Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2004年04月30日(金) |
「夜明けのスキャット/由紀さおり」・音楽は買わないと聴かない |
ネタすぎる!と?。「バス・ストップ」もまた実話です。わたしは実話のおとこです。なんで本名で書いていると思ってんですか。 「そーだよねー、バス停のそばでそんなの、見たひとも傷つくよね、ヘコむよねー」。だから、替え歌だって。
黒いワイシャツとサングラスといういでたちで不動産屋に行った。友だちが「引越しするのに1年も住んでいない。ほとんど汚れていない台所の清掃をするためその費用を差し引くと敷金(30まんじゃく)がほとんどなくなる、と不動産屋に言われた。」という。「わし、兄じゃけど、そのクリーニングの見積もり見せてくれんかの。」とご挨拶にうかがう。1まん5せんえんだけ差し引かれて敷金は戻る。で、CD4枚買ってもらった。
荒川土手で19歳のガキどもが7人集まってひとりをリンチして殺害に至った事件があった。全員が共犯として逮捕され、それぞれ別の刑務所で刑期を終えて出所したのがほぼ2年半後だった。被害者の父親は元やーさんで、出所した全員に落とし前をつけるらしい。そりゃーそうだろう。「由紀さおりの夜明けのスキャットは、あれは歴史的な名曲ですよ!」そのとおり!わかった、わたしも協力しましょう。あとふたりですね。
▼「夜明けのスキャット/由紀さおり」1969 (この曲も69年!おお、永遠なる69年よ・・・)
ルールールー、ルールールー、ランランラララー。これは、のちに宮崎駿監督が幼いナウシカに歌わせたルーツだと妄想する。
「愛し合う そのときに この世は 止まる の。 時のない 世界に ふたりは ゆくの よ。」 ここでの「の」と「よ」の発音の深さ、これが20世紀最大の遺産だとわたしは思う。
当時小学校3年生だったわたしは、「なぜだ、なぜ、あいしあうときに、とまるんだ?ほんとにそんなところへゆけるのか?」 と母親に抗議するように問い詰めたものだが、「アンタ、また子どもなんだから、余計なことを考えなくていいの!」とマジゲンコツをもらった。
エンディングはこのようになっている。 「愛し合う 二人の 時計は 止まる の よ。 時計は 止まる の。」 はじめの「止まるの よ」は、まるで甘えるように、いっしょにいくのよと約束するように、ほんのわずかおしりをうえにむけるように歌われる。 つぎの「止まるの」は、女神が真実を語るように、厳粛な宣言をするように歌われて、この歌が閉じるのである。
▼音楽は買わないと聴かない
現在はネット上でちょっとコツをつかんで探せばヒットチャートもののほとんどの音源が入手できる。 または、未聴のCDが500枚くらい並んでいたり、サンプル盤で山になった事務所とか、ほんとーに聴く気が起きないものである。 よく考えてみてほしい。 エアチェックするエネルギー、CD屋で見極めるエネルギー、発見する喜び、など、あの入手する手間と出費を伴って、音楽を聴くのである。
2004年04月29日(木) |
「バス・ストップ/平浩二」 |
「日本や韓国などは、自国の為替の安定のために米国債を買い続け、アメリカが無限に軍事費を拡大できる状態を作っている。」 昨日引用したこれは、田中宇(たなかさかい)さんの「国際ニュース解説(■)」 のメーリングリストで配信された記事「イラク駐留各国軍の危機」(4月20日配信)にあった一節です。
なにも悪いことをしていなくても間接的にイラクの子どもたちを殺めている政権を支えているボクたちなのですいうなれば。したがってCD聴いてるだけのただくんはー、とスーパーサヨクくんはぼくをせめます。もっといじめて。もっとなじって。しばって。
ap bank(■) 坂本龍一、小林武史、櫻井和寿が中心となって銀行を設立した、ということは音楽史的な出来事では。性善説と性悪説がつねに入れ替わるわたしとしては、憶測はびみょーだが、理念的な側面はともかく銀行という存在が放つ“欲望”の肯定感がいい。敵の起動システムを使う、毒をもって毒をせいす、そういうんでもいい。選挙に行こうとも投票を義務化しようとも箸を持ち歩こうとも吸殻のポイ捨てやめようとも、せんがの。 キーマンである坂本のサイト(■)。
▼
午前3時半すぎ。NHKラジオ深夜便。「もう恋なのか/にしきのあきら」「わたしの城下町/小柳ルミ子」「バス・ストップ/平浩二」を聴く。 感動してなみだが出てきた。かなり疲れているのか。おおこの言葉にできない感動。
ダイエーをリストラされて人生投げてた4トン現金輸送ドライバー松っあんが毎晩「バス・ストップ」を替え歌していたのを思い出した。 「バスをー、待つあいだにー」 はいはい 「ま○こを拭くわー」 なんでそこでそんなところをふくんですかー!どんなんなってふくんですか! 「しらない誰かに見られたら あなたが傷つくー」 傷つくのは自分じゃないですか!
2004年04月28日(水) |
小川直也はいかりや長介・みんなのうた「道」小野修・野村萬斎ややこしや |
やー、ゆうべはプライド観てました。クロコップの失神は慢心によるもので、とーぜんガチンコ。でも、小川直也の試合は、うーん、びみょー。 おかげで恒例のクロコップ歩きはできなかった。だいたいわたしはクロコップ勝利のあとはクロコップのように歩きはじめバルカンのピアニスト、ボヤン・ズルフィパシチのCDをかけながらやおらダンベルで腕を鍛え始めるのでみんなに失笑をかうものである。今日は、ランデルマンになってうっほうっほと飛び跳ねてみたがすぐに情けなくなって途中からノゲイラになってみんなにくにくにからみついて嫌がられた。こーゆーときにガールフレンドのひとりもいれば“ノゲイラ寝技ごっこ”ができるのに。
小川直也、この2年のブランクで顔がいかりや長介になっていた。 小川は「ハッスル、ハッスル」と言うが「オーッス!オーッス!」と言うべきである。でないと明日はないぞ、小川。
▼
NHKの『みんなのうた』が断然すばらしいまま、なんで。録画保存のためにDVDレコーダーの導入を検討している、のであるが。 『みんなのうた』の楽曲がすべてCDもしくはDVD化されるわけではない、のが、まったくもって残念。 いま放映している「道」(うた:yumirose)の映像の未来的な郷愁もさることながら、 小野修が描く女の子キャラに恋ごころをいだく。わーん、好きだー!
