Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2006年12月31日(日) |
DVD『ap bank fes’06』の桑田佳祐だけ観ました。 |

DVD『ap bank fes’06』の桑田佳祐だけ観ました。
「Innocent World」に、この桑田佳祐という存在の凄さに圧倒された。部分的に櫻井くんが歌うのがじゃまに感じるくらいの素晴らしさ。続いて歌った「希望の轍」「奇跡の地球」にしても、桑田佳祐バンドと化して音楽のオーラがばくはつしたようなものだ。 山木秀夫タイコ、亀田誠治ベース、小林武史キーボード、櫻井和寿ヴォーカル&ギター、小倉博和ギター、山本拓夫サックス、というバンクバンドを従えた桑田佳祐のステージは、2006年にJポップ界が到達したハイライトだったと思う。
桑田がステージを去ったあとに、ミスチルが1曲目を「Hero」にしてもなお、まったく冴えないありようがそれを物語っていはしないか。 (もんだいはつげん、すいません)
前年の井上陽水の凄さにも圧倒されたバンク・フェス。 櫻井も小林も、陽水、桑田に完全に喰われることは、知らないはずはなく、それでもそうブッキングする二人の覚悟といったもの、矜持といったもの、に、ぼくは感動する。最上級の賛辞を送りたい気持ちになる。
音楽を前に進める、必然とも思える音楽のマジックに正々堂々と加担する、そういう姿勢に、未来の可能性を、希望を感じる。
ゴミの分別とかエコの活動に、ぼくはまったく感心していない。空き缶ペットボトルの有料回収を企業に義務付けるだけで、浮浪者対策と言ってはナンだが有意だと考えるし、たまたま同僚の所持するサピオ誌で読んだ落合信彦の中国が原因となっている二酸化炭素排出量の記事、北極の氷の消滅予測がこの1年で10年も縮まった事態(!)、その対策の絶望性のほうがよっぽど知らなければならないこと、だし、なれば、バンクバンドの主旨はその情報を遮断しているともぼくには映る。結局は、バンクバンドも資本の走狗に過ぎぬ、という。
桑田佳祐のあとのミスチルが辛気臭いのと同様に、バンクバンドの主旨は中学生レベルだ。
畢竟、桑田佳祐こそ、いまだ精神はロックしている、と、言えはしないか。

年末年始手当てを目当てに、とか、ここ5年、クリスマスから正月は、はたらく、ったら、はたらくのよ。 密教の話とかマンダラ集めとか、指先のあぶらが失われてしまったせい、とか、サメ軟骨とか、ドナーカードの存在自体が否定されるべきだとか、ハイチオールCプリミエール、深川不動尊のお守り、東京駅新幹線乗り場に寝巻きジャージ姿で現れるのはそんなにへんだかね?
今日は1月4日、6連勤ぶりの休み。駅前のあゆみブックスであやうく4・5冊単行本を買いそうになった。あぶねー、あぶねー。 En-taxi誌だけ買う。中山康樹がビートルズ名義作品『LOVE』について書いている。 ECMトルドグスタフセントリオのセカンドを聴く。1曲目だけ編集CDRに入れてたけど、やっぱりあとはだめ。音楽の深淵に触れていない。
すーさん、いとうさん、まつしまくん、おおしまさん、あおやまさん、たえこちゃん、もっちゃん、年賀状ありがとー。子どもの写真を年賀状で見るのがとても楽しく思えるようになりました。以前はやだったんだけどね。子どもの笑顔の写真、て、ほんとにいいよ。たくさんの年賀メールにもありがとうございます。例年のごとく、おれも返事しなきゃ、と、思っているうちにまた1年がたつのです。
休みなので、お風呂の王様光が丘。露天風呂につかって上空のお月さま、立ち上る湯気が強い風に吹かれてその向こう側で、深い緑なのか深い紫色なのか、に、光る空に静止している。永遠、は、見えてるよね。
内田樹さんの『いきなりはじめる浄土真宗』だったと思うけど、仏教という考え方には予め脱構築機能が付いているところがすごい、という。ニーチェもキリスト教は悪魔の宗教だと書いていたなかで、一神教の射程限界として、仏教の優越を認識していました。宗教対立的に、だから仏教がエライと言いいたいわけではありません。
音楽をめぐる、客観的な評価なり、普遍性への言及、西洋哲学の引用、には、どこか一神教的なコンテキストが現れているもので、それは神の視線なのかね、と、思わずツッコミを入れたくなるわけです。

次男(中2)が描いた色紙。
熊谷の八木橋■でお買い物。すき焼きを食べたいと思ったけども、この百貨店は埼玉の三越みたいなもんで1050えんの豆腐があったりと、すき焼きの肉をここで買うの?、怖気づいてしまた。がってん寿司に変更。ほっとする。
