ほっく。

2003年09月24日(水) 作戦


わたしは授業中あまり当てられない
クラスでは目立たない
委員は美化委員
クラブなら合唱クラブ
友達のなかでも目立たない
たぶん道端でも目立たない

目立たなければ
攻撃されることもないでしょ

だからこれはわたしの作戦
目立たないことを心がけてるの


もし
昔々の人間が火も道具も使わず
群れもつくらないままだったとしたら
きっといまごろ
緑や茶色の
迷彩柄のカラダになっていたんじゃないかしら






2003年09月23日(火) あたしもわかんない


好かれる嫌われるとか
そういうことより

もっと別の
大事なことがあるような…

でも それが何なのか
つかめない


ぼんやり考えながら
かぼちゃの種とワタをとる

かぼちゃの中
温かくてびっくりした

この
『 びっくり 』を

今日のいちばん大事なことにしちゃうのって
だめかな?






2003年09月22日(月) 意味わかんないよ


ぼくは好かれたい
嫌われたくない

みんなに嫌われたら
生きてる意味ないじゃん






2003年09月21日(日) そーかな


あたしは好きだけどな


なんていうか、あの子

「好かれよう好かれよう」 としないでしょ?

そこがいい


あんたも
あたしも
みんなも
好かれよう とか
嫌われないようにしよう とか
そういうとこあるもんね…


って 話ずれてる?

じゃあ戻そうか?





2003年09月20日(土) おまえん家


あいつ タカシ
きらいだ
むかつく


『 おまえん家、幸せそうだな? 』

そーゆー目をしてた

口で言ったわけじゃないけど
そーゆー目、してた


うちのこと
なんも知らないくせに






2003年09月19日(金) ふかし芋


うちでゲームしようって事になって
ナカヤンとショウタとタカシが来た


ショウタは下手くそで相手になんない
ナカヤンとぼくはいい勝負
タカシは
無茶というかムキになる性格らしく
コントローラー壊れるんじゃないかと思った


とちゅう、
姉ちゃんがふかしたてのお芋とお茶を持ってきた

姉ちゃんはいちばん小さいのをとると
ひとくちふたくちかじり、いきなり
「あなたが指名手配くん?」
タカシに声をかけ、クスクス笑った


タカシは
ちらっと姉ちゃんを見ただけで、なにも答えず
もくもくとお芋をほおばった






2003年09月18日(木) 行っちゃう


夏が行っちゃうのって
風船に似てない?

おっきな風船(水素入り)が昇ってく感じ

そのヒモをつかんだら
グンとひっぱられて
足が地面からはなれて
いっしょに昇っていっちゃいそうな






2003年09月03日(水) 不幸?


わたしも、つい、母の事を話した

アサキは目を丸くして
「だっておまえ、そんな不幸な少女には見えなかったぞ?」

不幸な少女、という言い方が可笑しくて
プフッと吹きだしてしまった


机のふちをなぞりながら、
おもいきって言ってみる

「母がいなくなって、じつはホッとしてるの」


「そか… うん、そっか」

アサキは何度も頷くと、本の表紙をみつめた


母が私にだけ厳しかったとか
それは話さなくてもいいと思った
不幸とかカンチガイされても困るし

だって
いまの、この瞬間のわたしは
なにひとつ不幸じゃないもん


こうして
本のにおいのするところで
隣りにはアサキがいて

なにかがいっぱいで
いっぱいすぎて
あふれそうなくらいだもん






2003年09月02日(火) 図書館の片隅で


本にらくがきしながら、アサキがいった

「真ん中だからさ」

3人姉妹だなんてしらなかった


「母親は妹につきっきり、父さんは姉と仲良しで」

わたしは鉛筆のあたまとおしりを持って
うんうん、うん、と頷く

「ラクだよ? ほったらかしでさ」

アサキはそう言うと
ぎぃ、と椅子をきしませて伸びをした



嘘や強がりで言ってるんじゃなさそうだった

ラクっていうのは、わかる
わたしも、今のほうがラク。






2003年09月01日(月) さよなら夏休み


なんか、こう
いろいろやり残した気がするけど
やっぱアイスかな
もっと食べとくんだった


夏休みの宿題?
まぁ、ほら、うん、  ね。





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