Love Letters
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あなたからメールがありました。
最近、
ようやく気持ちが
落ちついて来たところだったのに、
あなたの言葉に気持ちが揺れます。
もう二度と会えない人と
会えない寂しさと、
いつかまた会えるかもしれない人と
会えない寂しさ。
私は自由になりたくて
前者を選んだのに。
奥さんを愛しているけれど恋をしたいと言う
そんな風に言う男性と
付き合ってあげる女の人は、
彼の言う綺麗事に騙されている振りをしているのか、
恋に夢中で真実に気づかないのか、
或いは、恋は抜きにして
Sexだけを楽しんでいるのでしょうか。
本当に誰かを愛している人の心は
ただ一人のパートナーに向けられているのではないか、
と思うのです。
たった一人の女性も愛せない男性は
複数の女性を愛することなど出来ないでしょう。
今になって
あなたの誠実さを思い出します。
あなたは
私を女としてだけでなく、
一人の人間として尊重してくれていたと
思うのです。
あなたを失うことによって
私の生活の中の
かけがえの無い何かが
消えてしまったような気がします。
この寂しさは
忍び寄る秋のせいだけではないと、
今、気づきました。
先日、
エンピツ繋がりの男友達と
メッセしていて、
『口説き』の話になりました。
「口説かれるの好き?(笑)」
「うん。それは好きです。
恋愛初期においては
男の人って沢山口説いてくれるでしょ。
慣れてくると、
してくれなくなるけど。(笑)」
「それは、反省。(笑)」
しかも、
部分的且つ具体的なコメントがベター。(笑)
その部分を優しく触れながら、
耳元で囁かれたらたまりません。(笑)
私が口説き落とされる時、
それは、
いつもはクールに見える人が、
少し照れながら
私だけに言ってくれていると
感じられる時。
たとえ、それが恋の錯覚でも。^^
淫靡な夢を見ました。
あなたが
他の女性を抱いている夢。
ダブルベッド以外
何もない部屋。
まるで愛し合うためだけにあるような
そんな部屋。
あなたが
若い裸の女を縛り上げ、
犯すように
抱いていました。
何度も撓う女の体。
歓喜に歪む顔。
男友達が
私はまだ彼を愛しているの?
愛し合った後に
脚を絡めて眠るのが好きでした。
私は
Sexの後、
いつまでも
素肌をくっつけていたいくせに、
まるで誰かに教えられたお行儀みたいに
いつもそうしてしまうのでした。
すべすべとした
キャミのシルクのレースから
脚を伸ばして、
温かいあなたの脚に絡める…
あなたの浅黒い胸に
頬を寄せて眠るの。
髪を優しく撫でてれる
あなたの手の感触が心地よくて、
すぐに眠りについてしまうのでした。
愛する人と別れた後は
身体も人恋しくて、
衝動的に
誰かを求めたくなります。
だけど、
しばらくは
誰にも抱かれないつもり。
あなたの指の感触や
あなたの熱い鼓動を
鮮明に
記憶に留めているこの身体は、
まだ、あなただけのものだもの。
水曜日、
私がその気になれば、
あなたに会える筈でした。
最後に一目会って、
あなたと話をして、
きちんと
さよならを言うことが出来たのに。
結局、あなたに会いに行きませんでした。
私のことを分身のような存在だと言っていたあなた。
私と離れても
普通に毎日過ごせていますか?
飲み過ぎていませんか?
