恋のさじかげん
れのん



 過去の日記

読み返すことが怖いような日記。
「過去」しか見えていなかった盲目な自分が、
そこには居て、
その事実はとても、とても、重い。
恋は盲目で良かった。
けれど、現実に盲目になっている自分が居る。
でも、その日々を削除することはしない。
どんな自分でも、自分だと、
そういいたいから。
胸を張っていえる過去じゃない。
けれど、今の私に繋がる過去だから、
どんな過去でも否定しないために、
このまま過去を残しておこうと思う。

今日、熱を出して早退した。
まだ、「未来」はお見舞いに来ない。
朝のメールでは来るって言ってたのに。
仕事がなかなか片付かないのは、彼も私も新人だから。
いつでもメールできて、電話のできる人。
だから、私は心配しないで待っていられる。
少しの間、眠ろうかな。
体調が悪い。


2002年11月29日(金)



 泣く

「未来」が同じベッドにいるのに、
私は他の男のことを考えて泣いた。
「未来」が抱きしめてくれるのに、
「未来」が傍にいてくれるのに、
私は時々たまらなく不安定になる。
そして、夜、泣き出してしまう。
「どうした?なんかあった?」
「未来」は答えない私をその胸にかき抱いた。
「未来」が私を抱かない日はたびたびある。
二人して着衣で抱き合ったまま眠ることも多い。
手のひらが分厚くて、
肩幅が広くて、
背なんか20センチ以上も高い彼が、
壊れ物みたいに、私を、
大切に、抱く。
それはとても、気持ちが良くて、幸せなこと。
「未来」といると、きっと幸せ。
だけど、私は、とても感傷的になってしまう。

過去の恋愛について、語る必要がある?
わたしが壊してしまった家族と、
わたしが傷つけてしまった人のことを。

「未来」といつまで一緒にいられるのだろうか、
そう思うと、不安でたまらない。

2002年11月20日(水)



 自堕落な一日

昨夜、鍋会を23時に閉じ、みんな、帰っていった。
「未来」も、もちろん、友達と一緒に駅に向かったはずだった。
途中までは私も見送ったし。。。
電話が鳴る。
相手は予想通り「未来」だった。
『今、みんなと別れた。駅の構内なんだけど、そっちに戻っていい?』
「うん、待ってる。」
「未来」は肩で息をし、瞬間で戻ってきた。
「は、早いね。」
『うん、走ったから。もう、めちゃめちゃに。』
「なんで?」
彼はへべれけの私の唇の上に、唇を重ねた。
『、、、会いたかったから。すっごく触れたかったから。』
そしてそのまま、ベッドまで抱きかかえられて移動、、、。
『今日、すっごく可愛かったんだもん、
絶対セックスしようって、決めてた。』
私の化粧がいつもと違うことに気づいたのは、彼だけで、
周りの友達はみんな意外な顔をしていたっけ。

二人とも酔っ払っているためか凄く、、、大胆で、
しかも、長いし、激しかった、、、。
彼の息づかいを聞きながら、しがみつくことしかできない私。
体を仰け反らせる、彼の腕が背中に回る、
そのまま抱き起こされて、私が上になる。
自分で動けない私は、感じることしかできずに、
声にならない声をあげるだけ。
彼は何度も告げる。
「全部好き。愛してる。だから抱きたくなる。」

朝が来て、私たちはまだ、抱き合ったままで、
薄暗い中、また、体を温めあい、
そして眠りにおち、
朝の光が差し込む、明るい部屋の中で、
また、抱きしめあう。
一日に何度もセックスを繰り返した。
それでも埋まらないものがあるわけではなく、
ただ、お互いの体が別物だという溝を埋めるようなセックス。
濃厚で優しくて、激しくて、そして求め・求めあう。
単純に、むさぼりあって、ご飯を食べて、絡まりあって、
ただただ自堕落な一日。
でも、心が癒されたり、ほっとしたり、
満たされたような気分になる一日でした。

2002年11月10日(日)



 立ち止まるとき

恋愛は楽しいことばかりじゃない。
そんなことは分かっていたけど、
今だって、分かっているけど、
私は時々立ち止まってしまう。
まだまだ、自分のために、
何かに打ち込んだり、投資したり、
一生懸命であったり、、、、
そういうのが、足りないみたい。
足りないから、相手に求めてしまうのかも。
求めてはいけないと分かっているから、
求めない。
でも、心では求めたいって思ってる。
本当、欲深だわ、、、、。

今日は友達6人で鍋をする。
そのメンバーの中に、「未来」がいる。
「未来」も私も、今が仕事の超忙しい時期。
悠長に鍋なんてやってていいのかしら、、、。
昨日は、電話も、メールも無かった。
ふ、、、お互いカツカツだってことね(笑)


2002年11月09日(土)



 風邪

風邪をひいてしまった。
「未来」の大学の学園祭にでかけていたのだけれど、
夜はさすがに寒くって、しかもバイクで出かけていたし、
で、とうとうダウン。
彼は夜中に何度も起きだす私の額に、
氷水に浸したタオルをあててくれた。
熱があがる時は息も荒くなるし、
なによりも、うなされてしまう。
そんなときに、そっと包んでくれる腕のあることを、
とても、ありがたく、心強く感じた。
「大丈夫、傍にいるから。」
彼は何度も呟く。
私の頭に、額に、瞼に、耳に、唇に、、、
彼の胸に顔をうずめた。
涙がこぼれた。
そのことに気づかれないように、
うつむいたままでいた。
人生は、自分にとって幸せになる方向へ動く。
そして、幸せになるために、
自分からそうしていく。

2002年11月03日(日)
初日 最新 目次 MAIL


My追加