報道を伝えるべく邁進していた。 マローの片腕は、ラジオ時代からコンビを組むプロデューサーのフレンドリー。 1953年、マッカーシー議員による“赤狩り”の影はテレビ局にも忍び寄っていた。 そんな時、マローは、父親と姉が共産党員だとの嫌疑をかけられた空軍兵士が、除隊処分の危機にあるという記事を目にする。 圧力を感じつつも、彼らはこの事件を取り上げようと決意する。。。
冒頭のパーティー記念撮影シーンがとっても粋で、すぐに物語に惹きこまれた。 最後まで「粋」な作りで、大人な映画という印象でした。
余分な着色がほとんどなく、ピンポイントで6ヶ月間を描いている事が、この映画の良さを更に引き出していたように思います。 少し短めな上映時間もちょうど合っていた。 ただ、この時代をリアルタイムで知らない身にとっては、もうチョットだけ「マッカーシズム」の詳細を劇中に組み込んでくれたらなぁと思ったけど…まぁ、他の良い部分が多かったので、プラスですね。
日本とアメリカでは文化も政治色も違うし、また今とは時代も違うから、一概には比べられないけど、日本のマスメディアではなかなか見られない出来事なので、非常に興味深かったです。 「報道」って、どこを中心に置いて伝えるか?って凄く大切で重要な事ですね。 あまり偏りがあっても困りものだと思うけど、ある程度の偏りがあると世間の関心が向くし、その中心をどこにするかで色々捉え方が変わってくると思う。
ジョージ・クルーニーお目当てで見に行ったんだけど、エド・マローを演じたデヴィッド・ストラザーンの存在感にノックアウトだったー。 エド・マローは、淡々としているけど、ちゃんと信念と情熱を持っているタイプの人間…「クールな人」と一言で片付けられないタイプの人間…デヴィッド氏の好演が光りました。 エドみたいな男性って、憧れがあるなぁ。 恋人としたら面白みはないかもしれないけど(笑)でも、ああゆうクールさって凄くステキだなぁと思う。
ジョージ・クルーニーは、もうダグの頃の若々しさが消えちゃったけど(それはしょうがないけど)助演の役割が本当に魅力的な人だなぁといつも感じる。 いつまでもロス先生の面影を追ってしまうのもよくないと思いつつ、スクリーンで見る度にどうしてもダグを思い出してしまうけど、もう本当にそろそろ緑色のドクター服を重ねるのは(自分の中で)卒業の頃かも…。 といいつつ無理そうだけど(苦笑)。 と、思ってる『ER』ファンは多いのでは?ないかな?
そして、因縁の(?)ロバート・ダウニー・Jr君。 『アリー』出演中に薬物で逮捕され、番組展開に大打撃を与えたアナタ…。 お久しぶりにお目にかかれましたわよ。 もう少し目立つ役かと思ってたんだけど、イマイチそうでもなかったのね。
エンターテイメント性は少ないけど、社会派のストーリーに雰囲気と音楽を楽しみつつ、モノクロ映像にタイムスリップしたような、とってもセンスある映画でした。 ジョージ・クルーニーの粋な作品。
この映画、全国のTOHOシネマズでは上映があるのに、浜松はすっ飛ばされ…最近贔屓にしている浜名湖向こうのシネコンも上映なし、、、って事で、ナント東名を飛ばして名古屋まで見に行ってしまいました!
今日は、友達が午後からお休みをとってくれたので、お出掛けがてら遠路はるばるの映画デート。 古くからの『ER』ファンの私としては、どうしてもダグが見たくて(彼の監督作品だし)リクエストしたら連れて行ってくれたので感謝!