私は元気です。
たまに、
去年の今頃
あなたと過ごした日々を思い出して、
少し寂しくなることはあるけれど。
過去に付き合った男性達
と言っても、
今は
どこで何をしているのか
ほとんど知らない私。
たった一人、
別れた後も
たまにメールをしたり、
チャットで近況報告をする人がいます。
その彼と
水曜日の夜は
久しぶりにチャットしました。
お互い最近失恋した者同士。
こんなに長い時間チャットしたのは、
あなたと付き合い始めた頃以来。
彼の失恋話を
聞いているうちに
あっという間に時間が過ぎてしまって…
それほど楽しいわけでもないのに、
ある一定の時間が経過すると
なかなか止めるに止められないんですよね。^^;
彼の場合、
もう一年も前の失恋の傷を
引きずっているようなのです。
振られた悔しさからか、
彼女に対する怨み言まで出る始末。
「男なんだから、しっかりせーよ!」
と言ってしまいました。^^;
私も彼のこういう女々しいところが嫌で
別れたんだっけ…なんて、
つい思い出してしまいました。
だってね。
たとえ別れてしまったとしても、
一度は愛した人の悪口を言うなんて
悲しいじゃないですか。
二人が共有した美しい時間さえ
汚してしまうことはしたくないもの。 私に振られた彼女の身代わりになれと?^^;
元彼との恋がもう一度蘇るなんて話、
ドラマや小説でよく聞きますけど、
私と彼の場合は絶対に有り得ません。(笑)
寂しさを紛らわすための恋なんて
長く続くはずないもの。
しばらく孤独を楽しみたい。
熱く燃えた心の
ほとぼりが冷めるまで。
2004年09月23日(木) |
出張帰りのあなたから |
昨夜、
出張帰りのあなたから
電話がありました。
付き合っていた頃からの習慣。
新幹線のホームから
数分間の電話。
付き合っていた頃と同じように
「お疲れさま。^^」
と言いました。
あなたの優しい声も
通じ合える冗談も
あの頃と同じ。
ただ一つ違うのは、
最近
周囲の男友達から
誘われることが多いのです。
誘われると言っても
食事とか映画とかですが。
恋人と別れたばかりの女は
物欲しげに見えるでしょうか。
あなたに先に幸せになって欲しいと思う。
私の顔も思い出せなくなるくらいに…
2004年09月22日(水) |
私を抱いた人だけが知っている |
今まで付き合った人に
共通してよく言われた言葉。
自分ではわからないのだけれど、
孤独を愛しているところと
寂しがり屋で甘えん坊みたいなところが
同居しているからなんだそうです。
「冷めているように見える時もあるのに、
人懐っこく甘えてきたりするところが似てる。」
とあなたには言われました。
きっと、それは
ひとときでも
魂が触れるかの如く、
深く、
互いの心と身体が結びついていた人しか知らない
私の仕草、
私の癖、
私の内面。
恋人の
温かな膝の上に乗るのが好き。
きっと
そんなところも似ているのでしょう。
現在進行形の恋の話が
再び出来るようになるまで、
しばらくの間
懐かしい恋の思い出について書きます。^^
何だか
お墓で長いこと眠っていた死体を
蘇らせるような気分。(笑)
私の初体験は18の時、
ちょうど付き合い始めて三ヶ月位の頃、
K先輩は私の家へ遊びに来ました。
それまでにも何度か
K先輩が家へ来る事はあったのですが、
その日はたまたま母が外出していて、
私達二人きりになったのです。^^
二人で
私が作ったお昼ご飯を食べた後、
リビングにあるピアノを弾いたり、
小さい頃のアルバムを見たりして遊んでいました。
その後
私の部屋のオーディオで
何か聴こうかということになって、
2階に上がりました。
それまでも
私の部屋で二人きりになると、
キスをしたり、
胸を触られたりということはありました。
だから、その日も
部屋の小さなソファに
二人でくっついて座るとすぐに
キスされて…
その日は
いつもより激しいキスでした。
