2001年10月29日(月) |
「ベティ・サイズモア」 |
ベティ・サイズモアとは主人公の名前です。 ダイナーで働く主婦の唯一の楽しみが 昼メロの中で医師を演じる俳優を見ること。 そんな彼女が偶然目にした夫の殺害現場。 そこから夢と現実の境を飛び越えて 本来の彼であると思い込み ドラマの中の医師に 会う為の旅に出ますが、 そんな彼女を付け狙うのは夫を殺害した 2人の犯人。果たして彼女の運命は。。。
レニー・ゼルウィガー演じるベティは 本当にぴったりで、とことん ストーカーとなって 医師を追っていく姿は 怖いというよりもユーモラスでした。
全体的にコメディなのか それともそうじゃないのかという 微妙な線もバランスが取れていて ベティの心情に近いような雰囲気で、 飽きさせない展開でした。
しかし、何故犯人のひとりがベティに惚れるかなあ。 心がすっとんじゃったようなセリフは 思わず早送りしちゃいました。。 無理にそう持ってこなくても 良かったのではないかなあ。
ベティが惚れきっている医師役の男性も それほど魅力的と思えないところが。。。 まあほどほどが良いのかな。
ちょい役でありますがベティの友達 ロイがのぞき穴から見ている姿は ココリコの田中にそっくりで 大笑いしてしまいました。 (って一体何を見ているんだ。。)
以前から安倍晴明には興味があり 京都に行くと必ず晴明神社には 寄るのですが 果たして映像はどんな風に仕上がっていますか。
平安時代に存在した陰陽師なる 暦や闇を鎮めるという役目を引き受けている人々。 しかしいかに呪術を扱えるかによって 晴明をライバル視する道尊 二人の争いを軸に描かれている 平安時代の世とは。。。
晴明とともにこの作品に かかせないのが源博雅なる良い男。 いつも研ぎ澄まされたような生活を 送る晴明にとって一番の心の安らぎのような存在。 伊藤英明演じる博雅も 愛嬌があってよかったです。
作者がいちおしの野村萬斎は 見かけと言うよりは声がとっても 心に残りました。 声で演じるということが実際にあると実感です。
さらにまるで歌舞伎のような 真田広之の演技がなかったら 画面が締まらなかったでしょう。
ただ唯一難を言えば、 後半になるにつれて 話がいろいろ詰め込みすぎて ちょっと長すぎるかなと思えてしまったことです。
でも、水干姿が目の前に歩いているのを 見ただけでドキドキしてしまう私は パート2も出来たら行きます。はい。
2001年10月21日(日) |
「スターリングラード」 |
第二次世界大戦でもっとも 熾烈な戦いが繰り広げられていた スターリングラード。 180日にも及ぶ戦いの果てに 100万もの犠牲者を 出してしまったとは。。。
この映画で描かれるのは そのスターリングラードの戦場の中で 一躍ヒーローになる一兵士の 活躍と人間模様です。
どんな役を演じても 決まってしまうジュード・ロウが この映画でもヒーローと 祭り上げられながらも 心の葛藤と戦う兵士の 感情を上手く演じています。
戦争シーンは「プライベートライアン」に 負けず劣らず迫力があり 2時間はあっという間だったのですが、 残念なのは 後半は全体的な戦争というよりは なんだかエド・ハリス演じる敵方のスナイパーとの 一騎打ちで、西部劇的雰囲気になってしまった ことでしょうか。
さらに射撃というよりは 最後は打ち合い。 微妙な戦いが続くのかと思ったので ちょっと拍子抜けでした。
ジュード・ロウ演じるヴァシリ・ザイツェフは 実在の人物で 歴史博物館にその銃が展示されているとのことですが 一体本人はどんな人だったのか。 ネットでも検索したのですが 映画に関することしかヒットせず ほんの少ししか触れられていなかったので ますます興味が涌いたのでした。
ガストン・ルルーの名作「オペラ座の怪人」ですが、 今まで何度も映画化されて いろんな解釈がなされていますが アルジェント監督がどのような 怪人を見せてくれるのか 期待してみたのですが。。。
オペラ座の地下に住む怪人(幽霊)は 歌姫に恋をします。 それと共に、オペラ座内で起こる 怪事件。 人々は幽霊が起こしていると 信じています。 果たして歌姫との恋と事件は どうなってしまうのか。。
歌姫に監督の娘アーシアが扮していますが うむ。ちょっと喜多嶋舞と高木美保を 足して2で割ったような雰囲気(私だけかなそう思うのは) 怪人といえど見かけは全然不気味じゃない 新しい怪人を作り上げています。
しかし、いきなりネズミに育てられることになった 怪人。。うーんねずみ男?? 途中にはまるでディズニーランドのアトラクションのような 乗り物が出てきたり、 かと思うと、正統派ホラーを目指そうとして ちょっと失敗してしまったような雰囲気だったりで、 ほんとに監督どうしちゃったの??と 感じてしまう出来栄えでした。。
