2004年03月31日(水) |
番外編 「透明人間の蒸気」 |
野田秀樹さんが13年前に書いた脚本の「透明人間の蒸気」 キャストも新たに新国立劇場に登場です。 舞台を鳥取砂丘にたとえ その中を、透明人間となった透アキラ(阿部サダヲ)と 唯一彼の姿だけが見える眼の見えないヘレン・ケラ(宮沢りえ) ヘレンとくらすサリババ先生(野田秀樹)を メインに奥行きのある舞台を所狭しと駆け巡ります。
阿部さんが出るということで チケットをゲットした私ですが、 今回は共演の六平直政さんの演技も楽しみでした。 独特の存在感がある六平さん。 この作品でもこわもて風ながら なんか愛嬌があって、良い味を出していました。
何もない舞台が砂丘に感じてしまうのもさることながら、 大きな布(旗)やじゅうたんを使った演出は面白く、 布を海に見立てたシーンはお気に入り。 その海に流されるヘレンは、本当に海にいるよう。
でも一番は 透明人間になった阿部さんの衣装と髪が 一人だけ青く変身するところ。 まるで綾波レイ(笑)のような髪の色なのに 変じゃないのー。 白と灰色の色調がほとんどの中で ひとりだけ青が際立ってる。かわいい。
幻想的なシーンを織り交ぜ演じる 2時間10分は、 都会の喧騒を忘れさせるようなひと時でありました。
2004年03月30日(火) |
「くたばれ!ハリウッド」 |
「ゴッドファーザー」のプロデューサーであり、 ダスティン・ホフマンやジャック・ニコルソンの 発掘者といわれるロバート・エヴァンズの ドキュメンタリー作品。
ただのドキュメンタリーと違うのが ナレーションから、再現ドラマ(というのか)を 本人自らが行っています。
最初、スチール写真や記録映像を 切り張りしたような画面に 一瞬 「これから物語が始まるのかしらん」 なんてとんちんかんなことを思ってしまいましたが。 そのまま90分突っ走ります(笑) 語られる年代は古いのに 古さを感じさせるどころか なんだかスタイリッシュですらあるのがすごい。
いやあ あそこまで本人が自分のすごさを 描き出しているのは、立派ですらあるなあ(笑) 俺さまが一番!
「マラソンマン」はお気に入りの作品なのですが エヴァンズプロデュースだったとは 今回初めて知りました。
さらに、最近では「10日間で男を上手にフル方法」(未見)も そうだったとは。
さすがハリウッド。 表も裏も個性的な人がいますねー。 「くたばれ!」どころか「あっぱれ!」 ハリウッドですね。
2004年03月29日(月) |
「フレディVSジェイソン」 |
「エルム街の悪夢」シリーズのフレディと 「13日の金曜日」シリーズのジェイソンが戦ったら。 絶対お笑いだよなあと思いつつ、 そのサービス精神はいいかもです。
フレディやジェイソンの過去を絡ませ、 夢と現実を行き来する脚本は 想像より結構よく出来ていました。 なんせ、ストーリーなんて ないかもしれないと 思っていたので(大変失礼)
どちらが好きかといわれても こまってしまう両者ですが、 フレディがあんまり押していると ジェイソンを応援したり(応援するというのもなんですが)(笑) 助けてくれた人間を ばさばさまるで植木の伐採のように 切り捨てていくジェイソンを見ると フレディを応援したり(謎)
細かいところで凝っているのがいいですねー。 写真の前を通り過ぎると いっせいに写真の顔が動いたりとか。
それにしても、 人間でも怪物(というのか)でも 決闘はやっぱり格闘が基本なのでしょうか。 斧対鉤爪かと思いきや 結構殴ったり投げ飛ばしたり(笑)
でも一番強いのは、ホラー映画のヒロインかもしれない(笑)
2004年03月27日(土) |
番外編「原田宗典展」 |