耳たぶや首筋にキスされているうちに、
ブラウスのボタンは外され、
スカートもショーツが見えそうなほど
捲れ上がっていました。
「欲しいの?」
「うん、君が欲しい。」
私が初めてだってことは
先輩も知っていました。
それから、部屋のカーテンを閉めて、
先輩に見つめられながら
ブラウスとスカートを脱ぎました。
キャミソールとショーツだけになった私を
先輩はギュッと抱きしめました。
そして、私のベッドの中へ…
「綺麗だよ。」
ベッドの上で
初めて一糸纏わぬ姿になった私に
先輩は言いました。
「恥ずかしいよ。」
いつも
図書館で一緒に勉強したり、
公園でテニスをしたりしている先輩と
裸になって触れ合っているということが恥ずかしくて、
でも、
いつかは先輩とこうなる日が来ると思っていたから、
そうなれたことが嬉しくて… 今なら抱き合っているうちに
自然と開いちゃうのにね。(笑)
この初体験は
その後の私のSexに対する幸せなイメージを
作ることになったと思います。
なぜなら、
Sexって好きな人に大切にされることなんだって
思えたから。^^
終った後、
K先輩が言ってくれた言葉。
今でも憶えています。^^
「ありがとう。 小夜子ちゃんの初めてを
俺にくれて嬉しかったよ。^^」
二人を繋いでいた緊張の糸。
それは心地よい関係の中にもあって、
情熱の糸みたいに二人を熱く繋いでいました。
昨夜は
夜の9時以降
11時半過ぎまで、
私もあなたもICQをオンラインにしていました。
以前なら、お互い初めの挨拶を交し合ったら、
途切れなく熱い言葉が流れ出したのに…
今までどんなに忙しくてもこんなことはなかったのに。
パソコンの前に戻った時には、
あなたは既にオフになっていました。
「もう寝ますね。」
とメッセージを残して。
待たせてしまったのかな。
それとも待ってはいなかったの?
少しあなたに悪いことをしたという気持ちと
一日中ずっと忙しかった疲れから
溜息が出ました。
小学校高学年の
娘くらいの年齢の女の子達が
「あの娘、ぶりっ子だから嫌い。」
と言うのをよく耳にします。
ぶりっ子というのは
ふりをする子という意味で、
そういう女の子達は
先生や男の子達の前で
素とは違う自分を作っているのが見えるから、
同じ年齢の
僅かな嘘でも嫌がる潔癖症の彼女達の感覚には
受け入れ難いものなのでしょう。
だけど、私達大人から見れば、
彼女達のぶりっ子なんて可愛いもの。
だって、
彼女達は肌も弾けるほどにぴちぴちで、
精神的にもまだまだ幼い子供です。
可愛い子ぶらなくたって可愛いんですから。^^
でもね。
30も半ばを過ぎて、
ぶりっ子してる女性を見たらどうでしょう?^^;
決して若くはない容姿に
身体の線がはっきりと出る
ぴっちりとしたタンクトップとタイトミニ。
男性に媚びを売る笑い方。
何ともあざとい印象を受けてしまいます。^^;
確かに
幾つになっても
少女のように可愛らしい女性はいます。^^
でもね、
それは内面の可愛らしさや
育ちの良さなどが
表に滲み出ているものだと思うのです。
決して装っているものではなく…
娘達のように
嫌悪するつもりはないけれど、
どことなく不自然な彼女の様子を見て、
痛々しいと思ってしまうのでした。
だって、私なら
恋人にKissやSexをおねだりする時くらいしか、
あんな風に媚びてみせたりしないから。(笑)
来月になったら
あなたは
遠い地の人になってしまう。
このまま別れてもいいのかなと
自分の胸に問いかける…
初めのうちは寂しくても
そのうちきっと
あなたに会えないことに慣れていくでしょう。
だから、
このまま会わずにお別れした方が、
お互い未練が残らず
いいのかもしれません。
それに、
こんな話を聞いたことがあります。
其の時既に
彼女に対する情熱が冷めていたとしても。
だから、
別れ話を切り出す時として
男の人にとって
最も望ましいのは、