この友人と一緒に映画行くのはカナリ久々だったし、初めて行くシネコンって無条件にワクワクがあるから、楽しかったな〜。
友人は、水曜のレディースdayの実態(女性客が多い光景を)目の当たりにして、「いつも、こんななの?」と凄く驚いていた。 私は勤め人の頃から平日休みで、映画館は違えども、ロビーやチケ売り場(女性が多い状況は)いつもの事だけど、普段、平日のお昼間に映画館に行けない人からすると、見慣れない状況なんだろうね。
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5月の読書まとめ。
・『陰日向に咲く』(劇団ひとり 著)★★★★★ 巷でもすこぶる評判が良いけど、本当に良かった! 元々、最近のお笑いの中では、劇団ひとり君は好きだったので、彼の才能に改めて好印象になったわ。
・『他人を見下す若者たち』(速水敏彦 著)★★☆☆☆
・『無思想の発見』(養老孟司 著)★★★☆☆
・『生協の白石さん』(白石昌則 著)★★☆☆☆
・『満州国皇帝の秘録』(中田整一 著)★★★☆☆
・『贅沢は敵か』(甘糟りり子 著)★★☆☆☆
・『町長選挙』(奥田英朗 著)★★★★☆ お馴染み、伊良部先生シリーズの最新作。 最初の『イン・ザ・プール』ほどの衝撃はなくなってきて、伊良部先生よりも患者の話の方がメインになりつつあるけど、今作はパロッた人物(ナベツネ、堀江氏、黒木瞳)が想像できる内容で面白かった。 ラストの町長選挙が、このシリーズらしかったかな。
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いつも御世話になっているkaiさんの記事を、いつもどおり拝見してたら、「●自分と誕生日が一緒の有名人は? デイヴィッド・リンチ、ニッキー・ワイアー、花田勝」って、、、え?若乃花?…私も同じ誕生日なんだけどー! 念のため、デイヴィッド・リンチの誕生日も検索かけて本当かどうか確かめちゃったわよ(笑)。
同じ誕生日だったことより、今ごろそれに気付いたことに(笑)ビックリ。 実際にお目にかかって食事したこともある仲なのに、どうして今までこの話題が出なかったんだろう…不思議だ。
♪BGM〜『Billy Elliot The Musical』by:Original Cast Recording
<<昨日は『ピンクパンサー』
■感想予告■(映画見済・感想暫待)
サッカーの国際試合で、フランス代表チームの監督グルアンが何者かに殺害され、所有していたピンクパンサー・ダイヤモンドが忽然と姿を消した。 ドレイフェス警視(ケビン・クライン)は、この事件で自らを引き立てるため、クルーゾーを警部(スティーブ・マーティン)に抜擢し任務にあたらせる。 早速、助手のポントン(ジャン・レノ)とともに犯人逮捕に乗り出したクルーゾー警部だが、捜査に向かったニューヨークの空港でとんでもないトラブルに巻き込ま れ、『フランスの恥』と報道されてしまう。。。
2005年の個人的トップ10で、第8位に選んだ『Dearフランキー』。 主人公フランキーのママ役を演じたエミリー・モーティマーが、クルーゾー警部の秘書:ニコル役で出演していました。
映画が始まってからすぐ(けっこう冒頭で)強烈なシーンで登場するニコルを見た時、「あのフランキーのママと同じ人」とパッと見では分からないほどの、役のギャップと雰囲気のギャップにビックリだった!
1971年生まれの彼女…前作ではちゃんと「お母さん」だったのに、今作では「20代前半(に見えた)キュートな秘書嬢」…う〜ん、女優って凄い!