岡山は吉備路文学館で開催されている 展示見に行ってきました。 岡山駅からてくてく10分ほどの距離を歩いて、 目指すは吉備路文学館。 日本家屋のこじんまりした文学館は、 知り合いのお宅に招かれたような 親近感があって、良い雰囲気でした。 日本庭園が良いなあ。
原田さんの作品は、なんと言ってもエッセイが大好きで 「すばらしき世界」ではもう涙を流して笑ってしまいました。 あと、痛い話なども、思い出しただけでぞぞぞ。 外国に行って名前を言うと「むねもみあらーだ」と 言われたなんて書かれている文章を読むだけで すっかり原田ワールドに頭いや全身侵食されてしまいます(笑)
そんな原田さんが多感な高校時代を過ごした 岡山で展示をするというのもいいですね。 しかも、今回の展示は第一会場以外に 「我輩ノ書斎デアル」といって別会場操山会館に 書斎が再現され、しかも本人が仕事をしている時もある! というのが、すごいです。 本人が展示なんて普通ありえないって(笑)
残念ながら時間の都合上操山会館へは 行くことが出来ませんでしたが、 どんな顔してお仕事をされているのか 想像するだけで笑ってしまいそうです。
で、第一会場「我輩ハ作者デアル」のほうでは、 原田さんの著作品展示や直筆原稿はもとより、 子供の頃からの写真も多数展示されていて 興味深かったです。 高校生の原田さん、なんかかわいいですね。 また家族の回覧板のようなお父さん通信(あ。名前が度忘れ)の存在。 交換日記的世界が、とっても素敵でした。 家族で交換日記ってある意味新鮮! あ。実際うちで始めたらちょっと照れくさいか。
2階の展示場では、原田さんの日ごろ使っている品や 設置されたFAXには、訪れた方が書いたコメントに 返事を送ったものが、ずらっと流れています。
よく作家の展示会というと故人の方が多かったりして、 一方通行のイメージが否めなかったのですが、 今回の展示は現役バリバリ(わ。死語?)の 原田さんをより身近に感じられて良かったです。
2004年03月18日(木) |
「ロード・オブ・ザ・リング王の帰還」 |
3年にかけて、上映されたロードも この王の帰還で完結かと思うと 感慨深いものがありますねーってジャクソン監督かと 言われてしまいそうですが。 この3年で自分もどれだけ 成長したのかといわれるとフロドが まだホビット庄から出ていない状態です。
去年の二つ塔から偶然にも一年ぶりに 見た王の帰還。 完結にふさわしく、 もう縦横奥行きのある映像は ただただ圧倒されるのみです。
ダークな世界のいやーな雰囲気も 壮大な自然も それぞれの国のどうなっているのだろうと 目を見開いてしまうような建築物も。 ひとつひとつとっても よくできているなあと実感(ボキャブラリ不足を実感)
最後にいたるまでの戦闘シーンも もう語るまでもないですねー。 (しかし幽霊の戦士は、無敵だよね)
個人的には、ボロミア・ファラミア兄弟が なんだか好きなのですが、あの兄弟にあの父とは。 あんな父に国を任せていて大丈夫なのかと 心配しちゃいましたよ(笑)
またエルフのアルウェン(オスカーの時の黒縁眼鏡可愛かったですね)や ガラドリエル奇麗ですねー。うっとり。
ガンダルフの活躍も目を見張るものがありますねえ。 (オスカーの時のスーツ姿よりこっちのほうが好きだあ)
すっかり3年のお付き合いで、 親しみを覚えていただけに、寂しいものを感じつつ。 製作に携わった皆さんが いかに大変ではあっても、楽しく過ごした日々だと思うと いいなあこういう大作の一員として 参加できてなあ。と とっても羨ましく思ったのでした。 ジャクソン監督お疲れ様でした。 (「乙女の祈り」も印象的な映画でした) 次はどんな作品を見せてくれるのか楽しみです。
あ。なんだか主人公フロドを演じるイライジャ・ウッドに 対してはあんまり気になってないかも。おい。