長女と関越自動車道・三芳SAでぐうぜんに「いも恋」■と出会う。さつまいもにあんこにもち皮のコンビネーション。技ありに美味いでしたん。5こで800えん。 ちなみにコミック「のだめカンタービレ」の吹き出しに登場している、とのこと。
こないだ100グラム880円の肉ですき焼きを作って、栃木のとちおとめ1パック(いちご)、ふじ(りんご)1ことで、えらいゴージャスな弁当にしたのだった。たばこを減らしたら、食べるほうへ意識が移るもので。おいしいものを食べると、音楽を、より素晴らしく見抜ける(聴き判じる)ことができることを発見。たばこを止めるのも不健全なようなのだった。

高2の長男に吉井和哉『39108』とバンプ「涙のふるさと」、マイルスの『ネフェルティティ』、『アガルタ』、『Live at the Fillmore East, March 7, 1970: It's About That Time [Live]』■、『ザ・コンプリート・イン・ア・サイレント・ウェイ・セッションズ』(これはLPヴァージョンだけしか聴かなくてよろしい)、ジャコパスのファースト■(ほんとはワードオブマウスを支給したかったが)、を、生前贈与する。『セラー・ドアー・セッション・1970』は、まだ愛聴盤なのでしばし待たれん。
『黒澤明映画音楽』5CDを光が丘図書館で借りる。■

2006年12月28日(木) |
編集CDR『 yesterday 』 2006.12.28 |
おい、がきども。曲目じゃ。
編集CDR『 yesterday 』 2006.12.28 01. Yesterday (demo) / The Beatles from” The Beatles Anthology Vol.2” 02. 涙のふるさと / Bump Of Chicken 2006 03. 恋の花 / 吉井和哉 from”39108” 2006 04. セツナレンサ / RADWIMPS 2006 05. Sugar Baby / Bob Dylan from”Love And Theft” 2001 06. Ozark / Pat Metheny & Lyle Mays from”As Falls Wichita, So Falls Wichita Falls” 1980 ■ 07. Are You Going With Me? / Pat Metheny Group from”Travels” 1982 ■ 08. The First Circle / Pat Metheny Group from” First Circle” 1984 ■ 09. Beautiful Child / Fleetwood Mac 10. Sara / Fleetwood Mac from”Tusk” 1979 ■ 11. When A Woman Loves A Man / REBECCA 1987 12. 魔法のコトバ / スピッツ 2006 13. Yesterday / The Beatles
イエスタディのデモと吉井和哉の「恋の花」を1・2曲目にする、という発想!だったのに、ついバンプを2曲目に入れてしまった。 パット・メセニーの代表曲3曲、フリートウッド・マックというよりソロになる前の清純なスティーヴィー・ニックスを聴く2曲はこの曲順で聴くと、さっぱりだめです。だけどドライブで続けて聴きたいので、まいっか。
編集CDR『 Don't Let Me Down 』 2006.12.6 01. 雪でもいい / 小谷美紗子 2006 02. クリスマス・イブ / 山下達郎 1983 03. Don’t Let Me Down / The Beatles 1969 04. しるし / Mr. Children 2006 05. ひこうき雲 / 荒井由実 1973 06. 恋はみずいろ L'amour est bleu / ポール・モーリア(1925-2006) 1968 07. 型落ちブルース / 上野茂都 2001 08. Third Stream Boogaloo / The Music Improvisation Company 1970 09. 門付け唄 岩室 / 加藤イサ・金子セキ・中静ミサオ 『瞽女うた 長岡瞽女篇』 1967 10. Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band / The Beatles 1967 11. Remember Me Baby /山下達郎 1980 12. See My Milk Cow / Champion Jack Dupree 1968 13. 映画「初恋」より/日記 音楽・岡本定義 2006 14. Toner Fran Forr (Fredrik Ljungkvist)/ Atomic 2003 15. I Met A Little Girl / Marvin Gaye from"Here, My Dear"『離婚伝説』1978 16. マイアミ午前5時 / 松田聖子 1983 17. 黛敏郎:プリペアド・ピアノと弦楽の為の小品 18. WINTER SONG / Dream Come True 1994 19. Tears Transforming / Tord Gustavsen Trio 2004