NHKの子ども番組『にほんごであそぼ』の、日本語文化・芸能の素晴らしさに焦点をあてた制作方針、その成果について、ぼくは完全に支持する。 野村萬斎の「ややこしやー」は今年本格的に流行語大賞にならないかな。
▼ 田中宇(たなかさかい)さんの「国際ニュース解説(■)」4月20日号より
毎日イラクで殺されている人々は、アメリカの矛盾の犠牲者といえるが、問題なのはアメリカがいくら単独で自滅したくて常軌を逸した行動をしても、世界の他の国々の多くは、まだアメリカに対し、世界を安定させる役割を期待し続けていることだ。たとえば日本や韓国などは、自国の為替の安定のために米国債を買い続け、アメリカが無限に軍事費を拡大できる状態を作っている。これでは、アメリカは自滅したくてもできない。
ややこしや。
2004年04月27日(火) |
いまホントーに面白いのはやはり即興シーンなんである(音場舎通信64号) |
そっかそっか、マックならCCCDはへーきで焼けるんだ。今日のいーぐる掲示板(■)。 トーストソフトでも選曲モードで取り込めばへーきだ。どうもCCCDのCDには外側に数ミリの輪があって、そこをセロテープの破片で押さえとくといいんだと石○電気の社員が言っていた、おれはそれすらめんどーでひたすら選曲モードで作業してますが。
▼ みなさん、ちょいと話をきいてくださいまし。いま、ホントーに面白いのはやはり即興シーンなんである。
ひとことで言うと“パラダイム・シフト”つうやつなのです。 もっとも前衛的なロック、従来の欧州即興、テクノ、ドラムンベース、アンビエントもしくはイルビエント、ジムオルーク、モートンフェルドマン、ジャチントシェルシ、後期ジョンケージ、後期ルイジノーノ、ヘルムートラッヘンマン、マチアスシュパーリンガー、 これら(そもそも別々に発展したり維持されてきたおのおののこれら)、が、同時に参照関係にあって、耳を次元更新している、といいますか。
音響系とか弱音系とかの新しい“即興シーン”について、 わたしはこれまで「あんなの即興じゃないー」「上手く弾けないからあーやってんだ」「水琴窟とか風鈴とかに耳をさらしているのと同じじゃんかー」「あれはいわゆるスキージャンプペアだねん」と、揶揄することで、これまでの自分の耳の経験を防御してきただけだったようです。
音場舎通信64号が届いたんですね。3月8日の日記(■)以来。
ペーター・ニクラス・ウイルソンによる 第8回ダルムシュタット・ジャズフォーラム講演「即興音楽の新たなパラダイム[全編]」(翻訳:北里義之) 63号で掲載された前編に補訳を施した上で、全体を掲載している。
これを読んで、わし、耳が生まれ変わったような気持ちになって心臓が高鳴った。 「これからどんな音楽が聴こえるんだろう」「いつまでも何も起こんないかも、でも、明日へとぱどりん!」とゆー気持ちです(>ミスチルやんけ)。
そっかそっかそっかー。いやー、まだまだ音楽聴くのは捨てたもんじゃなかとよ。 こないだ「本人は負けてるつもりはないけどどうやら負け組みらしい不良中年連合会」会合席上で、音楽聴いて生かされている自分たち、というテーマでどろんどろんに精神安定剤モードに安堵していたんだけどね。わたしは古かったしばかだった。でも変わんない。
あとは新しい世代の音楽評論家のみなさんの健筆に期待します。音場舎通信64号を読みましょう。
2004年04月26日(月) |
『Feel You / 菊地雅章』(1992)・午後の紅茶(松浦亜弥)・ユニヴァーサル・シンコペーション(1・30、2・2の続き) |
渋谷に出て。時間があったのにもかかわらず、タワーレコードに寄らなかった。
ジャズ喫茶で親方とまったりする。ばたばたとジミー・ライオンズ・ボックス5枚組(これがなかなかいいんだよー)をトーストしながら。 AECやらコルトレーン、ドルフィーなど、ぐいぐい攻めてくる選盤に挟まって、バグパイプ(!)ジャズとか、デイブ・ダグラスの『Stargazer』(近作群よりも断然イイ)とかが、かかる。 >『Stargazer』、見てみ、このメンツ、96年だよ、クリススピード、ジョシュア、ユリケイン、”ジェームスジナス”、ジョーイバロンとのまさにNYドリーム・セクステット、得難い隠れた名盤 >■>マサダ以外の演奏でもっともいい、と、思う。
音楽体験は不意だ。クリスチャン・フェネスに耳がいっているときに、コルトレーンやドルフィーはあほみてーなモンだし、『春の旅01』(ミシェル・ドネダ〜斎藤徹)を聴いたらほとんどのHEADZ系CDは児戯に過ぎない。フランク・ザッパの強さに耳が覆われたときには、エレクトロ・パンクの叙情モノは弱々しくて哀れにしか思えない。友部正人の歌を聴くと、ミスチル桜井でさえ一瞬かすむ(いわんや森山直太朗おや)、仮にそれぞれを受信アンテナと模せば、さまざまに受信し尽くしたいだけ、それ以上のことではないべよー。
あ、「午後の紅茶」、応募しなきゃ。 ■「午後の紅茶」サイト ”ポッポあやや” これの「ニューヨーク・バージョンに映っているベーシストがジェームス・ジナスである」、という説がある。たしかに、酷似している。 このジェームス・ジナス、小曽根真のトリオでいつもにこにこ活躍している、というのが一般的な認知なのだけど、 デイブ・ダグラスのほとんどのリーダー作を支えている隠れた実力派である。
彼のサイドメンとしての、ほんとーの代表作は、コレだ! > 『Feel You / 菊地雅章』(1992)■(グリグリ二重丸で自身アリ、不動の軸、鉄板!) しかも1曲目「Pain Killer I」のファンクな中の逸脱と美の破壊力はプーさん屈指の作品だ。こういうのを廃盤にしたまま。ありえなくない? この1枚だけしか残さなかったジェームス・ジナスとヴィクター・ジョーンズとのトリオ、プーさんもまた弾きたいだろうと思います。 ジナスくんよ、小曽根真のトリオにいてもジャズの軌道は1ミリもズレないから、きみからプーさんを口説いてみては?
▼ユニヴァーサル・シンコペーション(1・30、2・2の続き)
「ねえ、ただくん?こないだの『ユニヴァーサル・シンコペーション』なんだけど。 ヴィトウスのベースは、ちゃんと強弱について意識的だと思うの。たしかに、録音が別々に重ねられていることに、ジャズじゃない意識の疎通の無さを指摘するのはアリだけど、でもね、レコーディングってその成立以来からライブじゃない編集行為でもあったから、そこをあえてオミットしてヴィトウスは呈示しているのに、そこをただくんが得意がって突くのはちょっと。ね?」 「…ほい。つうか突いてた気もしないけど。単にヴィトウスの会社の名前じゃない、というネーミングにおける道義的責任は果たしている、と(笑)。 ■■」 「コリアとマクラフリンの意味のなさ、って、そこに救いがあるような気がするのよ。」 「いるだけ、を、聴いてみたかった、かも。」 「そうそう。迫真のインタープレイなんてできないんだから、もうおじいちゃんだし。」 「ははは。」 「けっこう、どうとでも聴ける名盤。」 「そこまで言いますかー。(…うーん、ところで“ポッポあやや”を着てくれるんだろうか…)」
▼
“それとも俺たちをお前たちのルールで縛り付けたいのかい?” いいセリフだ。
ううむ、今日の日記もバラけてて、いかんのー。短く書かねば。読むかたにメリハリの効いたお土産を!をモットーとします。 「こら、中村メイ子、いーかげんNHKラジオの声優から引退しろ!聴いててうざくてかなわん」と、一行で言い切れる日記になるとよいでしょう。
2004年04月25日(日) |
4月25日付「ロヴァ耳日記ヒット・チャート」 |
新宿に出て。時間があったのにもかかわらず、ディスクユニオンに寄らなかった。
こないだまでは、週に2度は即興アヴァンギャルドのコーナーをチェックしていた。中古盤チェックも欠かせないので御茶の水と吉祥寺と渋谷と池袋にも出没していた。タワレコの現代音楽、オルタナロック、エレクトロニカの棚にも目を配っていた。のに。 つい「こーんなこーとは、今までなかった、ぼーくがあーなたから離れてゆくー」と、オフコースな。
とある即興関係者に「即興を聴かないたださんには興味がありません」とキッパリとメールで言われた(書かれた)ことがあった、数年前。とても尊敬しているひとだったので、(はあ、ごもっともで…)と、ここは納得するのが作法だろうと通り過ぎたエピソードだった。
最近思う。なんなんだ、それは。
▼
4月25日付「ロヴァ耳日記ヒット・チャート」 だめだ、20位までのチャートにしないと
Single 1. TSUNAMI / 菅原洋一 2. Over The Rainbow / 森山威男(+井上淑彦、林栄一、板橋文夫、吉野弘志) 3. Paddle / Mr.Children 4. 奇蹟の風 / 丹下桜 5. surf’s up / the beach boys 6. I’ve never been in love before / Armad Jamal Trio 7. さくらんぼ / 大塚愛 8. Final Distance / 宇多田ヒカル 9. タガタメ / Mr.Children 10. あなた / 小坂明子
Album 1. CDR”にほんのうたぢから・いち” 2. 東京の屋根の下〜僕の音楽人生 1948〜1954「ビクター編」 : 服部良一 3. シフクノオト / Mr.Children (toy’s factory)2004 4. ;rarum / Jon Christensen (ECM)2004 5. Joao Gilberto in Tokyo (universal)2004 6. Terra Nostra / Savina Yannatou & Primavera en Salonico (ECM)2003 7. WINGSPAN / Paul McCartney (EMI)2001 8. jupiter / BUMP OF CHICKEN (toy’s factory)2002 9. Strange Liberation / Dave Douglas (BMG)2003 10. Evening Falls / Jacob Young (ECM)2004
