VTRを見てゐた。
　眞面目に膨大な課題を日々こなす中學生ばかりが登場するVTRだ。
　彼等は毎日教師に自分の努力の成果を提出し、更に自分の努力の評價をより高いものにしやうと教師に自分の努力内容を言ひ募つてゐた。
　VTRの中の中學生は僕と同じ時代に生きており、彼等が内申點に響く教師の評價を氣にし乍ら必死にボランテイア活動やレポート提出をしてゐた時期に僕は何をしていただらうかと彼等の努力の樣子を流す映像を見乍ら考へて居た。

　あの頃、中學生の頃、僕は毎日を誤魔化して生きてゐた。
　そして、自分が誤魔化して生きて居る事を全く隱して居なかつた。
　僕が居たのは私立の中學だつたから、VTR中の公立中學校の生徒の樣に内申點を常に氣にする日々なんて送つては居なかつた。
　成績評價は殆ど偏差値で爲され、授業態度や學級活動の樣子なんてものは餘り成績には反映され無い中學校に僕は居た。

　あの頃、もつと眞面目に英語や數學に取り組んでいたらどうなつて居たのだらうか。
　本を讀み漁るだけでは無く、プログラミングや英會話を輕視せずに取り組んでいたら、僕はどうなつていただらうか。

　過去を反芻する。
　そして、後悔の渦にのみ込まれて行く。