ジーンズ姿が多かったフランキーママとは打って変わって、ファッション誌に載っているような可愛い洋服を着こなしていて、とっても可愛らしかったなぁ。 また、メガネ姿もキュート☆ シリアスな役も非常に良かったけど、こうゆう思いっきりコメディもカナリいける女優さんですね。 ビヨンセより断然、目立っていてステキでした。 これからも色んな作品で見たいなぁ。
キュートなエミリー嬢を堪能しつつ、ストーリーは終始コテコテのコメディ。 「そうくると分かっていつつも笑える」可笑しさ。 次のシーンが100%予想つくんだけど、それでも大笑いしちゃうのよ。 私も相方も、吹き出しちゃいけないと思って、ジュースを飲むタイミングを見計らってたもん。
こうゆう笑い、私はけっこう好きだなぁ。 「楽しめる」事って大事だし、元祖コメディって感じで純粋に楽しかった。 見終わった後、相方とも話したんだけど、『Mr.ビーン』より“狙ってなくて”面白い作品でした。
クルーゾー警部のようなタイプの人間になりたいような願望がある反面、絶対あんな人間にはなりたくないと思う反面、、、スティーブ・マーティンは、バランス良い「なんにも考えてない人間」を上手に演じていました。 お腹抱えちゃうほど笑えるシーンはいくつかあったけど、ハンバーガーの発音シーンと、バイアグラをポチャンしちゃうシーンが凄く可笑しかったかな。
お馴染みのテーマソングは、高校の頃、定期演奏会で吹いたので、ちょっぴり懐かしかったです♪
例によって浜松のTOHOでは上映がないので、またまた浜名湖向こうのユナイテッドシネマズまで出掛けてきました。 今日は、最近では珍しく良いお天気で、道中の遠州灘と浜名湖の景色も最高だった。
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「禁ジャンクフード生活」…頑張って実行しています。 夜中はもちろん、昼間もポテトチップスやプリングルスは一切やめ。
そして、この1週間「夕飯食べた後は何も口にしない」も守ってます。
今まで、好きな時間に好きなモノを好きなだけ食べていたから、辛いけど、我慢しなきゃ…ね。 スーパーやコンビニで、ジャンクフードの前に立つと、買いたい衝動を抑えるのに手が震えます(笑)。 もしかしたら、これは、禁煙生活している人と同じ苦しさ?かな?
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御世話になっていた失業保険が、ついに終了してしまいました。
本来なら職探しにエンジンをかける時がきたんですが、只今、チョットのっぴきならない事情で…本格的な職探しができない諸々が発生。 そうはいっても、毎月決まったお金の引き落としはやってくるわけで…収入がゼロというのも困るっていえば困る。 ってことで、とりあえず、短期でアルバイトに行こうと思ってます。
ちょうど良いバイトがあって、問い合わせて面接に行ったらあっけなく即採用で、6月になったら、期限付きの勤め人復活となりました。
アルバイトといえども、仕事内容はもちろん、時給とか通勤とか休日とか、自分の希望もあるし、雇う方の(募集の)タイミングもあるし、、、「どうしようかなぁ」「探そうかなぁ」「短期で行きたいんだけどなぁ」と思い始めてすぐにみつかったので、まぁよかったです。
尚更、胃腸炎など患ってる場合じゃなくなったから、やっぱり「夕飯食べた後は何も食べない」は厳守だな…頑張ろう…。
♪BGM〜『Billy Elliot The Musical』by:Original Cast Recording(本日購入) 作曲:エルトン・ジョン
『ライオンキング』や『アイーダ』など、近年ミュージカル楽曲での成功が目立つエルトン・ジョンですが、今作の楽曲は、ちょっとインパクトに欠けるなぁ…残念。
<<昨日は『ナイロビの蜂』
■感想予告■(映画見済・感想暫待) 『グッドナイト&グッドラック』
英国外務省一等書記官のジャスティン(レイフ・ファインズ)は、ナイロビの空港からロキへ旅立つ妻テッサ(レイチェル・ワイズ)を見送った。 「行ってきます」「じゃ2日後に」…それが妻と交わす最後の会話になるとも知らずに。 ジャスティンに事件を報せたのは、高等弁務官事務所所長で、友人でもあるサンディ(ダニー・ヒューストン)だった。 テッサは車で出かけたトゥルカナ湖の南端で殺された。 彼女は黒人医師アーノルドと共に、スラムの医療施設を改善する救援活動に励んでいた。 今回もその一環のはずだったが、同行したアーノルドは行方不明、警察はよくある殺人事件として事件を処理しようとする。。。