▼ PTSD(心的外傷後ストレス障害)というコトバを軽々しく使うことには、わたしは抵抗があります。 Posttraumatic Stress Disorder ポストトラウマティック・ストレス・ディスオーダー、ね。と、暗記する必要はないか。 ■心的外傷後ストレス障害
23日午前中のTVニュースで ap bank が紹介されていた。
ぼくは友だちにそれを伝えた。 「“坂本龍一さん、my little loverの小林武史さん、Mr.Childrenの櫻井和寿さんが中心となって銀行を…”とニュースにあったよ。うん、テレビのニュースになってた。小林武史って“プロデューサーの”じゃなくて“my little loverの”なんだね。マイラバってさー、初日に横綱破って金星挙げたけど翌日から6連敗している平幕力士みたいなんだけどね。でさ、小林武史ってミスチルという横綱の黄金の右腕なわけじゃん。え?あー、まわしでもさがりでもとくだわらでもいいんだけどさ。小林武史とミスチルって、双方によって成り立っている。『シフクノオト』の付録DVD観てて、「タガタメ」の制作での小林武史のかけがいの無さにも気付かされたもんねー。」
『evergreen』を聴きながら午前4時から、首都高から湾岸線に出て横浜へ。 ここで聴かれる小林武史の才能!、J−POPの96年ピーク説(ミスチル、おざけん、スピッツ、マイラバ、エレカシ、スパイラルライフ、小室哲哉、奥田民生など)を提唱したい、って、みんなそう思ってるか。それで、すべては色褪せてる!そして、記憶はここに残っている。
『evergreen / MY LITTLE LOVER』 (95年12月リリース) 1 - Magic Time 2 - Free 3 - 白いカイト 4 - めぐり逢う世界 5 - Hello,Again 6 - My Painting 7 - 暮れゆく街で 8 - Delicacy 9 - Man&Woman 10 - evergreen
“ファルージャでは今でもたくさんの人が占領軍に殺され続けています。半分は子供です。” と坂本龍一のメッセージから。■ap bank メッセージ
J-POPにうつつをぬかしていたこの10年のあいだに、飢えや戦争で死んでいった子どもたちの数、を、想像する時間も持たないで過ごしたリスナーであったわけです、このわたしは。「ap bank」の原資に貢献しているあいだに、ノーム・チョムスキーおじさんの指摘に気付かないで過ごしてきて、そんで「タガタメ」だ「Hero」だと言ってるわたしは、ただのあほかも。「ap bank」を高く評価し支持します。ほかのジャンルのミュージシャンができない方法で、リスナーを音楽の外側へ持ち出すことに成功している。
2004年04月23日(金) |
まいどまいど、どうも、こんばんは。 |
まいどまいど、どうも、こんばんは。 オリコン見たら、『シフクノオト』の天下は発売日のあった1週だけでしたのね。 今週は宇多田が18.8万、ミスチルが18.1万、以下3位がいっきに4万くらいで、ベスト20くだると数千(!)になってるランキング。
つんくファミリーの売り上げはすでに昨年から激減してて、もはや活路は中国大陸にしかないと思ったかどうかはわからないが、 あややの谷村新司作曲「風信子(ヒヤシンス)」は、3月30日に上海音楽学院(大学)の教授に就任した谷村新司さんのシーン・プレゼンスとうまくバーターした感がある。この曲を聴いて初めて「お、なかなか歌唱力のあるコじゃのう」と思われた方も多かったときく。
ウオークマンのイヤホンで聴きながら、「タガタメ」「Hero」を歌いながら運転しました。 きもちいー。 ついミスチルベストを作りたくもなったりして。 「Hero」「Not Found」「口笛」「Mirror」「車の中でキスをしよう」「ボレロ」「TomorrowNeverKnows」「シーソーゲーム」「Over」 「DanceDanceDance」「君が好き」「いつの日にかふたりで」「Everything(It'sYou)」「くるみ」「Overture〜蘇生」「つよがり」「タガタメ」
あ、いきなりスピッツベストを編集したくなってきたー。
「月例報告CDR、というのもいいですよね。 相手が知っていようがCD持っていようが嫌いな曲であろうが、 “おいらの2004年4月はこの12曲なんだー”というテーマだけ。 わたしなんか何ヶ月も「Feel Myself」が入り続けるという(笑)。」
と言った手前、 しゃあないなー、とか何とか言いながら、いそいそと、 あんでもねーこんでもねー、と、曲目なんぞを考えながら。
いやさ、「タガタメ」の歌詞にあった、子どもらが被害者や加害者になったときー、って。 宇多田のベスト聴いてて「Final Distance」聴いたら、山下玲奈ちゃんたちの池田小事件を思い出して。 あの、たくままもる、どーよ、Tを取ったら“悪魔、護る。”だっしゃし。
ただ抱きしめる、って、桜井よ、まもるちゃん182せんち75きろ(でけー)ば抱きしめてどないしよっと、すかさず刺されるだけとちゃうか。 (げ、誕生前の宅間の母親の発言「あかんわ、これ、おろしたいねん私。あかんねん絶対」(!)、ラカニアンはどう解釈?)
宅間守にタックルして重症を負ったせんせい、その後もちゃんとお仕事を続けておられるのでしょうか。
(…おっと、つい“綿谷りさ似のせんせ”と言いたくなってしまう。せんせ、と言えば、「綿谷りさ似の教生のせんせ」が慣用句なわしだ。)
ヒットチャートは「タガタメ」と「Final Distance」を同時に街角へ問いかける。
まいどまいど、どうも、こんばんは。
2004年04月22日(木) |
服部良一『東京の屋根の下』を聴きながら |
昨日の内田樹さんの日記「『ル・モンド』の日本青年論」を読んで。目が洗われた。
そう、わたしが毎晩のように警察送りにしているようなクズガキばかりではない、のである。そういう博愛な若者たちは、いる。 ただ、わしそういう若者は好かん。バカで不良で徒党を組むセコいガキどもが好きだ。死なないでなんとか惚れたおんなとガキ作って年老いるガキどものひとつひとつのちいせー人生こそが理想だと思う。これは単に趣味のモンダイ。 汗を垂れ流して塩を舐めるような仕事はストレートでいいぞ。仕事のあとの風呂がいいぞ。縁側の風鈴がいいぞ。見える花火がいいぞ。
このところ読んでた本、『世界のすべての七月(July,July)』ティム・オブライエン著、『ユーゴスラヴィア多民族戦争の情報像』岩田昌征著、『ハード・バップ モダンジャズ黄金時代の光と影』デヴィッド・H・ローゼンタール著後藤誠訳、おすすめ。 『解離のポップ・スキル』斎藤環著、これがいちばん読み進まない、けど、勝手に解釈しながら読む。日記を書くこのわたしは誰でしょう。そしてわたしは何を獲得しているというのでしょう。
1972年の正月。ハードバッパーのリー・モーガンは愛人に射殺される。享年33歳。>人名、数字に間違いはありません、念のため。
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たまらなくいいCDをゲットー。曲目はこのサイトで。 ■『東京の屋根の下〜僕の音楽人生 1948〜1954「ビクター編」』2CD ■服部良一のHP
こないだラジオ聴いてたら、昭和30年代の家電や住まいのデザイン・モードが今ブームなんだそうで。 服部良一は昭和20年代だぞ。
なんだな、戦後をやり直したい、んでないか?湾岸戦争ん時の「日本は金だけ出してー」という国際非難に、けっこートラウマになってたみたいで。日中韓で、ウインドウズじゃないパソコンの起動ソフト“リナックス”を共同で推進するという国策(と言っていいと思う■その記事)も平行させながら、アジアに立つ、か。大東亜共栄圏のこんにち的リセット態勢つうか。
優香ちゃんのNHK大河ドラマ「新選組!」での深雪太夫役、美しいですぞ。さっきテレビで観た。 あやうし川原亜矢子。あ、川原亜矢子のファーストアルバム『so nice』5月21日発売だし。
今日の血圧 103−69 (おお、ようやく100こえたー。ロングピースのヘヴィスモーカーでこれだからね。)
2004年04月21日(水) |
(せんたくをたくさんした)・編集CDR「にほんのうたぢから・いち」 |
内田樹さんのサイト■ 4月20日付けの日記 『ル・モンド』の日本青年論
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大塚愛=平松愛理+aiko、だな。 天皇賞はリンカーン、だな。 などと思いながら せんたくものを干す作業が好きだ。 きのうとかきょうとか、ぱんぱんのお天気だと、もっと洗うものはないか、これから1日2回着替えようか、と、思う。 干したら、部屋に張ったロープに移動させてそのまま順ぐりに使用してゆく。 だいたい8つは吊り下がっている。部屋はジャングルである。 片付けがまったくできないオトコなのだ、わたしは。 CDは買った順、聴いた順、借りた順、焼いた順に積まれる一方であり、ほぼ高さが80センチになるとそのまま押入れに移動させる。 奥から置くから奥の山は次第に忘れ去られ、持っているのに買ったり借りたり焼いてもらったりする。 フリッパーズギターの『カメラトーク』はたぶん4枚ひそんでいるはず。でも今、聴けない。 LPなんかはダンボール箱に詰まったまま、もひとつの押入れ全段に奥から詰められ、押入れの前にも20箱以上ある。 冷蔵庫の上にも茶碗置きの中にも下駄箱の中にもCDがある。 洗濯機ってすごいなー。つくづく思う。 洗濯して干して取り込むだけの仕事って、よさそう。 でも他人のうんこだらけのパンツとかやだな。 やっぱ今の仕事がいいや。
▼ 師匠より拝受したCDRを紹介します。 馬単で17→13。どの曲もかなりいい僅差です。 聴いたことのない曲ばかりのワンダーランド。ブラインドで聴くとさらに面白い。日本語の曲を選ぶと明らかに世代が出る。 わたしも同趣旨で作成したらチューリップやらレベッカ、エレファントカシマシ、ラルク、なんかが入ってしまうのかー?
