あずきの試写室

2003年07月30日(水) 「ノー・グッド・シングス」

パッケージには、魔性の女ミラ・ジョヴォビッチとありましたが。
なんだかです(笑)
美人なんだけれど、官能的とかちょっとちがうような。
「バイオハザード」的キックとかされそうです。
あ。そういう映画ではないです。

人探しをしている刑事が、途中困ったおばあさんを助けたことでその家へ。
ところが刑事だと話した途端に、おじいさんに後ろから殴られ、
気がつくと美女と怪しい男に囲まれていたのですが。。
(どんなあらすじ・・・・)

とにかく、出て来る人々がなんだかです(笑)
サミュエル・ジャクソンの趣味がチェロということはおいといて。
すぐカッとなり暴力をふるい、いかにも
何も考えてないという男がハッカーであったり。
そのわりに鍵がかかったアタッシュケースを
振り回して壊して開けるって・・・(失笑)
ボスの男性が、なんか貫禄なくて、
ただ怒鳴るだけで、怖さがないんですが。。

犯行も行き当たりばったりじゃないの??
なんて思ってしまうほどずさんで。
ってなんだかけなしてばかりで
すみません。

「ノー・グッド・シングス」
名は体をあらわす。。。じゃないですね。むむむ。

銀行員がかけたパスワードは笑えます。
パスワードじゃないって。。。。



2003年07月29日(火) 「マーサの幸せレシピ」

腕のいい料理人マーサの、成長物語。
といっても、マーサは若い女性ではないです。
その心は内気で、結構頑なです。
なので、勤めるレストランの支配人には
「街で2番目のシェフ」
なんて言われてしまう始末。
そんなマーサの元にやってくることになった
姪のリナが、なんとも言えず。
8歳でも一筋縄ではいかないぞーって感じ。
最初はふてくされているけれど
徐々に心を開いていくとともに
マーサの心にも変化が訪れるのですが。

そんな二人のもとに
登場するマリオ!がなんとも言えません。
一瞬シャマラン監督(笑)なんて思いましたが。違います。
最初この軽薄そうな男ー
なんて思いましたが、リナと一緒にいると
「シャマラン結構いい奴じゃん!」
なんてすっかり、リナに感情移入(おい)

全体のトーンが思ったより暗めというかおとなしめというか、
ちょっと意外だったのですが。
それだからこそ、マーサの心がまっすぐ
自分に向ってくるのかも。

マーサのきりりとエプロンを着ける姿はきまっていて、
料理台に手早く並べられる、料理の数数は芸術的!
思わず、見終わった後
深夜なのにうどん食べちゃいました
(マーサの料理とえらい違い)(涙)

脚本監督は、リナの母親役で、ビデオの中にちらっと登場する
サンドラ・ネットルベック監督ですが。
なかなか可愛らしい監督ですねー。なんか表情がいいの!

それにしても下に住む建築家が
自分の子供が遊びに来ていた時に頭につけていた
「すべてに射矢ガール」(カルトすぎ)
みたいな矢はなになに。私も欲しい(料理と全然かんけいないし。。。)



2003年07月26日(土) 「マイ ビックファット ウェディング」

一部の映画館で始って、口コミで上映館を広げていったというと
「メメント」を連想しましたが、この作品は
分かりやすく、見ていて心配するところがないのが
ある意味すごい(笑)

この作品で初めてギリシャ人のみなさんて
結束が固いのだなあと知りました。
ちょっとイタリア系の家族が出て来る映画を見ると
雰囲気が似ているかも。

とにかく、家族から始って親族が多い多い。
彼となるイアンがいとこが2人に対して主人公のニア27人。
しかも、なにかと集まる集まる。
実際、自分の身の回りでも
いとこが集まるといったら、冠婚葬祭ぐらいで。
普段ちょっと遊びに来るなんてこと全然ないものなー。

そんな結束の固い一族の娘と結婚するために
何のためらいもなく、言うがままのイアンと家族(父と母)は
見ていてちょっとびっくりした。
主演を演じるニアの実話ということだけれども
この点は、ちょっと脚色してるよなーと思ったら
実際そうだったそうです(笑)