Sexの後なのだといいます。
Sexの後なら
心も身体も冷静になって、
落ちついて別れ話が出来るということなんでしょうか。^^;
だけど、
このシチュエーションは
女性にとってはあまりにも辛いと思うのです。
お互いに
素肌を重ね合い、
体温を確かめ合った後で
「お別れしましょう。」なんて、
私には言えそうにありません。
あなたと
もし最後に会うのなら、
別れの場所は
駅か空港がいい。
まるで
あなたを見送るように、
自然に
さよならが言えそうだから。
いつもより
早く起きた朝は、
窓を開けて
秋の香りがする風を迎えたら、
リビングのデスクにある
パソコンを開き
ICQをオンラインにします。
早起きは三文の徳。
今朝はリビングの窓から
綺麗な朝焼けを見ることが出来ました。
ウイークデイはいつも早起きのあなたは、
5時を少し過ぎる頃から
オンラインになります。
「おはよう。」
「おはよう。^^」
「早いね。^^」
「うん。エッセイ書いてた。」
私はここのサイトを内緒にしているので、
日記ではなく
エッセイを書いていると
あなたに告げています。
「マメだねぇ。(笑)」
「もう習慣になってるから。^^」
「そんなのばかりじゃないですよ。(笑)」
「俺に時々送ってくれる文章は
そんなのばかりだったから。(笑)」
「もう送らないから安心して。(笑)」
「それは、ちょっと残念だなぁ。」
「最近、書くこともなくなってきたし。(笑)」
「そっか。」
『だって、あなたに会ってないもん。』
最後の言葉は飲み込みました。
出勤前の朝のひととき。
明るい気持ちで
「行ってらっしゃい。^^」
と言いたいから。
2004年09月16日(木) |
お姫様抱っことダイエット |
去年の日記を読み返していたら、
あなたとのチャットを思い出しました。
ICQの履歴を調べたら、
その時の会話がちゃんと残っていました。
「最近、体重増えたから
お姫様抱っこされるのは無理だろうなぁ。」
「いや、
小夜子一人ぐらい、持ち上げるのは簡単。(笑)」
「付き合う前に言ってたよね。
元カノのこと、よくお姫様抱っこしたって。^^
元カノってスレンダーだったんでしょ?」
「小夜子の方がスレンダーだと思う。^^」
「私より小柄でしょ?身長も。」
「もう忘却の彼方です。(笑)」
「ねぇ、元カノの体重ってどのくらい?(笑)」
「そんなの聞いてどうするの?(苦笑)」
「それ以上に減量するの。意地でも。(笑)」
「嘘ついてるもん。^^;」
「ほんとだって。^^」
「せっかく
ダイエットする最強のモチベーションになると思ったのに。」
「最強のモチベーションねぇ。(笑)」
「うん。
だから45kgだったとか言ってくれる方が
励みになるんです。^^」
「じゃあ、45kgにしましょう。(笑)」
「もお、本当のこと言ってくれなきゃやだ。(笑)」
「本当のこと言ってるんだけど?
今度お姫様抱っこしてあげるから、
楽しみにしていて。(笑)」
「やだ。絶対に落とすもん。(笑)」
「落とさないって。(笑)」
「やーだ。(笑)
まるで私がされたがってるみたい。^^;」
「俺がしたいの。^^」
「そうなの?」
「なんか嬉しいの。(笑)」
「変なの。(苦笑)」
結局それから
あなたにお姫様抱っこをされたのは一度だけ。
去年の6月14日の日記に記されています。
私にはこの日の
初めてのお姫様抱っこよりも
ソファーで交した熱いKissの方が
忘れられないのです。
ICQのコンタクトリストには
今もあなたの名前があります。
まだ、
私はあなたにとって
一番近くにいる女でしょう。
あなたのKissの仕方も、
手の温もりも、
優しい声のトーンも
鮮やかに思い出せるから、
あなたとチャットしていると
いまだに恋人同士のような
錯覚に陥ってしまう。
今までと違うとすれば、
もう会う約束はしないだけ。 お互い忘れたふりをしています。
早紀が持っている地図帳で
