short story


2005年05月28日(土)


「前進スクラム」


僕らはいつも
息を切らしながら
生きていたけど
なんだかとても幸せだったんだ。

明日にはさよなら。


2005年05月26日(木)


「大人遊戯」


雲が白くて
風が暖かい。
薄っぺらかった山が
逞しくなる頃
遠くで草刈機の音がする。

僕は君と過ごす日を
一日だって
無駄にはしない。


野球帽の中に
たくさんのタンポポを摘んでいこう。

石を蹴飛ばしながら
堤防を駆けていこう。

日が沈むまで遊んだら
水浴びをしよう。

今日あった出来事を話しながら
裸足のまま眠ろう。

呼んでいるよ。
ねぇ。次は何処へ行こう。


2005年05月24日(火)


「想いハセル」


純白の一稜線。
透ける海底の街。

飛び出せば無音で
入り込めば留まらない。
距離は時間の流れさえ変えるけど
縮める方法はあると
あの時、気がついた。

私が影を落とす場所に
あの人はいるでしょうか。


2005年05月17日(火)


「装いに愛」


美味しいとこ取りで愛すつもりはない。
ということを
私なりの言葉で告げたけど
あの人には伝わっただろうか。

そんなに対したことではないし
ともすれば聞き逃してしまう
些細な会話だったけど
私にとっては
ちょっとした告白だったんだ。


2005年05月16日(月)


「自由なる決断」





風に吹かれて
跡形もなく。
それは自由の中にあってこそ
価値を持つ決断。

潔く、純粋に
なにとも替えがたい。
そう思えればいい。

ましてやそれは
あなたにとって
とても大事なことだから
僕は他に
なにもいらないんだ。



2005年05月10日(火)


「優しい安眠」


-今夜は安らかに眠りたいです-

そう言われて
私は膝を正し
ゆっくりと慎重に
時間をかけて考えた。

あなたが望む事の
核心を突きたかった。

そして色々考えて
夜も更けて
あなたがウトウトし始めた頃
あなたの頬を軽くつねってから
眠ることにした。

あなたは小さく笑ったので
成功したのだと思っています。


2005年05月07日(土)


「夕暮れの空気」


明日の予定も気にせずに
夕暮れをあなたと歩く。

私の視線の先を
あなたが何気なく気にして
あなたの行く先を
私が静かに追いかける。

本当に些細なことだけど
こうやって
これまで私が培ってきたものが
徐々に変わっていく様を
ちょっと懐かしみながら
あなたと語り合えればいい。

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日記才人