「粉雪のよう」
階段の踊り場の切れかけの蛍光燈で薄暗く照らされる君の後ろ姿を追う。声のみを響かせて吐息になって消えるような朝方の気配に僕は待つことができない。それは君にだって分かっているはずだ。外は粉雪が舞う。
「天蓋から落つ」
遥か遠い天蓋からひらひら舞い落ちた雪は頬で融けて空の色は霞む。雪を受けるためにこの枝はあるのではないのです。と言いながら私はもう長いことこうしています。実は嫌いじゃないんだ。こういう感触。