2003年07月31日(木) |
アサキ・13 …の姿 |
ピアスは受け取らなかった
ただ 帰り道も、家に着いてからも 「穴をあけたわたし」 の姿ばかり想像してた
2003年07月30日(水) |
アサキ・12 ピアス |
「アサキ、その穴…」 「ん」 「いつから?」 「去年」
アサキは筆箱のなかからキラッと光るものを出して わたしの手にのせ あげる、と言った
「でも。わたし穴ないもん」 「開けりゃいーじゃん」
そんな簡単に、なんてこと言うの? 開けるってまさか自分で??
2003年07月27日(日) |
ひっぱって ねじねじ |
「姉ちゃ〜ん 歯が」
うしろから まとわりついてきて
「グラグラするだよぉ〜」
きょう何度めだろう
わたしのTシャツの裾と袖 びよんびよん になってしまった
曇ってるけどプールに行った 水が冷たい
コーラ飲んだらよけい寒くなって 3回もオシッコ
手首に少しだけ残った ロッカーの鍵ベルトの跡
2003年07月22日(火) |
ぼく、悪くないよな? |
「ぼく、悪くないよな?」
クワガタは何も答えないで おが屑の中にもぐっていった
お父さんが あんなこと言い出すなんて思わなかった
ぼくは ただ ちょっと困らせてやりたかっただけで
だって お父さん いつでも涼しい顔してるから
お父さんだけ 平気みたいな顔してるから
「やっぱり… こっちに戻ったほうがいいかな?」
おかわりのお茶碗をだして、お父さんが言った
姉ちゃんは目を丸くして 「仕事だからあっちに居るんでしょ? 無理しなくていーのに」 ご飯を多めによそいながら、笑った
ぼくは さっき醤油をかけたばかりの紅鮭に また醤油をかけた
それから、 よけておいた鮭の背骨を口に運んでしまった
ひっこみがつかなくて そのまま噛み砕いて飲みこんだ
「お母さん、どうしてるかなぁ」
テトラポッドの下にもぐったハリスを ぐいぐい引っ張りながら言ってみた
お父さん なにも答えない
ぼくの声 小さくて聞こえなかった?
アサキの大人っぽいポイント ひとつ発見
ホッペとか 首のあたりとか お肉がうすいの
わたしはむにょむにょで
このむにょむにょは たぶん コドモ成分で
大人になるにつれて きっと むにょむにょは蒸発してくの
はやく アサキみたいに お肉うすくなりたいな
「姉ちゃん、ぼくが弟だから?」 「ん?」 「弟だから、しかたなく優しいのかな?」
「あたし、そんなに優しくないよ」 「そっかなぁ」
あんたが弟じゃなかったら もっと優しくできたと思うよ
姉ちゃんの許可がでて さっそくクワガタ買ってきた
まだ慣れてないのかな、 虫ゼリーに反応しないで じっとしてる
「姉ちゃん。あのさ、クワガタほしいんだけど…」 「え〜?」 「ダメ?」 「うーーーん」 「お母さんなら、ダメって言わないのになぁ(小声)」 「……」
「あたしお母さんじゃないよ?」 「そーだけど…」 「駄目って言うより買ったげるほうが楽だったんでしょ」 「そーなの?なんで楽なの?」
バカなやつ。 母のこと言わなきゃ買ってあげてたのに。
2003年07月08日(火) |
見えないし聞こえない |
嘘はキライ
でもきっと 今このときだって だれかの嘘に まもられてる
親のアラがいっぱい見えてくる
もしかしてわたし 『 反抗期 』に突入しちゃったのかしら
2003年07月03日(木) |
おとうさんのR15指定 |
おとうさんて つまんない人かも
父親としては理想的なのにね
こないだ三人で歩いてたら 道端に猫みたいのが死んでて たぶん ぐちゃぐちゃで
おとうさん 「見ないほうがいい」 って わたしたちを遠ざけようとしたの
おとうさんは ときどきそういうことする
おとうさん的にR15指定とか設けて わたしたちには キレイなもの・安全なものだけ見せようとしてる
なんていうか 子供をなめてる
「ゲホッ、ゲホホ」
「なんで飲むのよ… いつもむせるくせに」
クワガタ。 ケース入りで3980円 すごくほしかったけど、 姉ちゃん嫌がるんだよな
虫ゼリーはいくらもしないけど あいつらめちゃめちゃ食うもんなー お小遣い… うーん。
|