■ 日々の歩み。 ■
徒然の考察・煩悩・その他いろいろ発信中。

2004年03月31日(水) 桜吹雪が舞い散る小道で

 今日は天気がよかったので、昨日の野望を果たすべく
手作り弁当持参で、新宿御苑でランチ花見です。

 ソメイヨシノが大量にある芝生広場周辺は、ビニールシートに
埋め尽くされんばかりの勢いだったので、枝垂れ桜が中心で、
若干散り空いてきている日本庭園のベンチで、ハラハラ舞い散る
花びらを肴に、お昼ご飯。

 今年は開花してから寒い日が続いていたし、天候も不安定なせいか、
最初に開いた花が後続の開花を待ちきれずに散ってしまっているようで、
こんもり雪崩落ちるばかりの満開は、拝めそうにないですね。

 全体的に花が少なくて、なんだか寂しい印象ですが、薄紅に染まった
苑内をそぞろ歩くだけで、なんだか満ち足りた穏やかな気分になってきます。


 まあ、悔いが残ったといえば、

石焼き芋が、今日に限っていなかったのが無念。

 花を見ながら焼き芋。完璧なのになあ。計画倒れ。



2004年03月30日(火) 春爛漫。

 土日の晴天のおかげで、都内の桜も満開ですね。
今日の雨で散ってしまわないといいのですが。

 昨日は天気も良かったので、お昼休みに新宿御苑の
入り口付近で、お昼を食べてみました。(中には入らず)

お花見シーズンを迎え、花見客でごった返している
新宿御苑入り口付近じゃ、花を見ているんだか人を
見ているんだか判らないような状態ですけど。

 今週また晴れたら、今度は200円払って中まで
入ってみようかな。

 それよりなにより、シーズン到来と共に新宿門前に
毎日出店している 石焼き芋 が、ものすごく気になる。
すごく美味しそう。どうしよう。



2004年03月28日(日) 純白の連峰

 またまた富山行ってきました。

 いつも初夏か真夏に行くので、雪の残る時期は初めてでしたが、
けぶるような純白の山並みが、春めいた薄い水色の青空の下
街を見下ろすように聳え立つ景色は、なんともいえない荘厳さが
あって、また格別な美しさです。

 日曜日は20度くらいまで気温も上がっていたものの、
やはり東京と比べると夜の冷え込みが厳しいので、桜の花は
まだ咲いていませんでしたが、だいぶ蕾も膨らんでいましたし、
来週辺りには満開になるでしょう。

 桜と白い立山連峰の風景というのも、素晴らしいでしょうね。
冬が厳しいからこそ春の訪れの美しさが、より一層引き立つ、
そんな気がします。



2004年03月26日(金) 千里の道も一歩から。

「趣味の小部屋」の「旅はみちづれ」に、奈良旅行記アップしました。

 長くなりすぎて、もう自分でもどう収拾していいのか
よく判らないので、とりあえず書き終わってる分だけ
PART.1 として完成させてみました。
すごいヤッツケ仕事。

 PART.2 完成時期については、私にも判りません。



2004年03月25日(木) 白イタチの夜。

 とある人に、よく言われるのですが。
私の言動を見ていると、その人は

「ガンバの大冒険」を思い出すそうです。

 ご存知ない方は、こちらを参考に。
http://www.tms-e.com/library/tokushu/ganba/index.html

 ガンバ、幼少の砌、私も大好きでよく見ておりました。
ガンバを初めとするねずみ達が、ひょんな偶然から大海原に
旅に出るのです。最初は息の合わないバラバラな仲間達が
白イタチのノロイ という巨大な敵を倒すために一致団結する、
というストーリー。ノロイとの最終決戦は、手に汗握る緊迫感溢れるドラマ。