金髪の座頭市、タップダンスがある時代劇、 という感じで作品の内容以前に 語られちゃったところのある座頭市ですが。 なかなかテンポもよく 新時代劇(自分の中で勝手に命名) という感じで、私としては良かったです。
畑で、本来の畑仕事とは違うだろう(笑)という 農夫の動きも結構面白い。 勿論最後のタップシーンも。 大工シーンも。 其々がリズムに合わせて、楽しい。 実は、年末映画を見る前に THE STRIPESのタップダンスを 見に行ってきて 楽しかったのを思い出しました(普通逆ですね)
正直、座頭市があまりに強くて 浅野忠信演じる服部源之助弱すぎ!! 他の敵も、もっと根性見せてくれーと 思わないではないですが。うん。
ところどころちりばめてある笑いも 肩の力が抜けてよかった。 実際、慌てたら 剣を抜くとき、思わず味方の 腕なんかをかすめてしまうことも あるだろうなあと思ったりしてたので、 納得納得(笑うシーンでもあるんだけれどね)
殺戮シーンが多いことや、 やっぱり違和感を感じることも否めないので 私以外家の人は全員不評でした。 賛否両論分かれるのも確かに。
でも、良い意味で見ていて肩のこらない 新時代劇。もっとできるといいな。 で、今一番期待なのが 大好きな長谷川海太郎さん原作 夏公開の「丹下左膳」! しかも左膳をトヨエツが! この夏一番の期待だなあ。わくわく。
ハル・ベリーとペネロペ・クルス 二人の共演ホラーというだけで 怖さよりも一体どう演じているだろうかと 気になっていた一作。
カナダで実際に使われいた刑務所を 撮影現場に選んだというだけあって リアルです。 そんなリアルな刑務所内を きゃあきゃあ言いながら 逃げていくハルが 刑務官を蹴散らす姿は さすがボンドガール(笑)
製作をダークキャッスルがしているだけあって、 怖さよりも、サービス精神が 勝っている感じでした。 良くも悪くもダークキャッスルぽさが出ている気が。 前作の「ゴーストシップ」を ちょっと連想させる雰囲気も。
ペネロペが 危うい精神を持つ女性を 演じていますが、 あまりにハルががんばりすぎて ちょっと影が薄いのが残念。
ゴーストも登場しつつ 一瞬ホラー映画ということを 忘れてしまったのは 怖くなかったせい?? がんばれダークキャッスル!
2004年03月10日(水) |
「ゴースト・ハウス」 |
幽霊屋敷ものというと、古い洋館しかも もとは豪邸であったであろう建物を想像しますが。 この映画のゴーストハウスはしょぼっ。 よくある住宅街の家なんです。。。 庭にジャグジーがあるのが、豪邸の名残とはいえないですよね。。 そのジャグジーを強調するかのように ストーリーと関係なく 1時間の間に4回もシャワーとジャグジーに入るシーンがあるってね(笑)
見る前からB級ホラーだということは 百も承知でありましたが。 それにしても、このチープさ加減は いかがなものでしょうか。
新居に引越ししてきて、 仕事で妻が何日か留守にしている間に 豹変している、ひとり留守番の夫(笑) 一体何があったのでしょうー(推理以前の問題ですね)
落ちにいたるあるエピソードは 結構面白いと思うものの。 全然怖くない上に、無駄にシャワーシーンを 入れたりするだけあって、 脚本も適当(失礼)
監督のステファン・アバロスは 「ジャージー・デビル・プロジェクト」なる作品で 「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」と どちらがぱくったのか騒動にまでなったそうですが、 この映画を見た限りでは、ぱくったりする 監督ではなさそうです。 だって、面白さより独自の世界を貫いている気がするから。うん。
2004年03月09日(火) |
「マッチスティック・メン」 |
先日の「閉ざされた森」は予告編で異常に期待しすぎたのですが、 逆に本日の「マッチスティック・メン」は予告編で、 あまり期待していなかったのですが。
