short story


2002年02月26日(火)


「色。音。あなた。」


雲が次第に
雪色から溶けて
代わりに雨音が聞こえたら
会いに来て。

あなたのその脆くて
ひんやりしたところに
手を当てることができるのは
私だけ。

いいよ。
休みにおいで。


2002年02月18日(月)


「巡る蝋燭の灯かり」



流れ水に熱を奪われて
指先は驚くほど冷たい。

無形のものでさえも
いつかは巡って
他の誰かへと伝わるのでしょうか。

だとしたら
今、私の中にあるものはどこから。

蝋燭から伝わるものは
熱だけではないのですね。


2002年02月13日(水)


「覚悟と傍観」


行くべき道を
幾通りも思い浮かべて
予測不可能な未来に
狙いを定めて突き出す。

手元を離れてしまえば
もう届かないから
見ているしかない。なんて
冷めた目で言うあの人は
諦らめているのか
達観しているのか
僕には判断できないけど
少なくとも
道へと突き出す瞬間の
あの追い込まれるような覚悟は
誰にだって
平等なんだと思う。


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日記才人