海津ほろよい日記
湖畔の酒蔵 ほろよい社長の日常

2009年07月17日(金) 和歌山は萌えているか

先週末に和歌山のMさんにお会いしてきました。(6月26日の日記をご参照あれ)
http://www.enpitu.ne.jp/usr/bin/day?id=8000&pg=20090626

みなべ市から、1時間ほど山中にはいったところにある龍神温泉で一泊。久しぶりの休暇になりました。

Mさんは武田薬品のOBで、現役時代は医薬をはじめ、化学調味料や強化米、プラッシー(懐かしいですねえ)、醸造用の活性炭やコハク酸などを営業しておられました。

吉田酒造も武田薬品とはまだ活性炭ですこしながらお付き合いがありますので、三倍醸造酒全盛のころの興味あるお話をいろいろ拝聴させていただきました。

翌日は高野山奥の院に参拝。お山のマイナスイオンを体に吸収し、命の洗濯をしてきました。ハー極楽極楽。



和歌山といえば備長炭の名産地とはいうものの、こんな萌えキャラがいたとは、お名前は「びんちょうタン」とおっしゃるそうです。







「タン」がつけば萌えキャラになるというのであれば、クリアな日本酒が大好きな「かっせいタン」てなキャラはいかがなもんでしょう。


こちらは龍神温泉の風景、山深い渓谷の中にはりついたように温泉がありました。昔は紀州藩の殿様も湯治にかよったという名湯だそうです。




壁にはりついているオオミズアオを見つけました。優美なフォルムですねえ。




翌日は龍神高野スカイラインを通って高野山詣。途中、花園村の「あじさい園」で小休止。間伐した杉林の空いたところにあじさいを植えるとはナイスアイデアですね。




高野山で一番大きな樹齢800年を超える杉の老木。いやはや圧巻でした。











2009年07月13日(月) 経営統合

キリン(キリンホールディングス)とサントリー(サントリーホールディングス)が経営統合に向けて話をすすめているそうです。(ココを参照)

かたや業界のトップで一部上場企業、かたや業界3位の非上場企業で同族経営会社という異質な組み合わせです。

業界内の難しいことは滋賀県の片隅の水呑み蔵元にはわかりませんが、アサヒビールからトップを奪還した大横綱キリンと、商品開発力(サントリー純生、モルツ、発泡酒ホップス、なっちゃんシリーズ、ウーロン茶、鉄骨飲料などなど)、とイメージ広告(「トリスをのんでハワイへ行こう」、ペンギンのアニメCMなどなど)の巧さでは業界一のサントリーの統合は、見事に相互補完しそうな感じがします。

企業の合併・買収がご専門のこの方のブログを読むと、今回の合併話の問題点や、着目点、国際的に見てどんな意味を持っているかが浮き彫りにされています。

その中で特に、世界的な業界水準からに見て、両社(というか日本のビール業界全体)の問題点として「利益率が低いこと」を指摘しておられます。

原因について「広告宣伝費を湯水のように使っていること」をあげておられますが、やっぱりねえという感じがほろよいにはいたします。

原因の第2には「ディスカウンターやスーパーに対する過剰な値引やリベート、PB商品の生産」がありそうな気もしますが、決算書を見ていないので断言はできないです。

ひるがえって、わが日本酒業界ではこのようなダイナミックな合併劇が行われる素地があるのでしょうか。

過去に零細業者の統廃合と経営基盤強化をお題目に、合併がすすめられた時代がありましたが、ほろよいが知るところ、1+1が3にも4にも10にもなった成功例は「いいちこ」の三和酒類(4社合併)と宮城県の「一の蔵」(4社合併)くらいの気がします。

県内にも、各自のブランドを捨てて8社が合併し、統一ブランドを立ち上げられた例がありますが、結局「8社の出荷量の合計>合併後の出荷量」となってしまい、いままでのところ合併による利点を生かしきれていない印象をうけます。

どうやら守りを目的とした合併よりは、攻めを目的にお互いに足りない部分を持った相手との合併の方が、生産的な結果が得られる気がしてなりません。






2009年07月09日(木) 親バカですが 何か?

大吟醸のラベルが切れたので、芸術高校に通っている娘にお願いしてラベルの図案を考えてもらいました。

高い制服を絵の具で汚すことなどまったく気にせず、油絵やら日本画やらやっておりますが腕のほうはまだまだ、けれどもイラストを描かせますとなかなか楽しいものを描いてくれます。

ウサギが娘の作品で、レイウアウトはほろよい。画像ファイルの変換がうまくいかず、輪郭線がじじむさいですが、原作はもう少しマシです。

初の親子共同製作ラベル。もう少し手をいれて、レギュラーの大吟醸に使ってみようと思います。

娘はといえば、初めての原稿料を手にしてホクホク顔でした。







2009年07月07日(火) coctura 桜井

近江銘酒蔵元の会が8月末に予定しているお酒の会の打ち合せに行ってきました。

会場は、大津市国分1丁目にあるcoctura 桜井という懐石料理のお店です。

仲立ちをしていただいた「大治郎」蔵元以下、萩乃露、笑四季、金亀、御代栄と若手でイキのいい蔵元にかこまれ、その他白髪頭が1名という一行です。

外観はこじんまりとしていますが、古民家を解体したときに出る古材をふんだんに使った趣のある建物です。

両側にシダが植えられ、敷石に打ち水がすませてあるアプローチを進んでいくと玄関が現れ、市松に芝生を植えたところに「つくばい」が置いてあるところは、茶室をイメージしておられるのでしょうか。花器には季節の山野草が生けてあり、ご主人の趣味のよさがうかがえました。

