無理な理由
「僕が人を好きになる時はね、一つ一つを好きになっていくんだ。

 最初に声を聴き慣れて、次に独特の仕草を好きになる。
 そして其の人の考え方や行動を好感を持って受け入れる様になる。
 それから表情や外見も好きになっていく。
 そうして時間をかけて其の人の全てを好きになる。

 第一印象で一気に好きになる事があっても、少し相手と距離をおいて如何して僕が好きになったのか考え乍ら少しづつ更に好きになっていくんだ。
 だから急に言われても無理だよ。」

 上記が今日何処かの物好きに長々語った内容。
2001年09月26日(水)


 浮遊
 近頃、更に鏡を正視出来無い。
 鏡に映る僕の表情は今にも泣き出しそうだから。
 鏡中の己と目が合う度、表情を消して作り直してしまうから。

 曇り空や血の赫が何かを象徴して居る様に思える。
 細かく降り注ぐ雨は僕に全部忘れた事にしてしまえと教える。
 莫迦の様に緑に染まり続けて来年のあの日こそ最期の場を探せ。
 圧壊した瓦礫の下敷にされた金色の人の痕跡を見付け出せ。

 こんな寂しい幻想から、僕は早く浮かび上がらなければならない。
 僕は早く僕に戻らなくてはならない。
2001年09月13日(木)


 曇天
 あの瞬間あの腕の中に飛び込んで居たら…。
 あの言葉を言った意味を説明して居たら…。
 そんな風に過去を仮定して現在を想定するのがどれだけ無意味な行為か判ってる。
 是以上考えたく無いから懸命に空を眺めてる。

 「今日は一人でも大丈夫。」
 是も無意味な意地。
 曇天見詰めながら僕は泣いてしまってる。

 無意味に泣いて瞼が腫れて、虚しくて更に泣く。
 僕は先々月に二人の事を諦めた筈なのにね。
 二人の事が、特に片方の事が僕は好きだったのだから。

 また置いて行かれた。
 また僕は気付け無かったんだ。
2001年09月09日(日)
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