「レイフ・ファインズが出ている」「レイチェル・ワイズが今作でオスカー受賞」、これしか前知識がない状態で見に行きました。
第一印象は、「ストーリーが予想以上に複雑」。
アフリカにおける新薬開発の人体実験と、製薬会社と大国の癒着などなど…全く予期していなかったストーリーに、「うわっ、こうゆう内容なんだ…」と、物語を追うのにけっこう必死な部分もありました。
これは、超個人的な問題なんですが、、、私、カタカナを読むのが異常に苦手で、劇中に出てくる新薬の名前や、製薬会社の名前や…話が佳境になり、真実を暴くとこらへんまで進んでくると(役者陣のセリフも早口で=字幕も早くて)こうゆうの凄いこんがらがってきちゃって、頭フル回転で見てました。
アンジョリーナ・ジョリーの『すべては愛のために』とか、先日見た『ホテル・ルワンダ』もそうでしたが、今作でもまざまざと見せ付けられるアフリカの現状は、地球の裏側で現実に起こっている事と強く感じたいにも関わらず、頭の中では信憑性を感じられない自分がいつも存在します。
発展途上国に住んでいる人からすると、我々先進国の暮らしなど想像がつかないと同じように、我々日本人からすると、(劇中に出てくる少年のように)裸足で40kmもの距離を歩いて移動するなど、映像で理解できても、頭の中では絶対に理解できない事だなぁと、つくづく思ってしまう。
発展途上国での新薬開発という問題は、言われてみれば「確かに、ありえなくないかも…」と思うけど、普段の生活の中では全然考えて事もなかったので、そうゆう面でも、鋭い視点の作品だと思いました。
テッサが闇に隠された部分を暴き、ジャスティンがそれを追求していく、社会派サスペンスのストーリー性が強いけど、「愛おしさ」部分も感じられるラブストーリー性も控えめながら上手な作りでした。
ジャスティン&テッサ夫妻は、個人的には凄く理想的な夫婦の形に思った。 私自身、恋人との関係がとっても自由きままな独立態で過ごしている身なので、「個人」の面と「2人」の面を、上手に持ち合わせている2人の関係を見て、「いいなぁ」と憧れがあったなぁ。
2人は、それほど長い時間を共にしていたわけじゃないけど、お互い自分のやりたい事を突き進んでいる反面、お互いの事を信頼して理解していて、信念の強さがあれば、信頼もブレないのかなぁと思いました。
テッサは強い! 目的の為なら手段を選ばない姿勢…あそこまで出来る人間って(男女問わず)なかなかいないんじゃないかな。 裏では、友達や従兄弟に不安や悩みを見せつつ、一本筋が通った態度をとり続けている姿は、見習いたくても、ちょっとやそっとじゃ真似出来ないなぁ。
テッサと対照的に、ジャスティンは「静」の人間です。 強いテッサも凄い人間的だけど、穏やかなジャスティンもまたとても人間的。 でも、こうゆう穏やかな人が、ふとした事で情熱が爆発すると、炎を持った行動に出れたりするのよね。
ジャスティンの行動は、傍から見ていたら危なっかしいけど、テッサの「目的の為なら手段を選ばない姿勢」が乗り移ったかのように突進していく彼の姿は、とてもステキでした。
主演の2人は、オスカーお墨付きのレイチェル・ワイズは本当に素晴らしかった。 後半は、ほとんど出番がないんだけど、強烈なインパクトです。
そして、レイフ・ファインズも正統派の役柄で、「静」の役どころを熱演していました。 賞が全てとは思わないけど、何も受賞しなかったのがチョット不思議。 そして、リネさんもレポに書かれてましたが、スーツ姿、かっこよかったなぁ。 あと、車を運転する姿もメチャかっこよかった。 私の友達が、劇中でレイフが乗っているレンジローバーに乗ってて、よく乗せてもらってるので、「あら、私もこれいつも乗っけてもらってるわ♪」とか思ってました…ははは。
レイフは、『太陽の雫』のような役はもちろん、またこうゆう社会派の役が見たいな。
あと、レイフ氏演じるジャスティンの上司役で出演していたビル・ナイが、くせ者の役を嫌味ったらしく演じていて印象深かった。 スクリーンを見ながら、「あれ、この顔、どの映画で見たっけ…」とずーっと思ってたら、『ラブ・アクチュアリー』のロックおやじでしたね。 見事に化けていて、いや〜、役者って凄いわ。
