short story


2002年08月21日(水)


「木の下で」


枝の向こうに
雲の輪郭が見えたら
この木の下で
いつまでも君を待つ。

開放するということは大事ですよ。
僕はそういう生き方がしたい。

何かに追われて
僕の元に来るより
できれば笑いながら
歩いてきて欲しい。

そうすれば僕も
笑って迎えられるでしょう。

君を待っている。
ここで待っているよ。


2002年08月09日(金)


「賽」


余分なところがなければ
私の体には
掠りもしなかった。

殊更に邪魔という訳ではない無意味さは
思い立つことさえなければ
捨てる理由も見つからず
いつしか
私の一部となって
時と共に価値付けられる。

凶か吉かに。


2002年08月05日(月)


「空蝉」



耳を打つ。
静けさに映える。
声を掻き消す。
限りある。
儚げな。

日差しが照りつける。

一瞬という
その中にある
私たちの存在。

結論を急ぐべきではない
そういう時もある。

 < past  INDEX  will >
日記才人