あずきの試写室

2004年05月30日(日) 「イン・マイ・スキン」

フランソワ・オゾン監督と共同脚本した
「8人の女たち」「まぼろし」が有名な
マリナ・ドゥ・ヴァンの
主演・脚本・監督3役をこなした作品。

マリナ監督本人をこの映画で初めて見た私ですが、
かなりインパクトのある容姿ですねー。
この主人公の役に合っている容姿かも。
最初この役を引き受けた女優はすごいなあと
思いましたが、監督自らがしていたとはびっくりしました。

昨日の映画も、変わっていましたが
衝撃度といったら、この作品。かなりのものです。
仕事をこなし、日常生活も充実しているはずの女性が
足に大怪我をしたことから、
ある意味はまってしまう自傷行為。
この行為がどんどんエスカレートしていくのですが。
ホラー映画も真っ青なほどの描写です。

自分の皮膚を噛み切ってガムみたいに
くちゃくちゃ噛んだり。
うひゃああああ痛そうーーーーと。
食前食後のご鑑賞は遠慮したほうがよさそうです。

といっても、監督はきわものとして作品を作っているわけでは
ないと思っているはず。
オープニングの2分割の映像は、スタイリッシュだし、
主人公にしか見えないレストランでのシーンなど、
結構センスが光っていますが。。。。

今後のマリナ監督の行き着く先を、
固唾を呑んで見守りたいと思います。



2004年05月29日(土) 「10億分の1の男」

スペイン映画について、詳しく知っているわけではないのですが
なんか個性的な作品が多いような気がします。
いい意味でも悪い意味でも変な感じ(失礼)
「アタメ」とかみたせいかなあ。
「どつかれてアンダルシア」も凄かったし(結構好き)

で、「10億分の1の男」
他人の運を奪って、どんどん運を強めていくという。
その奪うゲームがなんだか笑えます。
目隠しをして、全速力で森を走り抜ける。
木に体当たりしたら負け(笑)わかりやすいです。

全体的にトーンはくらめ、
正直ちょっと盛り上がりに欠けるかもしれないなあと
思ってしまいました。
発想はとってもユニークなのになあ。

「カイジ」のゲームを連想したり(むしろあのくらい飛躍した
ゲームでもいいかも)
家の人など「アンブレイカブル」??なんて言っていましたが。
かなり違いますね。

オフィシャルHPの監督のコメントが
印象深かったです。
運がいい人悪い人って実際いると思いますが。
宝くじは勿論のこと
くじ引きでも賞と名のつくものを当てたことがない私。
でも、本屋さんで欲しかった新刊を見つけると
すごくラッキーなんて思う私は
運が良いのか悪いのか。平凡が一番いいことなのかも知れません。はい。



2004年05月28日(金) 「コールド・クリーク」

タイトルのコールドって勝手に
寒いクリーク邸(笑)なんて想像しちゃいましたが。
コールド・クリーク邸なる屋敷を
購入したことから起こる悪夢のような出来事とは。

日本未公開ながら、シャロン・ストーン。
デニス・クエイドと日本でもおなじみの俳優が主演。
内容もあらすじを読んだ限りでは
面白そうだったのですが。。。。
最初のとんちんかんな勘違いが
案外的外れというわけでもなく(失礼)
かなり寒い仕上がりとなっておりました。
いあ。
正直もっと、怖いまたは不気味な作品を期待しちゃいましたが、
全然怖くも不気味でもありませんでした。
かなり昔からあるパターンという感じで。

クリーク邸の元の持ち主スティーヴン・ドーフ演じる
クリーク氏が、確かに怪しいけれど。
どこの町にもいるのでは?って感じなので、怖くないのかなあ。

久々に見たジュリエット・ルイスが
さらに一回りパワーアップした感じで。
でれっとした女性の役が、似合っていますねー。
顔のせいなのか雰囲気のせいなのか。

洋館好きの私には、この際謎よりも
もっと部屋を見せてくれって思っちゃいました。
渡辺篤志のお宅拝見じゃないですけれど。



2004年05月24日(月) 「スカイハイ 劇場版」

高橋ツトムさんの原作のファンでもあり、
友人にちょっと似ている釈由美子さんも結構好きなので
わりと楽しみにしているシリーズ。

「あずみ」と「スカイハイ」と
コミックの中でも、力のある作品を
映画化するのは結構難しいところもあると思うのですが、
北村龍平監督らしい雰囲気が
出ていましたねー。

「キルビル」を連想させるような
剣を使っての戦闘シーンは、がんばってますね。
特にきれいなお姉さんが戦うのは
見ていてかっこいいです。
なんせ、この作品出てくる女性
全員美形って監督の趣味でしょうか。ふふ(笑)

このところ日本映画のあちこちに主演し
今も愛を叫んでいる大沢たかおさんが、
この作品でもしっかり愛を叫んでいました。
こちらの愛はかなり自己満足+大迷惑ですが(笑)