イアン演じるジョン・コーベットのにこにこっとした
笑顔はほんとかわいいです。
あの笑顔で見られたら、
「ギリシャ人じゃなくちゃだめだ!」なんて
強硬に反対できないかも。ふふ。

映画を見終わった後
「でも、実話ということだったら、イアン役をイアンの友達の
マイクが演じた方がよっぽどリアルだけど、
それじゃあヒットしないようなあ。やっぱりハンサムなイアンじゃないと」
といっていたら、実際ニアの御主人がマイク役のイアン・ゴメスと知り
失礼致しました。



2003年07月25日(金) 「猟奇的な彼女」

このところホラー続きだったので、
タイトルは一瞬ホラーと思ってしまいそうな
恋愛映画の決定版と噂の作品で
頭を中和しようと目論んでみましたが。

いやあ。この彼女最初猟奇的というよりオヤジ的と
思ってしまいました(笑)
とってもキュートなんだけど、行動が。。
酔っ払ったり、騒いだり、説教臭いところも(笑)
でも、勿論その裏には、ある秘密があるのですが。

猟奇的彼女を演じるチョン・ジヒョンが
とっても当り役でいいです。
表情もかわいかったり、怖かったり。
「イルマーレ」を見た時はあまり印象に残ってなかったので(失礼)
猟奇的な彼女になって良かった。

それに対比される存在のキョヌ演じるチャ・テヒョンが
最初あまりにも普通で、一瞬彼が主人公でいいのかなあ。。。と
ちと不安になりましたが。
見ている内に、この役は素敵な男性じゃだめなんだ。
やっぱりキョヌは、こうでなくちゃ
なんて思ってしまった。
チャ・テヒョンの演技力か、はたまた天然か(笑)

前半戦・後半戦・延長戦と別れていますが、
最後の延長戦を入れた事で、最初からの伏線が
いかされて、見終わった後ほんわかした気持に。
原作では、延長戦がなかったということなので、
私としてはあって良かったー。

ところどころ入っているベタなギャグは、
なんだか吉本新喜劇を連想してしまいましたが(笑)
スマートじゃないところが良いのかもしれないですね。むむ。

彼女が「あら、そう」という台詞が日本語のまま
「あら、そう」と聞こえてしまうのが可笑しかったです。

まだちょっとホラーに偏っているので、
明日は「マイ・ビック・ファット・ウェディング」を見にいく予定ですが、
まだ家に借りてみていない「ザ・リング」があるのでした。





2003年07月24日(木) 「フィアー・ドット・コム」

ドット・コムがついているということは
ネットが舞台!なんてすぐ分かりますが
「リング」のビデオがネットになったような
「回路」の怪しい雰囲気をちょっとぱくってる?
なんて思ったりの
日本映画のオマージュ作品とうたっているけれど
そのまま(笑・・失礼)と感じてしまうような。
全体的にチープな作り(大変失礼)

なにしろ、画面がずっと曇っているような
くらーい雰囲気が、怖いというよりも鬱陶しい。
で、イメージ的に怖く見せようというシーンが
これまた怖いというよりも
幻覚を見ている様な嫌な感じ。

物事を暗示しているような
白い髪の白い服を着て、白いボールを持った少女が
大昔の「世にも怪奇な物語」の
3話目に出て来る少女とそっくり!
なんて見た人はきっと思う筈。うーん。

ハリウッドホラーのからっとしたところを抜いて
日本のちょっとじめっとした雰囲気をミックスした
わりに怖くなかったという感じでした。

「TATARI」のウィリアム・マローン監督。
デジタル技術を駆使するより本来の怖さを追求してください。
って何様発言。大変失礼しましたが。
ホラー映画ファンからのお・ね・が・い♪
(可愛く言ってもだめなほどの辛口感想。。)



2003年07月21日(月) 「ゴースト・フロム・ダークネス」

暗闇ってなんだか怖いと思うのは
子供の時もそうですが、
大人になってもそうなんですが。
それってただの怖がり。
それとも想像力旺盛なせい?

