「そこから」
思考の灯火。生命の回路。数え切れない明滅は反動を持たない激しい移り行きで僕のある世界さえもまるで違うものへと変えてゆく。誰かの傍にいて昨日から今日までの途中でまた始まる。
「視線の隅」
視線の置き場のその隅の方からあの人の背中へと続く退屈の伏線。眉をしかめて次の知らせを待っている僕とあの人の近付けない距離。
「刃」
刃の先鋭く尖って細く薄い。深いところまで押し広げるように埋めてゆくそういう概念。それは痛く悲しいほど甘美である。