9年前、吉田酒造がマキノ町で山田錦を栽培するきっかけをつくった酒販店さん御一行が、今年も蔵体験においでになります。
単なる蔵見学ではなく、仕込みで蒸し米を運んでもらったり、大吟醸の米の手洗いの手伝いや、酒粕はがしなど、下働きの仕事をしていただき、早朝から夕方まで蔵の作業の流れをを実感していただいています。
受け入れている側としては、間違いの無いよう、おいでになっている方に付添わねばならないので気を使いますが、単純な繰り返し作業をしていただいている割には好評で、「日本酒党」を増やすべく可能な範囲で御協力させていただきたいと思っています。
初日の今日は、京都の大学生の方が1名こられまして、明日、あさってと3日間の予定でお手伝いいただけるそうです。
明日は会社員の方が1名1日の予定で、あさっては東京の会社員さんと酒販店さんの従業員さんも2名加わり、大人数でにぎやかになりそうです。
きのうから、突然たくさんのウイルス付メールがやってくるようになりました。
1日平均5通くらいのメールしかやりとりしない、ほろよいのコンピュータにも、きのうから数えて夕方までに7通もやってきました。
これらは、弊社が加入しているOCNのウイルスチェックサービス(1ヶ月100円の手数料で安心を買えるのですから、おすすめです)にひっかかりましたので、実害はありませんでしたが、あまり気持ちのよいものではありません。
ちなみにウイルスの種類は、“WORM MIMAIL.R”だそうです
OCNのウイルスチェックは、弊社あてのメールに問題がある時は、メールのウイルスを削除した後、警告のメールを送ってくれますので、とても便利です。
万が一これをすりぬけても、シマンテック社のアンチウイルスでもう1度チェックして、2重の網をかけてますので、これまでのところウイルスの侵入はありません。
場末の蔵元としてはまずこれくらいの対策で充分でしょう。皆様も御注意ください。
なんだか要領の得ないネーミングですが、プリンスホテルチェーンが、得意先や取引先を招いて、懇親会をかね全国のプリンスホテルのプレゼンを行なう情報交換会だそうです。
不肖ほろよいは、去年から「近江銘酒蔵元の会」の会長を勤めておりますので、大津プリンスホテルの料理長北野氏(2003年近江地酒大賞受賞者)よりお招きいただきました。
30分ほど全国各地のプリンスホテルのプレゼンを受けた後、懇親会のスタートです。地元マキノプリンスホテルの若村支配人や、吉野料理長などちらほらと知った方もおられ、けっこうな種類のお料理もあり、参加した皆さんと楽しく歓談させていただきました(車なのでお酒が呑めなかったのは残念至極)。
日本酒のコーナーもあって、月桂冠や松竹梅のボトルのほかに、滋賀県の地酒も5〜6種類程度(竹生嶋の純米大吟醸300mlもありました!)ならべてあり、ひと昔前に比べるとホテルの皆さんも地酒を大切に考えておいでだなあと、うれしく思いました。
大津プリンスの宴会担当のお話によると、先日、滋賀県で開催された商工会青年部全国大会のレセプションでは、ビールではなく滋賀の地酒で乾杯していただいたそうで、これまたうれしいお話でした。
こうした御好意に答えるためにも、美味しいお酒を造らねばと奮起した次第です。
2004年01月27日(火) |
地元の酒屋さんの見学会 |
地元の酒販店さんが5人見学においでになりました。
生業として「日本酒」を扱っていながら、醸造している現場を見たこともないという酒販店さんがかなりの数おられるということで、今津酒造組合と今津小売酒販組合が協力して企画した見学会です。
郡内の5蔵が重ならないように日を決めて、酒販店さんの見学をお受けしますので、その気になれば、ひとシーズンですべての蔵元の蔵をみられるというチャンスなのですが、80店ほどの組合員がありながら、参加者が非常に少ないのには困ったものです。
当然プロの見学でありますから、蔵元としては自社の主だった商品のきき酒や販売方針の御説明、商品カタログなどを準備してお待ちしているのですが。おいでにならないのですからどうしようもありません。
もっともっと有効に利用し、酒販店としての知識を深めていただきたいと、ほろよいは思います。これじゃあ先日おいでになった54人の消費者さん中心のグループのほうがよっぽど熱心です。
おいでになった5人の皆様には、1時間半かけて自社製品の説明ときき酒、仕込みの説明など、できるかぎりの御案内をさせていただきました。
来年はもっともっと酒販店さんに来ていただきたいと思います。地酒の蔵元はまず地元で売れなければ話にならないのですから。