「にほんのうたぢから・いち」
1 東京Qチャンネル / 素直なままで恋をしようよ 2 竹中直人 / つぼみ 3 中尾ミエ / 片想い 4 HI−POSI / かなしいことなんかじゃない 5 荒木一郎 / 僕は君と一緒にロックランドにいるのだ 6 飯塚雅弓・榎本温子・山本麻里安 / PURE BLUE 7 赤い鳥 / みちくさ 8 南 沙織 / 哀しい妖精 9 かの香織 / 午前2時のエンジェル 10 水原弘 / 君こそわが命 11 鈴木祥子 / ときめきは涙に負けない 12 ともさかりえ / 愛しい時 13 浜口庫之助 / 夜霧よ今夜もありがとう 14 夏川りみ / 海の彼方 15 前川清 / 雪列車 16 丹下桜 / 奇蹟の風 17 菅原洋一 / TSUNAMI
2004年04月20日(火) |
ビル・ブルッフォードの公演間近・これはマズイ!法案!(3) |
ビル・ブルッフォード(Bill Bruford)が関係する二つのバンドの東京公演が迫っています。4/21, 4/22 が The Borstlap/Bruford Project 公演、4/23,4/24 (昼と夜)、4/25(昼と夜)がEarthworks の公演。両公演には最高峰のPA/モニター・音響チームがついてバックアップします、とのこと。 ■
こないだまで、ブラッフォード、て、言ってたけど。おー、サイトめっけ。 ■Bill Bruford Official Website
▼
本来CD還流阻止法案(アジアにおける日本原盤の限定的措置)であるべきものが、 (全ての)輸入盤規制法案と、いうふうに読める状態となって、法案は可決されるでしょう。
でも、どの輸入盤CDが規制されるのかな…。 A.日本のレコード会社はたくさんのライセンス・レーベル持ってますよね。 (ECMもJazzlandもユニバーサル、enjaは徳間、hat hutはキング、thirsty earはボンバ、というふうに。) B.国内盤にしなくても、「ライセンスを持っている日本のレコード会社の輸入事業部」を通じて輸入盤が入ってきているものも多い、です。 C.日本のレコード会社の手の回らない(彼らには採算の取れない)ブツについて、輸入盤専門問屋業者がコマメに扱っているのも、あります。 D.輸入盤小売店(たとえばディスクユニオン)が主体となってダイレクトに海外からの売り込みに応じて入荷させているブツもあります。
B.C.D.を規制する、つうのは、ないです。
A.が主眼。ぶっちゃけ、クラプトンの新譜、とか、メセニーの新譜、とかが、国内盤しか、なくなる。それだけのこと。 ここでのモンダイはCCCDにされるかもしれないこと。でも、世界同時発売が当たり前になると、じきCCCDもなくな、ってほしい。 これらを扱う輸入盤専門問屋業者(て、あるのか?)を潰すのが目的なのか。
わたしはもちろんこの法案には基本的に反対ですが、再販制度崩壊前夜の断末魔という気がしてもいる。 目指せソフトランディング、かな。 もちろん再販制度をやめて自由競争のほうがいいに決まっているんだけど、3000円とか2500円とかの画一的な価格の恩恵でもって、辛うじて制作・リリースされている(陽の目を見ている)国内盤CDというのもたくさんあるとぼくは思う。 将棋みたいなもんで、リスナーは消費行動を唯一の武器として次の一手を考える、べきだな。 みんなが容認している雑誌システムは、今後どーよ。
2004年04月19日(月) |
ヨンクリのベスト・ミスチル「タガタメ」が日清カップヌードルのCM曲に |
誤字でした、間に受けるではなく、“真に受ける take (somebody's joke) seriously ”。
はからずも、ヨンクリ(Jon Christensen)のベスト■を早朝午前5時の練馬区光ヶ丘公園を観ながらヘッドホンで、濡れたアスファルトに靄(もや)がかかるカーブを曲がって信号機で止まると「マイ・ソング」がかかる。このジャケ■だったわね。LPの大きさでしか持ってないわよ。そのLPだって部屋の押入れのどの箱にあるのか、すぐには聴けないわよ。
ヨンクリのベスト、やはりテリエ・リピダルのギターが要所を決めてるのがうれしい。 しかし、なんでアタマとケツがジャレット・ヨーロピアン・カルテットなのー? いずれにせよECMの“;rarum”アーティスト自選ベストの企画にあたって、リーダー作はなくともヨン・クリステンセンの自選は聴きたかった。
それぞれの曲を聴いていた当時の耳の記憶たち、それは追憶というモノトーンめいたもんじゃなくて、通っていた中華料理屋の匂いとか、住んでいたアパートの鉄筋の階段の音や、小金井公園のサーキットでマラソンをして血の味がした気分とか、えらいリアルな感触のあるものたちで、忘れていた傷口にサクっとカミソリを入れられたよう。聴いていたら吐き気がしてきてコンビニに寄ってコーラを飲む。
5曲目の「Oceanus」(11:04)だけは特別な演奏である。 ガルバレク、ウェーバー、タウナー、クリステンセンが天を舞って疾走する。疾走するだけの11分。この曲はECMレーベルを代表する1曲であるし、幾人ものリスナーの人生を中毒症に感染させてしまった罪なナンバー。
続く6曲目の「War Orphans」(6:18)。これはおそらく90年代ECMの曲の中でもっとも美しい曲のひとつ。 ボボ・ステンソンのピアノ、アンダース・ヨルミンのベース、クリステンセンの指先でつんつんされるような美しい極上の逸品。 ううう、た、たまんねー。これも北欧の天を舞うな。舞ってばかりだな。今日の仕事はパスだな。
▼ ミスチル「タガタメ」が日清カップヌードルのCM曲に。げんなりなニュース。 カップ麺なんか、食べたくはないです。それでも仕事中に週に2〜3個食べてしまう。カップ麺食って、「タガタメ」どーするんよ。
群馬の4人の子どもらにはカップ麺を食わせてない。 「カップ麺なんか食わない、マックなんかで食わない人生を歩めよ」と、言う。
おまけに彼らは母親の徹底した管理でもって牛肉と牛肉成分を一切食べさせられていない。おれは食うけど。 たまに珍しいカップ麺を入手して食べさせると、彼らは「う、うめえ、こんなうめえもんはない」と、やたら感動している。 「とーちゃん、吉野家の牛丼って、どんな味するん?うめーんか?」 「うめーんだよ、これが。並タマゴ、な。ごはんと牛肉と玉子は、ジャレット、ピーコック、デジョネットみてーに、うめーんだよ」
なんのはなしだっけ。
2004年04月18日(日) |
ECMねたはエイプリル・フールだった!・レコード業界の規模は豆腐業界と・ミスチルのシングル「Sign」5月26日発売 |
4・14、15日に書いたECM夏のリリースのニュースは、以下のとおり、エイプリル・フールねただったようです(笑)。 ■April Fools Reviews & Articles 間に受けて、あちこちに電話しまくってしまいました。いやー、だまされたー。 「あれだね、人間、過去を振り返ったときと、未来に先走ったときは死ぬからね」「年内もつかな」と死亡予測までしていたわたしらです。 なんとも、お騒がせいたしました。うーん、このわたしがだまされてる、つうのは、いやはや、めんぼくない…。
▼ 「ただくんにとってのお金って、何なの?」「え?、レコード交換券…」、という故事にたいし反応いただいて、うれしいです。>みなさま
仕事をしながら、ミュージサーカス(■)に掲載するための正調「ロヴァの耳」を書いている。じつに4ヶ月に1回しか書けていない。年末にアップした「デヴィッド・シルヴィアンはグローバリゼーションに加担する」は反語である。が、何の論旨もない。今回はディスクを紹介するだけでいいですよ、と、編集からの助け舟があるも、やはり何か書かなければ自分の気持ちがおさまらない、と悩んでいたが、ようやくイントロを書いた。自分の気に入るイントロが書ければ、あとはいただきである。
所沢在住のS教授が編集CDR作成にご立腹である。「音楽はアルバム単位で聴かなければならない」「その行為は音楽に対する冒瀆である」「個人の選曲趣味なぞには興味はない」「対価を支払って聴くのが音楽鑑賞だ」とむべもない。「でも、まーくんがやることについては文句は言わない」と。「なんだー?シュガーベイブのソングスを聴いておらんのか?」と叱責される。ひええ。
▼ 音楽評論家の高橋健太郎さんのLOG■ に、「年間7000億あったという売り上げが4000億代にまで落ち込んでも、ほとんどのレコード会社が潰れてはいない」というフレーズがあった。