ひととおりお食事をしたあとで、ご主人とひとしきりお話を。

「京都で修行していたお店は、宴会や接待の利用が多く、せっかく苦心して作った料理がほとんど手もつけられないままに下げられてきた。そんな経験をしてきたので、料理を本当に楽しんでいただける店にしたかった」というお話がこのお店のスタンスを語っているような気がします。

お料理の質とボリュームは当然のことながら、おいしい和食を求めておいでになるお客様に、しばしば足をはこんでいただけるようにと苦心されたお料理の価格設定には頭が下がる思いです。

お料理はオーナー板前のご主人の手で、奥様ともう1名の女性の方がサービスを担当されることで人件費を抑え、サービスが十分にゆき届く範囲のお客様しか予約をとらない経営方針も、なにやら滋賀県のオーナー蔵元のスタンスと似ていて共感いたしました。




せっかくですから、お腹の減ったみなさまに、先付をご紹介

よく冷えた竹筒のうえに、緑あざやかな木の葉をかぶせて最初の一品が運ばれてきました。信楽焼独特の素朴な焼肌を生かした角皿との対照が粋ですね。




中には、雲丹、とろろ、ジュンサイ、海草、枝豆が。これをおさじでかき混ぜて食べるのですが、それぞれの材料の鮮烈な風味がぼやけることなくそれぞれに主張してきます。目の覚めるようなカウンターパンチでした。






2009年07月04日(土) 竹生嶋圖

竹生嶋圖(ココをクリック) (+キー、−キで拡大縮小できます)


「竹生嶋」で検索していて、筑波大学付属図書館のサイトで見つけた古地図です。明治より前に出版された木版画のようです。

鬱蒼とした森と竹やぶの中に、弁天さんの拝殿を中心に多くの社寺が描かれ、清水寺のような舞台も見られます。

島の周囲には、何隻かの舟(船頭さんが櫓をこいでいますね、背景の舟は物資運搬のためでしょうか帆走しています)にのりこんだ竹生島詣をする善男善女が描かれ、当時、信仰の島であったことがうかがわれます。

特徴的な岩には荒神岩、大黒岩、明星石といった名前がつけられ、本島の先の小島には、伊勢の夫婦岩のように注連縄が張られ、最上部にはお社が建っています。

小島は湖の底から突き出していて固定さてれいて、本島は浮いているために、流れてしまわないように注連縄で結ばれていたという言い伝えがあるそうです。

江戸時代の娯楽でもあった寺社詣の様子がうかがる、ほのぼのとした絵図ですね。


形 態:地図1枚 ; 28.2×42.4cm (折りたたみ14.0×19.2cm)

別書名:竹生嶋之圖

注 記:和古書(明治より前に刊行された図書)として記述対象資料毎に書誌作成

木版無彩図

書き外題: 竹生嶋之圖



2009年07月03日(金) きょうも夏を見つけました

3、4日前からジーという蝉の声が聞こえ始め、ラジオのバックグラウンドノイズのように延々と鳴き続けています。

起き抜けに、離れの2階から琵琶湖を眺めると、子鮎の群れが湖面に浮き、小さなさざなみが立っていました。

中庭で作業していると低空飛行中のオニヤンマに接近遭遇。

夕方、マキノ駅前の商工会館にでかけると、合歓の花が満開状態。

毎日毎日、新しい発見がある海津です。




2009年07月02日(木) 粕袋に異議あり!

今日から奈良漬粕の出荷を始めました。

7月末くらいまで待ってもらえれば甘みも旨みも乗るのですが、気の早い方が結構おられるので、蔵元から見て「まあ、そこそこかなあ」くらいの状態での出荷です。

去年までは昔ながらの粕袋を使っていたのですが、あまりに袋が薄く底の部分のシール加工(熱圧着部分)が稚拙なため、粕のエキスが染み出してきてカビたりするので思い切って冷凍食品用のナイロンポリ袋(−40℃冷凍可、95℃30分ボイル可)に変えました。

槽(ふね)で搾ったり、機械絞りでも吟醸粕の比率が増えたため、全体的に柔らかくエキスの多い粕が増えているにもかかわらず、県内の蔵元さんのほとんどが昔ながらの粕袋を使っておられます。

アルコール分を含む粕エキスの浸透力は水よりも強く、多かれ少なかれ液漏れのトラブルを経験しておられるはずなのですが、わざわざ蔵元の側が手間をかけて二重包装して対応しておられ、袋に対する欠陥をことさら言い出したりしないところはお人好しというか何というか。

出入りの資材業者さんに聞いてみても、旧来型の粕袋を製作しているメーカーに対するクレームは、ほろよいが初めてだそうです。

日本酒業界というのは、なんでこんなに鷹揚なのでしょう。



旧来型の粕袋。シール幅はわずか2ミリ程度。シールの端が凹状になり小さくちぎれているのが分かりますか(検品するとほとんどがこんな状態でした)。




こちらは新採用の粕袋、シール幅は10ミリ以上。端もしっかり圧着しています。





2009年07月01日(水) あったか市

午前中、ボランティアで「あったか市」のチラシ作り。

マキノ町の小売業活性化を目的に4年前から、毎月1回マキノ駅前でやっている催事で、ほろよいもメンバーです。




発足当初から、生鮮食料を取り扱っている小売業の方の参加がなく、食品加工業者が中心になって運営しているため、他の朝市とは少々趣が異なっています。

取り扱い商品は、地酒や燻製、鯖寿司や赤飯、ダシ巻きなどなかなか面白いラインナップなのですが、地元の消費者さんは、やはり野菜や魚、肉などがふんだんにあった方がアピール力があるようで、最近ちょっと売上不振が続いています。

7月5日の朝10時からやっておりますので、よろしければのぞいてみてください。


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