思考過多の記録
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2012年01月31日(火) |
初の外部脚本・演出作品に塗り込めた思い |
2012年になってから初の日記となる。 という前に、一体いつ以来の日記だろうか。こうなると、もはや「日記」ではない。
「表」のエッセイでは書いているのだが、今週末に僕としては初の外部脚本・演出作品となるELEGY KING STORE公演「羅上の蜘蛛」が上演される。これは、平安時代を舞台に、酒顛童子伝説に想を得た、全くのオリジナルストーリーである。 歴史上の人物達が登場するが、史実とは何の関係もない。 随分昔、まだ20代の頃に、ジャンヌ・ダルクをモチーフにした芝居を書いたことがあるが、実在の人物の話はその時以来ではないだろうか。
しかし、実はこの作品、平安時代を舞台にしてはいるものの、僕の中では「反米」がテーマになっている作品なのである。勿論、この時代にはアメリカという国家自体が存在していない。なので、ストレートな「反米」ではない。 しかし、「反米」なのである。 こういう形での婉曲的な表現を、僕はやってみたかった。 今回は、ELEGY KING STOREさんという全く別の団体からの要請で、素材やプロット作りも共同で行い、脚本にも手を入れて貰っているという、他人の土俵を借りて相撲を取らせて貰っているようなものである。 だからこその時代劇であり、隠れた「反米劇」なのである。
こうして、コラボの形で他人の色に自分の色を混ぜるやり方は、決して楽しいことばかりではなく、途中困難を極めたけれど、今まで使ってこなかった自分の引き出しをあちこち引っかき回してみるという作業をする点では、なかなか面白かった。 ELEGY KING STOREさんのメンバーで、今回は出演していない女優さんが先日の通し稽古を見て、 「面白かった。新しいエレジーだと思った」 と述べていたのが印象的だった。 因みに、ELEGY KING STOREさんはこれまで、元々母体だった劇団の劇作家さんが脚本を書いていたのだ。その意味で、エレジーにとっても今回は新しい試みとなっただろう。
とにかく、僕はそうやって、僕がずっと抱き続けているアメリカという国家に対する思いを、かなり強く出し、それを平安時代の舞台装置の中に塗り込めてみた。 お時間のある方は、是非ご覧いただきたいと思っている。
※ご興味のある方は、下のURLからチケットをご予約いただければ、大変嬉しく思う。
http://ticket.corich.jp/apply/33113/025/
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