でも、子供の時は怖いと思うのは万国共通なようで
この作品の主人公デールも
暗闇にはゴーストが潜んでいると信じて
不眠症にまでなる始末。
で、そんなに暗闇が怖い彼がお兄さんと
二人で留守番をしている時に限って
停電になるのですが。

はい、話としてはすごい展開がある訳ではなく
ホラー映画としては
それほど怖くありません。
確かに暗闇に何か潜んでいるという
感じは、自分もわかるので(わかるのか!)
ちょっとぞくぞくする感じはあるのですが。
いかにせん、その潜んでいるゴーストが
某悪夢に出て来る御方に似ている気がして(笑)

といっても、ほぼ1時間に渡って
兄弟二人で悪戦苦闘する
一生懸命な姿はある意味感動ものです。
低予算で、家の中だけで行われ、
しかも登場人物が極力少ない
という設定でいかにあきさせずに
見させるかという点では、
成功していると思います。

でもホラーとしてみると
どうしても、二番煎じという感じがしないでもないのが残念。

弟の暗闇を作らない様作った
戦闘スーツ(というのかな)はなかなかの力作。
戦隊物を連想しつつ、
一瞬八つ墓村を想像しちゃった私は
今日も小さい蛍光燈はつけて
寝る事にします。
光りあるところで見えないものは
闇でもみえないのだ。
デールと一緒におまじないを唱えておこう(おいおい)



2003年07月19日(土) 「曖昧な未来、黒沢清」

「アカルイミライ」の撮影現場に密着して
監督と俳優のみなさんとの関わりや監督が
作品に対して、どのような気持を持っているのかを
追っていくドキュメンタリー作品。

ちょっと角度を変えると、メイキングになりそうな
感じですが、ちゃんとドキュメンタリーに
仕上がっているのが良いです。
監督と俳優たちの別の映画として
見ても全然オッケー。
といっても、やっぱり「アカルイミライ」を
見てからがいいですね。

監督の怖いような優しいような雰囲気が
なんとも言えないですねー。
やっぱりああいう映画を撮ってしまう
雰囲気というのでしょうか(笑)
真正面から撮ったインタビューが
ほとんどなく、斜め横からとか
横向きとか。

俳優に説明する時も、監督の指示が
結構長くに渡って出ているので
一瞬覚えられるのか!はたまた
全部理解できたのか!
オダギリジョー。浅野忠信
なんて思ってしまいましたが。
そこは俳優、ちゃんと理解して
きちんと演技しているところがプロの技。

監督の言葉におおまかですが
クラスで目立つ生徒を後ろから操ろうと企む生徒だった
というのが、印象的。
それこそクラスをひとつの場面として
生徒が登場人物でそれを監督している
ような感じでしょうか。

正直この作品を見て、黒沢監督がますます
解らなくなりましたが(笑)
そういう曖昧な雰囲気を持つ監督だからこそ
あの世界が出来上がっていると思うと
次もまた斬新な作品を見る事ができるぞ!と
わくわくしてしまうのでした。





2003年07月18日(金) 「おばあちゃんの家」

やっと近所の映画館で上映になったので
早速行ってみたところ
映画館の中は年配者ばかりで
館内がすでにおばあちゃん(ちょっとおじいちゃん)の家状態(笑)

87分と今時の作品としては
とっても短いといってよい上映時間ですが、
おばあちゃんの優しさや愛情がぎゅっと
詰っていて、時間を感じさせない
ゆったりした世界が流れて行きます。
何をしても、よいよいって感じで
孫に対して全然怒らないところも
ふところが広い。

見ているこっちが
この孫ーーおばあちゃんの杖で叩くぞ
なんて思ってしまいましたが(将来良いおばあちゃんにはなれません)
なんでもこの孫イ・ジョンシャン監督の子供時代の
自分ということなのですが、こんな生意気(失礼)だったのですか(笑)