 特に私のお気に入りは、主人公・ガンバ と イカサマ
妙に厭世的で斜めに構えながら、実は仲間想い、というイカサマ
性格設定は、幼少の頃から私の大好物です。


 で、強烈だったのは、敵役の 白イタチのノロイ
子供向けのアニメだっていうのに、ありえないくらいおどろおどろしく怖い。

 白イタチだよ。フェレットだよ。
それなのに、真っ赤な目を爛々と光らせ、催眠術を駆使し(この辺が既におかしい)
手下のイタチ共を率いて、ガンバ達を襲うのです。
ネズミのガンバ達の視点だから、異様に大きいし。

 そんな強大な敵に、針の穴ほどの希望に賭けて、小さなガンバ達が、
がむしゃらな勇気と持ち前のポジティブさで、突っ込んで行く訳ですよ。
イカサマがガンバ庇ったりしてね。

 今でも、あの妙にノリノリの主題歌聴くと、血沸き肉踊る心持がします。

 立ちはだかる困難に挫けそうな時は、大きな声で叫ぶのです!
「みんな、尻尾を立てろ〜!!!」


…そういうところが、私の原点なんです。
要するに、ノリと勢いで強行突破 ということで。



2004年03月23日(火) 極道忌憚。

 最近日記が滞りがちなのは、

ワタクシめが、一足早い五月病だからです。

 んもう〜、なにもする気にならねえ。っつうか面倒くさい。

ところで、土日に静岡に里帰りして、お父さんの宝物整理の手伝いしました。

 うちのお父さんは、元・海の男。  (ただの大学所有調査船の船員です)
七つの海を西へ東へ航海し、(実際は南太平洋ばかりです)
水平線に沈む夕日に家族を想い、(たった2週間の航海なのに)
蒼い海の飛沫を眺めては、未だ見果てぬ新大陸に(そんなものありません)
夢を馳せパイプを燻らせているような、そんな海の男。(9割方フィクションです。)

 で、そんなお父さんの宝物は、世界中の海で拾った貝殻。

 いつどこで拾ったか、手書きのプレートで分類され、
書斎と応接間の壁一面を占める棚に、きちんと飾られています。
今度家を新築するにあたって、一度整理するよう母から厳命が。

 ロマンチストのお父さんと対照的に、うちの母親は
ロマンを解さない、せっかちな超絶リアリスト 
なので、優柔不断なお父さんがグズグズしてたら、あの貝殻は
そのままゴミ箱行きか、良くても 庭に肥料として砕いて撒かれます。

 娘2人が協力して、父と3人、貝殻を分類別に袋詰め。
母は、近所のお友達の元へ、情報収集という名の井戸端会議へ。

 神奈川に移ってから4年。ずっと放置してあったせいで、
貝殻はカラカラに乾燥し、脆いものは触っただけで崩れ、
砂に変わってしまいます。

 いちばん大事にしていた、オウム貝の貝殻も、砂と化してしまいました。
黙々と貝殻を袋に詰めるお父さんの背中が、少し寂しく見えました。

「どうしてこんなもの、一生懸命集めたんだろうね」
ぽつりと呟いたお父さんに、娘はどんな言葉をかけてあげればいいんだろう。

 定年退職が決まって、やっぱりお父さんはこれからの生きがいや
時間の過ごし方について、色々考えることが多いようです。


 それに反比例して、母の元気なこと元気なこと。
生まれ故郷の静岡に帰れると、父をほっぽって、精力的に
近所の人や友達に挨拶して回り、家の新築計画に積極的に参加。
なんか、ツヤッツヤしてるもの。異様に元気でハイテンション。


 その気になりやすい…というか、生きがいを見つけるのが上手な人 は
なんか、それだけで人生得してるよなあ、と思ったり。

 家が建つまで、母の実家に居候生活とのことで、
お祖母ちゃん(母の母)のところへも挨拶に。

 騒々しさが、母×2倍。

 娘(孫)ですらちょっとゲンナリしてしまうような、
よく似たパワフルレディ2人に囲まれて、60歳を過ぎて
マスオさん生活を送る父が、ちょっと哀れになったり。
大丈夫なんだろうか…。
 