1977年の「サスペリア」から約20年後の 1998年作の本作。 あの「サスペリア」の光るような監督の生彩さが かけてしまったようで残念でした。 でも、20年の隔たりを たった一日で見てしまう私がいけないのかもしれない。
この作品も1977年の作品ということで かなり古いですねー。 しかし、まずホラー映画と言われたら 思い浮かべるほどの話題作(名作)。
ニューヨークからドイツの 名門バレエスクールに入学するために 訪れた少女を待ち受けていたのは スクールの謎とそれにからむ 殺人事件だったのです。 果たして少女は無事逃げることができるのか。。。
画面が赤を強調している上に 画像が古いせいか ところどころ見にくかったりしましたが、 いやー古臭いどころか 今見ても斬新な発想には 驚かされました。
特に音響効果は抜群で、 ほんとに不気味です。
バレエスクールというわりには バレエの場面はほんの少ししか出てきません(笑) でも、独特なスクールの建物は インパクトがあり、凝っています。 あの配色といい。 家具や調度品もなんだか 高級というより、チープのような。 しかし、一度見たら忘れないような 奇抜さ。
主演のジェシカ・ハーバーは 目がとっても大きいので、 驚く姿はさらに目が強調されて その方が怖いかも。
ああほんと夜見なくて良かった。
「レザ・ボア・ドックス」ですっかり ティム・ロスファンになり 見ていない作品を見ようということで 本日借りてきたのがこの作品。
娼婦惨殺事件の犯人と思われる ティム・ロス扮するIQが非常に高く お金持ちの男性を嘘発見機にかけて 取り調べる2人の刑事。 2人の刑事を翻弄し みごと逃げ切ることができるのか。。
舞台はほとんど取り調べ室の中で 娼婦が出てくる場面や 刑事の家庭での問題シーン等 若干違う場所が出てくる程度で お金がかかっているハリウッド映画という イメージとはかけ離れています。 そうなると脚本が勝負! なのですが いくつかの伏線とどんでん返しで 退屈はしないです。
しかし、なんか後味は うむむ。という感じでした。
惨殺される娼婦役に 「ブリジット・ジョーンズの日記」が はまり役といわれている レネー・セルウィガーが演じています。 のらりくらりとした演技が まるで地??と思えるほど 合っていました。
しかし、どんな映画でも すっかりはまってしまう ティム・ロスの演技力は すごいなあ。
2001年10月17日(水) |
「グリーンフィンガーズ」 |
このところ、アメリカ映画の次に 注目している 韓国映画・タイ映画、そしてこの作品のイギリス映画。 ハリウッドと違う魅力がそれぞれあって なかなか掘り出し物の作品も 多々あるのですが、 この作品も上映中は知らなかったのですが 本日ビデオで鑑賞して しっかりイギリス映画の一覧にインプットしました。
イギリスにある塀すらない更生刑務所に入った 主人公が命ぜられたのは 所内のガーデニングでした。 共に作業する囚人に囲まれて 段々ガーデニングのセンスが目覚めていきます。 そして舞い込んだコンテストの招待状。 それはイギリス女王陛下も鑑賞する 「ハンプトン・コート・パレス・フラワーショウ」 だったのです。 果たしてメダル入選を果たすことができるのか。。。
実話ということで ごつい容姿の囚人が、熱心に花々を植えている姿は ユーモラスですらありましたが、 内容は笑えるというよりは 自分の殻に閉じこもっていた囚人が ガーデニングによって人生に前向きに生きることが 出来るようになったという。 ポジティブシンキング的内容でした。
特に終身刑で入っている老人が印象的でした。 また囚人のひとりは「スナッチ」で ゴージャス・ジョージを演じていた俳優とは 最初気がつきませんでした。
天才庭師(グリーンフィンガー)の才能が あることをきっかけに目覚めるなら 私にもその才能が眠っているかもしれない。 と植木すら枯らしてしまうのでは 問題外ですね。
やはりこの手の映画は もっともうるうる来てしまう ジャンルということに自分で決定。 見るときはひとりで 見ると堅く決意したのでした。
子供の頃の事故が原因で 目と口にハンディキャップをおった 主人公のオニオンは、 明るい生活で暮らしている病院の人気者でした。 彼が密かに思いを寄せるのは 看護婦のオータム。 しかし、思いを告げるまもなく オニオンは事故で他界。 しかし、5日間だけ この世に戻ることが許されますが 相手には自分ということが分からず そのことを言えない状態。 果たして彼女に思いを伝えられるのでしょうか。。
雰囲気としては「ゴースト」やちょっと 「東京上空いらっしゃいませ」を連想しましたが 最初はわりとギャグっぽいのかと思うと いきなりトーンが変わってびっくり。
