日記
起きても眠っている

2003年02月27日(木) 定常波による歩行の模様

当然非情の風の猿、音は聞こえない

十分遠くと近似する鹿、道はない

横向きで低く鳴く鴨、知ることもなく

眠るまま腐るような人、かけらもない



2003年02月21日(金) 僕が君に感謝する確率

その一言にくらっときて俯く

意識は前を向いたまま

君も喋るこの言葉も遠く

視線は突き抜けて彼方

髪をかきあげて空を仰ぐと境界が消える

小休止

呟く

差し出した手に君が触れ

白い雲が歌う



2003年02月20日(木) 久、彼女

君が往ったのは去年の今ごろ 北風がじゃんけんで負けた昼

僕が強く引きとめていれば そうはならなかったかも知れない

悲しいとは思わなかったと思っているけど 本当だろうかといまさら自問

でもたしかにこの一年 君なしでも笑っていた

もうすぐまた君と会う そのときは僕の手を握って?

君が首を振っても 僕は抱こう

いや 僕は知ってる

君は今度会うとき 笑顔であることを



2003年02月11日(火) 確信の賽

時間が来る

時間が来る

二度言って自覚

スイッチ

天井を見て空に突き抜ける

目を閉じて



吸う

吐く

まぶたを開けると俺の世界



2003年02月07日(金) 抗力がない今日と明日の境

自覚のない牛が踏んだから僕の眼が悲しむ

その牛は僕の爪から生まれて髪に戻り燃えてしかし消えない

融けたバターの対偶をオーダしても無駄

メカニズムの妙

白く澄んだ歯からこぼれる嘘と本当の中間の黒が

脳を焦がして

やっとスキャン完了君の思考

瞬、

もう消えて更新またしても

徒労の漁船が日暮れを行く



2003年02月02日(日) あっちで待ってるから

なんてなっていってんじゃねえよ下らない事ばかり心を貫ききっと待ってっていってもまっちゃくれない真っ赤なスポーツカーに乗ったステゴサウルスの君は何処か遠くへいくはずだけどけれども信号の定期的な振動がタイドを止めて叫ぶ子供の足の裏からモグラも叫ぶような暗い昼の二時にマンホールの上に転がる虫をみんなが見ている街に生えてる場違いな松に登る弟は兄を見送るその目は本当は見えていないのに見送るその耳は本当は聞こえていないのに聞こえる救急車の叫びがそしてそのなかには生まれたばかりの赤ちゃんがいたのを僕は見ていたじっと見ていたような気がした赤ちゃんが道に落ちてもみていて僕は居たたまれなくて足を上げて居たたまれなくて足を下ろして居たたまれなくて赤ちゃんを踏んであげたその午後に君とキスした唇で赤ちゃんにキスをしたどっちが先でどっちが先かは忘れたけれどそんなのたいした問題じゃないってことは君はわかっているでしょでもその足が赤ちゃんをを踏み潰したその足が右か左かってことはとても重要でなぜなら僕は右足しか持っていないからででもそのときは左足もあったかもしれないのでわからないんだということを君に言いたいんではもちろんないけれど僕がそのことで悩んでいるってことだけは知っていて欲しいしそれが君の義務で権利で条件なんだよところでステゴサウルスはどこへいったか知っているかい?



2003年02月01日(土) 石と傘

ああ

僕の石は

どこへいってしまったんだろう

ずっと手に握ってたあの石

いまは形も思い出せない

僕が石の代わりに手に入れたこの傘

晴れの時には役に立たない

雨の時にも悲しくさせる

黒い傘が僕を縛る

黒い雨に僕を縛る


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takahiko [MAIL] [HOMEPAGE]

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