10月以降
離れてしまう二人の距離を測りました。
どんなに心が近くにあっても
難しい理由がそこにはありました。
あなたの心が離れてしまうことが不安というよりも、
離れているから余計に
あなたの想いを束縛してしまいそうな
己の感情の身勝手さが
不安だったから…
もうすぐ
あなたは遠くへ行ってしまうけれど、
私達はきっと
いい友達でいられるね。
無茶をせずに、
身体に気をつけて
お仕事頑張って下さい。
好きな人が出来たら、 私のことは全て忘れて。
新しい恋に
夢中になって欲しいの。
あなたとのKissや
あなたに抱かれて
身体が憶えてしまった幾つかの癖は、
やがて
切なく甘い思い出に変わるでしょう。
真剣だった恋を忘れる為なら、
未練を取り除く為の
あらゆる努力が必要だもの。
どこかで
あなたに似た人を見かけても
平然としていられるようになるまで。
2004年09月13日(月) |
自分のために服を買う |
恋人がいないことが
寂しいと思うのは、
新しい服や靴や ランジェリーを買う時。
私はお洒落は好きだし、
自分が似合うものを探すのが好き。
気に入っているものを着ている自分が好き。
だから、
仕事でも
オフの時でも、
TPOに合わせて
服や靴やバッグを選びます。
服を買う楽しみは
今までと変わりはないはずなのに、
それでもどこか違う気がします。
それは、
見せたい相手がいなくなってしまったから。
こうして
少しずつ慣れていくのでしょうか。
会えないことや
電話のない週末や
自分の為だけに服を選ぶことにも。
今日は
自分のための
英会話クラスの後、
女友達3人でお茶しました。
彼氏と別れたばかりの
20代半ばの友達が
ぼやいていました。
「結局、
男の人ってみんな
奥さんには家庭に入って欲しいと
思うものなのよね。^^;」
将来に対する考え方の違いから、
好きな人と別れることになってしまった彼女。
仕事はしたい、
だけど、
子供は欲しいから早く結婚したいんだそうです。
某放送局の女性記者である彼女は、
私には羨ましいほどの才能の持ち主。
友達の結婚式ラッシュに
最近あせりを感じていると言います。
同性の私達から見ると、
彼女のような魅力的な女性が
結婚相手に困るなんて、
周りの男性は見る目ないなぁと
思うのですが、
「女性記者なんて
この世で最ももてない職業なんだから。」
と嘆いています。(笑)
仕事に打ち込む女性ほど
結婚には程遠くなると、
ほとんど自嘲気味。
仕事の出来る魅力的な男ほど、
女性のキャリアは
結婚の邪魔になると考えるのではないかという結論に。
外でバリバリに働く自分を
家庭でサポートしてくれる女性を望むのでしょう。
男の人がナースが好きなのも
このあたりの理由なのでしょうか。
よく夜は娼婦で昼は母親みたいな女が
男の理想だって言うけれど、
それが男性の本音だとしたら、
男性と同等に
キャリアを積み上げていきたい女性は
敬遠されてしまうのかなぁ。
彼女のもとに
素敵な新しい恋人が現れますように。^^
一昨日から
昨日にかけて、
祐未ちゃんの二度目の
腫瘍摘出手術がありました。
仕事をしながらも
ずっと気がかりで、
手術が成功することを祈るような気持ちで
待っていました。
午後、
お母さんから電話がありました。
落胆した声で、
「結局、全て摘出することは出来なかった。」
と言いました。
途切れ途切れに言葉を繋ぐ
お母さんの声から、
抑え切れない悲しみが
痛いほどに伝わって来ました。
「後は
放射線治療に望みを繋ぐしかありません。
私は最後まで奇跡を信じます。」
お母さんは言いました。
「祐未は学校へ行くよりも
また英語教室へ通えるのを楽しみにしているんです。
また、暇があったら
祐未に会いに来てやって下さいね。」
私は、
お母さんに知られないように
受話器を押えて泣きました。
「お母さん、
きっと奇跡は起りますよ。
私もそう信じます。」
