Love Letters
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2008年03月21日(金) 長い夜


 シャワーを浴びてお部屋に戻りました。

 湯冷めしそうな身体を暖めて欲しくて、

 ダブルベッドで既に目を閉じていた

 あなたの隣に滑り込みました。




 あなたは目を覚ますと

 私をそっと抱き寄せ、

 昔のように脚を絡めました。

 そんな風に動けないほど

 あなたにがんじがらめにされると、

 髪の先からつま先まで

 幸せな気持ちで満たされるのでした。




 その夜

 私達はとてもゆっくり愛し合いました。

 求めたり、求められたり、

 感じたり、感じさせたり、

 あなたの愛し方は

 時には優しく

 時には責め苦となり

 私の身体を燃え上がらせるのでした。

 痺れて

 震えて

 熱くなって

 何度も登りつめそうになりながら、




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 幾度となく押し寄せる

 快感の波に身をゆだねて、

 私の身体は

 熱い液をしたたらせながら

 甘い吐息を漏らすのでした。



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2008年03月20日(木) このお店でのデートはきっとこれが最後ね


 あなたとの仲が元通りになるまでに

 丸一年かかりました。

 こんな長期戦の喧嘩は

 お互いの心身を消耗させるし、

 もうこりごりだと思うのです。



 あなたと何度も行ったオイスターバー。

 あなたとの諍いのきっかけになった場所でもあり、

 仲直りのデートの時にも訪れたお気に入りのお店が

 近々閉店することになりました。



 大好きなお店が無くなることは残念だけれど、

 少しだけほっとしている私がいます。

 年に一度送られて来るお店からのバースデイカード。




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 牡蠣が大好きなあなたのことだもの。

 素敵な特典があるそのカードを

 他の誰かを誘っても使いたいと思うに違いないから。



 そんなもうすぐ閉店のオイスターバーで、

 一日遅れのホワイトデーのデートをしました。



 あの頃、

 私達はどうして

 あんなにもすれ違っていたのでしょう。

 今思い出してもよく分からないのです。



 あなたが私を見ていないと

 疑心暗鬼になっていたけれど、

 私はちゃんと

 あなたの気持ちを見つめていたのかな。



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2008年03月04日(火) ちょうどいい関係


 昨日あなたが会社の帰りにくれたメールに

 一時間ほど気づかずにいました。

 私自身の仕事で忙しかったからです。

 慌ててあなたに電話をしたら、


 「最近忘れられてること多い?^^」


 とあなたが言いました。




 そういえば

 この頃気持ちが穏やかなせいか、

 絶えずあなたの気持ちを確認しないと

 不安に駆られてしまうような、

 去年の今頃のような気持ちは

 どこにも見当たらないのです。




 この間のデートの帰り際、

 あなたと電車でさよならしました。

 
 「じゃあ、またね。」

 
 あなたが先に電車を降りました。


 「うん、来月ね。」


 私は笑顔でそう告げたまま、

 目を閉じました。

 暖房のよく効いた電車の中で

 心地よい眠気に襲われました。

 ふと、何かを忘れたことに気づいて




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 別れ際、ずっと手を振ってくれないと寂しいと

 言っていたのは私の方だったのに、

 私はすっかりそのことを忘れていました。




 別れ際に私の寂しい愚痴を聞くのが

 嫌だと言っていたあなた。

 気持ちが満たされていれば、

 さよならする時も

 ちゃんと笑顔でいられることにやっと気づきました。



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小夜子

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