かなり世界観が壮大になってしまった感がある
ストーリーは映画版だからかな。
わりとこじんまりした
ドラマ版のストーリーほうが
イズコに合っている気がするのは私だけかなあ。





2004年05月23日(日) 「シモーヌ」

バーチャル女優という存在は、決して夢な話ではなくて、
CMでも登場したりしましたが。
なかなか、出来物!って感じでリアル感が乏しいですよね。
でも、この映画のシモーヌ。
まるで人間そのもの
(まあ、実際半分はレイチェル・ロバーツが扮しているのですが)
うつむいたまなざしとかが妙に哀愁じみていたりします。

アル・パチーノがなんだかとっても年を
とってしまったようで寂しかったりもしました。
「狼たちの午後」が懐かしいなあ。
でも、だからこそ監督役がぴったりであり。

自分の名声が上がると思ったのが
思わぬ誤算。
シモーヌばかりが有名になってしまう状況は、
辛いですねー。
ってコメディ路線だか、そうじゃないのか
結構微妙(笑)

大笑いできるというわけでもなく、
じゃあ人物描写に細かいのかというと・・・・
でも、思ったより楽しく見れました。
「トゥルーマン・ショー」のアンドリュー・ニコル監督の
作り物をいかに現実的に見せるかという
手腕がためされている作品(あ、そんな難しい話ではないですね)

誰もが惚れてしまうシモーヌは、確かに可愛く
レイチェル・ロバーツ本人にシモーヌを重ねてしまいたくなります。
ね。で、重ねちゃったのか監督の奥様となったのでした。
めでたしめでたし(笑)



2004年05月19日(水) 「ビック・フィッシュ」

「ビートルジュース」や「シザーハンズ」で
幻想的な御伽噺的な世界を
見る人に印象づけたティム・バートン監督ですが。
この作品でも、父から語られる
数々のエピソードに出てくる御伽噺的世界が
丁寧に描かれています。
そんなことあるわけないよーと
一言で片付けてしまったら
それまでなのだけれど
(息子である主人公の気持ちも分からないでもないよね)
御伽噺のような世界に隠された真実。

現実のシーンよりも
やっぱりエピソードシーンが生き生きしていて楽しい。
個人的には、シャム双生児姉妹がかっこよかったなあ
(ちょっとしか出てこないけど)

もっとアリソン・ローマンの出番が多いのかと
思っていたら、わりと少なくて残念。
でも大人になったらジェシカ・ラングって
結構似合っていますね。
それに対して、ユアン・マクレガーが
アルバート・フィニー(ちょっと苦笑)
でも、お父さんの味わいはありますねー。

相変わらずスティーブ・ブシェミは怪優だなあ。
容姿を見ているだけで不安になるけれど、
場面がぴりぴり決まりますね。

ほんとに優しい魔法にかかったような。
見終わった後心が温かくなるような。
切なくはあるけれど、
監督の眼差しが行き届いた作品でした。



2004年05月13日(木) 「ベニスに死す」

もう大昔からタイトルと主演のビョルンの美貌ぶりは
聞いていたのですが、ちゃんと見るのは
今回初めて。
これほど有名でも見てない映画を見る
久々の(以前が何の映画だったかすでに忘れてる。。うーんいかん)
ふるきを訪ねてあたらしきを知るコーナー(笑)

マーラーをモデルとしているという
主人公グスタフを演じるダーク・ボガードが
なんといっても、怪しい。
感じも良くないし、最初顔がなぎら健壱みたいなんて思いました(笑)
(うんちくが得意だし。。。違いますね)

そして対照的な美貌のダジオ(ビョルン・アンドルセン)
写真だけ見ていたけれど、動く姿はほんとかわいいですねー。
一緒にいる姉妹もかわいいけれど、
やはり目はタジオにひきつけられちゃうのは
グスタフと一緒です。うーん。

勿論、物語はベニスを舞台に
静かにそしてグスタフの苦悩をよそに
避暑を楽しむダジオ一家を、まるで絵画のように描いていきます。
が、正直奇麗だなあと思うものの
物語としては、ちょっと眠くなってしまいそうな。。。いかん。

1911年ということで、街をあることが襲うとは
全く想像していなかったので、かなりびっくりしました。
静からいきなり動へ。

グスタフの回想場面と現実の場面のさかいが
いまひとつ掴みにくかったのですが、
ダーク・ボガードの演技は見所ですね。
そこが、後世に残る名作といわれる所以か
はたまたビョルンの美しさによるものか。
その後1本も映画に出ていないと思われるところが謎でありつつ、
あの美しさのまま引退したからこそ。
かもしれませんねー。
(姉妹より美しい兄であり、弟って自分が姉だったら嫌かも)(笑)
って結局ビョルン中心の映画感想になってしまった。