「雪でもいい」と「クリスマス・イブ」のイントロが共鳴するような。と、1・2曲目を構想。 ううー、この19組のミュージシャンたちが次々にステージに出てきて歌うという架空の音楽会。想像してうっとり。
2006年12月27日(水) |
編集CDR『 unknown brandy 2006.12.10』 |
今年もあと数日。冬の台風一過の晴れた空に。1回目と2回目のおせんたくのあいだに書いてます。ようやくこどもたちのケータイ代をコンビニで支払ってアイスを1個買いました。ファミマのかわいいおねえさんでごきげん。
ケンペ指揮、ドレスデン・シュターツカペレの、この芳醇な、金色に暖かく輝く響きをおしえてくれた、せんせいへ、 その次の和田アキ子の曲をささげています。
10曲目のバーベキュー・ドッグは、ジャズの凶悪な豊かさに初めて触れた思い出深いナンバー。
編集CDR『 unknown brandy 2006.12.10』 01. Where You Wanna Be / Brandy from “Afrodisiac” 2004 ■ 02. If It Were up to Me / Rooney from “Rooney” 2003 ■ 03. Vato feat. B-Real of Cypress Hill / Snoop Dogg from “Tha Blue Carpet Treatment” 2006 ■ 04. ハリケーン・ドロシー / 細野晴臣 05. リヒャルト・シュトラウス : 皇紀2600年奉祝音楽 (1940) ヘルムート・フェルマーの指揮する奉祝交響楽団(164名編成) 06. Fading in Fading Out / Ringo Starr from “Choose Love” 2005 ■ 07. Love, Gloom, Cash, Love / Herbie Nichols Trio 1957 08. ケンペ(指)ドレスデン・シュターツカペレ/レハール:金と銀(8:34) 09. あの鐘を鳴らすのはあなた / 和田アキ子 10. Barbeque Dog / Ronald Shannon Jackson and The Decording Society from “Barbeque Dog” 1983 11. Intro – Cambridge Excavation / Guillermo Gregorio from”Ellipsis”1997 Guillermo Gregorio (as), Gene Coleman (bcl), Jim O’rourke (g), Carrie Biolo (vib), Michael Cameron (b)
今年のベスト10作品、を、選定してます。 小谷美紗子『CATCH』がベストであることは自明ですねん。
2006年12月26日(火) |
涙のふるさと / Bump Of Chicken 2006.11.22 |
「会いに来たよ、会いに来たよ、消えちゃうまえに来たんだよ。」 涙のふるさと / Bump Of Chicken 2006.11.22
平易な日本語が描く深いイメージ。 藤原基央くんの声はかっこいいんだー。
このことから、複雑に書き込まれた楽譜が描く陳腐なイメージ、凡庸な声でいくら決めてそのサックスはかっこわるい、を、主張することができる。ぼくが若き日々に師事していた(勝手に・笑)ジャズ喫茶店主後藤雅洋さんが「パーカーは言い切っているのに対し、コルトレーンは言い切れないではみだし続けるイメージがある」との見解を示したときに、耳の視界が一気に拡がった。
作曲家が、演奏家が、持つ、声。
バンプの「涙のふるさと」のタイコは、明らかにミスチルの「ランニングハイ」に欲望して叩いたものである。この触発は、美しく聴こえる。
2006年12月24日(日) |
岩波書店の『山のクリスマス』 |

岩波書店の『山のクリスマス』。本棚に入れときたい1冊でした。