私としては、ラストシーンがもう一工夫欲しかったところだけど、全体的には、(当初の予想を)いい意味で裏切られた内容で、良い作品だったと思います。
リネさんのレポを受け継ぎ、乱筆ながらこれにて。 では、kaiさ〜ん、結びのレポ(笑)よろしくです。
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只今、「禁ジャンクフード」しております。
最近、よく胃腸炎を勃発していて、、、「患うインターバルが短くなってきている、これはもしや、重病の前兆じゃないか」と思い、病院に行ったら、自律神経が悪く、人より胃腸の働きが多いのが原因と言われました。
私、お肉の食べないし甘いモノも嫌いだけど、夜中にポテトチップスとかプリングラウスとか、異常に食べるのがやっぱマズいんだな…。 食べる⇒胃が働く⇒炎症を起こすので、これを鎮めないと治らない。
元々ガリガリで、何を食べても太らない(太れない)体質の為、夜中にピザとかお餅とか…etc…お腹が空いたら好きな時間に好きなだけ食べるなんて、常の行動。
家族、相方、友人達から「夕飯食べたら、絶対何も食べちゃダメ!」と叱られ、「禁ジャンクフード」生活が始まりました。
今回、胃カメラも覚悟で病院行ったけど、、、本当、気をつけなきゃ。
♪BGM〜『Movin’ Out』オリジナルブロードウェイキャスト
<<昨日は『戦場のアリア』
■感想予告■(映画見済・感想暫待) 『ピンク・パンサー』
1914年、第一次世界大戦下のフランス北部。 フランス・スコットランド連合軍とドイツ軍が連日熾烈な戦いを繰り広げていた。 そしてクリスマスの夜、現地に届けられた何万本ものクリスマスツリーとともにドイツ軍兵士たちは、テノール歌手であるニコラウス(ベンノ・フュルマン)と妻のアナ(ダイアン・クルーガー)の美声に酔っていた。 それに応えるかのようにスコットランド軍は、ニコラウスの歌声に合わせバグ・パイプの伴奏を始める。 これをきっかけに3ヶ国の軍は一夜限りの停戦に応じる。。。
スローガンのように「戦争はダメだ!反対!」と掲げる映画ではなく、静に語りかける作品でした。
戦争は人を変える。 それは当たり前だよね? だって、人殺しをするんだもん。
同じ神を信仰し、同じようにクリスマスを祝う人間同士でありながら、殺しあわないといけないという現実。 上官であれ末端の兵士であれ、疑問なんてもっちゃいけないと思うし、ましてや問うこともないと思う。
人間が人間じゃなくなる中で、人間らしく生きる時間を持てるって凄いことなんだろうなぁと思った。
人間の力で戦争が始まるけど、それをやめるのも人間の力なんですよね。 殺しあうのも命がけだし、やめるのも命がけだと思う。 それが現実にあり、実話に基づいたこの作品が生み出された事に、感謝したい気持ちになりました。
前知識なしで見たけど、泣いたなぁ〜。
オペラ歌手夫妻を演じた2人の歌声は吹き替えだったけど、雪の夜、ツリーを片手に力強く高らかに歌うベンノ・フユルマンの姿と、ミサで美しいアヴェマリアを歌うダイアン・クルーガーの姿は、とても心を打たれました。 ツリーを片手に、ノーマンズランドを歩くニコラウスの歌声が強くなるごとに、見ている自分の感情も高ぶってきて涙が流れてきた。 寒空の雪の中、アナのアヴェマリアを聞いた時は、静かな清らかな涙が流れてきた。
劇中のいろんなシーンでもポロポロ涙が伝ってきたけど、エンドロールのイラストが嗚咽に近くて困ってしまった。
劇中、ギョーム・カネ演じるフランスの中尉が、恐怖の中、部下を率いて先導しなければいけない感情の起伏に苦しんで、その捌け口として、ノートにデッサンをするシーンが登場します。 エンドロールは、劇中の印象深いシーンを全てデッサンで表現していて、、、この絵がまた哀愁漂う絵で…もぉたまらなく泣けた。
役者陣はもちろんだけど、フランス語、英語、ドイツ語が入り乱れたセリフも特徴的で良かったです。 例えば、「ドイツ兵の役なのに英語しゃべってる」とか、よくある(というか、ほとんど)このパターンの映画が多い中、フランス人はフランス語を話し、ドイツ人はドイツ語を話し、スコットランド人はイギリス北部なまりの英語を話し、物語は進んでいきます。
役者陣は本当に全員が素晴らしかったし、どの登場人物も本当に全員が印象深かったなぁ。