むかし、「レコード業界の規模って、豆腐業界と同じくらいなんだよ」ときいて、そんなに日本人はLPを買わないのかー!と反応したことがある。 スイングジャーナル編集員の給与は手取りで20万ないよ、ときいて、やらないーと予備校講師を続けた時期だ。ディスクユニオンのジャズフロアでもバイトしてたな。彼女に中野のライブハウスのウエイトレスをさせてジャズを堪能した日々だ。80年代の半ばだったか。 思えば当時、貸しレコード屋で洋盤のレンタル禁止という措置を取られたことがあった。 洋楽リスナーは激減し、のちにJポップと名指されるバンドブームが勃興する時期とリンクしている。
通信環境が進化・充実して、世界中のライブハウスの音源が聴けたり、ミュージシャンから直接音楽を購入できたり、そういう時期までいろいろな過渡的な段階はあると思う。SACDやDVDオーディオの音質が当たり前にもなって。そして、聴く側のモンダイとしては、いかに聴きたい“欲望”を枯渇させないようにするか、が、最大のテーマである。
▼ ミスチルのニューシングル「Sign」が5月26日に発売されるらしい。 ■HMVの記事「Mr Children、アルバムに続いて話題のドラマ主題歌をリリース!!」 「Sign」「妄想満月」「こんな風がひどく蒸し暑い日」の3曲。
2004年04月17日(土) |
これはマズイ!法案!(2)海外盤CD輸入禁止? |
「海外から還流しているCDは68万枚と、全体のわずか0.4%」だという。目くじらたてるようなもんではないような気がする。 今回のCD還流阻止法案の言い出しっぺは国内メジャーのエイベックスだという。エイベックスにとってはでかいのか。どうなんだろ。 べつにそんなことしなくたって日本語でしか理解できないDVDとかテキストとかライブ特典とか付けて差別化すればいいだけだと思う。
妄想する。 ほんとうの理由はアジアから還流するJポップCDを抑制するんじゃなくて、ユニバーサルが日本国内で扱うCDをタワーやHMVで輸入させない(もしくは輸入するのに特別な関税をかける)ということで、それは五大メジャーが日本という脇のアマいマーケットからライセンス料をより効率よくまきあげるための外圧なのである。アジアからの還流に目を向けさせといて、エイベックスに「おまえやれ」と教唆し。 で、できた法案の文面の杜撰さは、“いわゆる輸入盤”へのトレーチャーアタックを包括的に実現できるように慎重に練られた。 とーぜんタワーやHMVも黙っているわけでもなくて、民主党議員とともに、折衝をし、落としどころに向かう。結果、輸入盤、ちょっと高くなる。 日本で民主党が伸びたほうがいいと考え始めたアメリカ政府がお膳立てした音楽リスナーを標的にした政治ネタなのかもしれない。 そいえば鳩山さんちは日本で最初のマイソンだったかと。 そして、公正取引委員会が日の丸掲げてもっともらしく言いがかっている。 んなら再販制度自体を最初っから言いがかっていないとスジがとおらない。
モンダイは、「国内盤が出ているCD」の輸入盤が規制される「可能性がある」、ということ。 げ。ECMレーベルをドイツ盤で揃えているわたしは、どうしたらいいんでしょう。ECMのサイトに注文しても作品によっては断られるのか? …ううむ、その可能性はないな。 現実的には、メジャーな海外アーティストのCDだけが標的になって輸入規制される、ということか。
▼ わたしが編集CDRを作ることを日記に書いて仲間を募っているような記述をしていることにキレている御仁がおるが、許してほしい。 わたしにとっての人生における3大楽しみの定義は「おんなのこ」「子どもとお風呂にはいること」「CDを買うこと」なんだぞ。 もう3つめしか残っていないんだ!(机をたたく) きよちゃんが幼稚園を卒園するときに「あんなことー、こんなことー、あーったでしょー」と歌うのに思わずなみだした。 わたしは十分にCDを買っている。 学生時代、かたっぱしに女の子に「ねえ、お弁当つくってー!」と声をかけた。 「ただくんにとってのお金って、何なの?」「え?、レコード交換券…」 1にち1まい、と自分に課したノルマを23年間つづけているんだ。多少のことは許してほしい。
2004年04月16日(金) |
これはマズイ!法案!(音楽好きはかならず知って考えてみてください)・松田聖子のベスト『Best of Best 27』 |
ち、ちょっと、待ってくれ、と、言いたい、法案が成立しそうだという。
ジャズ評論家の村井康司さんの日記■
とりいそぎ。 わたしはこの事案についてはさっきまで知らなかった。とりあえず、アップします。
以下、読み飛ばし推奨。
▼ 松田聖子のベストが店頭に並んでいる。 『Best of Best 27』(初回生産限定盤)、わざわざ2枚組にして、箱に入れて4700えん!、かっぱぎますなあ、越後屋。
結論だけ述べると、わたしにとっての松田聖子は 「Rock’n Rouge(呉田軽穂)」「マイアミ午前5時(来生たかお)」「硝子のプリズム(細野晴臣)」「わがままな片想い(細野晴臣)」「ガラスの林檎(細野晴臣)」、の、5強である。しかも、この曲順である。うーむ、脳内再生するだけで心臓がきゅんとなる。
「天国のキッス(細野晴臣)」「ピンクのモーツァルト(細野晴臣)」が次点。思えば、3着から7着まで細野さんの制圧である。おそるべし。
松田聖子の楽曲提供は、細野晴臣、大瀧詠一、ユーミン、尾崎亜美、財津和夫、原田真二、大貫妙子と、思えばすごいラインナップだった。 歌謡曲がニューミュージックの生き血を飲んで華々しく延命した、というのが事実。昭和の終わりに歌謡曲が終焉を迎えたー、のかな。
どーですか、松田聖子のリスナーを自負されている方は。こんなベストを許せますか。ただ並べただけやん。 disc 1 1.あなたに逢いたくて - Missing You - 2.赤いスイートピー 3.大切なあなた 4.夏の扉 5.瞳はダイアモンド 6.SWEET MEMORIES 7.天使のウインク 8.20th Party 9.チェリーブラッサム 10.輝いた季節に旅立とう 11.天国のキッス 12.時間の国のアリス 13.青い珊瑚礁 14.Pearl White Eve 15.あなたに逢いたくて 2004 disc 2 1.Rock’n Rouge 2.ガラスの林檎 3.Strawberry Time 4.白いパラソル 5.渚のバルコニー 6.ハートのイヤリング 7.瑠璃色の地球 8.ボーイの季節 9.制服 10.哀しみのボート 11.私だけの天使 - Angel - 12.素敵な明日 13.秘密の花園
2004年04月15日(木) |
昨日の日記をひるがえす・『My Song』は『Mai Thong』 |
すまない。 前言をひるがえす。昨日の日記をひるがえす。 つい調子に乗ってタイムレスのS&Gカバーをこばかにし、モルヴァルをおちょくり、マネリ無理解者を罵倒してしまった。すまない。 ECMレーベルの動向については愛憎入り乱れてしまうわたしである。夫婦喧嘩を想定しておいてほしい。ごめん、かーちゃん。
しかし、ジャレット・ヨーロピアン・カルテット『My Song』のカバーも決まっていて、そのタイトルが『Mai Thong』、つうのにもまいる。こんなオヤジギャグな文字あそびしていいのかECM!みんなジジイだからいいんだ。 ど、どんな「マイ・ソング」なんだろう。 あのジャレットが撮影したという可憐な少女のジャケット(ECMでは人が映っているジャケ自体が少数なうえ、少女が映っているのはこれだけである)に相応しい「マイ・ソング」の可憐な演奏を、どうするつもりなんだろう。 名をなし技を得た老人たちが14さいの楊貴妃を陵辱するような想像しか浮かばん。アイヒャーもいっしょになって、か。 ちなみに海賊盤でジャレットのピアノソロヴァージョンの「My Song」「Country」というものがあるが、今ジャレットに弾いてほしくはない気がする。
ジャレットがスタンダーズ以外のメンバーで演るという事態だけでも大きなニュースだ。 いっとき(と言っても10年ぐらい前)、ジョー・ロヴァーノを加えたヘイデン〜モチアンとのカルテットの始動が噂されたが。実現しなかった。 もしこのアメリカン・カルテットの再始動というリスクをジャレットが選択したならば、ジャズの軌道は多少はズレたかもしれない。 しかし、ヨーロピアンカルテットの再結成では、何があってもことジャズの軌道については1ミリもズレないものである。
ガルバレクとヒリアードアンサンブルは、さらにヨーロッパのフォークの源にまで遡っていってしまうらしい。古代ギリシャの単旋律とか、人類の歌い始めにまで遡ってしまいたい、と宣言までしている。行きつくところまで行くのね。 そのうち“ラスコーの洞窟仕様”とかいって草笛だけのガルバレクと虎皮パンツだけのヒリアードアンサンブルがステージに立つとか、やめてね。
あれ、ぜんぜん昨日の日記をひるがえしていないような気が。
▼