あー。世間はクリスマスでしたね。捕まった万引き浮浪者と失職者のみなさんには、パトカーに乗るというサンタからのおくりもの。
長女が大学で受けている授業で、脳死と臓器移植をテーマにした講義があるという。 実際に。 脳死してても髪は伸びるし、うんこはするし、寝返りのように動くのだし、妊娠すれば子どもが生まれるのだし、その「すー、はー」と息をさせらているからだにメスを入れて、心臓とか肝臓とか腎臓とか、を、取り出して、血がどくどく流れて死体となってゆくさま。 脳死、というのは、生命維持装置によって人工的に作られた状態。 そういえばドナーカードの存在自体が犯罪的であるという論考をどこかで読んだ気がする。『宮澤賢治伝説・・ガス室のなかの「希望」へ』■の中だったかな。 もっかい読まなきゃ。
2006年12月21日(木) |
上野公園の西郷隆盛像 |

「14才の母」最終回を観ました。志田未来の演技以外は観ていなかったですー。 志田未来の声で「そらちゃん」という音声トラックをおれにくれ。聴いて、泣くから。 ミスチル「しるし」を聴くと条件反射的にこのドラマの世界になってしまうようになりました。
でも彼氏が将来の結婚を宣言して中卒で働き始めるというハッピーエンドよりは、独りで子育てしてゆく展開のほうがリアリティがあるような気がしてつまんなかった。志田未来が成人して、また新しい男性と出会って子どもができて、いろいろ人間関係トラブルが起こってもなお、それをすべて肯定しながら生きていくという物語こそ深みがあると思うし。
今日は、午前中に散髪をして温泉(お風呂の王様の露天と高濃度炭酸湯と電気風呂)でリハビリして、 午後1時に女子大生と上野で待ち合わせをして、ダリ展を観て、お寿司をたべて、上野からアメ横、秋葉原まで歩いて、途中で喫茶店に入って、秋葉原の有隣堂で密教の本を買って、山手線に乗って有楽町まで。
上野公園の西郷隆盛像。東京に何十年も住んでいて知らなかったの? 区画整理された秋葉原できれいなイルミネーション。あちこち道を案内してすたすた歩いてゆく彼女に、急に年老いた気持ちになる。
2006年12月18日(月) |
『<声>の国民国家・日本』 アンソロジー2の「イエスタディ」 |
NHKブックス(900) 『<声>の国民国家・日本』 兵藤裕己著。■ 目次だけで、興味がそそられませんか?貴重な写真、図版多し。明治期の東京の四大貧民窟の町名を言えるようになりましょう。 序章 声と日本近代 第1章 貧民窟の芸人 第2章 演説・大道芸・浪花節 第3章 声の伝播、物語の流通 第4章 講談速記本から浪花節へ 第5章 「家族(ファミリー)」のモラルと法制度 第6章 物語としての国民 第7章 桃中軒雲右衛門の声 第8章 日本近代の解体 NHKブックスの装丁デザイン版組みはすばらしいとずっと思っていた。 NHKブックスには通し番号がついているんだよね。 もう、それだけで全部そろえて並べてうっとりしたくなるコレクター気質。どうにかならんか。
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なぜかtrfの「サヴァイバル・ダンス」の、 ビートルズハリウッドボウルの歓声(黄色い悲鳴の大合唱)のトーンを上げた効果音、を、思い出してしまう。
アンソロジー2の「イエスタディ」に、ふとなみだ。 正規のヴァージョンよりポールの情緒纏綿とした歌いかたのせいだけじゃない。 45さいになって、中学生のときと同じ記憶の歌詞で30年ぶりに歌った、けど、「ぼくはあんなことを言ってしまってた、とりかえしのつかない昨日」 I said something wrong, now I long for yesterday。
今年のベスト、ミュージサーカス本音でどん、昨年の>■ 今年のを、書きたい。ぼくの記憶のためにだけ。
ロイド~ヒギンズの2枚組私的ライブ録音には、しばらくぶりの精神の音を聴いていた。
これの日本盤ライナーで大村幸則さんが、そしてCDジャーナルで後藤雅洋さんが、揃ってジョー・ザヴィヌルのライブ盤を高く評価していた事実を認識し、あわててそのジョー・ザヴィヌルを聴いたのだった、この夏。
マヌカチェのネイバフッドがドイツ批評家賞に輝いたと知って、あわてて聴いたのだった、この冬。
だいぶあたり(高く評価する反応指向性といったもの)はつくような気がすることはするのだけれど、耳が奪われない。分析的に耳ははたらいて、聴こえているようにしか聴こえない。
シントーピア・カルテットが持つ、つき放たれた、よるべなき、かがやくような、なぞ、が、ない。音楽の魔法がない。
