short story


2005年04月25日(月)


「映写」


変化し続けて
再現しないものを
伝えるために
私は表現し続ける。

それは
点と点を繋げ
線になり
絡み合って
いつか途切れても
私が生きているということを
遠慮がちに宣言するのだ。


2005年04月19日(火)


「表裏一体」


あの人の持つ選択肢を
私は受け入れる。

分かれ道に差し掛かった時
幸せであるために選ぶなら
私はその選択を
いつだって祝福するでしょう。
そうやって歩いてゆくあの人を
心から愛している。

だからその選択肢の中に
「私の側ではないところで生きる。」
という道が含まれることも
私はちゃんと
受け入れなければならない。


2005年04月15日(金)


「塵」


全ての事には
理由がある。

君がなにかを言いかけて
やめたことにも。


2005年04月11日(月)


「夕凪」


あの人の声がして
振り向いた。
熱を持った風が凪いだ。

それは多分、
あの時
あの場所で
僕にしか
見つけられなかったものだ。

それにしたって
なんだってこんなにも悲しく
なんだってこんなにも強く
なんだってこんなにも。


2005年04月07日(木)


「日課」


思いがけず
向こう岸へと渡ってしまえば
あちらからでは見えなかったものがあった。

こんなに素晴らしいものが
この世にあるなんて
僕はまるで知らなかった。
世界が一変する出来事だった。

それからというもの
それがどれほどすごい事かを
話して聞かせることが
僕の日課になったけど

とても素晴らしいことなので
話終えるのはまだずっと
先のこと。


2005年04月04日(月)


「片側の時間」


透明な力。
何にでもある代償。

終わってから分かる事もあるし
そうでない事もある。

そこに自信が
あるかないかの違いだけ。


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日記才人