J (3.秘密の恋愛)
10. 夜の公園で (10)
私は、どうにも自分の気持ちを抑えられなくなって、、。
次の瞬間に私は、、。
レイを抱きしめてしまっていた、のです、、。
私は何も言えなかった。 言う言葉が見つからなかった。 ただただレイが愛しくって、 気持ちがいっぱいになってしまって、、。
自分の立場も、レイの立場も、 今の状況も、前後の事も、 何もかも私の頭からなくなってしまって、、。
ただひと言、「レイ、ちゃん、」と名を呼んで、 、、私はレイを抱きしめていたのでした。
レイは拒むことなく私に身を預けました。 そして小さな声で、「工藤さん、、」と私の名を呼びました。 私はもう一度レイの耳元でレイの名を呼びました。
あとは無言でした。 何も言わず私はレイを抱き、 何も言わずレイは私に抱かれていました。
私とレイは抱き合いながら、その間中、 出逢いの日から今日までのふたりの出来事が、 まるで走馬灯のようにふたりの脳裏を駆けていました。
やがて、、。
ふたりは身を離しました。 もう思い残すことはないとばかりに、、。
だがふたりの手は固く握りあっていた。 別れの最後の瞬間まで離すまいと。
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