メセニーメルドー、は、ぜんぜんリスクを負わないメセニー、いじわるなメセニーに、はらがたつ。だけど、それに相応しいメルドーであったか、というと、どうもメセニーを刺激しに行ってないわけだから、やっぱり双方が奏でる前にすでに奏でられていたテリトリーに、いつも美味しい焼きたてパン屋の安心してほおばるふわふわなパンの感触のように、うっとりとするばかりである。
さて、どんなラインナップを書こう。
2006年12月13日(水) |
編集CDR『Don't Let Me Down 2006.12.6』 |

アップするのわすれてた。
はー。ビートルズの面々の横で鉄のハンマーを叩きながら一緒に「Maxwell's Silver Hammer」を歌っている夢を見ました。いいでしょ。 ゆうべ、古いビデオテープ(冷蔵庫の上のダンボールから崩れ落ちてきたー)で映画『Let It Be』(やや貴重)、を、観たせい。 いまいちばん好きなビートルズナンバーは「Don’t Let Me Down」。 ジョンが顔を横にして舐めるようにねっとりと「Nobody ever loved me like she does」と歌い始める屋上の強く吹く風がだいすきだー!
高柳昌行NEW DIRECTION FOR THE ARTS =高柳昌行(g)、森剣治(cl,fl,as,ss)、山崎弘(ds,per)、ジョー水城(ds,per) 1972年『FREE FORM SUITE』の1曲目「The Blues」、の、意表を突く、ゆるふん、ゆるゆる、な、気でできた「凄み」、の、おと。 を、 聴き終えるでしょ? そしてね、 ポール・モーリア「恋はみずいろ」をかけます。するとね。
す、すごい演奏なんです!ポール・モーリア「恋はみずいろ」、が。1968年、全米チャート5週連続1位、グラミー賞。 最初のフレーズのあと、「だっ、だっ!」リズムが刻まれ始めるあたりのドラムスの現前・・・。うんげえええ、はなぢ、が、でそー。
ミスチル「しるし」の歌詞はだいきらい、だけど、相手を“音楽”として唄ってみると、そのとおりなのだなあ。
編集CDR『Don't Let Me Down 2006.12.6』 01. 雪でもいい / 小谷美紗子 2006 02. クリスマス・イブ / 山下達郎 1983 03. Don’t Let Me Down / The Beatles 1969 04. しるし / Mr. Children 2006 05. ひこうき雲 / 荒井由実 1973 06. 恋はみずいろ L'amour est bleu / ポール・モーリア(1925-2006) 1968 07. 型落ちブルース / 上野茂都 2001 08. Third Stream Boogaloo / The Music Improvisation Company 1970 09. 門付け唄 岩室 / 加藤イサ・金子セキ・中静ミサオ 『瞽女うた 長岡瞽女篇』 1967 10. Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band / The Beatles 1967 11. Remember Me Baby /山下達郎 1980 12. See My Milk Cow / Champion Jack Dupree 1968 13. 映画「初恋」より/日記 音楽・岡本定義 2006 14. Toner Fran Forr (Fredrik Ljungkvist)/ Atomic 2003 15. I Met A Little Girl / Marvin Gaye from"Here, My Dear"『離婚伝説』1978 16. マイアミ午前5時 / 松田聖子 1983 17. 黛敏郎:プリペアド・ピアノと弦楽の為の小品 18. WINTER SONG / Dream Come True 1994 19. Tears Transforming / Tord Gustavsen Trio 2004
2006年12月11日(月) |
リヒャルトシュトラウス作曲の「皇紀2600年奉祝音楽(1940)」 |

