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 生活綴り  咲紀




2004年02月29日(日)  「もう、電話なんかしなくていいし、こっちもしないから」



彼が千葉にいってから
その寂しさや遠くにいっているという事実を紛らわすように
私達は毎日、長時間の電話を続けた。

その長時間の電話は嬉しかったが
肉体的に多分の無理があった。

睡眠時間が4時間きると私には
本当に無理があった。

私は締め日が終わったところなのに
イレギュラーの問題が発生して、毎日会社につめていて
この日も本来休みの日だったが
休日出勤していた。


終わったのが21時。
私の地元の駅に着いたのがもう22時をまわっていた。


そんな時に彼からの電話は掛かってきた。

同業他社の先輩でもある彼に今、抱えているケースを話ながら
いつも通りの道を歩いていた。


すると、後ろから

「咲紀!」

とポンと肩を叩かれた。それは中学時代の友人だったので

「ごめんね。今、中学時代の友達と会ったから
 いったん電話を切るね。家についたら電話するから」

と伝えて、電話を切った。




これがなぜか彼の逆鱗に触れたらしい。


友人と歩きながら話して別れたのは
10分後ぐらいだった。

携帯を見るとメールが1通きている。
珍しくも彼だった。


内容は

「もう、電話なんかしなくていいし、こっちもしないから」


「理解できない?なにこれ?送る相手間違ってない?」と
思いながら、取り敢えず彼に電話する。



「メール見なかったの?
 もう電話しなくていいってメールしたでしょ?」と冷めた声。

「えっ、なんで急にこうなるの?」

「友達がいればいいんでしょ。じゃあ、(俺)必要ないやん」

「なんでそんな話になるの?」

「咲紀さん、電話切ったやん」

「そうだけど、ちゃんと事情説明したでしょ?」

「でも、電話を切った」

「毎日、話してるし、あとで電話するって伝えたのにダメなの?」

「・・・・とにかく咲紀さんは友達が大切なんでしょ?」

「・・・・」(心底呆れている)


いったん、電話を切って頭を整理した。
彼はどうやら妬いてる(?)のかもしれない。

私にとって彼より友達の方が上だと思ったんだろう。



っていうか、全く別物なのに何を言ってるんだろう?

可愛いと思うと同時に


「本当にこいつは25才なのか?」
と思った。

正直言って、痛いと思う。


こんな事を思いながらも全く本心を隠し
彼に電話した。


遠距離で気まずくなるのはイヤだの一心で。


もう、長い付き合いなんで彼の機嫌取り方ぐらい
分かっている。

すぐに機嫌はすぐによくなって、
最後はちょっと鼻声の私に

「身体弱いし寒いんだから風邪ひかないでね
 ノースリーブは着ちゃダメだよ」

の言葉で、電話は切られた。


つかれたー

うーっ、お互いに欠点はあるのはしっている
でもねって思う。

きっと向こうも私について口にだして言わないけど
痛いと思うところがあるんだと思う。


しょうがない、お互いに成長していこう。



BBS

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2004年02月23日(月)  熱病におかされる・日記が書けなかった訳