と、孫のやんちゃぶりはおいといて。
とにかくおばあちゃんがいいです。
おばあちゃんの姿を見ているだけで、心が潤うなあ。

先日見た「阿弥陀堂だより」の北林谷栄さんを
ちょっと思い出しましたが、
(部屋から見える景色も、どちらも自然の美しさを堪能できるし)
阿弥陀堂に孫がやってきたって感じ。
とはやっぱり違いますね。当たり前。

ほとんどの方がアマチュアだということも
逆にリアルな感じがして良かったです。

この夏、おばあちゃんやおじいちゃん孝行に
訪ねていって欲しいなあと思うと共に、
すでにおじいちゃんもおばあちゃんもいない私は
忘れていたあの時に心の中で帰って、
ほろりとしてしまったのでした。




2003年07月17日(木) 「王様の漢方」

とにかく正直申しまして、なんだか訳わからん映画(笑)
内容的には、決して難しい内容ではないのですが
どういったらいいのか。
一体対象としている観客層とか、
何を感じてもらいたいのか謎の作品(笑)

漢方によって、体を改善していくという
ストーリーがあるものの、
いまひとつまとまってないので
治して欲しい人達が
漢方で治ったのかどうかすら
最終的にどうでもよくなっちゃったような(笑)

ノーマン・リーダスが目当てで見たのですが。
ノーマンの役名もそのままノーマン(手抜き??じゃないよね)
「処刑人」からすっかり漢方で油が抜けきっちゃったような演技は、
ある意味かわいいけどインパクト薄いかも。
でもチャイ服姿はいいぞー
さすがダーバンのモデルしているだけあるなあ。うっとり(笑)

主演の漢方医が「こころの湯」にも出ているチェウ・シュイだったとは
後から気付きました。一瞬周富徳かと思いました(違います)

治して欲しいーとやってくる日本人も、個性的なみなさんですが
お母さんに乱暴なお父さんやお兄さんのようになって欲しくないと
女性として育てられた(一体どんな家庭)
菊池くんがなんともいえずツボ(笑)

字幕を江戸木純が担当していておお!なんて思ってしまいましたが、
脚本も共同で執筆していたんですねー。
もう少しどうにかならなかったのでしょうか(失礼)

しかし、一番訳わからなかったのは
ノーマンかもしれない。
なんせ回りは中国語か日本語だけ。。
どうしてこの役を引き受けたのか。。。謎。。。。

舞台となっている万里の長城が
かなり崩壊しているニュースを聞いた後見たので、
本当に残念。
なんでも、くずして豚小屋の機材にした人もいるとか。。。
むむむ。世界的に知られた建築物で作る豚小屋。。。(涙)




2003年07月15日(火) 「Jam Films」

7人の監督がそれぞれの持ち味を生かして作られた
10分弱の短編が集まった作品。
先日見た「怪談新耳袋」が劇場用に
お金をもうちょいかけて作られた
という感じといったらいけないかな。
(あ。全然この作品はホラーじゃないです)

7人の監督は、名前はぴんとこなくても
作品のタイトルを言われると
あ。見た事ある!と思えるほど
一般にも知れ渡っている監督です。
だからこそ、個性がいかに生かされているかが
ポイント。
みんな似たような短編じゃあ意味がないよね。

ジャンルはばらばらなら、アプローチの仕方も
勿論違いますが、
どの作品も出て来るとにやっとしてしまう
俳優を使っているので、入りやすいです。

といっても、さすがに7編全部好きかというと
これまた個人的趣味に走って
中では
行定勲監督「JUSTICE」と
岩井俊二監督「ARITA」
「HIJIKI」の堤幸彦監督の発想はなかなか好きです。
果たして飛ばしちゃう人いるかな(作品の前に出る注意書きに注目)

「JUSTICE」の妻夫木くんの演技もさることながら
1人授業に入り込んでしまった生徒が個人的にツボ(笑)
確かに変な奴だよなー。

その他、山崎まさよしさんの自然な演技や
筒井康隆さんの。え。筒井さんてこんな感じだったっけ?
なんてちと驚愕の(笑)演技ありで、
なかなかお得な作品。
肩の力を抜いて、見るのがいいですね。