昨日からの寒波で、ほろよいの蔵の敷地にある大ケヤキに、見事な雪の花が咲きました。
いつもこの時分には、何度か積雪があるのですが、ふうわりとやや湿り気のある雪が降ったときには木々の枝に雪がうまく載ってまっしろになります。
おりしも大吟醸の仕込みがはじまっており、月末まで精米歩合50%以上の高精白の仕込みが続きます。緊張が続く毎日の中で、雪花はつかの間の清涼剤となりました。
2月3日には甑(こしき)倒し。あともう少し油断せずにがんばりましょう。
大津の酒販店さんの御一行54名が蔵見学においでになりました
この見学会はもう5年ほど続いていて、毎年30名前後のお客様がおいでになるのですが、口コミで評判を呼び、今年はなんと54人に膨れ上がってしまったそうです。
お客様のお住まいも、大津市内を中心に京阪神地域の方がほとんどでしたが、東京から日帰りの予定でお見えになった豪傑もおいででした。
お受けする側としては、まことに有難い話なのですが、お客様とご一緒に仕込み蔵をまわり、ひとりひとりの反応を見ながら、質疑応答を交えお話をさせていただける人数はせいぜい20人までです。
そういうわけで、今回は1組18人で3グループに分かれ、「蔵見学」「きき酒」「海津散策とショッピング」を半時間ずつローテーションしていただきました。
ちょうど「雪花」や「吟吹雪純米酒」の醪(もろみ)が発酵中で、「辛口純米生原酒」も2本目が絞れたところだったので、醪の様子や、しぼりたての純米酒の試飲など喜んでいただけたようです。
見学終了後は弊社の蔵の3軒隣にあります、料亭「魚治/湖里庵」で昼食会となりまして、弊社からも今年の新酒をまじえて6種類のお酒を差し入れさせていただき大勢でにぎやかな昼食会となりました。
魚治さんも50人を超える席は今回がはじめてとのことで、最初は当惑気味でしたが、どうしてどうして女将さんをはじめ、スタッフのみなさんのチームワークよろしく、スムーズにお開きと相成りました。
湖里庵さんのお料理はホームページでごらんいただけます。
大阪国税局鑑定官室というところから鑑定官の先生が2名、大津税務署から酒類指導官が1名、所管の今津税務署から法人課税部門の統括官が1名、お酒の仕込みの指導においでになりました。
この時期に全国の蔵元を各国税局の鑑定官が手分けをして現場を巡回され、もろみの発酵の様子や、麹の出来具合、分析データのチェックなどを行なわれ、適宜アドバイスをされるのですが、毎度のことながら緊張いたします。
ひと昔の鑑定官の先生は、自分のポリシーを持っておられる方がけっこうおられ、質問するとハッキリとお答えいただいたのですが、今は「蔵元それぞれで造り方があるから」と言葉をにごされ、ハッキリ意見をおっしゃらないことが多く、はがゆい思いがいたします。
指導の後は、鑑定官の先生を囲んで酒席をもうけ、公の場では聞くことのできない貴重な話がきけたのですが、これもまた「ノーパンしゃぶしゃぶスキャンダル以降の公務員の接待自粛」で最近は開かれなくなりました(なんといっても、あちらこちらの蔵元さんを見て歩いておられるので、お話しているだけで勉強になったのですが)。
こういう、官との情報交換のための酒食の会(あくまで常識的な範囲で)は、ケースバイケースで認めてもよいのではないかと、ほろよいは思っています。
おとついから、西尾杜氏が能登に1時休暇でお帰りになっています。
お正月は目のはなせない「もろみ」があったので蔵に残られたのですが、ちょうど仕込みが切れたので、明日までの予定でお休みをとられました。
かわりに、早藤くんや大屋さん、石垣さんがもろみの世話をしています。
1月後半の仕込みは40%の純米大吟醸や、花嵐、今年はじめて仕込む吟吹雪50%の純米大吟醸と、手間のかかるお酒ばかりなので、おうちで充分充電してきて欲しいとおもいます。
今日は鹿児島から見学の方がおいでになりました。
関東の会社にお勤めになっているのですが、鹿児島の量産工場で今は働いておられるエンジニアの方でした。
うちのお酒はフルネットさんの「純米酒フェスティバル」やマチダヤさんのお酒の会でお知りになったそうで、なんともはやこんな場末の蔵元までと恐縮してしまいました。
お酒のお好みは「味わいのしっかりした旨い酒」だそうで、うちのお酒と相性がよかったのかもしれません。
仕込みや、お酒のこと、きき酒もまじえながらお話がはずみ、2時間近く話し込んだでしょうか。もっと立派なお蔵がたくさんあるのに、「竹生嶋」に御注目いただきありがたいことです。