『リトル・ダンサー』のお父さんこと、ゲーリー・ルイスがスコットランド人の司祭役で出演しています。 ゲーリー氏、本当に良い役者さんだよねー。 ビリーのパパ役は多くの人が感動したと思うけど、今回の司祭役も良かったよ〜。 ラストシーンで、上司の司祭と言い争ってペンダントを外すシーンもカナリ印象深かったです。
フランス人中尉のギョーム・カネと、ドイツ人中尉のダニエル・ブリュールも好演でした。 2人は、対比した性格のキャラクター設定で、この設定自体も上手い作り。
私はどちらかというと、弱さをや苦悩を出して人間味溢れるフランス人中尉の方が印象的だったんだけど、一緒に見た相方は、「この人が1番冷静だった」と、ドイツ人中尉が1番印象的だったと言っていたなぁ。 ダニエル氏演じるドイツ人中尉は、ユダヤ人で、(この映画は1914年の話だから)「あ〜、ドイツ軍の中尉まで務めてたけど、彼の人生はこの後、悲劇になっていくのかな…」と想像しちゃいましたね。
見ている途中、今作と同じように、敵の兵士同士の交流を描いた『JSA』が頭によぎり、何かのきっかけで突然の発砲が始まったり、救いようがないどんよりしたラストになったらどうしようかと、ちょっと冷や冷やして見ていたけど、そうゆう感じではなくて安心しました。
ただ、暖かみを感じられる物語が進んでいくにつれて、逆に、「あ〜、こんな人情味あふれる映像だけど、この中で絶対、誰か死ぬな…」という恐怖感は多少あったかな…。 『JSA』も、ふとしたきっかけで発砲があって、銃を構えるシーンがあったでしょ? だから、私はああゆうシーンを恐れながら見てました。 結果的に、一部、絶望的なシーンもあったけどね…。
エンドロールのラストに、「1914年の大戦で戦った兵士たちにささげる」というメッセージが出るんだけど、もう今から92年前のこと…当時、17,8歳で戦場に行った人だとしても、109歳か110歳か…。 残念ながら、2006年に存命の人はきっといないでしょうね…。 パンフレットに載っていた、ドイツとイギリスの兵士が一緒に写ったスナップ写真が、より私の心に刻まれます。
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4月の後半はイマイチ見たい映画がなくて、というか、見たい作品がTOHO浜松は全く上映がなくって、小休止だった。 そして、5月の前半は体調不良でダウン。 映画館行くのも1ヶ月振りぐらい?だったかな…。 レポを書くのも久々という感じです。
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いつもショートヘアの私ですが、今年の(2005年シーズンの)冬は寒かったので、防寒含めて、久々に髪を伸ばしていました。 2年前、振り袖を着る為に、数年振りにセミロングヘアにしたんだけど、今回は、更に放っておいたので、私の中では7,8年振りぐらいの髪の長さになっていた。
春になったら切ろうと思っていたので、4月の後半に20cmバッサリいきました。 また本来のショートヘアになってスッキリ! 珍しいロングヘアのうちに、(ロングを見せたことない)友達に会いたかったんだけど、一旦、「切りたい!」と思ったら、もう我慢できなくなっちゃって、バッサリいってしまった。
それで、切ってから体調不良になって暫く相方と顔を合わせてなくって、母と妹に「あの人のことだから、短くなったの絶対に気付かない気がする…(笑)」なんて笑い話をしていたら、ヤツは本当に気づかなかった(笑)! 正確に言うと、気付いたことは気付いたらしいんだけど…私が「ねー、髪切ったんだけどー」って言い出すまで一言も言わなかったよ。 予想が大当たりで嬉しいような悲しいような(笑)。
私は、こんな鈍感人間を10年も11年も相手してるから、今さら別に何とも思わないけど、世の中の女性陣は、髪型の変化って、けっこう鋭く気付いて欲しいよね? いや、もちろん私も本意はそうですよ。 ただ、鈍い相手に慣れてるってだーけ。
♪BGM〜『Movin’ Out』オリジナルブロードウェイキャスト
<<昨日は『プロデューサーズ2回目』+4月の読書まとめ
■感想予告■(映画見済・感想暫待)
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