「彼はあなたにはもう恋愛感情抱いて無いから」なんてのをあるお孃さんに延々と謂はれ續けてゐた。「だから諦めて」と更にお孃さんは謂ひ募つてゐた。
お孃さん、貴女は彼に惚れ込み過ぎてゐて肝心な點に氣付いて無いのかも知れんな。僕は貴女の彼氏に戀しては居無いし貴女から奪う氣も無い。
貴女と別れ樣と考へてゐる彼が次の彼女を作る迄の繋ぎの心算で僕に「よりを戻さないか」と謂つて來ていただけで、僕はあんな浮氣男と付き合ふ氣は毛頭無かつた。
僕に見當違ひの非難を謂ふ暇があつたら其の浮氣男の腕をしつかり掴んで自分の側に引き寄せ、二度と自分から目を反らさぬ樣に洗腦しておけ。
何度彼から「後悔してる」や「お前じゃなきゃ駄目だ」なんて謂はれ樣が、僕は彼を無視し續けるから安心しな。僕は彼の言葉を決して信用し無い。
だつて、僕は彼が貴女に捕まつた儘逃げられずに足掻いて苦しめば良いと思つてゐたのだから。
彼に對する怒りが溜まりに溜まつた結果、彼に對する愚癡をweb上に書いた。
其れを自分と彼氏の事だと誤解して僕に方向性の間違つた怒りと哀しみをぶつけてきた知人が居た。知人はお孃さんと同じ類の言葉を僕に向けて放つた。
妄想暴走する暇があるならあの彼氏の浮付いた心を貴女に惹き付けて貴女から離れぬ樣にしておけ、と謂はうと思つたが止めた。勘違ひした彼女の言動に僕は閉ぢ掛けた心傷を抉じ開けられたから。
本當はお孃さんに一方的に非難された時點で僕は哀しくて堪らなかつた。
そして知人がお孃さんが傷付けたのと同じ箇所を抉つた時點で僕は傷付いて無い振りが出來無くなつたのさ。
2002年03月27日(水)
「如何して私は貴方みたいな子を生んだのかしらねぇ。」
この御母様の言葉に「運が惡かったからですよ。」と笑顔で返せる僕はまだ大丈夫。
「性格が惡い。」「根性が惡い。」「考え方が捻じ曲がっている。」
色々謂われ、全て僕に當て嵌まる事だから反論もせずに作り笑い浮べて次々に僕の欠點を捲し立てる彼女の顔を眺めてました。
自分の二本足ですっくと立って更に自分の腕に縋り付いて來る寄生者を引っ張ってどしどし前に進んで行く、そんなタイプの人間では無いと僕の伴侶には成り得ないのだと斷言されました。僕は父と同じなのだと。
獨りで生きていくだけの力が無い生き物だから、絶對に自分を見捨てず生かし續けてくれる寄生主を求めて生きていくだろうとも斷言。
彼女のプライドの一部を垣間見乍父の話をしていたら氣が滅入りました。
「僕を見て下さい。」「僕だけを大事だと謂って下さい。」
僕はこんな懇願は絶對しません。出來ません。
けど、彼女と話を終えた後に僕を大事だと思ってくれる人が存在するのか否か確かめてしまいました。
因みに「Tama na!」は「もう沢山」の意のFilipino。
2002年03月24日(日)
僕は偶にある先輩の事を「こいつ頭の螺子が一個足り無いのでは無いか」と思う。
實に相手に失禮な考えだと判っているから口には出さ無い。
僕の言葉を一々鵜呑みにし、僕に人生の選擇を左右され、多く無い自分の餘暇を僕に頼まれた用事を片付けて過ごす…何故、先輩は其處迄僕の面倒をみようとするのか僕には今も判らない。
頭が惡い譯では無いと思う。先輩が僕のいう事をきくのは決して頭が惡いからでは無いと思うのだ。
時折、實の妹にしてやれ無かった事を僕にしている様な事を先輩は僕に謂う。
しかし、其れは何か違うと僕は思うのだ。僕達は五年前からまるで兄弟の如く一緒に居るけれど、僕達は所詮血族なんかでは無い赤の他人なのだから。
僕達の間にあるのは戀愛感情では無いけれど、ずっと一緒に居れたら好いと僕は思っている。
先輩がずっと僕の言葉に振り回され續けてくれたら好いと思っている。
けれど、如何しても偶に「頭の螺子が一個足り無いのでは」と思ってしまうのだ。實に失禮な考えなのだがな。
2002年03月23日(土)
「何で私は生きてるの?」とあるお孃さんに訊かれました。
何かあったのですか?彼氏と別れた原因にでも凹んだのですか?