そいえば昨日(4月14日)は小沢健二の36さいの誕生日だった。彼女はいるようだが、子どもはまだか。余計なお世話だ。 いきなり自分の子どもに向かって歌うCDを、それも、とびっきりの傑作を作ったりして。
昨日の日記、Mr.Adultsのドラマー役のバイソン片山さん(サイトも)を追記。
2004年04月14日(水) |
ジャレットのヨーロピアンカルテットが復活?・TVアニメ「モンスター」はデヴィッドシルヴィアン・くるみの「Mr.ADULTS」 |
サイト「an unofficial ECM fan page」■をのぞいたら こんな情報が出ていた。 ECM Announces Summer Release Schedule ■
ジャレットのヨーロピアンカルテットが復活するそうな。 かつての彼らが残した音源にはもはや興味も評価も郷愁すらもないわたしである。が、“現在の”この4人、には、話は別だ。 今のジャレットだぞ、今のガルバレクだぞ、今のクリステンセンだぞ!なんなんだ、その再結成は! あまりに凄すぎて怒りを感じる。リリースが予定されている夏が待ち遠しい。
アバークロンビー、ハマー、デジョネットのトリオ“タイムレス”がS&Gを演る、とも。ま、やれば。儲かるでそ。
ニルスペッターモルヴァルがECMに出戻るとのこと。3作目はECMから離れて制作していたモルヴァル。だろー?アイヒャーのもとでなきゃロクなもん作れないって思い知ったか。でもわしはモルヴァルがトランペッターとしてだけセッションするようなECM以外での活躍つうのも期待してたのも事実だし。ECMのラインナップに乗って、末永く生き抜くつうのがモルヴァルの手堅い人生設計で、それもまた歓迎しまそ。
マネリ〜フィリップス〜マネリの新作ももうすぐだ。 このトリオ、ジャズ/即興シーンでは、10馬身くらい引き離して別格だと思うんだけどね。わからんやつはいいよ、消えてくれ。
ちょっと今、ティムバーンの『サイエンス・フリクション』をずっとリピートしてんだけど、現代ジャズの問題点でもないが、ウイントンとバーン。ウイントンがジャズ演ると言って演れてなくて、バーンは徹頭徹尾コンポジションをもとに演っているにもかかわらず、こうもジャズを屹立させている演奏をしている、ことに、改めておののく。マルク・デュクレのギターの越境性といった感覚、クレイグ・ティボーンの離れたキーボードさばき、トム・レイニーの抑えた手堅い叩き。
▼ 浦沢直樹の「モンスターMONSTER」がTVアニメになっているそうで、 エンディング曲はデヴィッド・シルヴィアン「for the love of life」(!)。びっくり。
▼ ミスチル「くるみ」のPVで、ほとんどの中年リスナーを泣かせたバンド「Mr.ADULTS」のメンバープロフィール、をゲット。 ・ボーカル&ギター(家族に捨てられたオヤジ役) 網野あきら「サラリーマン金太郎4」他出演 ・ギター(そば屋のオヤジ役) 飯田孝男 映画・舞台等に出演 ・ベース(八百屋のオヤジ役) 伊藤昌一「はぐれ刑事純情派」他出演 ・ドラム(現場監督のオヤジ役) バイソン片山 ジャズドラマー。CDも何枚か制作。
■musicircus
2004年04月13日(火) |
(大沢木小鉄と大鉄状態)・三善晃コンサート(3・25日記参照)のアンケート抜粋 |
なんや昨日の日記は、つまらなすぎ。 自分の日記がいかに読みづらく、大切な情報が埋もれていて、自己満足的で、自己顕示的で、この日記をアップしているおのれの欲望といったものがきっとあるはずで、そのどろどろした欲求といったものを考えて(なんだかなー)とフリーズする。と、書いている。
ブノワデルベックのピアノソロ、ジョンケージのプリペアドピアノ協奏曲、デヴィッドSウェアの自由組曲、UAの『空の小屋』、ニールヤングの折れた矢、ラジオ深夜便の藤山一郎特集、ヒリアードアンサンブルのモリムール、ティムバーンのサイエンスフリクション、などなど、おとといからバタバタと聴いているさまは、
『浦安鉄筋家族』(マンガ)の疲れを知らない小学生・大沢木小鉄が「うっしゃしゃしゃー。うおー、おもれー、このCD!うげー、こ、こんな展開になっていたかー!たまんねー。」といった心境なのに、
これについて書こうとすると、心底やる気のない父親・大沢木大鉄のようにタバコをもわーっとふかして台所の洗いものの山をながめている。
理由。今日は、寒い。たぶんそれだ。
今日は2番目の子どもの誕生日だった。こないだ1万円もするテニスシューズを買ってやったのに、誕生日はまた別物だという。ミスチルの『シフクノオト』で交渉が成立する。元カミがメールで「来週はわたしの誕生日。アジカンとウィーザーとイースタンユースのCDを購入すること。」と打ってくる。仕事中に4番目の子どもから電話が入って小学1年生になった抱負をえんえんと演説される。「おとーちゃん仕事中だから切るぞ」と言ってもお構いなしに演説をしている。電話を一方的にぶち切って、タバコをもわーっとふかして台所の洗いものの山をながめている。
あれ、理由はこっちか。
▼ 自選編集CDRを作りっこする友だちが4人になった。5・6人目の友だちに交渉中。これを読まれているかたも参加してくださいー。
▼ おっと、こないだの三善晃コンサート(3・25日記参照)のアンケート抜粋が届いた。 そこからさらに一部抜粋する。この女の子たちの瑞々しい言葉!の驚異。三善晃になりてー。
・正直、理解できたとは言い難いかもしれませんが、直感的に(?)感じたものがありました。三善さんに色んな事を問いかけられたような気がしました。良かったです。[17歳 女性]
・私は今、永遠の中のほんの一瞬の所にいるのだと今日のこのコンサートで思い知らされました。圧倒されました。生のエネルギーと死のエネルギーの渦巻きの中にいるのかと思いました。「言葉」が聞こえてくるみたいでした。感動…というか、魂が震えました。心に直接入ってきました。世界という言葉でない、無限大の、底知れない、とてつもなく大きな存在に包まれたようでした。素晴らしかったです。嬉しいです。「夏の散乱」はとても空気が、時間が全く遠くて、まるで私もその時間にいるみたいでした。[高校生 女性]
・現代音楽の交響曲を生で聴くのは初めてです。哲学的で難解な解説を読み、理解不能と思いつつも、斬新、強烈、そして摩訶不思議な響きの世界に耳と心をゆだねているうちに、“わかる、わからない”は大した問題ではないと思えてきました。端の席のバルコニーの壁に音がはね返されるからなのか、あまりはっきりした響きではありませんでしたが、興味は最後まで尽きませんでした。邦人による交響曲も初めてでした。心の奥に交信し合える何か自然に合致できる、耳馴れてはいないけれど魅きつけられる響きを体感しました。今まで遠まきにしていた現代音楽を少し身近に感じることのできたひとときでした。これからは臆せず、聴いていこうと思います。[37歳 女性]
・たまたま来たのですが、いい。私はあまりこういうところに来たことなくて、どんな風のものなのかなあっと思っていましたが、本当、スゴカッタです。心臓とまるかと思いました。感動でした…。で、三善さんも沼尻さんもオケもスゴク好きになりました。次回も絶対来ます!![17歳 女性]
・「魁響の譜」、パーフェクトな演奏でした。涙が止まりませんでした。安い席で聴いたことを後悔しています。沼尻/東フィル、お見事! これ程、心がしびれたのは何時以来だろう?[30歳 女性]
2004年04月12日(月) |
「あなた/小坂明子」愚考 |
友だちが高野山(こーやさん)へ行って声明(しょうみょう)を経験してくるという。 高野山といえば空海、空海といえばわたしが尊敬しているひと、ということで、高野山へ行ったことのないわたしにとっては羨ましすぎである。 しかも、声明。高野山の坊さんたちが大勢でお経を唸るんであろう。ライブで聴いてみてえ…。こういう体験は一生もんである。
昨日の日記に紹介した宮台さんの『シフクノオト』のレビュー、面白かったですよね。 ミスチル好きつーのは「固有の履歴を持つがゆえに固有の志向を持つ私」に拘泥しているちいせー人間なんです。 サイト(musicircus)に思わず書いてしまった「ミスチル・ファンはレンアイ精神病患者の別称である」はぜんぜん的を得てないや。
『シフクノオト』を聴いたあと聴きたくなった曲つうのがあって、「Not Found / Mr.Children」と「あなた/小坂明子」(!)だった(ほんとう)。 そしたら、「Not Found」を激聴していた当時の友だちから連絡があって、わだかまりがなくなったといういいことがあった。 「そして私はレースを編むのよ」と歌いながら、弥生賞を的中させた瞬間に、JRAのレースを編成する、という意味だったかと思ったりしてさ。