痛みに耐えながら
生きたいと強く願う
祐未ちゃんの意志が、
きっと
奇跡を起してくれると
信じたいのです。
美しさとか
才能とか
裕福な暮らしとか、
私達は普段
あまりにも多くのことを望むけれど、
「きっと今の祐未は
母親の私なんかよりずっと大人です。」
誇らしげにそう言う
お母さんの声は、
いつもの
明るい声に戻っていました。
娘の早紀は、
幼稚園の頃から
ネイティブの先生にプライベートレッスンを受けてます。
最近では、
大学では英語の音声学を学びたいとか、 将来は映像翻訳をやってみたいとか
色々なことを言うようになりました。^^
「今日ね。
英会話の先生がお母さんのこと
褒めてたよ。^^」
「えっ、ほんと?(喜)」
アメリカ人特有のリップサービスと知りつつも、
日本語では有り得ない褒め言葉って
ちょっと嬉しかったりします。^^
我ながら単純。^^;
雌の動物の発情期を
heatと言います。
文字通り、
女は
発情すると
身体が熱を帯びて、
火照る感覚を覚えます。
それは
ルナの前だったり、
或いは
ルナが終る頃だったり…
バイオリズムとは関係なく、
あなたから発せられた
私の痴情をくすぐる一言だったり。(笑)
どういう男によって
欲情させられるかというのは、
女によって違うのかもしれません。
女の
恋愛経験や
嗜好、
或いは子供の頃の環境や
パーソナリティにも
関ることかもしれません。
また、
それらが
相手の感性と合うかどうかという
相性もあるでしょう。
そんな私の癖を見抜いているあなかから、
今夜メールがありました。
子供みたいなあなたの言葉に
くすっと笑ってしまう私でした。
最近、
あなたから毎日のように
PCメールが届きます。
まるで
付き合い始めの頃のように。
内容はごく一般的な話題。
昨日だったら
地震とか、
北オセチアの学校占拠の話とか…
10月になれば
私達は遠く離れてしまうけれど、
そのことがきっかけとなって
もう二度と会わなくなるのか、
或いは
お互いに心が舞い戻り
再び会うようになるのか…
微妙なところです。
以前、あなたと
今までの恋愛やSexについて話をしたことがあります。
私とあなたの恋愛遍歴の
大きな違いは、
私は、 身体の関係まで至らなかった恋愛を
幾つもしているということ。
私と付き合うようになってから、
あなたは変わりました。
バーでお酒を選ぶように
その日の気分で
誰かとベッドを共にするような、
過去のあなたを私は知りません。
私と別れたら、
あなたはまた以前のように
その場限りの恋やSexを繰り返すのでしょうか。
それとも、今度こそ
最後で最愛の女性と巡り合うのでしょうか。
いずれにせよ、その時すでに
あなたは
私のジェラシーも届かぬ場所の人に
なっているでしょう。
あなたとのSexでは、
いつも赤ちゃんが出来ないようにしていました。
一度だけ
ルナの期間をずらすために
中容量のピルを飲んでいたことがあって、
その時が
あなたの白い液体を
私の体の奥で受けとめた最初で最後でした。
単に期間をずらす目的の服用の方法は
避妊の為のものとは違っていたので、
あなたとのSexの後、
次のルナが来るまで
多少の不安がありました。
また、
短期間の服用にもかかわらず、
副作用のような症状もありました。
たった一度だけ
私があなたのものをそのまま受け止めた時、
それでも、
私が
その後気分が悪くなったり、
ルナが遅れていることを心配したりしたことから、
「小夜子の身体に負担がかかるような
やり方はよくないね。」
とあなたは言いました。
あなたは
ベッドの上ではいつも
丹念に
私の気持ちのいい部分を
探してくれました。
あなたに愛されている時、
私が感じたのは、
快感だけでなく
男の人の包容力。
あなたに愛された記憶が
いつも幸せなイメージに包まれているのは、
とても大切にされていたと
今でも感じるから。