いくら氣になっても、僕は彼女が僕を追い詰め様とした理由を問い質しはしませんでした。
「何でアンタはまだ生きてるの?」と同じお孃さんが以前僕に訊いた時の事を思い出しました。
其の時の僕が何と彼女に返答したのかも。
僕が生きているのは貴女の為で、貴女が生きているのは僕の所為です。
僕が謂うのは生きている理由では無く死に損なった理由なのかも知れ無い。僕達が生きているのはもっと別な理由に因るものかも知れ無い。
だけれど、此れでいいじゃ無いですか。此れだけを理由にして單純化して考えた方がずっと明るい顔で笑えそうじゃ無いですか。
僕達が生きているのはお互いに必要だったから。
其れで良いじゃ無いですか。
2002年03月22日(金)
御母様に心配されました。餘りに僕の手足が冷えているので。
娘が冷え性であるのに今更氣付いたものらしい。
手足が温まるからと飲酒を勧められましたが斷りました。今の僕がアルコール攝取したら眞面目に深く考え込んで自滅しますから。
何故醉うと潔癖症になるのか自分でも判りませんが醉うと恐ろしく生眞面目になるのは事實。
醉った僕の目の前で僕以外の女の子の胸を觸った彼氏にキレ、彼氏を毆り付け一方的に別れを宣言した事があります。
素面の僕なら引き攣った笑顔で誤魔化して取合わ無かっただろうに。
醉った人間全てが心地良い陶醉感の為に寛大になるものだと思わ無い方が良い。
世の中には醉った途端心が廣い演技が剥がれ落ち心の狹さを顯にする人も居るのですよ。
冷え切った指先をココアで温めつつ醉った僕が他人にした行為の数々を思い返してます。
2002年03月21日(木)
確かに其の瞬間、僕は僕に鍵を渡してくれた人の事が好きでした。
僕の部屋のでは無い鍵を捨て切れなくて持ち續けて居ます。
其等の鍵が使用可能であり續ける保證は無いといふのに。
ある人に貰つた部屋の鍵、僕の名前が彫り込んである指輪、僕の首にぴつたりな大きさの首輪、別れた時に返して貰つた髑髏の指輪、一緒に買つたブレスレツト…僕は未だにどれも捨てられませぬ。
未練がある譯では無い。唯、捨てられ無いだけ。
二年前、もう二度と使は無いと決めた鍵が未だにあの扉を開けられる事を僕はちやんと知つてます。
奴は鍵を返せとは謂ひませんでした。其の謂は無かつた事實に縋り付き續ける僕を嘲笑ひたければ嘲笑つて下さい。
此の鍵を捨てても奴との繋がりが全て消え失せる譯ではありませぬ。
一番初めに教へた僕のメールアドレスはまだ生きて居ますし、奴の住所が變つて無いと知つて居ます。
しかし、此の鍵を捨てたら僕は何かを斷ち切る氣がします。
どうせ斷ち切るのなら奴の目の前が好い。少しでも奴に衝撃を與えられる樣に。
確かに鍵を受取つた瞬間、僕は奴の事が好きでしたよ。だからこそ、奴に思ひ知らせて遣りたい事が未だにあるのです。
2002年03月12日(火)