相手を思いやる気持ちを思うと 思わずうるうるきてしまいました。
しかし、盛り上げるシーンというのは分かるのですが あの音楽の使い方はちょっとなあ。。 思わず物語の世界から現実に引き戻される気分でした。
主演のオニオンは台湾の有名歌手ということで 挿入歌も歌っています。 オータム演じるセシリア・チャンは かわいくて、看護婦さんの役がぴったりでした。
この作品とともに借りようか悩んだ 「東京攻略」も監督が同じセシリアも出演というので 知らなかったので驚きました。
昨日に引き続きダリオ・アルジェント監督作品。 本日雨のせいもあり 自宅でひとりアルジェント映画祭状態でした。
「サスペリア」で初めて監督を知った私ですが この作品2と銘うっていますが 実は製作も「サスペリア」より2年も前の 1975年製作。 勿論内容もまったく関連がありません。 ホラーというよりも残虐風味を 味付けしたサスペンス映画でした。
テレパシーを持つ女性が見た 殺人の風景。彼女はそのことにより 殺害されてしまうのですが その現場を偶然見てしまった男性の 追跡とさらなる殺人。 果たして犯人は。。。
ただ怖がらせるというだけでなく 結構コミカルなシーンもあり 特におもちゃのような車での 外出はなんだかおかしかったです。
主演女優は監督の妻となった女性と 後から知りびっくり。 また画面の雰囲気を エドワード・ホッパーの「夜更かしの人々」から ヒントを得ているというのも 印象的でした。 というのも、先日その絵の話をしていた ばかりだったので、おお監督も! なんて身近に(おいおい)感じたのでした。
どうも残虐なシーンがクローズアップされて しまうのはしょうがないですが ただそれだけではない 魅力がたくさんあるので 他の作品も見たいのですが この作品も26年前。。 さすがにレンタルビデオ店では それほどおいてなく残念。
しかし、以前ビデオで見たときも からくり人形が不気味だったのですが 今回見ても不気味でした。 ビデオのパッケージにまで登場してましたが 監督のお気に入りなのでしょうか。
1984年製作ということで 17年前の作品になるんですねー。 とにかく気持ち悪い映画 というイメージでしたが 実際気持ち悪い映画でした(笑)が 想像したよりはマイルドでした。
有名俳優の娘である主人公が 転校してきた学校では 近所で連続殺人事件が起こり、 その魔の手が少女にも 近づいてきますが。。。
ジェニファー・コネリー演じる主人公の 少女は、虫たちと交信できるという 不思議な力の持ち主。 少女が危険な目にあうと 何万という虫が あっという間に集まってくるのが 不気味だけど爽快(って危ないなあ)
実際犯人への推理云々というよりも 主人公がこれでもかこれでもかと いじめられる物語状態。 しかも、かの有名な プールシーンは、ほんとに吹き替えなし?? なんて思うほどグロです。
賢いチンパンジーも登場の 20年近く昔の作品でありながら 斬新さと音楽の使いかた カメラワークと さすがアルジェントと 再認識させれる作品です。
まあ一般的には受けないかもしれない。。 後味悪いしね。。 特にほっとしてまたですか!と 思わせる演出は正統派ホラーといいますか。 今見ても十分驚かされる作品でありました。
2001年10月08日(月) |
「死びとの恋わずらい」 |
発表する作品が、映画化される率が とっても高いと思われる ホラー漫画家伊藤潤二さんの 作品を映画化した本作。 以前から伊藤漫画ファンの私は とりあえず映画化しても 見てみようと思っているので 今回もビデオになってすぐ借りてきました。
辻占という辻に顔を隠して立ち 最初に通りかかった人に 悩みを相談。その答えが本当に なると信じる占いが流行る町。 その占いをすることによって 出会う美少年を見たことから 女子高生達を暗黒の世界に いざなうのですが。。
原作では、辻占によって 起こったエピソードがいろいろ 描かれていて それがかなり怖いのですが 映画の中では 原作のモチーフを若干使っているものの まったく別の形の作品になっていました。
美少年役は最初及川光博はどうかという 案があったらしいのですが 年齢的に17歳は無理なので 松田龍平になったそうですが、 松田くん、個性的な雰囲気は漂うのですが やはり美少年という雰囲気ではないので なんだか違和感が。。
原作の持つ不気味な怖さはなく、 青春映画をちょっと怖い味付けをしたという 感じでした。 ひとつお風呂場のしみの 場面は不気味でした。
原作に出てくる全身刺青女性が 映画にもっと出てくるかと思っていたので あまり出てこずがっかり。 しかし、あの原作のイメージを 超える映像は本当に難しそうです。 ホラー嫌いでない方は是非原作を 読んで見られることお勧めします。