「もしもわたしが家を建てたなら」 ほー、あんたが、か。大工か金持ちなんだ。 「ちいさな家を建てたでしょう」 そんなに太ってんのにか? 「そして私はレースを編むのよ」 あ、JRAのレースを編成する仕事をしてんのね、稼ぐ女性なわけだ。
「あなた/小坂明子」が流行した1973年(昭和48年)当時、この曲は「プチブルの象徴」として若者に非難されてもいた、ときいて驚く。 わしは当時小学6年生やし。「あなた」の次のシングル「あこがれ」を購入して、そのB面(曲名失念)とともに激聴していたものである。 「あこがれ」のイントロはカノン(パッヘルベル)の引用だったかな(山下達郎の「クリスマス・イブ」に先行してた)、めっちゃいい曲。
「それが二人の夢だったのよ いとしいあなたは今どこへ」 この過去形。 「あ、このコはその男性にフラれたんだな」とは、絶対に聴いてはいけない。 「やっぱりね」という悲惨な結論は避けたい。
将来を誓い合ったにもかかわらず、女性から離れて行方不明になっている事態というのは、戦争であってほしい(おいおい願望かよ)。
「そして私はレースを編むのよ」のフレーズ、二度目では絶叫のように歌われているもので、ほんとうに感動した。・・・当時は。
さっき聴いたら、「どんだけレースを編みたいのかよ、レースさえ編めればいいのかよ!わかったよ、もうかんべんしてくれよ!」という気持ちになった。
女の業は深い。この情緒は、やはり40を過ぎて、結婚生活の酸いも甘いもマスターしたおれにしかわからないことかもしれない。
■musicircus ECMの「;rarum」テリエ・リピダルが更新されました。
2004年04月11日(日) |
高田渡「年齢・歯車」・宮台真司が聴いた『シフクノオト』 |
え?血判押します、って、ほんとに言ったんだって。日記にうそ書かないよ。本音は書いてないかもしれないけどー。あ、ものすごいことを隠蔽して書いている日記かもしれないー。こないだ初めてレジデンツを聴いたー、とか。ミンガスの『直立猿人』を初めて聴いたー、とか。
▼ 今日はね、ものすごい深いもんを聴いてしまった。 高田渡のファースト『ごあいさつ』に収録されている「年齢・歯車」。 タイトル、センスねー。「ふと」というタイトルの曲だと思って聴いてた。かなりシンプルでとうとうとしていて、平たいのに深い。
ひとつの人生が凝縮している、というか。おれも老後はひとりだなー。身寄りないのもいいかもしんないー。
▼ 宮台真司が聴いた『シフクノオト』 ■「あえてする日常へのコミットメント」へ──Mr.Children『シフクノオト」
2004年04月10日(土) |
菅原洋一が歌う「TSUNAMI」・内田樹さんのサイト・ニコライ・ドミートリエフ逝去 |
今日いきなり感動した曲。菅原洋一が情感込めて歌う「TSUNAMI」だ。そんなに感動しないと思っていたんだけど。 サザンの桑田はこれを聴いて、よろこんだと思う。
「めぐりあえた ときから まほうが とけない」 ぼくは、この部分が好きなんです。いま歌詞書きながら鼻がじんときちゃいました。
見つめ合うと素直におしゃぶりできない、そりゃそーだよね、だってさー。と、エロオヤジぶりをいつも言ってるけど。
▼ イラク人質事件。
内田樹さんの本を半数以上読んでいるのに、いつまでたっても頭がよくならないわたしですが。 内田さんのサイトがあることを友だちから教わりました。 ■内田樹の研究室
▼ 訃報です。
ECMで『Wave Of Sorrow』(ECM1396)1989■ という作品で(ソ連の崩壊の年だったんだー)衝撃的なデビューをしたミシャ・アルペリン(ピアノ)、アルカディー・シルクロッペル(フレンチホルン)を追いかけると必ずぶつかるレーベル、■longarms(ロング・アームス)。 このレーベルが日本に入ってきた頃はタッド・ガーフィンクルさんが配給を担っていたと記憶します。今も、かな。 そのレーベルの主宰者であり評論家であるニコライ・ドミートリエフ氏。
ロシアの評論家ニコライ・ドミートリエフ氏が、2004年4月10日午前1時半頃、在宅中に脳内出血で倒れ、病院に移送したものの手当の甲斐なく他界されました。1955年生れの彼は享年49歳。ロング・アームズ・レーベルを主宰し、モスクワでライヴハウス「ドム」を経営していたニコライ氏にとって、ライフワーク半ばの死となったことを惜しむとともに、ロシア・シーンの中心となっていた彼の仕事の突然の中断は、即興音楽を含む先進的音楽にとってはかりしれない損失となることが予想されます。(副島輝人)
■musicircus
2004年04月09日(金) |
レミオロメンは烏龍舎 |
she said 「烏龍舎、というのが小林武史が社長でミスチルが所属している会社なのね。 レミオロメンってバンドは烏龍舎に所属しているのー。CDはtoy’s factoryからじゃなくて、ビクターからの発売だけど。」
ミスター、アンダーソン!… マトリックスも3作目ともなると、とほほなわけわかんなさである。 ニルスペッターモルヴァルみたいなー。
ひゅっと万引きを捕獲すると、こげな可憐な19さい女の子。初犯らしく、泣きじゃくり始めて喘息持ちなのか取り乱しがはなはだしく、パシリでやらされた、との供述。行くところまで行ってもらうため、警察に引き渡す。深夜になってその子がやってきて詫び文を書くと言ってきかない。気が済まないという。いい迷惑である。1時間かけて居座って長くて読みづらい詫び文を書いた挙句に、「カッターかカミソリありませんか?」と言う。なんで?と問うと、「血判を押します」と言う。
あなたねー、ここでそんなことさせませんがー、あなたがいつかおやになったら、きょうのことおもいだしてくれればいいです、とにかくかえりなさい、おふろにはいってすぐにねなさい、はやくにもつもって!、ね!、と、せかすあいだじゅう涙ぼろぼろさして「ううー」とうなって見ている。うざい。おかすぞ。
どうなるんだろ。イラクの人質。
彼らはそういうリスクもあってイラクへ行っている、というご意見、クールですな。
北海道の凍てついた大地から出兵なされた自衛隊員の。 インタビューに応じた奥様がた。「主人が決めたことですので」。 ほんとかい。 「おれ、イラク行くのやだから、自衛隊員辞めるわ。」 を想定も、し、ソロバンはじかぬ奥様がたは、居なかった、です。しない、なんて、ただのアホです。 それでも、主人の尊厳、お国のため、愛、不倫相手、あるかもしれないもうひとつの未来、献身する美しいわたし、に、涙なみだの物語。 クールですな。
「ミスター、アンダーソン!」
2004年04月08日(木) |
イラクの日本人民間人拉致される・オーティスレディング |
Bさん57さい。元やーさんだけあって、年老いても「オトコはアッチがあってナンボだよ」と、タバコを手にした指先を痙攣させている。 「なんかうっとおしいもん聴いてんなー、さっきの曲はいいバンドだな。」 「どっちもミスチルですよー。」 「なんだかなー、今はやりの音楽はナニ歌ってんのかさっぱり早口でいかん。」 「はあ。」 「おれもわけーころは六本木あたりでぶいぶい言わせてたけど、あれだー、宇多田ヒカルのおかーちゃんと…(略)」 「おえー?ほ、ほんとにですかー?」 「あれだな、2番手つうのがいいんだ。」 「ひえー。」 (中略) 「Bさん、イラクで日本人が3人拉致されたんですってー。自衛隊を撤退させないと殺すって。」 「帰ってくればいいんだよ、いい機会だよ、潮時だよ。」 「はあ。」 「帰ってこーいよー(歌う)、ってな。」 「演歌も好きなんですか。」 「おうよ。」 「そのー、六本木時代ってどんな曲が流行ってました?」 「あー、オーティス・レディングなんか聴きてえなあ。思い出すなあ。」 「オーティス・レディングですかー。ほとんど知らないですー。」 「いいぞー、オーティス・レディングはいいぞー。オーティス・レディング聴いてないんじゃ、音楽のきもを知らねえ、つうことだよ。なあ。」 「はあ…。」
2004年04月07日(水) |
大塚愛・『ジャズ・ブラート』第6号(東欧〜スラヴ音楽リサーチ・センター会報) |
「う、ぃえい、う。う、ぃえい、う。 あいしあうー、ふたーり、いつのとーきーもー、 となりどおし、あなたーと、あーたしサクランボー。 もういっかい!」
「たださん、おおつかあい、ぜったい好きでしょー」と読まれて、「なるものかー!」と籠城2ヶ月、「なむさんー!」とついに落城。 こんや、「あははは、やっぱりー、でしょー」と高笑いされたのがとってもくやしい。有線にやられたー。
▼ あたくしが本籍を置く音楽サイト、ミュージサーカスのお荷物コラム「ロヴァの耳」の更新は今日だったはずなのですが、 あたくしの執筆が難航しております。
▼ ■musicircus 更新!