2003年07月09日(水) 「怪談新耳袋」

BSで放映された、1話5分程度の短編怪談話。
なんだかチープな作りを
連想しちゃいそうですが、
意外や意外。
結構短い中に、怖さが凝縮されて
完成度はなかなか高かったです。
BS侮りがたし。
あ。BSじゃないですかね。

5分にこだわる訳じゃないですが、
「リング0」や「富江」の鶴田法男監督や
「呪怨」の清水崇監督など
日本のホラーを支えている
監督が多数参加していて、楽しい(あ。怖い)です。

「新耳袋」シリーズは1巻からゲットしていますが
正直怖いので、一気読みはしません。。
ホラー好きなくせして、怖がり(笑)
なので、映像で見ると
よりリアルに迫って来て、嫌かも。
って好きだけど嫌って矛盾してますが。。

その「新耳袋」の話を集めている木原浩勝さんが
監督を務めた話も不気味でした。
知らずにああいう部屋に住んでいるって
嫌だなあ。。。
我が家のように引越し好きだと
引越さない人より住む確立が高くなりそうで。ぶるぶる。

俳優の佐野史郎さんが監督した作品もあり、
こちらは大森南朋さんが1人登場するだけなのですが
音の使い方が上手いです。

映像じゃなく、漫画でという場合は
伊藤潤二さんの「ミミの怪談」がおすすめです。
暑い夏の夜を涼しく過ごすのは
案外クーラーより、昔ながらの怪談話かも。

ちなみに私はホラー映画等昼しか見ません(笑)
ほんとに好きなんだろうか。。




2003年07月06日(日) 「案山子男」

なんかタイトルからして、チープなB級ホラー
っぽいですが、
まったくその通りです(笑)
(なんせ製作期間もたったの6日)(笑)
でも、製作者の意気込みが感じられて、
見て損をしたって感じがしないところがいいですね。

ストーリーは、もう「キャリー」の男版に
「悪魔の毒々モンスター」的なトロマ社ホラーの
味付けをミックスしたという感じです。

とにかく、いじめっこの主人公が
どう見ても高校生に見えない(笑)
お母さんが出て来るのですが、夫婦?なんて思うほど。
じめじめした雰囲気は出ているのですが。

またいじわるする高校生も女教師も
絵に描いたように、分かりやすい嫌なやつら
って感じで、早く復讐してしまえ!
なんて思うほど(笑)

変身後は案山子男になるのですが、
この案山子かわいくなく(当たり前ですが)
アメリカの案山子って実際どんなの?
なんて思ってしまいました。

さらに変身したとたん、とんでもなく身軽になって
容赦無し!って感じで復讐していきます。
予算の関係上CGなど一切なしということですが(笑)
かえってそれがいい!!
B級らしさは、やっぱこれじゃなくちゃね。

案山子がある、コーン畑の持主が
キングみたいだったのはご愛敬でしょうか。

映像特典で監督のインタビューがあるのですが。。。
エマニュエル・イディエ監督。怪しいです(笑)
あのハイ状態で、ホラーを撮っている。。。
映画本編より、監督の方がよっぽどホラーかも。。。




2003年07月05日(土) 「群青の夜の羽毛布」

山本文緒さんの原作をどうように映画化したのか
楽しみだった一本!
山本さんの小説は、恋愛物でも、一筋縄ではいかず
どちらかというと、痛かったり、辛かったりといった
作品が多いのですが。
中でも、この作品、え。そんな裏があったのかー
で、そういってしまうのかーと
かなり意表をつかれたので。。。

さとるとみつるという一瞬兄弟のような
名前ですが、美人姉妹と厳格な教師の母の3人の
生活に現れた、さとるの恋人鉄男。
鉄男の登場で、さとるが変わっていくのですが。

この家族、正直かなり変わってます。
いあ。かなりどころか絶対!なんて言い切っちゃうかも。
綺麗なお姉さんさとるを恋しても
こんな怖いお母さんがいたらどうかなあ。
自分が男性だったら、引いちゃうかもなあ。

怖い怖いお母さんを藤真理子さんが演じていますが。
無表情で、厳しく突き放す演技が光ってます。
ほんとこれは地じゃないのか
なんて思ってしまうほど。上手い!