アメリカの製薬会社に勤める主人公一家は 仕事もかねてアムステルダムへ 観光にきますが、ふとしたことから 娘が迷子に。 口の聞けない彼女が迷っているうちに 偶然殺人現場を目撃。 犯人に気づかれ、必死に逃げますが。。
と内容だけ読むとかなりシリアスなドラマが 展開されそうですが、 実際見るとわりとハラハラという 感じじゃないです。
というのも、殺人犯がこれが また大雑把というか なんせ街中でピストルは発砲しまくるわ、 高級ホテルで物は壊すわで ひとりの目撃者を追いつめるために 何の関係のない人まで殺しちゃう(笑)
また10歳の口の聞けない少女が とっても機転が利いて 大人顔負けで、 子供版ダイハードとキャッチコピーも 納得の活躍。
でも、なんかほのぼのしているから 許しちゃおうか なんて感じです。
一瞬追いかけてくる殺人犯が コーヒーのCMの布袋さんに見えてしまった(笑)
少女の母親役のジェニファー・ティリは 以前「コード」のきれた演技がとっても印象的だったので 奥様役がちょっとピンとこなかったのですが どうも気になる女優です。 路線は違うけれど、デル・トロと 同じ目が離せない雰囲気があって 気になってしまいました。
それにしても、家族が会おうと思っていた人物と 殺人犯との関係がとっても近くって アムステルダムの人口って何人?? なんてつまらないチェックを入れてしまったのは 言うまでもないですね。
昨日の「スナッチ」に引き続き またまたベネチオ・ベル・トロ主演の映画と なりました。 実は「トラフィック」を見るまで まったく印象になかったのですが 「ユージュアル・サスペクツ」 にも出ていたんですね。 どうもケビン・スペイシーばかりが 印象に残っていたので。 で、今回の作品も同じ「ユージュアル・サスペクツ」の 脚本家が書いています。
その日暮らしのロングボーとパーカーは、 大富豪の夫妻が出産を依頼した代理母を誘拐、 1500万ドルの身代金を要求する計画を立て、 上手く身重の代理母を拉致したまでは良かったけれど 依頼した夫妻が実は裏社会の顔役であることを 2人は気付いていなかった。 果たして2人は首尾よく身代金を受け取ることが できるのか。。。
その日暮らしの2人対裏社会の顔役。 これはどう見ても2人の完敗と 思いきや なかなか派手に対抗しています。
冒頭場面では、なんだ弱いじゃない なんて感じで登場ですが もうそれ以後は飛ばしていきます。 ハンパじゃないです。
代理母を演じるジュリエット・ルイスが トム・ハンクスに似ている なんて隣で言われたので ちょっと困りました(笑)が 男性陣に負けないくせの強さで したたかな女性を 演じていました。
ベネチオ・デル・トロが出ていると 映画の雰囲気が なんだか不思議な魅力に満ちて くるような気がするのは 何故なのでしょうか。。 (「ユージュアル・サスペクツ」では 気がつかなかったくせに。。)
また主演映画を見てみたい くせになってしまう魅力がありますねー。
あ。映画本編より主演の方の 感想に力が入っているような。
上映中ポスターを見た時は 「ファイトクラブ」のような雰囲気の ブラピの映画なんてイメージを 勝手に抱いていましたが いつものことながら 全然違っていました。 いや。思い込みだけではないつもりですが 結局思い込んでいる。。。
ベルギーの宝石業者からダイヤを奪った3人は ダイヤをボスに届けようとするけれど 後から後から起こる災難。 一方非合法ボクシングのプロモーターが からみ事態はますます昏迷を深めるが。。。
最初登場人物が入り組んでいて 内容がすぐ把握できず (これって理解力が足りないせいかも。。) ちょっととっつきにくい 感じがしたのですが 徐々に映画のもつテンポのよさに 引き込まれてしまいました。
ちょっと雰囲気が「レザボアドックス」 (個人的に好きなんです。あのティム・ロスは 本当に良かった♪)に似ていると思っていたら、 タランティーノ監督と 比較されることが多い監督だったとは。
ブラピが主人公ではなかったので かえって迫力があったのでは なんて思ってしまいました。 あ。ブラピが嫌いなわけではないのですが すきでもないのです。うん。
「トラフィック」のベネチオ・ベル・トロも え。もう出番ないの??というぐらい 少しで驚きましたが、何度見ても インパクトがある俳優ですねー。
あとお気に入りは、なんでも食べてしまう 犬(笑)。飼い主にも噛み付いちゃう 頭の悪さもご愛敬(というのかなあ)でした。
女優に奥様のマドンナを使わなくて 良かったなんて思いましたが。 ガイ・リッチー監督 今後も勢いのある作品を撮られることを 期待しています。
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