J (3.秘密の恋愛)
10. 夜の公園で (16)
私は唇をレイの唇から離し、 じっとレイの瞳を見つめました。 レイの瞳はうっすらと潤んでいました。
レイは“私”を感じているようでした。
そのレイの瞳を見て、 ついに私は、 言ってしまった、、。
「愛してる・・
君を抱きたい・・」
その瞬間、。 レイは私の肩に顔を埋めました。
恥じらうように。
・・
君を抱きたい、、!?
よもやこの様な言葉を私が発しようとは、 この瞬間まで誰が予測できたことでしょう!?
だが私は言ってしまった。 その時の心の欲するままに、。
そう、。 私は抱きたくなってしまった。 レイが欲しくて欲しくて、 どうしようもなくなってしまった。
想いを重ねて、唇を重ねて。 衣服越しにレイの体に触れて、 ひとつになりたいって、 思ってしまった。 欲してしまった。
前後なんて何にも考えてなかった。 考えられなかった。
ただもう、その時だけの想いで、 その時の感情に任せて言ってしまった。
その時の心の欲するままに、。
レイは無言でした。 何も言わず、いや、何も言えなかったのでしょう。 私の肩に顔を埋めたまま、 じっとしていました。
私はレイの髪を優しく撫でながら、 耳元でそっと言いました。
「行こう。」
とひと言だけ。。
(10. 夜の公園で、の項 終わり)
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