逆に美人姉妹のさとる役の本上まなみさんとみつる役の野波真帆さんが
どうも一本調子の演技で(失礼)
演技の差がかなり。。。。。。。気にしない気にしない。

で、怒涛の結末に向かって行きます。。。
おそろしやおそろしや。
ってホラーじゃないって。
あくまで恋愛物だということを忘れずに。。
秘密も隠れてます。

作者山本さんも図書館司書の役で出ているので
チェックして見て下さいね。



2003年07月03日(木) 「トーク・トゥ・ハー」

「オール・アバウト・マイ・マザー」のペドロ・アルモドバル監督
最新作。今まで私の頭にまず浮ぶ監督作品は「アタメ」
(善し悪しは別として)だったんだけど
今日からこの作品に決定!
とにかくオープニングとエンディングのピナ・バウシェの舞台も
良いし、映画全編に張り巡らされている雰囲気が
なんとも言えず、印象的です。

主人公ベニグノと彼が愛し世話をするアリシア。
ベニグノの唯一の友人になるマルコと女性闘牛士リディア。
この4人が軸になっていますが。
アリシアと彼女のバレエの振付師カタリナとの
師弟関係もよい感じだし。
ひとりひとりの関係が丁寧に描かれていて
映画に深みを与えています。

また映画の中の劇場映画「縮みゆく恋人」も
ラング監督作品を彷彿させる画面は
レトロなんだけど、斬新で
「南くんの恋人」を思い出すのは
私だけではないはず。

ベニグノやマルコ演じる男性陣もさることながら
ともに昏睡状態に陥ってしまう
女性ふたりが、魅力的です。
え。ただ寝てるだけじゃないのって思うけれど
それが違うのですよ。
不思議な存在感がひしひしと。
アリシアの美しい裸体は思わず溜息がでてしまいそうでした。
逆にリディアの闘牛士姿は、
女性でもほれぼれするほどかっこいいです。
すらっと伸びた肢体は、羨ましいを通り越して
ただただ羨望の眼差し。

振付師のカタリナ役をジェラルディン・チャップリンが
演じているのを後から知ってびっくり。
「ライムライト」が初出演なんですねー。

私は見る前に、原作本を読んでしまったので失敗。
何の情報もなく見るのをオススメします。
ってすでに上に情報書いてから云ってるし。すみません。

ベニグノって冷静に考えると怪しい??
なんて野暮な事を思わず。
ベニグノの純愛の行方を見守って欲しい。



2003年07月01日(火) 「フレイルティー 妄執」

低予算で、一切残虐シーンなどなく、
12禁になったホラー作品。
と書くと一体どんな映画だろう?と思いますが。
正直想像したほど怖くなかったです。

神の手連続殺人事件という事件の裏にある、
3人家族の日常。

実際各家庭での日常は
端からはよくわからないもの。
どんな事件でも、近所の人が
挨拶もする普通の方に思っていました。
というコメントを聞く度に
実際どんな人だったんだろう?と思う。
そんな雰囲気が、底辺に流れている、
映画の世界でありながら
なんだかこんな家庭があったらと
思わせる不気味さ。

俳優のビル・バクストンが二人の息子の父役
そして脚本、監督をしています。
いや、このお父さん。
いいお父さんから、その顔のまま
とんでもない事を言い出しちゃうのが
なんとも言えません。
実際、自分の父親がそう言ったとしたら。。。嫌だ。。(当然)

二人の兄弟は、結構可愛い^^
でも、役が役だからねー。
いい子はお父さんのいうことを聞きましょう。
って時と場合によるよね。

正直最後のまとめとしては
ああしないで、こうして欲しかった(意味不明)と
自分の中で勝手に
脚色してしまいそうになりました。。。

主演のマシュー・マコノヒーいい声だなあ(唐突)




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