夜のお食事はマキノ駅前の「栄とこ」さんが御希望ということで、ネットでの情報収集もさすがです。
奥様も鹿児島限定「桜島大根キティ」をお土産に頂戴し御満悦でした。
2004年01月16日(金) |
鴨と昭和58酒造年度醸造酒 |
取引先の酒販店さんのお誘いで、鴨鍋を食べてきました。
例年この時期に、ワインやら日本酒やらを持参で、鴨鍋の老舗、今津の丁子屋さんにグループでおいでになり、鴨をつつきながら、ほろよいも業界のディープな話をきかせていただきます。
ワインは門外漢なのでよくわかりませんが、「義侠」の純米大吟醸40%昭和58酒造年度などというとんでもないお酒を御相伴させていただきました。
蔵元の冷蔵庫で20年貯蔵されていたという逸品で、小売価格が1升で40.000円だそうです。
口中にふくむと最初はとても透明感があって、とてもその年月を費やしたとは思えませんが、次第にやわらかい旨みや甘味、爽やかな酸が感じられるようになり、口の中でひろがっていきます。
キレはよいのですが、余韻が非常に長く感じられるのも感動物でした。
このお店は、御店主が鍋奉行をすることで有名で、素人が勝手にに鴨や野菜をいれると怒られてしまいます。上げ膳据え膳でおいしいお酒と鴨をたべさせていただき、満足満足。
大晦日に今津のスーパーの酒売り場で見た風景が、なんとも腹立たしく、すぐ日記に書くと筆がすべりそうに思えたので、2週間後の日記にしてみました。
ほろよいが見たのは、こんな風景でした。
年末最後の宅配便の出荷を終え、閉店間際のスーパーへ、ほろよいは奥様とお正月の食料品を買出しにいきました。
職業柄やはり気になるのは酒売り場の様子です。ここは、数年前から限定つき(周辺小売店の影響を考え「720ml詰以下の酒類に限る」という容量の制限や、取扱い品目の制限がかかってた)の小売酒販免許をとって営業されていたのですが、酒販免許の自由化により、今年から制限がとれ、普通にお酒の販売ができるようになりました。
ビールはケース単位でDSなみにお安く、パック酒や焼酎、県内の地酒と、どこの量販店でもあるような品揃えに、お正月向けの少し高級なお酒が目立つところに陳列されています。
ン!と目を見張ったのは、あの超有名ブランド酒「越の寒梅」「久保田」が、プレミア付きの価格で堂々と販売されていることです。「越の寒梅」にいたっては、720mlで3千円台の値付けです(3000円出すんだったら竹生嶋の純米大吟醸が買えるではありませんか)。製造年月をみれば6月の日付でまたまた口をあんぐり。
恐らく在庫をダブらせている正規の特約店から買い集め、プレミアをつけて欲しがっている酒屋さんに流す業者から仕入れているのでしょう。
どちらの蔵元さんもすばらしいお酒をつくっておられ、蔵元さんがお願いしている希望小売価格で手に入れば、リーズナブルで美味しいお酒だと思うのですが、こんなにプレミアがついてしまうと、売り手が消費者さんをバカにしているとしか思えません。「売れれば何をしてもかまわない」という独善に虫酸がはしります。
お酒の仕入れのプロであれば、こんなプレミアがついたバブリーな商品を仕入れるべきではありません。
いったい「良い物をものを安く」という量販店の経営理念はどこへいったのでしょうか。
仕入れ担当からは「お客様から手に入らないかとよくいわれるもので」という言い訳が聞こえてきそうですが、まっとうな商売人であれば、これらのお酒が「特約店にのみ流通しているお酒であり、自分の店では取り扱えないこと」をお客様にはっきり伝え、「同等の酒質であればこのお酒などいかがですか(きき酒能力が要求されますな)」というアドバイスをするのが正しい姿勢だと思うのです。
お酒の市場がもっともっと、落ち着いた大人の市場になるのはいつのことでしょうか。業界人それぞれが自覚しなければならないと思います。
2004年01月11日(日) |
ネットの支持者は、現実を反映しているか |
総合商社で経済政策の研究員をしておられる方がHPで発表しておられる、「溜池通信」という1月10日の日記の一部です。
この日記を書いているのは、なんと私と同い年の方で、国際政治など固い話のほかに、柔らかい話もでてきて面白いので、お気に入りに登録して、ほろよいは毎日拝見しております。
引用は自己責任で自由ということなので、以下興味を持った部分を抜き出しました。
〇その1。ディーン候補の勢いがいつまで続くかについて、「ネットを有効に利用しているというけれども、ネットの支持者が移り気であることは韓国のノムヒョン大統領のその後の失速が示すところ。本当に信用できるのだろうか?」てなことをワタシが問題提起したら、元加藤紘一氏の政策秘書であった植木博士氏が、加藤政局のときの内幕を明かしてくれました。