おんがくのかみさまへの告白のような文章が浮かんでは消えて。道ばたの風に揺れる冬の草花からも音楽が聴こえる。 「縁」(えん)というコンセプトによる、世界をまなざす視線をゆがめてしまいそうになるたくさんのノイズの除去、慰撫の方法、 に、準拠するわけではないけれども、だってこないだのNHKラジオで達観したおばちゃんが何物にも「ご縁」を感じてそれらに支えられてわたしは幸福ですなんてハガキ書いているなんてまっぴらじゃない?、「ご縁」によって自分では予想できなかった世界の見え方におののいたり歓んだり哀しんだり、出会いの数だけ別れは増える、んだよね、いつだって怠惰ではいたくないし、いつ見ても怠惰にしか見えないんだけどさ、おれ、上野樹里なんだもん、あさってかもしれなくても、ぼくらは旅に出る理由に従って大きな旗を振ってミュージックキャンプに、同行二人は、空海でもあるけど、荒川修作でも、三善晃でも、スヌープドックでも、後藤正文でもあるのだ。
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サージェントペパーズの1曲目から2曲目にさしかかったところにいる。 月は相変わらず出ている。カメラでお月さまを見えているように撮りたいとある日気付いて、あ、それは四国の空を飛びまわりたいと讃岐うどん屋の昼下がりに眩しい舗道よりも胸の内がわにともった小さなひかりのように思った香川県の拡大された地図の輪郭。 希いといったものはじつは地形のかたちをしているのであった。
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もとより音は色彩となって訪れるのであるから(時間がかかることもあるよ)、それらを辿ってゆくと満ち欠けるお月さまと照らし出される深緑とも青紫ともつかない永遠の色をした空間の発光、ふたつの様相に行きつき、それらは千変万化する普遍のもの。 その下で。 地上でなべをつつくように、だれかをともにしたい。生きたひと、生きているひと、ぼくの子どもたち、これから出会うひと。うつくしいひと。
遠くにあった場所、目を閉じればそこに居られるのに、二度と辿れない道のように。
高野山で泊まった部屋から見た向かい側の屋根の戸板と霧雨と太陽のひかり。
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こないだ16さいの息子に『ソーサラー』をあげて、「ごめん、『ネフェルティティ』から聴いたほうがいいんだ、こんど持ってくる。」と宣言して、忘れてた。 『ゲット・アップ・ウィズ・イット』と『イン・ナ・サイレント・ウエイ』もだよなー。 アドリブに見切りをつけたマイルスは早いうちに聴かせておかなければなるまい。
ウイリアム・パーカー、ジョー・モリス、マット・マネリ、ティム・バーン、マルク・デュクレたちは、 <「新しく」はなかった/新しくある必要はなかった> そこんところを前提に現代ジャズはある。・・・なんつて、とてもおおざっぱすぎかつごかいをまねくよなことかいてごめんね。
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『ローム ミュージック ファンデーション SPレコード復刻CD集 <日本SP名盤復刻選集Ⅰ~Ⅳ>』5CD リヒャルトシュトラウス作曲の「皇紀2600年奉祝音楽(1940)」を収録。 これがすごい。日本のオーケストラの水準をうんぬん言わずもがな、しかし、小津安二郎の世界が聴こえるのです。これはいったいどういったことなのでしょう。
・・・うつくしい、とか、皇紀2600年とか、書いてますけど、ぼく現政権を支持しているわけではないですからね、念のため。
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このごろCDを1枚通して聴くことはあまりない。図書館からかりた『細野晴臣ベスト15』を聴く。 01. チュー・チュー・ガタゴト'75 02. 東京Shyness Boy 03. YELLOW MAGIC CARNIVAL 04. 熱帯夜 05. ハリケーン・ドロシー 06. 北京ダック 07. 香港ブルース 08. チャタヌガ・チュー・チュー 09. 蝶々さん 10. チャウ・チャウ・ドッグ 11. 絹街道 12. ポンポン蒸気 13. ブラック・ピーナッツ 14. "サヨナラ"ザ・ジャパニーズ・フェアウェル・ソング 15. アヤのバラード このベストはいまいち。やっぱりアルバムごとに聴こう。
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サックス=マーク・ターナー、ヘンリー・スレッギル、ミシェル・ドネダ トランペット=五十嵐一生、田村夏樹 ピアノ=アンドリュー・ヒル、渋谷毅、菊地雅章 ギター=カート・ローゼンウィンクル、ブランダン・ロス ベース=ウイリアム・パーカー タイコ=ナシート・ウエイツ、ポール・モチアン、ポール・ニルセン・ラブ