千葉に行く彼を見送りになんて行く気は最初から
全くなかった。


多分、彼が新幹線に乗った時間には
心斎橋で一人買い物をしていたように思う


正直に言うとよく思い出せない。


でも、私はミュールを買いながら
トレンチコートを見ながら

夜を確実に待っていた。



当たり前だけど夜はやってきた。
何年も付き合ってきたはずなのに、毎晩話しているはずなのに
彼がもう特別で何だか言いようのない気分になった。


そこから、6日間。

私達は毎晩3時間話していた。
正直、実のない話で、でもお互いに切るのがイヤで
繋がっていたい気持ちでいっぱいだった。

締め日前で死ぬほど忙しかった私は
毎晩3時間ぐらいの睡眠時間でたえた。

まるで毎日熱にうかされた子どものようだった。



BBS

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2004年02月22日(日)  最後の夜


「神戸系?」

あっ。こういうのが神戸系とかいうのなんだー
ポーッとしながら髪をなでられる。

数年振りにかけたパーマは好評なのか
不評なのかよく分からない。


二人で過ごす最後の晩はなんだか笑えるほど
私達らしかった。


会社での引き継ぎやなんやかんやで会えたのが
20時過ぎだった。


多い時には週1回ペースで通っていた飲み屋に行き
焼酎1本をお互いにロックで開けた。

彼は「たった2カ月半」を繰り返し
私は「ジムで鍛える」を繰り返した。

しばらく会えないからって、抱き合うわけでもな
いつもより、手を握りあっていた。

終電に乗る私を彼は笑顔で手を振って
バイバイしてた。

世の中には親とか仕事とか社会とか
どうしようも仕方のないこともあって
これはそんな中でもほんの些細なことで。


23日は私はお休みだったけど
見送りにもいかず部屋の掃除をして、
春物のミュールを買いに行った。



BBS

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2004年02月18日(水)  仕方のないこともある



大阪梅田の焼酎バーにて

「千葉って遠いのかな?でも、日本って国土狭いし」

「そうだね」

「でも、2カ月半だけやし」

「そうだね」

「でも、伸びるかもしれない」

「そうだね」

「旅行にいったところだよね。マンガみたいだね」

「そうだね」

「さっきから咲紀さんは『そうだね』しか言わないよね」

「そうだね」

「寂しいの?怒ってるの?何?」

「分かんない」

「分かんないってなんだよ?」

「分かんないの」

「・・・・」

「ごめん。感情がついてかない。
  私も一応総合職だし、いつどこいくかわかんないし、
 仕方ないってことは分かってる」

「そうだね。仕方ないよね」

「そう。仕方ない」

「お互いに変だよね」

「うん。変」


2月23日、彼は千葉にいきました。
生まれて初めての遠距離恋愛の開始です。



BBS

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2004年02月17日(火)  貸切露天風呂


2月16日 旅館にて

「咲紀さん、ここまできてまだ抵抗する?」

「うん」

「じゃあ、なんで露天風呂付の部屋なんかにしたの?」

「決まってるやん。部屋をでて露天風呂まで歩くのが
 イヤやったから」

「本当にそれだけ?」

「うん。あったりまえ。
 それ以上に深い意味も何もございません」

「それで、一人ではいれと?」

「うん。二人で入るなんて恥ずかしすぎ」

「もう、今更やん。咲紀さんの裸なんて何度もみてるねんから」

「『裸』なんて恥ずかしい言葉遣わんといてよ
 それに何度も見てるんやったら一緒にお風呂に入る必要なんて
 ないでしょ?」

「屁理屈いうねぇ」

「とにかくイヤなものはイヤ!」

「はいはい。・・・お好きなように」

3時間後

「咳き込んでるけど、湯船の中でだけは吐かないでよ」

「お酒のまして、入れるなんて邪道やわ」

「自発的に『入る』っていったのは咲紀さんだよ。」

「覚えてないもん。っていうか、記憶がない。
 起きたら湯舟っていうのは結構驚きなんやけど」

「この耳でききました」

「怪しい・・」

「はいはい」

「っていうか、頭もうちょっとちゃんと洗って」

「はいはい。本当に咲紀さんは人を遣うよね」

「うん!」

「ところで、俺の頭は洗ってくれるの?」

「イヤー」

 ・
 ・
 ・
 ・


本当に微妙な感想で。

BBS

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2004年02月16日(月)  罪は自己申告で(生々しく)

「ねぇ、咲紀さん、そんなにホームで飛跳ねたって
 電車(サンダーバード)はこないんだから落ち着きなよ

 咲紀さん、結構いい年なんだし・・・」

23歳。

でも、口に出していわなくたっていいじゃない。


電車がくるまであと15分。


大阪駅構内の北陸方面へ向かうホームにあるコンビ二に入って
二人で週刊誌を立ち読み。

すぐに飽きる私。
熱心にSPA!をよむ彼。

あんまりにも退屈で
「セクハラー」と言いながら、
彼のお尻をジーンズの上から撫でる。

「本当に飽き性なんだから」

と言いながら、手を掴む彼。


なんだか全部が楽しい。




電車に乗って、約1時間。

ちょうど琵琶湖のあたりのところで
2日遅れのバレンタインチョコを渡す。


「あれ、咲紀さん?
 今年はショコラティエのチョコ買ったって言ってたよね?

 これはどう見たってモロゾフ・・」

「ううん。モロゾフに見えるけど、ショコラティエって
 ことにしてくれない?」

「これはどう見たって、モロゾフ。

 ショコラティエは?あんだけショコラティエって騒いでたやん
 どこにあるの?」

「胃。」

「誰の?」

「私と朝子と繭ちゃんの胃」

「・・・ふぅーん。
 それって食べたってことだよね?」

「そうとも言うよね」

「じゃあ、素直にいいなよ。はいっ」

「わたくしがたべさせていただきました。
 3600円のチョコは極上のおいしさでした!」

「たかっ!ほんまにそんな高いの買ったん?」

「うん♪
 やっぱ復活した記念に思い切って清水の舞台からって
 いう気持ちでかってみた♪」

「ふぅーん、そんな復活記念のチョコを咲紀さんは
 友達と食べたんや」

「うん。だって14日、そっちの都合であえなくなったから
 なんかむかついてたべちゃった。

 でも、『悪いなー』と思って今日の為に
 さっき会う前にダッシュでまた買ってきただけまだいいやん」


「開き直ってるしー 咲紀さん、たちわるー」

「これも運命やと思って」

「それで、このチョコいくら?」

「1000円」

「・・・気合入ってないねー 
  (バックをあけながら)これ見て!」

「うそー ゴディバやん。すごーい」

「これ会社の子が義理でくれたの!
 なのに本命の咲紀さんは1000円のモロゾフ」

「・・・悪い?
 14日に会えなかったんだもん。仕方ないじゃん」

「逆ギレするし」

「本気で怒ってるの?」

「別に・・」


こんな感じで山中温泉への1泊旅行は始まったのでした

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BBS





2004年02月01日(日)  2月1日、デート日和


朝8時に待ち合わせ。

珈琲館にて朝食を摂る。
コーヒーの飲めない私はカフェオーレのみ
彼はモーニングのセット。

40分ぐらいかけてゆっくり飲む。


2時間、延々と歩く。
頭を撫でられる。腰に手を回す。

「こんなキャラだった?」

と内心、呟きながら街を徘徊する。


とにかく歩く。


スニーカーにジーンズにしときゃよかったと思いつつ
歩くのがとにかく楽しい。


腰に回された手が悪くなくなってきた。


昼ごはんは中華のバイキング。
よく食べる。


カラオケに行く。
デートの中にカラオケが入るのは2年ぶりぐらい。

悪くない。歌った声がセクシーだった。
男の歌った声はセクシーなのが一番いい。


「仕事、よくがんばってるよ」

ほめられる。悪くない。

っていうか、嬉しい。


観葉植物、なんとかオイル、ゴマのジャム?を買っていただく

観葉植物はでかいので宅配で。


気分がいい。
私ってば現金?

まぁ、こんなもんなでしょう


夜は焼酎バー。
ボトルを入れていただく。


ほろ酔い?


実に2年ぶりに屋外でのキス。

公衆の面前ですいません。
なるべく人目のつかないビルの間でしたんで許してやって。

と言い訳を並べつつ。




こういうのは痛いって自覚しております。

BBS

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