いあ。期待していなかったせいというわけではなく なかなか面白かったです。 潔癖症の詐欺師ニコラス・ケイジの怪しさがなんともいえないです。 ドアを開けたり閉めたりする時は 1.2.3と数える。 うん。きっと1.2で開けたりしたら よくないんだろうなー。 精神安定剤を飲んで、詐欺に出かけていく。
相棒のフランクを「コンフェッション」のサム・ロックウェルが 演じていますが。 そのサムを飲み込んじゃったのが 娘役アンジェラのアリソン・ローマン。 なんせ24歳で14歳の役。 アリソンを最初に見たのは「ホワイト・オランダー」でしたが その時は22歳でこれまた少女役。 なのに、画面で見ていると 無理ありすぎーなんて全然感じないところがすごい。 ニコラス父さんに「パパ」なんて 甘えちゃっても、怪しくないです(笑)
詐欺師だけあって、 見ている方も、素直に見ていると ころっと騙されて、やられたーという気分。 リドリー・スコット監督 「グラディエーター」や「ハンニバル」に比べて 地味じゃないの。。。なんて思って失礼いたしました。
原作はエリック・ガルシア。 「鉤爪」シリーズは、このミステリがすごいでも常連なだけ ありますね。ふむふむ。
なんといっても、アリソンの年齢に 一番騙されたのでした。 うらやましい(笑)
予告編を見たときに、手のひらに 赤く8?∞?なんて文字が浮かび上がり いかにもホラーテイストを 漂わせていて。 うーんおもしろそうー。 これは見るぞ!と決意しつつ 結局上映中劇場に足を運べなかった。 気になる一本。
レンジャー部隊の謎を 生還者二人の証言で、再現していくのですが とにかく二転三転。 一体どっちが本当のことを 言っているの? なんて謎以上に あの予告編のシーンは どこに出てくるのだ? とちょっとどきどきして見ていたら。。。 全然怖くないじゃない(ホラー映画じゃなんだから 当り前だということに気付かないのもなんだ自分)
で、あ。このシーンだと思ったら。 なんだか重要ってほどの シーンでもなかったのでは??ふえ。
騙されるといえば 騙されるけれど 予告編に一番騙された気が(笑)
ジョン・トラボルタの演技も安定しているし、 サミュエル・ジャクソンも憎憎しい 鬼軍曹を演じているんですけどねー(意味深)・・・
2004年03月05日(金) |
「パンチドランク・ラブ」 |
最初タイトルからパンチで「猟奇的な彼女」的な映画かと 勝手に思っていましたが、 強烈な一目惚れという意味だったは。 タイトルもユニークなら 作品自体も、変わってました。 見終わった感想は、一言「変わってる」(笑) 「マグノリア」のポール・トーマン・アンダーソン監督 だと思うとちょっと納得なのですが。
主演のアダム・サンドラーが おとなしい時と気持ちが抑えきれず 暴走する時の差が、あるようでない(笑) なので、普通の顔して いきなりドアを叩き壊したりします。怖いです。
てっきりコメディと思ってみたのですが あんまり笑える要素はなく、 むしろええどうなっちゃってるの? なんて感じで変わってます。
最初にプリンを12000個買って、 景品のマイレージを125万マイルためるという ことに挑戦するチャンドラーなのですが。 このエピソード、実話だというのでびっくり。 買った12000個のプリン。 どうなっちゃったんでしょう。。 自分も、食玩買うと、お菓子たいていあまっちゃうものな。 特にチョコエッグ(笑)
ちょっと不思議なラブストーリーを 見てみたい時にはお勧めです。
アダム・サンドラーやっぱり ちょっと変わった人の役が合ってますねー。貴重。うん。
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