この14にんを集めて、いろいろセッションをさせてみたい。曲はひとり最低1曲は書いて、この中で人選までする。 どう考えたって演奏できない組み合わせにも思えるけど(わはは)、そこは耳の聴こえる演奏家たちであることから、とんでもない可能性だってあるはず。それぞれの演奏家は、自分の武器だけに頼ってはいられない事態に放り込まれるわけだし。
スイングジャーナル12月号を図書館で見たけど、風俗雑誌に負けてないCDジャケのオンパレードに、ここまでなれるものかこの雑誌は、というあっぱれにも思えて、なんか勇気がでてくる。80年代から進行し現前化してきた国別に(シーンごとに)世界化したジャズ、これは辛うじて90年代のジャズ批評誌の一部で読むことができたわけだけど、(未完)
2006年12月10日(日) |
スヌープ・ドッグの新譜『Tha Blue Carpet Treatment』を購入 |

いやー。
『のだめカンタービレ』■の影響で、クラシックこそが、現在のぼくたちのリアルミュージックになりましたねー。 こんなに瑞々しく、目をキラキラさせてCDを聴ける。 お教養主義にも権威主義にも、みじんもひっかからずに、デートのBGMになるみたいに。
スヌープ・ドッグ■の新譜『Tha Blue Carpet Treatment』を購入。 「Vato」で咆える「わん、ぅわん!」という声に、すっかり理性を失ってしまう。 黒人の才能がジャズに行っていないわけだ。

ユーミンの「ひこうき雲」を聴いて、これは少女が焼き場の煙突から昇ってゆく情景のことであって、夭逝した少女は荒井由実自身であったことに気付く。デビュー作の1曲目で、これ歌ったのか。サウンドはプロコル・ハルムの「青い影」っぽい。

12月4日19時00分。満月が雲の葬列に呑み込まれて3分。
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延滞金のほうが未納額よりも多くなった平成13年度の住民税や、延滞している家賃、時間外労働の削減計画の余波をもろに受ける勤務環境、背骨腰骨に起因する神経痛によるリハビリ開始、左奥歯の歯医者。何枚CDを売っても追いつかないではないか。宝くじも買えないではないか。それでも音楽が、こう、聴こえて。息子よ、梁石日(ヤン・ソギル)の『血と骨』は読んだのか。愛だなんてやれば気がすむものだ。
ギルドのDVDみて、おかあちゃんが泣いていただろ。気丈にほおの涙をぬぐう右手の仕草を見たとき、おれはこのひとをたしかに世界でいちばん愛していたと思っただよ。おまえたちが生まれて、おれはいま死んでいいくらい幸福だと思って深夜に甲州街道の調布から府中にかけて140キロくらいまで加速した夜があっただよ。だから、どう、という話ではない。武蔵境のサミットに置いてけぼりにして車を発車させたときのわがままな2さいのおまえの泣き出す可愛さが夜道を照らす。
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摩訶般若波羅蜜多心経(まかはんにゃはらみったしんぎょう) 2分53秒 の入ったCD『四国八十八ヶ所霊場御詠歌(上下巻)』を図書館から借りる。新宿区中央図書館、えらいぞ! ほとんど民謡の節回しもある。なんだか、ありがたし。開けてゆく、開けてゆく。
むすめに買ってやったお米はまたしても北海道産「きらら397」でした。あと、3枚たべれば1日分の鉄分が摂れるウエハース40枚を3袋。
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ミュージサーカス■に、三善晃を聴けるコンサート案内がアップされています。 Jazz Tokyoの「2006年今年の1枚」に寄稿を終えましたが、そこで触れた現代ジャズの重要な一側面であるトーンの歓びについて、は、この三善晃の創造こそが最高峰ではないか、と、思っています。 ジョー・マネリ~微分音~ビザンチン教会音楽~お経と、決して軌を一にすることはないにしても、表裏併走する視線のありか。
「ただくん、モーリス・ラヴェルの音楽の素晴らしさは、病床にあった三善晃が楽譜を見て音楽を想っただけで快復したというくらい素晴らしいものなのです。わたしは、日本モーリス・ラヴェル協会を作るのが夢なのです。」 「三善晃って?雨にー濡れながらーたたずむひとがいるー、ですか?」 「それは三善英二ですね。では、今日はラヴェルの弦楽四重奏曲を聴きましょう。」 「はーい。」 かつてのECMファンクラブでのやりとり。
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