2004年03月19日(金) 心の潤い。

 今週は、久方振りに、可愛いオトコノコ(25歳と28歳…男のコ?)と
ご飯を食べてきました。(色気いっさい無し)

 ニッコニコしながらケーキ食べてる姿や、頑張ってる自分を
一生懸命背伸びして話してる(まめ独自視点)姿を
鷹揚に微笑みながら眺めているだけで、

荒んだ心も洗われ、寿命が延びる心持がします。

 嗚呼、ありがたやありがたや。ホント可愛いなあ。(大マジ)


 自分が標準より 漢気溢れる女 と評されることが多いせいか
ロマンチスト男子(脳内乙女度高し) が、意外と好きです。
但し、その脳内ドリームの実現に自分が関与するとなると話は別。

 心は万年少年期のピーターパン 達の夢物語は、リアル思春期の
女の子の王子様願望もビックリな、ご都合主義の甘い桃源郷 
であることが結構多いので、自分で精一杯な、今の私は付き合いきれません。
大志を抱いた少年は、遠くにありて鑑賞するものなのです。


 ところで、心が少年の人 と、少年の心を忘れない人 は
女性の母性本能を擽るという意では、似ていますし
混合しがちなものの、その実、全く異なる種族です。(唐突)

 前者は、まだまだ背伸びしたいけど、子供扱いはスネちゃうぞ、 
というお年頃(脳内が)で、女性がそれとなく、寛容で慈愛溢れる
母の心持で接すると、うまく成長を促せる可能性があるという意味で、
一種、シミュレーションゲーム的な醍醐味がありますが、

後者は確信犯が多いので、不毛な消耗戦です。

 なまじっかな夢見がち女子(私を含む)じゃ、歯が立たない。
相手が1枚も2枚も上手。弱点すらもチャームに変える最強の呪文
(殺し文句ともいう)と、呪文の威力が最大限に発揮できる
マイ・フィールドを必ず持ってるから。

たまに見せる甘えや弱さは、敵の攻撃。騙されるな!


 ドラマチックな恋愛に憧れる、心は少女の女のコ(成人済)は、
後者が大好物だけどね。(自分に言い聞かせながら)

 そんな、ちょっとオタクっぽい話。



2004年03月18日(木) ノンストップゴーゴー☆

 いやはや、今月はなんだか立て込んでまして。
日記の更新もままならないばかりか、考えることが多すぎて、

気の利いた話のひとつも思い浮かびません。
(それはいつものこと)

 ちょっと、今年は劇的な星の巡りなのかも。
そんなドラマティックな予感に打ち震つつ、
予感が予感のまま終わらないことを祈るばかり。(意味不明)



2004年03月14日(日) 大事なものは、目に見えないんだよ。

 中・高校時代の友人、BサンとMサンと伊豆旅行へ。

 去年もこのメンバーで伊豆行きましたね。
あの時伊豆シャボテン公園で購入したサボテンは、
今、満開の花が咲いておりますよ。
月日が経つのは早いものです。

 諸事情より静岡駅で待ち合わせ、Bサンの運転で
伊豆を目指します。BGMはもちろん、80・90年代歌謡曲。

 温泉浸かって、四方山話をして、美味しいご飯食べて、
「チャーリーズエンジェル・フルスロットル」のDVD見て
次の日は箱根仙石原の「星の王子様ミュージアム」行って、
のんべんだらりとした旅でしたが。


ああ、女友達っていいなあ。
などと、ちょっと感慨に耽ってみたり。(私は女友達少なすぎです)



