「刻々」
以前、起こったこともこれから起こる事も私の身に降りかかるもの全てがまるで霧を晴らすかのように世界を切り開いてゆく。瞬きは止め処なく微笑みは絶え間なく鼓動は早く歩みは止まらずまた今日も無事に家に帰る。
「ネジ」
土の匂いと優しさの気配。たくさんのネジの中からちゃんとピッタリ合うものを探し当てたよ。君に出来ないこともひょっとしたら僕にはできるかも。
「霧の眠り」
君を叫ぶ。雨の匂いがした。霧が世界を閉じ込めて僕は丸くなって眠る。深く深く眠る。
「それは隔絶された世界」
勢いよく閉じられたドアはその理由がなんであろうと私を悲しくさせる。音もなく固まった空気に開くことのできない扉の名をそっと呟くしかないんだ。
「愛しさの側」
たまたま偶然だけど僕は愛しさの側で生きている。
「あやふやな一歩前」
晴れと雨の境界線。崖っぷちと谷底。一歩前の足跡。午後12時。昨日と今日。僕と君。君と僕。
「系譜」
目に見えないほど小さなものがそれを形作りついには全く目に見えないものをも生み出した。それでもまだ歩き続ける。受け継いだものを伝えるために胸一杯に息を吸い込んで。
「この世の法則」
この世は混沌としている。と、人は言うけれどそれは結果論であって少なくとも私を突き動かしていてもたってもいられなくするものはそれよりももっとシンプルなもっと確かな何かで成り立っていると思う。