個人的には、過去シーンのグスタフの友でもオッケー(何が。。。)




2004年05月10日(月) 「ぼくの好きな先生」

全校生徒がたったの13人。
年齢も3歳から11歳とばらばらな、
フランスはオーベルジュ地方の小学校を
舞台にしたドキュメンタリー映画です。

冒頭の雪景色にまずびっくり。
フランスというとパリの華やかな風景しか
浮かんでこない貧困な発想の私に、
こんな雪深くなる地方もあるのかと。
そんな雪道を思いっきり疾走している
スクールバン(バスに乗せるほど生徒がいないからね)。
いくら人がいないからって
そんなに飛ばして大丈夫なのかと
余計な心配をしちゃいました(笑)

生徒が通う小さな学校には
担任の先生がたった1人。しかも来年は定年。
そんなジョルジュ先生は、
子供たち1人1人に言い聞かせるように、
語っていく姿が、いいです。
相手が子供だからとお友達感覚というのとは違って、
ある意味手厳しいところもある。
生徒も、先生の話を聞きつつも
つい気持ちが別のところにいってしまったり。
それでも根気よく話す先生。

学校家庭と毎日を淡々としかし
暖かくすごしていく姿は、
自分も子供時分に帰って、
懐かしい気持ちがわいてきます。
13人の仲間は確かに少ないけれど
みんなの気持ちを占める割合は
きっと大きい。
自分が小学時代は1クラス40人もいて
しかも学年には5クラスも。
いつしか先生も生徒も忘れてしまって、
ただ懐かしいなあという気持ちしか残ってないけど。
こんな学校に通っていたら
きっと、大人になっても老人になっても
1人1人をきちんと思い出すことが出来るんだろうな。いいなあ。

ニコラ・フィリベール監督の他の2作の
「すべての些細な事柄」「音のない世界で」も見てみたいな。



2004年05月04日(火) 「神に選ばれし無敵の男」

最初ハヌッセンを演じるティム・ロスが神に選ばれた男と
思い込んでいましたが、主人公は世界一の怪力男と呼ばれた
ジシェのことだったのですねー。

実話を元に作られた作品ですが、朴訥と思われるジシェと
千里眼を得意とし、人々を幻惑したハヌッセンとの
対比がやはり面白かったです。
といっても、メインはやっぱりジシェの生涯なんですよね。

ティム・ロスファンの私としては、
ティムの出番が思ったより少ない!!と思ったものの、
怪しい雰囲気が出ていて、やっぱり
ティムの演技は栄えるなあと実感。
マントをひるがえす姿は、ドラキュラ伯爵を連想
させるような(背が低すぎって言われちゃいましたが。。。)

ジシェ演じるヨウコ・アホラは、
力自慢コンテストで、いくつもの優勝を誇る大工さん。
またそんなジシェが惚れるマルタを演じるアンナ・ゴラーリは
国際的ピアニストで、トランス状態みたいな雰囲気で
演奏する姿はリアルですねー。
マルタの容姿が、まるでトーキー映画に出てくる女優のようで
1930年代という時代に合っているような。。。

先日から読んでいる「奇術師」の中にハヌッセンの得意とした
わざと同じような奇術のネタが出てきて、
おおこういう風になっていたのか!なんて納得。
「奇術師」ガイ・ピアーズとジュード・ロウで
映画化されているそうですが、こちらも上映が楽しみです^^



2004年05月01日(土) 「グッバイ、レーニン!」

東ドイツと西ドイツ。
同じドイツ民族ながら、ベルリンの壁が崩壊するまで
そこは外国、しかも共産主義と資本主義。

主人公一家の暮らす東ドイツ地区にも
なだれのように、資本主義の生活が
流れてきますが。
眠り続けたお母さんの病気のため
隠し続ける家族そして友人たち。

背景を考えるといろいろあるのですが、
あくまでカメラは一家の姿を追っています。
お母さんと息子と娘一家。
どうみたって行きすぎでしょ、
なんて場面も、
いやお母さんのためだよねー。
なんて、決してうそっぽくない。
最初あらすじを読んだときは
コメディを連想しちゃったのですが
かなり違って、家族愛をテーマにした作品でした。

個人的には、友人のデニスがツボ
(って家族じゃないじゃん・・笑)
趣味を生かして、かなりやってくれるね!
なんて事をしてくれます。

当時の東ドイツの生活を再現するために
アレックスが用意するさまざまなもの。
でも、やっぱり食品に関するものが多いけれど。
家の人が以前から言っていた
トラバントという車が印象的でした。
一般の人が頼んでも、手に入るのは12年から15年後って
その間ペーパードライバーだったら
手に入れても乗るのが怖くなりそう(笑)

映画の中でも登場した
ベルリンの壁を記念品にした品が、
先日ドイツ旅行のお土産で友達に貰ったものと
同じだったので、思わず身近に感じちゃったのでした。




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