2004年03月12日(金) 目撃ドキュン。

 会社で育てている、サボテンの花の蕾が
ほころんできました。多分、休み明けには満開だな。
去年咲いた花よりも若干色の濃い、滴る血のような真紅 です。


 ところで、新宿の紀伊国屋画廊で、四谷シモン氏 主催の
原宿にある人形創作スクール 「エコール・ド・シモン」
展示会をしていたので、お昼休みに観に行ってみました。

 要するに、スクールの生徒さんたちの作品発表会なんですけど
中にはおっ、と思うような作品もあって、なかなか見応えありました。
シモン氏の人形も、1体だけですが展示されてたし。

 私が行ったときには、生徒さんとそのお友達らしいオバサマ方が
数人いらっしゃって、生徒さんらしきオバサマが一人、熱心に男性と
話し込んでいまして。男性の方、どっかで見た後姿だな、と思ったら。

四谷シモン御大ご本人でした。

 パリで展示会をしたときの話なんかを、一生懸命してましたね。
欧米での人形に対する観念と、日本の球体関節人形に対する観念の
ギャップ、みたいな話で、いつぞやの近代美術館での講演会より
随分興味深い話を、それは饒舌に語っていらっしゃいました。


 残念ながら途中で、フラッと会場から出て行ってしまいましたが、
なんだか得した気分になった。

 相変わらず、ちょっとトボケた不思議オーラのある人でした。
彼の創る人形も勿論大好きですが、私は、四谷シモン氏自体にも
すごく興味があります。絶対、面白人間だよ。あの人。



2004年03月10日(水) あの日に帰りたい。

 と、とうとう、一人で宝塚観劇しちゃった…。

 舞台はとても面白かったのですが、

「なんか、戻れないところまで足突っ込んだね。」

と、哀れみと侮蔑がない交ぜになった複雑な微苦笑で、
妹に言われました。自分でもそう思います。

 もう腰までずっぽり。
もともと凄く凝り性のところがあるので(要するに、オタク体質)
或る程度盛り上がって、熱が冷めればあっさり身を引きそうですが。
いつになるのやら。

 明るい未来のためにも、一刻もはやく、年相応の普通の女子に戻らなくちゃ。



2004年03月06日(土) (・ x ・)

 本日は、板橋まで行ってまいりました。
板橋区立美術館 「ディック・ブルーナ展」
http://www.city.itabashi.tokyo.jp/art/

 いわずと知れた、ミッフィーの作者。
ご本人も、絵に描いたような絵本作家のお爺ちゃん、
といった感じの好々爺。ラヴ。


 2年ほど前に、新宿の百貨店で開催された展覧会を観にいったし、
最近、「芸術新潮」で特集が組まれたばかりだったので
色々ネタは仕込んであったのですが、板橋区立美術館のコンパクトで
アットホームな雰囲気が上手く展示内容と嵌って、小規模ながら
非常に見応えのある展覧会でした。

 母国オランダでは、絵本だけでなく、本の装丁やポスター、
街のシンボルマークまで手がけ、グラフィックデザイナーとしても
高く評価されている、ディック・ブルーナ。

 日本での展覧会は、絵本のミッフィーの愛らしさのみを
フューチャリングして、乳幼児向けに偏りそうですが、
モダン・アーティストとしてのブルーナを評価していて、
館内の内装も、展示内容に合わせて、ブルーナ・カラーの
柱などを、白を基調とした館内のアクセントとして配置したりと、
非常にポップで、お洒落な扱いが目立ちました。

 そして、美術館の白壁に、ミッフィーの目と口が。


もともと、ディック・ブルーナの作品のコンセプトは、
極限の簡略化とテーマの明示 だそうで。

例えば、ミッフィーに使用される色は、ブルーナ・カラー と
呼ばれる、赤・青・黄・緑・茶・グレーの6色 で統一され、
それぞれの色に意味があるし、イラストも、空白部分を活かし、
余分なものを一切省いた、最低限のラインで描かれています。