もう別れましょうと告げて、
あなたからも
そうしようと言われたのに、
未だにチャットをしたり、電話をしたり…
あなたも早紀に優しいから、
今までと変わらずに応じてくれて…
もしかしたら、私達は
家族のような穏やかな関係に
移行しつつあるのでしょうか。
あなたの指が
私の中で遊ぶ。
脚が硬直し、
身体の芯が熱くなり、
やがて、小刻みに震え出す…
喘ぎ声が収まらない…
鳴り止まない鼓動と
乱れる呼吸。
ぐっしょりと濡れたシーツ。
「気持ちいい…」
息切れしながら、
あなたの胸にうずくまって呟く。
「学生時代、ベースで鍛えた指だから。(笑)」
「あなたの弾くベースと、私、
どっちがいい音を出しますか?」
「いやん。(笑)」
「自分から聞いておいて。(笑)」
「いい音を出すかどうかは、
プレーヤーの技術のみならず、
楽器の質によるところもあるでしょ?^^」
「素晴らしい楽器だ。(笑)」
あなたは笑いながら、
もう一度
蜜の溢れる窪みに
長い指を滑り込ませた。
祐未ちゃんに
会いに行きました。
小児科病棟の個室で
久しぶりに会った祐未ちゃんは、
ステロイド剤のせいで
顔がふっくらとしていました。
午前中から翌日早朝まで
腫瘍の摘出手術は
丸一日に及んだそうです。
「でも、私は全然憶えてないの。
目が覚めたら病室にいたから。(笑)」
少なくとも
手術前の激痛から開放されて、
祐未ちゃん自身は少しほっとしているようでした。
「早く退院して、
みんなと英語を習いたい。(笑)」
「みんなも
祐未ちゃんのいないクラスは寂しいって言ってたよ。^^」
静かで清潔なお部屋からは
広々とした公園の緑が見えました。
夏休み前に教室で会った祐未ちゃんは、
殺風景な白い病室よりも
窓から見える、その眩しいくらいに明るい緑が
似合う女の子でした。
祐未ちゃんの寂しげな笑顔が少し気になりました。
会社を休んで祐未ちゃんに付き添っているお父さん、
笑顔を絶やさないお母さん。
そこにあるのはいつもと変わらない優しさだけど、
その優しさの陰の幾つもの涙に
祐未ちゃんが気づいているとしたら…
大人達の演技に騙されている振りをして
無邪気そうに笑ってみせているのだとしたら、
その心は優し過ぎて、
あまりにも痛々しいと感じました。
私の思い過ごしなら良いのですが…
お母さんが
温かな笑顔で言いました。
帰る時、
エレベーターの前まで送ってくれた
お母さんに言いました。
「しばらくお喋りしてたけど、
祐未ちゃん、却って疲れていないかな。」
「それはないですよ。
祐未は先生がいらしてくれるのを
ずっと楽しみにしてたんですよ。^^」
「また、来てもいいですか?」
「はい。お時間があれば是非。」
この善良で優しい家族が
これからもずっと
美しい虹を見続けることが出来ますように。
ルナが終りに近づくと、
あなたが欲しくて
身体が疼きます。
もう
あなたに会えるあてなどないのに、
あなたの指の感触を思い出し、
自ら
熱く尖った胸の先端を弄ってしまう…
「付き合い始めの頃より
自分がずっと
欲張りで淫乱な女になってしまったような
気がするの。」
私達は、
お互いが強く求め合っている時に
会えないことがあまりにも多かったのです。
ルナの間、
私は自分の指で
赤い血に染まるその部分を弄びたい
欲望にかられることがあります。
今まで一度も
そうしたことはないけれど。
脳裏に鮮明に焼き付いた
愛された記憶が、
私の疼いた身体を
熱くします。
「今まで好きになった女性は
それぞれ皆違う。」
誰か他の女の人が
日に焼けたあなたの腕に抱かれ、
長いあなたの指で愛撫されているのを想像すると、
切なくて
胸が苦しくなります。
乱暴なほどに
強く抱きしめられ、
Kissされた記憶を
永遠にこの身体に
留めておくことが出来たら…
小夜子
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