〇加藤紘一事務所がHPを立ち上げた99年末の時点では、アクセス数は月に2000件程度だったけれど、加藤政局のさなかには1日あたり何十万件にも達したとのこと。そうなるとサーバーを変えなければならず、嫌がらせのウイルス攻撃などもあり、まことに大変であったそうです。この間、加藤紘一氏自身はほとんどメールに眼を通す暇はなかったそうですが、植木さん自身は「ネットの支援者は国民の標準サンプルではない」という印象を持った由。「ネットが政治を変える」というテーゼは、政治の側が積極的に情報発信をするようになったという意味では確かにその通りなのだけれども、有権者が政治を動かすことについては、まだまだ問題大有りということのようです。
全文を読みたい方は以下のアドレスへ http://tameike.net/comments.htm#new
「政治の世界では、ネットの支持者は国民の標準サンプルではない」ということらしいですが、商売の世界ではどうでしょうか。
ほろよいのHPは、開設してまだ1年もたっていませんが、1日平均30アクセスから40アクセスあり、愛読していただいる奇特な方もおられるようです。
頂戴するメールは、批判よりはお褒めの言葉を頂戴することが多く居心地がよいのですが、どうもその言葉に安住してはいけないように感じます。
新年をむかえ、さらにさらに精進です。
だいぶ疲れは取れてきたのですが、まだ少ししなだるい、ほろよいです。
夕食後思い切って、町内の温泉につかりにいきました。
ほろよいの蔵から自動車で10分ばかり、マキノ高原温泉さらさです。
土日は町外のお客様でけっこう込んでいるらしいのですが、平日の夜はけっこうすいています。
30分ほど手足をのばしてゆっくりお湯につかり、マッサージ機でこってり肩をもみ、定番のコーヒー牛乳で仕上げて910円なり。
少しからだが軽くなったようです。
ちょっと驚いたのは、さらさに置いてある牛乳の自動販売機は三分の一のフェイスがコーヒー牛乳でしめられていて、その次に多いのはフルーツ牛乳でした。なんだか日本人ていうやつは、みんな行動が似たり寄ったりなんですねえ。
6時に起床、7時から町内消防団の「出初式」があるので、マキノ町から頼まれたお酒を出動前の屯所(とんしょ/消防自動車がおいてある車庫)へ届けます。
少しマシになりましたが、まだ体のダルさがとれず、肩こりもあいかわらずです。
朝食後、すこし横になっていると、今日もお酒を買いにおいでになるお客様がちらほらおいでになります。
正月からお酒が売れて、ありがたい話なのですが、(母や弟も店番はしてくれるのですが)完全休養というのが、会社にいたのではどうにもとれそうにありません。
午後からは、明日マキノプリンスホテルで行なわれる「賀詞交換会」の準備で、レンタルの菰樽をクリーニングしたり、木槌に新しい紅白のリボンをつけたりして(町の名士が多過ぎて2つの菰樽を12人で割ろうというのですから、木槌も12本、それにリボンを巻きなおすだけで一仕事です)4時ごろに納品をすませました。
明日からは会社も平常どおり、お役所も銀行も動き出します。なんだか休みそこねた中途半端な気分で休み明けを迎えそうです。
2004年01月01日(木) |
あけましておめでとうございます |
新年あけましておめでとうございます。
先日までのあわただしさはウソのようで、朝酒、朝湯を楽しみ、惰眠をむさぼっている、ほろよいです。
体の節々がダルくて、肩こりもひどく、まるで中学生になって本格的なクラブ活動をはじめ、腕立て伏せや、腹筋、ヒンズースクワットで、クラブの先輩からコッテリしごかれた翌日のような状態です。
12月の売上も前年よりはよさそうで、まずまず美味いお酒を呑ませてもらっています。
朝7時頃、店のパソコンで7時すぎにメールをチェックしていると、本年第1号のお客様がおいでになり、「初しぼり」と「にごり酒」をお買い上げになりました。新春早々ありがたいことです。
1日中、ぽつりぽつりとお客様がこられ、そこそこの売上があったようです(ようですというのは、今日、ほろよいは1日中アルコール漬けになっていたので、店番を奥様と弟君と母上様におねがいしていたからです)。
日記御愛読の皆々様、本年もよろしくお付き合いのほど、よろしくおねがいいたします。
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