まさに侘び寂の境地。

 ただ無造作に描かれたように見える、黒楕円2つと×ひとつでも
(実際は、計算されつくした絶妙な配置なんですけど)
それはミッフィーを表す記号である訳です。

 この辺りの感覚って、本当に 現代アートの真髄 って感じがする。
それをグダグダした判りにくい解説文などでなく、目にした人に
感覚的にスルッと自然に判らせたのは、お見事。

 
 国立や都立の博物館に比べれば、お金も掛かっていないし
小規模な展覧会だけど、センスひとつで、多くを言葉で語らなくても
芸術家の世界観を、大人にも子供にも、こんなに楽しく伝えることが
可能なのだと、強く感じました。

 なんか、すごくいいもの見た気分。感動して涙出るかと思った。

 
 日本の美術館て、綺麗な箱(施設)を作って、豪華なもの(作品)を
飾っとけばいい
、という考え方がまだまだ根強く残っている気がするけど、
人間は雰囲気に騙される生き物なんだから。

作者の意図するテーマを判り易く伝えるための手段(展示の方法)の
工夫って、もっと大切に考えていいと思うの。即物的な意味でもね。

 最近、近現代の作品を扱った美術館を中心に、そういう動きが
活発になってきていて、例えば、付属のレストランで、展示内容に合わせた
テーマの料理を用意したり、一風変わった展示会場のレイアウトだったり、
イベント特製グッズを販売、というのが珍しくなくなってきているけど、
こんなにドンピシャな展覧会は、なかなかない。凄いよ。

 
 1Fの特設喫茶(中学の文化祭の喫茶店レベルだけどね)で
ミッフィーチョコケーキと、一日限定70個ミッフィー型パン
が販売され、特設売店では、山のようなミッフィーグッズ販売と、郵便局が出張して、
ミッフィー&ブラックベア消印で郵便が出せる という
(もちろん「ふみの日」ブルーナ切手とポストカード販売あり)スペシャルサービスつき。

 まさに至れり尽くせり。行って絶対に損はなし。
アットホームな手作り感が、またブルーナの世界に嵌るんだよね。


 ところで、ミッフィーのトリビアをひとつ。
日本では昔、「ふわふわうさこちゃん」 という名前だったミッフィー。

本家本元のオランダでは、ナインチェ・ブラウス という名前だとか。

オランダ語で、「ナインチェ」「小さなうさぎちゃん」
「ブラウス」「ふわふわ」 という意味らしい。
「ミッフィー」というのは、英語圏での名称なんだってさ。5へぇ。



2004年03月05日(金) 鍵のかかる部屋。

 今日は、Kさんと元赤坂の一風変わったフランス料理屋さんへ。
「カナユニ」 http://www.kanauni.com/

 昭和41年開業のレストランですが、日本で初めてボジョレ・ヌーボーや
キール(白ワインとカシスのカクテル、私の大好物)を店で出したという
昭和の雰囲気を色濃く残す、なんともクラシカルなお店。

 ここの名物は、「オニオングラタンスープ」なのですが、
かの 三島由紀夫 が愛し、エッセイでも語ったという逸品。

 まあ今ではオニオングラタンスープはどこでも食べられるメニューと
なってしまいましたが、じっくり煮込まれたトロトロの玉葱のスープは
なんとも懐かしい美味しさでしたね。

 土地柄もあって、全体的な値段はかなり高めですが、私たちが
食べた限りでは、料理はとっても美味しいです。
それほど奇をてらったものではないけれど、手間ひまかけて
作られた素朴な味わいの、昔ながらのフランス料理。


 で、この店のなにが凄いって、やっぱり店の雰囲気だね。
店は地下にあるのですが、地上の入り口は、クラシカルな鍵の
モチーフが掲げられた看板と古びた木の扉で、派手に店名の
書かれた看板ではないから、うっかり見落としてしまいそう。

 木の扉を潜り、狭くて急な階段を下りると、それこそ
森茉莉の小説のフランスの雰囲気をそのまま再現したような
どこか物憂げで居心地のよい、素敵な空間が広がっているのですよ。