『ジャズ・ブラート』第6号(東欧〜スラヴ音楽リサーチ・センター会報) まもなく登場![2004年4月中旬発行予定]
そいえば、ボヤン・ズルフィカルパシチ(ピアニスト)のCDを購入しようとあちこち歩いてはいるのだけど、 レーベルのラベルブルー(仏)にオーダーをかけても反応がない、経営状態がヤバいんじゃないか、と、憶測が流れてました。
2004年04月06日(火) |
『シフクノオト』入手 |
職場のBGMがいつもの有線放送から『シフクノオト』CDリピートに変更、周知徹底されていました。ひええ、社会現象だー。 広い館内をエコーかかりまくりでかかりまくる風呂場モードの「くるみ」。いいぞー。
あー、もう仕事は終わったぞー(始まったばかりだぞ)、 そんじゃメシくう前にひとっぷろ浴びてくんべかー(勤務中だぞ)、 温泉の宴会会場のBGMになっている『シフクノオト』は、浴衣姿で卓球に興じるような心境。もはや。
しゅっ。ぱん。 しゅっ。「わー」。「ごめ」。 しゅっ。…ぱん、ぼとっ。「おっと」。「おしー」。 しゅっ。ぱん。 しゅっ。…ぱん。「うー」。「すげー」。「あはは」。 「いくぞー」。しゅっ。ぱん。
▼ 職場のフリーターあやちゃん22さい。 「えー!たださんもミスチル買ったのー?うれしーっ!パドルいいよねー!」 「バンプも好きなのー?」「天体観測いいよねー」「そーっ!天体観測ー!」手をばたばたさせておっぱいぷるんぷるんさせて 目をおおきくさせて見つめあってしまう、こういう瞬間にたましいは飛翔する。あほおやじー。えろおやじー。
満月。
14と15のおんなの子を警察につきだす。高校に入学したばかりと母親が泣いて訴えても、だめです。かわいくてもだめです。 こないだは被害届けを取り下げる示談にはっぴゃくまんつんだばかおやがいました。数千円のまんびきで。
2004年04月04日(日) |
毎日ミスチル(オールナイトニッポン)・続「e.s.t.(エスビョルン・スヴェンソン・トリオ)」・ケティル・ビョルンスタの『海』 |
昨日の午前中は、桐生の公園で下二人の子どもとフリスビーと鬼ごっこをしまくって、今日はうでとかふとももが筋肉痛。都心は雨です。 いくつになってもフリスビーをしていたいもんだな。気持ちは「youthful days / Mr.Children」だった。
ドコモのサイトでは全国のヴァージョン違いのCMが閲覧できて、ミスチルの新曲「PADDLE」がさらに明らかになって。 アンディ・パートリッジも筒美京平も広沢虎造も時空をこえた微笑みあいをするに違いないメロディーの三重構造だ。 そしてこの曲とともにまた新しい日々が訪れるんだ。“何度でも何度でもぼくは生まれ変わってゆける” (「蘇生」)、そうさな、色即是空。
ミスチル特集だったおとといのオールナイトニッポンを聴けなかったけど。 「言わせてみてぇもんだ」は“マジカル・ミステリー・ツアー時のビートルズだ!極めてジョン・レノン的”、「天頂バス」は“景色が次々変わるミスチル史上最高の難曲”、「花言葉」は“初期のミスチル的な優しさがあるメロディーライン”、とのこと。 AMラジオでかかる「くるみ」も良かったらしい。そうだよね、ラジオでかかる音楽ってどうしてあんなに切ないんだろ。
昨日は晴れていたでしょう、新桐生の駅から市内へ向かう桜並木はトンネルのようになっていてね、去年の春は長女の入学式に一緒にバスに乗ってこの桜のトンネルを通ったんだ、歩き始めたばかりの長女を連れて府中競馬場の桜並木の下を歩いたのはつい昨日のようだったし、今年の桜もまた変わらずに何年前とも変わらずに。
しゅっ。ぱん。 しゅっ。「わー」。「ごめ」。 しゅっ。…ぱん、ぼとっ。「おっと」。「おしー」。 しゅっ。ぱん。 しゅっ。…ぱん。「うー」。「すげー」。「あはは」。 「いくぞー」。しゅっ。ぱん。
▼続「e.s.t.(エスビョルン・スヴェンソン・トリオ)」 楽曲の作り方・構成みたいもんがメセニーグループの高揚に近い、という意味です。 二部に演奏されたピアノの弦を弾く内部演奏を主軸に構成されたナンバー、なぞ、ほぼ完璧に構成されていて、そのフィニッシュに至るまでのオリンピックの床運動を見ているような圧巻さが気持ちよくて興奮させられた。 パット・メセニー自身が彼らの才能を喧伝したという事実があります。わかりやすすぎです。 また、スヴェンソンはゆっくり弾いたらつい若きジャレットの真似っこになってしまうことも自覚しているはずです。本人には深刻な話でしょう。
スヴェンソンのピアノを聴いて、鍵盤にぺったり吸い付く指に「吸盤が付いているのではないか!」、と思わされました。 いいピアノタッチです。しかも速くて若々しい。この鍵盤タッチの重さみたいなものが彼の、ひいてはこのグループの財産です。 あれです。この指でちくびをくにゅくにゅされたらと想像するだけで、会場にお越しになられていた簡素な身なりの若き女性の紅潮した拍手のにの腕のすはだの弾みとわきたつ熱気に気付いて(妄想して?かな)、ドキドキしてしまう倒錯にこそ、ぼくのこのコンサートの感動の源(みなもと)があることを告白したいものです。
二部が終了してメンバーが拍手を受けている会場で、ひとり座席を立ち退場してゆく初老の紳士の姿を暗いホールにぼくは見た。 清水俊彦さんだったと思う。
▼ 雨が降り出しそうな午前1時の乱れた雲を見上げていたら、空がゴーッと音をたてていた。 練馬にある自衛隊基地からの戦闘機が空を駆けているのか。
ケティル・ビョルンスタの『海』という作品がある。
想うと、ただ鳴るのだ。 記憶とともに、鳴るのだ。 ゆったりとした海面の動きが文字通り聴く者を包み込むのだ。
全身が抗い難く海に漂うとき、窒息する恐怖が、乳児期の抱きかかえられてとろける乳房の重みにちからが抜けてしまうことにつながってゆく。
そんなことが音楽に表現されている稀有な作品。
誰かはビョルンスタのピアノは下手だと言い、誰かは学芸会的なミリキしか感じないと言い、誰かはこんなのジャズとは到底言えないと言い、このCDを評価できないジャズ系ECM好きとはことごとくぼくは結果的に離れてしまった。まったく理不尽なものだ。 ぼくはこのCDを結果4枚購入したけど、みんな誰かにあげてしまって、手元には1枚も残っていない。
『The Sea / Ketil Bjornstad-David Darling-Terje Rypdal-Jon Christensen』(ECM1545)1996■
2004年04月03日(土) |
e.s.t.(エスビョルン・スヴェンソン・トリオ) |
オーチャードホールへe.s.t.(エスビョルン・スヴェンソン・トリオ)を聴きに行く。 けっこう気持ちいい。けっこうみんな「楽しめた」と笑顔だった。ぼくも「楽しめた」と笑顔をした。
ジャズとしてはどうか、というと、10点満点中3点。 (ちなみにジャズとしてはヤン・ガルバレク・グループは2点、ヘルゲ・リエン・トリオは1点、菅野邦彦は7点、林栄一は9点である) (ジャズ・ディスクの点数化だってできるぞ)
明言しておくけど、エスビョルン・スヴェンソン・トリオはピアノのパットメセニーグループもどき、程度のもんである。
若い友人に、ジャズの悦楽に入門するには宝島社「JAZZ”名盤”入門!」「JAZZ“名演”ザ・ベストCD」をやはり推挙してしまうのは、遠回りしてしまった42歳のわたしが、遠回りする悦楽とともに伝えたい老婆心、もとい老爺心でもあり、「そして独りで探し出す悦びと、他者と会話する悦びを大事にするんだよー」と付け加えるものである。
なに演説してるんかな。
▼ Bump Of Chicken 「天体観測」を歌っているばあいではなかった、31日発売のシングル「アルエ」(旧曲のカット)が5月までの限定発売、525円! これがどこへ行っても品切れだったんで焦ってましたが、群馬県桐生市に行って無事確保。ちなみに現在増産中とのこと。
宇多田ヒカルのベストの初回出荷が260万枚だという。 ミスチルの『シフクノオト』、この数字を越えられない?いや、越えられる。
スマップの「世界で一つだけの花」のジャケは渋谷(じゃないんだっけ?恵比寿という説もあるなー)だったけど、 今日の渋谷は四方八方に『シフクノオト』の広告が輝いていた。
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