恋のさじかげん
れのん



 痛み

尋常でない雰囲気を読み取って、同級生の彼が電話をよこした。
「どうした?元気してる?」
一瞬、すがりたい、と思ってしまった。
でも、私にはその腕にすがる権利はないと思った。
誰かを忘れるために、別れの辛さをごまかすために、
誰かを頼ってはいけないのだと、そう思った。
「なんでもないよー。ちょっとね、情緒不安定なの。」
「今から会う?出てこれる?それとも、こっちから行こうか?」
「・・・大丈夫、、、。こんなのいつものことだから。」
「あんまり無理すんな。できることがあったら言ってくれ。」
彼はそういって電話を切った。
根掘り葉掘り聞こうとしないところが、好きだ。
今、色々なことを話したら、私が壊れてしまうと思った。
私は案外、強くなかった。
私の辛い時代、不遇の時代を知っている、彼と別れたこと、
その別れが確実なものとなって、
合鍵の話にまで及んでしまって、
私はもう、その現実の重さに耐え切れなくなっていた。
いつかは、分かれる人だった。
いつかは、家庭に帰る人だった。
そう何度思い返しても、やっぱり辛かった。
一人で耐え切れる痛みではないって思った。
でも、耐え切れない痛みなんてありえないと励ました。


2002年07月27日(土)



 近況

なんて言えばいいのか、分からない。
だから、そのまま、メールも送れない。
素直な気持をぶつけても、きっと、信じてなんてもらえない。
彼は、私から手を引いた。
それが、現実だった。
振られたわけでも、振ったわけでもなく、
一方的な、諦観。
何度も、「もう、手放したくない、」
そういって抱きしめてくれた腕はもうない。
手放したくない、そんな切ない声を聞くたびに、
私はあの人を好きな自分を思い知ったけど。

年下の人から、何度目かの押し。
でも、彼は誠実。
約束を守った付き合いしかしない。
抱きしめることも、キスも、全て封印しても、
彼は私に会いたいという。

同級生の人は相変わらず忙しい。
毎日クレーム処理で、精神的に参ってるらしい。
時々の電話で彼が確認することは、
「私が元気にしているかどうか、」

早く自分の気持に答えを出さなければと思う。
過去を忘れるためではなく、
今を生き、未来を信じるために。
どんなに好きでも、
どうしようもないことは必ずあるのだから。。。

2002年07月25日(木)



 何度目かの離別と復縁の末に。

一緒にいる時間は、とても幸せだったのに、
離れると一挙に、不穏な空気が流れ始める。
何時からこんな風になってしまったのか。
それは、彼がこの日記を見つけてしまったことが端を発する。

寂しいから、不安だから、こうなってしまうのだろうか、
それとも、もう、おしまいだからなのか。
私にはその区別がつかない。
ずっと離れているけれど、お互いを信じて、未来があることを信じて、
生きていこうねって、そう約束したのに、
彼は、前者?後者?の理由から、私の心を踏みにじった。
それも、何度も。
恨み言を言いたいわけじゃない。
ただ、、、好きでいることが、こんなに辛くて、
未来を信じることが、こんなに困難だとするなら、
私はきっと、好きも未来もいらなかったと思う。
愛情が感じられなくなっても、
未練が尽きてしまいそうでも、
恋愛を続けることって、できるのでしょうか?

一緒に見た由比ガ浜の夕日がきれいだったこと、
土用の丑の日に、うなぎを二人で分けて食べたこと、
お部屋の照明器具を取り替えてくれたこと、
一つのベッドで寝て、とんでもない時間になる、
携帯の目覚ましで起きた朝のこと、
全部全部、疑う気持ちに染まって死んでいくのかもしれない、、、
そう思ったら、泣けてきた。
思い出まで、腐っていくのが不倫なのだろうか。。。


2002年07月23日(火)



 3人の彼と、節操のない恋愛

意識もはっきりしているときに、キスされた。
3歳年下の彼は、「未来」だと思った。

私には、今、3年間不倫をしてきた「過去」を象徴する、年上の彼と、
偶然に知り合い、強引な押しに負け、寝てしまった、
「現在」を想起させる、同い年のの彼がいる。
そして、「未来」を思わせる彼。
自分でもびっくりしてしまうことに、
私は三叉恋愛に突入してしまっていた。
それは全て、ちゃんと自分の意志で恋愛を選択できない、
私の弱さに原因があった。
「過去」の彼は、私にプロポーズするようになり、
私はその重さの前から、逃げ腰になったのを、
「過去」の彼は、早速察知し、
最近、しつこく、付き合い方について不満を漏らすようになった。
どうせなら、分かれてしまったほうが、きっと、楽なのに、
私は、それも選択できないぐらい、感覚が麻痺している。
確かに、今は、仕事が忙しい。
でも、このままだと、泥沼化することは考えられた。
私は、「過去」の彼の知らない場所で、
「現在」の彼とセックスし、「未来」の彼とキスをした。
罪は重い。
そして、私は何時からこんなに節操がなくなったのだろうかと、
自分で自分が信じられなくなりそうだ。

2002年07月07日(日)



 突然のキス

最近、忙しさにかまけて、彼にメールを送っていない。
この間、告白されました。
同じ仕事をしている仲間うちの一人で、3歳年下。
姉のような気持ちで、接していたのだけれど、
告白されて、しかも、相当に強引な押しで、
かなり、、、、弱ってる。
この間は、いきなり、キスされた。
動揺した。
いくら酔っ払っているとはいえ、
まさか、そんなことをするなんて思っても見なかった。
告白される前に、キスをされた。
怒ったけど、、、、
案外、キスなんて簡単なものだと思った。
真実が宿ると信じてきたけれど、
真実なんて、不倫をし始めた時点で、背徳だった。
普通の恋愛が、できるかもしれない、
そう思うと、このまま押されて流されたくもなる。
彼への気持ちは、変わっていくのか、、、、
それも、わからない。

2002年07月03日(水)
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