他人になんてなにも望んでなんかないよ。
えらいでしょ。


自分になんてなにも望んでなんかないよ。
だってあたし、なにもできないもん。

仕事から帰って。
着物を脱いで。
シャワーを浴びて。
化粧水をつけて。
床に座って。
しばらくぼーーっと時間を止めて。


オナカすいた。
また今日もごはんたべてなかったっけ。

おにぎりたべよう。
･･･････････････チン！！！



机におにぎりをおいてはしで食べる。
なんにも考えない。


目の前の、ちょうど顔と同じ位のおおきさの鏡に
ごはんをはしでつかんで
あーん、と口を開けている自分がうつった。
鏡の中の自分と思わぬところでハタと目があって。
ぴたりととまった。


なんて、マヌケ面。



あんまり魚みたいな目をした人がそこにいるから
なんだかむなしくって



理由も見つからないのに
だらだら涙を流しながら、



おにぎり





たべた。