 セピアがかった薄暗い照明、磨かれた寄木タイルの床や、短くはない時間に
燻されたクラシカルな調度、テーブルに飾られた、真紅の薔薇のモチーフの
アール・ヌーボォー調のキャンドルランプと、本物の薔薇の一輪挿し、
静かな店内に心地よく流れるジャズの生演奏、微かなお客のさざめき、
蝶ネクタイに整えられた髪型の、品のよい初老の給仕。

今まさに、白いスーツの三島や、若かりし日の森茉莉が
テーブルにいても違和感のない世界。


 
 金曜日の夜でしたが、30歳以下の客はどうみても 私たちのみ
素敵な仕立てのいいスーツを着こなした、初老のお客様が大半。
最近ちまたで大流行な、ナンチャッテ大人な隠れ家じゃなくて、
本物の大人の社交場 といった感じで、結構ドキドキ。

 でも、どう考えても場違い感が漂っていたに違いない私たちに
お店の方はとても優しかった。

 森茉莉 が、高級店といわれる日本の気取った店の高圧的な接客態度に怒り、
「フランス人の給仕は、どんな客にも優しく微笑みかけた」
なんて書いていましたが、きっとここなら、店の雰囲気といい
給仕の優しい笑顔と、心地よい親しみやすさといい、気に入ったに違いない。
 
 ホームページの三島由紀夫の文章を読んで来た、と話したところ、
お店の歴史を綴った小さな冊子や、件の「オニオングラタンスープ」の
文章の載った、三島由紀夫全集や、お店の名前の由来についての、
ちょっと可笑しい倉本聰のエッセイなど、色々なものを見せてくれました。

 
 懐古趣味、と言われればそれまでですが、店の戸棚の隅や
天井の梁の陰に、私の好きな情緒的・文学的な空気が静かに
降り積もっているようで、本当の意味で趣味のいい大人の世界に
触れた気がしました。

 ああいう場所に、相応しい大人になりたいねえ、と
Kさんと頷きあった、金曜日の夜のおはなし。
 



2004年03月03日(水) 雛マチュリ。

 今日は雛祭りということで。
姉妹2人の我が家でも、夕飯はちょっとお祭り色を出して
煮込みハンバーグ にしてみました。

雛祭りは、ちらし寿司じゃないの?

 という、妹@食べるの担当 の意見は、黙殺させていただきました。

 
 話は変わりますが、実家の母から電話がありまして、
父の最後の転勤が決定したとか。

 3年ほど前から、神奈川勤務で借家住まいだったのですが、
この4月から、本拠地・静岡に戻るそうです。
転勤決まるのって突然だよね。世の転勤族は大変だ。

 
 やはり、住み慣れた土地を離れての生活は、生まれてから
50年以上、故郷である静岡を離れたことのなかった
母にとっては、寂しかったようで。

まあ、私によく似て、せっかちで忙しい自分が大好き
性格にも因ると思いますが。
電話口でも高笑いせんばかりのハイテンションで、

あのはしゃぎっぷりに、一人で
付き合わされる父が、ちょっと心配になりました。


 
 ただ、静岡に帰った暁には、犬を飼う と、常々母が
宣言していたので、実家の犬ライフ実現に、私の期待も膨らみます。

なにしろ 有言実行我が家の大統領 の母が言うことですから。
今から、ちょっと犬の種類について、色々吹き込んでおこうと思います。



2004年03月01日(月) 弥生壱日寒吹雪。

 も、桃の花も、さ、咲こうかって、こ、この時期に、

雪が降るなんて…。

 先週までの暖かさにすっかり身体が慣れてしまったようで
霙のような雪曇りの寒さが、一段と身に染みます。

 今週はこのまま寒い日が続くそうですが、ひとつずつ
こんな寒さの波を越していくたびに、本当の春が
やってくるのでしょう。

 まさに三寒四温。


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